ARISA/安藤なつみ

『ARISA』（アリサ）は、安藤なつみによる日本の漫画作品。『なかよし』（講談社）にて2009年2月号から連載中。 絵柄が前作の『キッチンのお姫さま』とは大幅に変わっている。

あらすじ

小学5年生の時に、両親の離婚によって引き裂かれてしまった双子の姉妹、上原つばさと園田ありさ。3年ぶりに再会した2人は、1日だけ入れ替わって生活をしてみた。つばさはありさとしての生活を満喫するが、其の感想をありさに伝えると、ありさは飛び降り自殺を図ってしまう。幸い一命は取り留められたものの、意識不明に陥っていた。自殺未遂を為る直前にありさが口にした「秘密」とは？　ありさを救い出す為、つばさの秘密の戦いが始まる。

登場人物

園田 ありさ（そのだ ありさ）

つばさの双子の妹。身長160cm。つばさとは中身は正反対だが見た目はそっくり。姫椿中学校に通っていた。成績が優秀なだけでなく、人望も厚い学級委員長だったが、なにか言いたげなままマンションの上から飛び降り自殺を図った。一命を取り留めたものの、植物人間状態にある。「王様タイム」を始めた当時の王様だった。

宇田川　健（うたがわ　たける）

つばさの友達。つばさのよき理解者だが、ありさのことを気に入っている。

山下 緑（やました みどり）

ありさの交際相手。弓道部に入って居り、其の腕はなかなかのもの。五人の勇者の一人。

玖堂 レイ（くどう レイ）

2-Bに来た転校生。小さい頃に心臓手術を受けており、傷跡も残っている。本人曰く、永く生きられない。五人の勇者の一人で、唯一静華に携帯電話を奪われていない。もしかしたら、王様・・・。

王様タイムの犠牲者

上原 つばさ（うえはら つばさ）

本作の主人公。鬼兜東中学校に通う、頭に血が上りやすく手が早い少女。ありさの双子の姉。身長160cm。「東中の鬼姫」というあだ名を付けられてしまうほどの凶暴。だが実際は所謂「非行少女」ではなく人一倍の正義感を持っており、ゴミのポイ捨てなどを注意する際につい手が出てしまうので凶暴と見られてしまうだけである。が、目的の為なら犯罪も犯す矛盾を持つ。妹のありさとは、クラスメイトや担任が、すり替わっていると気付かないほどそっくり（ただし現在のつばさは髪を金髪に染めている）。ありさを大事にしており、それ故に「本当のありさ」を知らず守ってあげられなかったことを激しく後悔している。転落事故からずっと眠り続けているありさを救うべく、現在は「園田ありさ」として姫椿中学に通っている。毬子に薬で眠らされ、プールに落ちた際に真鍋に正体を知られてしまうが、すべての事情を話した後、真鍋のパスワードの8001を貰い、共に王様を倒すことを誓う。

静華の「園田ありさの大事なものを奪ってください」という願いで王様に襲われた。

高木 毬子（たかぎ まりこ）

ありさの親友。王様を妄信していた。小学生の頃は、クラスメイトに「いてもいなくても同じ」と言われた位、目立たない性格だった。親友になってくれた「自分だけのありさ」が（つばさと入れ替わった為に）居無くなってしまったのに、内心傷付いていた。「本当のありさ」を取り戻す為、王様の言いなりになったものの、「園田ありさを消してください」という願いを出した為に王様に見限られ、クラスメイト達から虐められる。転校直前にありさに王様は五人の勇者の中に居ると伝えた。

真鍋 明良（まなべ あきら）

ありさの通う、椿姫中の不良児。ありさが親身に世話を焼いたため、学校に来るようになった。ありさに少し好意を寄せる雰囲気がある。

家はかなり狭く、一人暮らしの可能性がある。部屋の壁にはクラスメイトの写真がたくさん貼られていて、ありさが写っているものもかなり多い。

つばさは、ありさが受け取ったカードと同じ物が彼の家から見つかったため、「真鍋が『王様』だ」と確信していたが、本人は逆に「ありさが『王様』だ」と思っていた。プールに落ちたつばさを救出した際にその正体を知るが、事情を聞いた後に味方になった。「王様」に選ばれた五人の勇者の一人だが、つばさの携帯電話の中のプログラムを書き換え、パスワードをつばさに託した。

玖堂の「今、他の王様の携帯を持っている人を消して下さい」という願いから静華を守る為、静華の持って居た携帯電話を全て奪取して離れる。携帯電話の処分に悩んでいたところを王様に襲われ、頭部損傷という結果を迎える。

轟先生（とどろきせんせい）

本編で最初に出た犠牲者。体育顧問。女子生徒に覗きやセクハラなどの手を出す変態教師。其の態度から生徒達に恨まれ、王様タイムに「轟先生を消して下さい」と願いを出され、王様によって消された。

中川 詩織（なかがわ しおり）

ありさのクラスメイト。王様に疑問を感じるような事を言ったために裏切り者とされて王様にカードを贈られた。

成瀬先生（なるせせんせい）

ありさのクラスの担任。眼鏡をかけて居る。「体育祭を中止にしてください」という願望成就の為、王様に攻撃された。

望月静華（もちづき しずか）

王様タイムの最初にして最近の犠牲者。真鍋の幼馴染みの黒髪の美少女。真鍋のことを明良と呼ぶ等、基本的に名前を呼び捨てる。

幼少時に両親を亡くし、遠戚に引き取られる。其の頃から養子という立場にコンプレックスを抱き続け、せめて良い子であろうと努力し続けて来た。しかし中学生になった時から、テストの順位で常にありさに負け続け、自己嫌悪が酷くなる。どれだけ努力をしても順位が逆に落ちて行く為に、ありさを逆恨みする。そして幼少時に真鍋とかわした約束を悪用して、自身のカンニング目的でありさのノートをコピーさせたり、ありさに濡れ衣を着せようとさせたりと、徐々に性格が壊れて行く。そんな時、真鍋を過信して王様を馬鹿にする発言をした為、裏切り者のカードを贈られ、クラスメイトから虐められる。性格が壊れて真鍋に見捨てられたのも重なって追詰められ、校舎の屋上から飛び降り自殺を図る。結果は足を犠牲にしたものの、生存。最悪な現状から、真鍋を責め続け、ありさを更に憎む様になる。ありさへの復讐を願う姿が王様の目に留まり、犠牲者でありながら五人の勇者の一人に抜擢された。真鍋を利用して勇者の携帯電話を三台集め、己の願いが75%の確率で叶う状況をつくり出す。復讐の為の願いを次々と叶えて貰う。其の頃、つばさが真鍋の家に不法侵入したのをきっかけに、彼女と出会い、彼女の性格に惹かれ友達となる。だがつばさがありさの双子の姉であること、ありさに成り済ましていたことを秘密にされて居たのを王様に暴露されて怒り、絶交の印として「園田ありさをこの世から消して下さい」という願いを出す。が、何故か叶わず王様から捨てられた。

書誌情報

安藤なつみ 『ARISA』 講談社〈講談社コミックスなかよし〉、既刊5巻（2010年10月現在）

1. 2009年4月28日発売講談社コミックプラス（2010年6月12日閲覧）、ISBN 978-4-06-364218-6
2. 2009年9月4日発売、ISBN 978-4-06-364234-6
3. 2009年12月25日発売、ISBN 978-4-06-364246-9
4. 2010年4月30日発売、ISBN 978-4-06-364264-3
5. 2010年9月6日発売、ISBN 978-4-06-364277-3

脚注

ca:Arisa