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B'TX/車田正美

共有

著者: 車田正美
巻数: 8巻

車田正美の新刊
B'TXの新刊

最新刊『B'TX v.8


出版社: 集英社
シリーズ: HMB


B'TXの既刊

名前発売年月
B'TX v.1 2002-09
B'TX v.2 2002-09
B'TX v.3 2002-10
B'TX v.4 2002-10
B'TX v.5 2002-11
B'TX v.6 2002-11
B'TX v.7 2002-12
B'TX v.8 2002-12

B'T-X』(ビート・エックス)は、車田正美の漫画作品。角川書店の少年向け漫画雑誌『月刊少年エース』に連載された。また、それを原作としたテレビアニメ。全16巻、文庫版全8巻。尚、タイトル及び本編中の台詞中では"T"の字は他の字より一回り小さくなっているそのサイズは小文字程度の大きさであり、下付文字では表示出来ない。従って、本文中では"T"の字はそのまま他の字と同一の大きさになっている。

あらすじ

21世紀初期、北京での機械万国博の会議の最中、悪の組織『機械皇国』に攫われた兄の高宮鋼太郎を救い出すために、弟である高宮鉄兵が、途中で知り合ったロボットの「B'T」のエックスや他の四霊将と共に、鋼太郎救出、そして世界征服の阻止のために皇国と闘うストーリー。

登場人物

B'Tの名称のカッコ内はモチーフとなった伝説上の動物などを示す

高宮兄弟

高宮鉄兵(声:檜山修之/少年時代は亀井芳子)
主人公。かなりの熱血漢で、戦闘を通じ当初は敵であった鳳らをも感化させる。両親はなく、北海道の孤島「神居(カムイ)島」(本作中では隕石の落ちた後に出来たと設定されている架空の島)に1人で暮らしていたが、皇国から脱走した華蓮を救い彼女に師事したことをきっかけに大きく運命が変わる。皇国に拉致された兄を救うために戦う。
武器は右手につけた「メサイヤフィスト」という手甲。華蓮が製作した物で、鬼瓦のようなフォルムで握力やパンチを強化し、鋼鉄でもぶちぬく。他にもコンパス機能や指と甲の間から4本のワイヤーが出て、相手にからみついたり、敵の武器を砕いたりする。エックスの五色の燐光と、鉄兵の太陽のかけらの輝きがひとつになったときにはメサイヤの形を取った光の拳『シャイニングナックル』を放つ。アニメ版の設定で実はラファエロの細胞からできている。
「兄ちゃんほど頭は良くない」と自称するものの神居島の彼の部屋にはハイテク機器が揃い、華蓮の教えをマスターできるだけあって頭は悪くはない模様。万国博の女性スタッフにセクハラをしてビンタを食らうなどスケベな一面もある。最後はエックスに自らの命と引き換えに救われ、神居島へ兄とともに帰還した。
エックス(麒麟、声:堀川仁)
元は華蓮を、後に鉄兵をドナーとしている。オス。
華蓮の脱走時の戦闘で傷つき、皇国のスクラップ場に落ちて眠りについていたところを鉄兵の血で復活する。(鉄兵はかつて、華蓮から輸血を受けていたため)
当初は自分の真のドナーである華蓮を求め、鉄兵に反発するも、以後彼と行動を共にする。鉄兵とはやがて熱い友情で結ばれ、最後は自分の生命と引き換えに高宮兄弟を救う。
必殺技は全身から放つ『五色の燐光』。並みの敵ならこれだけで光にとけるようにして消滅してしまう。(死神戦のときには声帯を操作してジュテームほどではないがソニック攻撃を放った)
他のB'Tのほとんどがドナーに敬語を使うが、彼は華蓮にも鉄兵にもタメ口である。ただしアニメ版の回想シーンでは華蓮に対して敬語を使っている。
高宮鋼太郎(声:佐々木望)
鉄兵の兄。若くして天才的な科学者で、外国留学のため鉄兵と長らく離れ離れに暮らしていたが、数年ぶりの弟との再会の直後機械皇国に拉致される。
皇国に与することを拒否したためアンダーヘルに落とされるが、逆境においても弟を信じ続け、自らもラファエロの真実を解く理論の構築を続けた。

四霊将

華蓮(声:緒方恵美)
エックスの元のドナー。元は戦災孤児であったが、皇国に引き取られ幹部養成の教育を少女時代から受けて来た。5年前にラファエロが起こした事件をきっかけに機械皇国に疑問を抱き脱走、追っ手として差し向けられたメタルフェイスとの戦闘で鉄平の住んでいた島に不時着し、彼に助けられる。その際鉄平の中に輝きを見出し、そのまま彼の元に住み着き師匠となり、戦闘術や機械工学を教え込む。三節棍様の武器『トリプル・ロッド』を操り、皇国の下級兵士なら数人まとめて一撃で葬るほど戦闘力も強く、独力でB'Tを作成する技術力を持つ。
作品開始当初はそのまま神居島に留まっていたようだが、その間にシャドーエックスを作成し、ラファエロを倒すことのできる光を探し続けていた。作品終盤ではシャドーエックスに搭乗し戦闘に参加。
鳳に想いを寄せていたらしいが、作中では特に進展することもなかった。最後は生死不明。
シャドーエックス(黒い麒麟、声:篠原恵美)
エックスと同じ形状だが、全身が黒でカラーリングが異なる。不十分な神居島の設備で華蓮が作成したため、当初は制御不能にあったが、北斗とマックスによって安定する。俊敏な動きで相手を撹乱する。メス。エックスを「おにいちゃん」と呼ぶ。
鳳・ラフィーネ(声:一条和矢/少年時代は平松晶子)
皇国の片隅の教会を模した建物に多数の子供たち(彼等もまた皇国に引き取られた戦災孤児である)と過ごし、聖書を語って聞かせている。またバイオリンをよく奏でており、音波による攻撃をジュテームと共同で行う。
元は空襲(実は機械皇国の仕業だったが彼は長年気づいていなかった)で故郷を失った戦災孤児だった。5年前の華蓮の脱走時には彼女をわざと見逃したとも思える行動を取っていた。鉄兵と戦って勝利したものの、彼の中に輝きを見出し、命を救う。そのことにより皇国側から裏切り者として追っ手を差し向けられる。
実は神を信じているわけではないのだが、リリーの死にまつわる後悔からあえて神の教えを説き続けている。
額のビンディーはかつてリリーに貰ったものである。最後は生死不明。
ジュテーム(鳳凰、声:百々麻子)
ドナーは鳳。メス。気位が高いが鳳には忠実。その声帯や翼から音波を発生させて攻撃を行う。得意技はB'Tの聴覚にだけ凄まじい刺激を与えて電子頭脳を破壊する『デッドリー・キャロル』。
ロン(声:藤原啓治)
幼少の頃は孤児で、略奪をしながら暮らしていたがアラミスの誘いで皇国の一員となっていた。
当初は裏切り者とみなされた鳳を討伐しに出撃してきたが、自身もやがて皇国に疑問を抱き反旗を翻すこととなり、ミーシャの怒りを買い皇国の大深度地下の牢獄「アンダーヘル」に落とされるが自力で脱出し最後の闘いに臨む。最後は生死不明。
雷童(応龍、声:水野龍司)
ドナーはロン。オス。ミーシャの怒りを買いアンダーヘルに落とされたロンを独力で助けに来る。口から放つ電撃『サンダーキャノン』が武器。
北斗(声:佐久田修)
機械皇国のドクターで人間の治療も機械の修理にも優れる。大破したエックスを修理しより機能を強化した。
少年時代に故郷が核爆弾の攻撃(これも機械皇国の仕業であったが長らく彼自身も知ることはなかった)にあい、彼自身はたまたま地下室にいたため助かったものの故郷は壊滅し家族も失った。またその被曝の影響で放射線障害による白血病を抱えており吐血することもある。唯一血を分けた存在となったマックスとの絆を大事にしており、治療により自身の血が変化してしまってマックスとの絆が失われるのを恐れ根本的な治療はしていない。
かつて華蓮の脱走直前に、ラファエロの細胞を彼女から託されており、それをキッカケに彼も皇国に疑問が生じ、鉄平に助力した。最後は生死不明。
マックス(霊亀、声:高島雅羅)
ドナーは北斗。メス。
巨大なB'tで、内部に広いコクピットを持ち人が中に入ることができる。この内部はB'Tの修理工場や人間の治療の場としても機能する。大深度の地下に潜ることもでき、ガードシステムももっとも強大である。

機械皇国

機械皇帝
あちこちから戦災孤児などを集め、皇国の一員とし訓練や教育を施し軍隊様の組織をつくりあげている。しかしながら、孤児達が親や故郷を失った原因の戦争の多くも実は彼の自作自演だった。
機械皇国が作中において圧倒的な技術的優位にあったことにも関わらず他世界に侵攻した描写がないこと、皇国がラファエロに破壊される様を放置していたことから最初からラファエロの完成のみを目的として皇国を作ったと考えられる。
普段は皇国のメンバーの前に姿を見せず、ミーシャがその代理を務めている。実は数百年前のある天才的な(しかし無名な)科学者のなれの果てだが、その本名や素性は最後まで明らかではなかった。
ミーシャ、ナーシャと出会った頃は人間の姿であったが、作品の時点では脳だけになった状態で、宇宙空間にある衛星の中の生命維持装置で生きている存在だった。最後は衛星ごとラファエロと合体するが、鉄兵に倒され生命維持装置を破壊されそのまま宇宙を彷徨うことになる。
ラファエロ
本作中での諸悪の元凶ともいえる存在で、定型を持たずあらゆる生き物を食いつくし異様に成長する。
他のB'Tと違い人間と会話をすることもなくただ補食と破壊を続けて巨大化していき、世話にあたっていた皇国のメンバー達をたびたび食い殺していた。しかし機械皇帝は何故かラファエロの破壊を許可しなかった。
終盤にはさらに巨大化し、主要施設を破壊しつくし、やがて脱皮し皇帝のB'Tであったことが明らかになった。
ミーシャ(声:折笠愛)
機械皇帝の代理人を務める少年で外見は幼いが、皇帝に直接他の皇国メンバーが会うことは許されないため、実質的に皇国の最高権力者的な位置にある。念動力を持つ。自分の意のままにならない鋼太郎やロンをアンダーヘル(皇国の大深度地下)に落とすなどわがままで残虐だが妹には優しい一面も覗かせる。
実はルネサンス期頃の欧州に生きていた人間であり、機械皇帝と出会い妹の病を治してもらったことで彼の配下となる。500年の間彼の技術で肉体を交換することで当時と変わらない子供の姿を保っていた。ただしこの手法では本来の人格が一部損なわれてしまうようで、やがてその肉体にも限界が訪れ、自分が皇帝に利用されていただけだと気付き、本来の自分に気付く。最後にナーシャと共同で皇帝の居場所へのアクセスパスワードを打ち込み(彼等双子の同調によってしか打ち込めない)息絶えるが最後に残留思念により打ち込み残したパスワードを打ち終わる。
ナーシャ(声:氷上恭子)
ミーシャの双子の妹。体が弱く、常に目を閉じまどろんでいるが、兄の所業に心を痛め、密かに鉄兵の手助けをする(彼女自身も何らかの超能力を持っていたようで、遠く離れている場所にいる鉄兵に自身の姿を見せて手をさしのべるシーンが何度かある)。目もあまり見えていないようで、皇国内に咲く花「E(エビル)・フラワー」で命を永らえている。兄と同じ手法で昔のままの容姿を保っている。最後は兄とともにパスワードを打ち込み、兄が良心を取り戻したことに安堵し息を引き取る。

七魔将

ミスリム(声:小杉十郎太)
鉄兵が最初に戦った七魔将の一人。左手がいくつにも伸びる電磁ムチ『サイバーウィップ』になっている。このムチはラレーニャと同じように自己再生能力があり、先端に物体を風化させる毒が流れる蛇の頭を持つ。鉄兵に敗北し、彼にはとどめを刺されなかったものの、鉄兵が去った直後にジャグラーに首を切られ殺害される。
ラレーニャ(ヒドラ、声:藤木聖子)
ドナーはミスリム。質力200%のガードシステムを持ち、本物のヒドラ同様、頭を破壊されても瞬時に自己再生してしまう。必殺技は口からあらゆる物をボロボロに風化させる砂を吐き出す『ウェザリングブレス』。
クアトロ(声:関俊彦/少年時代は坂本千夏)
鳳の旧友でリリーの兄。法衣をまとっていて左腕は義手。一瞬の内に電磁波に変化する物質『スペクトルメタル』でできた槍が武器。幼い頃は信心深い少年であったが、現在は信仰の対象を機械皇帝に向けている。空襲で死んだ妹が息を引き取る際、彼女の望む言葉を鳳がかけなかったことで鳳を逆恨みし憎んでいたが、一方で鳳のハーモニカを大事にとっていた。
最後は鳳が吹くハーモニカの音色を聞きながら妹の元へと旅立った。
ロレッソ(グリフォン、声:相沢正輝)
ドナーはクアトロ。翼で気圧0の真空地帯『エアロ・ザップゾーン』を作り出し、ジュテームのデッドリー・キャロルさえも弾き返す。口からは電気の塊『サンダーボール』を吐く。
冥夢(メイム、声:三木眞一郎)
仮面を被り、B'Tハロウィンと共同で敵を催眠波により夢の中へ引きずりこみ倒す戦士。その能力は、他の七魔将も恐れる悪夢の使者。
正体は北斗の実兄・昴(スバル)。
幼少の頃皇国の兵士に騙され、それと知らず故郷へ核爆弾を落とすスイッチを押してしまう。直後に火に飲まれた故郷を目の当たりにしてショックを受け記憶を失っていたが北斗との戦いの最中で記憶を取り戻し、今際の際に鉄兵に真実を告げるが、鉄兵はあえて北斗に昂が爆弾のスイッチを押したことを話さなかった。
ハロウィン(ナイトメア(黒い馬)、声:島田敏)
ドナーは冥夢(昴)。催眠波により幻覚を見せる攻撃『デイドリーム』を行う。
サロメ
七魔将の紅一点。B'Tの聴覚でも感じ取れない特殊な音波を発するオルゴールと自らの舞で幻覚を見せ他人を操る「沈黙の調べ(サイレンス・トーン)」の使い手。
少女時代に可愛がっていた野生の子馬を村人達に殺された(子馬の額のこぶがユニコーンの角と勘違いされたため)ことがトラウマとなっており、たびたび発作を起こす。その子馬を蘇らせるという甘言に乗り皇国の一員となっていた。
ジャグラーの所業で直属の配下すら容赦なく切り捨てる皇国に怒りを覚え、ジャグラーにサイレンス・トーンを施してミーシャの抹殺を命じ、鉄兵の輝きに惹かれ始めたために彼を殺そうとしてできず躊躇している内に、ジャグラーに刺され、最後は改心して息を引き取る。
ハルシオン(ユニコーン)
ドナーはサロメ。かつてサロメが可愛がっていた馬と同じ名を持つ。サロメに大変忠実で、彼女に他人が触れることを許さない。
角に治癒の力をもち、それでサロメが心を開いた相手であった鉄兵の命を救う。
サファイヤ
IZAMがモデルの七魔将。「美」以外には全く興味を示さない冷血漢で、宝石を肉体に埋め込み、光を吸収する肉体改造『ブリリアントアーマー』を施している。手にした扇『エクセレントクリーバー』はエロイカが宝石にしたものをカッティングする。相手を麻痺させる口づけ『パラライズ・キッス』で、男性ながら鉄兵の唇を奪った
鉄兵の「光」を手に入れようとするが逆に自滅する。
エロイカ(バジリスク)
ドナーはサファイヤ。口から物体を宝石に変える怪光線『デスクィーンジュエル』を吐く。また、相手の周りの大気を結晶化させる檻『エアジェエル』を作り出す。
ドクトル・ポー
かつて北斗と皇国の教育機関で主席を争った旧友。普段は紳士的であるが、多重人格者で非情に粗暴で危険な人格を秘めている。
カデンツァ(キマイラ)
ドナーはポー。B'Tにしては珍しい、一体に中に三つの頭脳と意識を持つB'T。ワイバーン(竜/智)・レオン(ライオン/力)・ゴート(山羊/精)の頭はそれぞれタイプの違う攻撃を行う。
ワイバーンの技はルービックキューブ型のボックスに相手を取り込んで異次元に飛ばす『コズミック・キューブ』。レオンは口から火山弾に似た炎の弾『フライング・ロック』を吐き出す。ゴートは常に眠った状態だが、あらゆるコンピューターにハッキングし、コンピューターウィルスをばら撒く。
ワイバーンは北斗とポーとの知力対決で問題を出すがマックスが最後に出した嘘つきのパラドックスの問題によって頭脳回路がショートして自己崩壊する。ゴートによりマックスにウイルスを送り込み、ガードシステムを無力化させ、一時は彼女を機能停止させたが、北斗によりウィルスを逆流させられレオンのフライング・ロックが発射できなくなり、自爆。
すべての哲学を研究した最後の七魔将。素粒子を操り、物理攻撃を完全に掻い潜り、無限の自分自身を作り上げる能力で鳳を苦しめる。
彼自身も元々戦災孤児で実親の顔すら知らなかったが、最期の瞬間に幼少の一時期ある女性に拾われ育てられ、自分も「愛」を知っていた事を思い出す。
神鷲(ガルーダ)
ドナーは凱。特定の武器らしい物はないが、暗黒物質・ダークマターを発することで自身と凱の体をニュートリノ化することで物理的攻撃を無効化することができる。

その他

アラミス(声:湯屋敦子)
鋼太郎を拉致した実行犯の1人。ラファエロをもてあまし、元々はその対策のために鋼太郎を仲間に引き入れようとしていた。当初は皇国の理想を信じていて非常に忠実であったが、皇国のメンバーを次々食いつくし破壊行動が激化するラファエロを目の当たりにし、それを止めようとしないミーシャや皇帝に疑問を抱き自らの間違いを悟る。
その後ローズマリーとともにラファエロに突撃し死亡。
ローズマリー(声:沢海陽子)
ドナーはアラミス。
頭部のコクピットに人が数人搭乗出来る大型の昆虫型B'Tで、国博に出席していた多数の科学者を毒ガスで殺害する。
後には小型核爆弾を積んでアラミスと共にラファエロに突撃し破壊される。
メタルフェイス(声:堀内賢雄)
少年時の訓練中に華蓮を助けた後、地雷と接触し重傷を負い、半身が機械化されている。
5年前に華蓮を追って神居島まで来た際に鉄兵と遭遇している。序盤に鉄兵によって重傷を負い、鉄兵討伐に申し出るが、華蓮暗殺の任務を受け、華蓮を倒すべく神居島を襲う。彼女がかつてのように自分を仲間として信じていることを知り、また彼女が命をかけてラファエロを倒す「大いなる光」を取ろうとしていることでいきなり華蓮を押しのけて取りに飛び込み、光と伝言をマドンナに託して彼女の元へ届け、光に飲まれて死亡する。
華蓮の殺害に執着したかと思えば華蓮の身代わりとなるなど一貫性のない行動が多いが、マドンナには華蓮へ恋をしているのかと指摘されたが本人は慌てて否定していた。
マドンナ(声:渡辺美佐)
ドナーはメタルフェイス。モチーフの動物は不明だが、外見的にはトリケラトプスやスティラコサウルスといった角竜に似る。いかつい外見に似合わず、実はメスである。エックスに恋をしてしまったらしく、夢で自分でエックスを激しく蹴りつけて落下させたあとに哀しみの涙を流したり、エックスからの好意を語られた(シャドーの嘘)際、激しく動揺するといった乙女な一面ものぞかせる。
最後は大破し首だけになった状態でメタルフェイスが取って来た光と、彼からの伝言を華蓮の元まで届け、機能停止する。
ジャグラー(声:二又一成)
仮面をかぶり、ピエロのような服装をして先端がハートの形になっている杖を持っている。この杖から無数の糸を出して、拘束すると同時に相手の頭部を高速回転して、首をねじ切る『ラブリィマリオネット』が必殺技。敗北したミスリムらの首を切って殺害するなど登場時は残虐であった。
実は素顔の造作が悲しい時でもふざけて笑っているようにしか見えない顔であり、過去にはその容姿のせいで酷い目に遭い(回想での彼は、むしろ他者を思い遣れる性格だったが、その容姿から人の不幸を笑っていると誤解される事が多々あった)傷付いたりしたこともあり、その顔に深いコンプレックスを持っていた。後にナーシャにせがまれて星の王子さまの一説を読んだときに、本当に大切なものに気づき改心した。最後は鉄兵を助け、瀕死の状態ながらリュカオンの編隊に突っ込む。彼の素顔を笑わなかったのはナーシャと鉄兵のみであった。アニメ版では素顔はかなり美形でキャラクター設定も違っている。
バニラファッジ(ガーゴイル)
ドナーはジャグラー。ジャグラーを追ってメインタワーに向かおうとしたところ、ラファエロに痛めつけられた。
最後はジャグラーとともにリュカオンの編隊に突撃する。
華梨(声:横山智佐)
華蓮の妹。幼い頃のある事件が元で記憶を失っており、鳳の元に預けられていた。
鳳の元にいる多数の孤児達の面倒をみている。終盤に記憶を取り戻し、姉とつかの間の再会を果たした。
レナ(声:生田弘子)
華梨の幼少の頃ともに過ごしていた子供の1人。ラファエロに殺害される。
マルチェロ(声:龍田直樹)
アンダーヘルの看守。当初は冷酷で小ずるい性格だったが、鋼太郎といる内に改心する。
アミーゴ(声:辻親八)
アンダーヘルの看守で巨体のサイボーグ。鋼太郎の優しさに触れ、彼のために行動するようになる。
カラス
鳳に不審を抱き彼の教会を襲うが、子供達のうちの1人を人質に取ったため鳳の怒りを買い倒される。
バルザック
鉄平の治療とエックスの修理をする北斗に戦いを挑むが改造されたエックスの前にあっけなく倒されてしまった。
サバンナ(ミュルメコ・レオン声:金尾哲夫)
ドナーはバルザックで、クレイジーアント達の親玉的存在。
口から放つ光の糸であらゆる物を貫く能力を持つが、機能強化されたエックスと鉄兵の一撃であっさり破壊される。
クレイジーアント(アリ)
地中に配備された多数の小型B'T。マックスにまとめて倒される。
レオン(声:石井康嗣)
ニーツィン博士(声:清川元夢)
ライ(声:速水奨)
ベム(声:梅津秀行)
皇国から鉄兵とエックスの討伐任務を受けて、2人を待ち伏せる。 ジュテーム曰く単なる賞金稼ぎらしい。
キャンス(カニ、声:茶風林)
ドナーはべム。
最後は先を急ぐエックスの五色の燐光によってドナーごと吹き飛ばされるという敢え無い最期を遂げる。
老将カオス(声:小林修)
テレビアニメ版のみ登場のオリジナルキャラクター。
ラムウ(カブトムシ、声:宝亀克寿)
テレビアニメ版のみ登場のオリジナルB'T。ドナーは老将カオス。
サジー博士(声:松本保典)
リリー(声:丹下桜)
鳳の同郷にかつて住んでいた少女で、クアトロの妹。優しく信心深い少女だったが機械皇国の空襲で命を落とす。
リサ(声:冬馬由美)
カミーラ(声:山口勝平)
ミラージュ(蝶、声:岡本麻弥)
ドナーはカミーラ。
ドナー同様に幻覚攻撃でエックスを追い詰めるが、感覚プログラムを落としたエックスの渾身の一撃によって致命傷を負い、それが基で自爆する。
死神
機械皇国の墓場の番人。マリアの兄で本名はアレフ。機械皇国の理想を信じて戦士となったが、自分の故郷が墓場に変わって意に介さず戦い続ける骸骨のような容姿のほとんどの体が機械のサイボーグとなった。
巨大な大鎌で鉄平とエックスを瀕死状態に落とすが五色の燐光で完全破壊される。
バット(蝙蝠)
ドナーは死神。小型のメカコウモリを操り、口から吐き出す三日月状の刃『ディープスロートシクル』が必殺武器。
マリア(声:日高のり子)
皇国内の墓場にいた、シスターの服装をした少女。死神同様、体のほとんどがサイボーグ化されている。
ファルコン(声:小野健一)
ドナーはダークナイツ。
クロウ(カラス)
グルピー(声:長島雄一(現・チョー))
ドナーはフック。環形動物に似たB'T。強力な強酸性の消化液を持ち、鉄でも生物でも何でも喰って消化してしまう。酸のよだれで敵を溶かす。
一度は鉄兵とエックスを飲み込んだが内部から突き破られて破壊される。
ゼータ
シータ
リュカオン
下級兵士用の量産型B'T。

用語

B'T(ビート)
機械皇国によって生み出された自ら思考や意思決定を行える頭脳を持ち、人間の血液を動力源として覚醒し、最初の血液提供者(ドナー)のみに忠誠を誓う機械戦士(ロボット兵器)の総称。なお、「B'T」はアラミス曰く「自らのBRAIN(頭脳)で思考し、人間のBLOOD(血液)によって作動する、そして芸術的ともいえるBRAVERY(華麗さ)をもった、史上類のない究極のBATTLER(戦士)、それらの特性をTOTAL(総称)したもの」の略。オスメスの性別があるが、制作時点では無性の状態であり、ドナーに血液提供を受けてから性分化が行われるらしい。設計は機械皇帝が行い、制作は皇国のメンバーが行う(シャドーエックスのみ華蓮が単独で設計・制作している)。「ガードシステム」と呼ばれるバリアー機能を持ち、搭乗している間は海中でも宇宙空間でも通常と同じようにすごせる。
四霊将(しれいしょう)
中国の伝説の四霊をモチーフにしたB'T。
七魔将(しちましょう)

アニメ版

テレビアニメ

1996年4月6日から同年9月21日まで、TBS系に於いて放送された(放送時刻:毎週土曜日17:30~18:00。なお、キー局・TBSテレビでの放送枠はローカルセールス枠扱いとなっていたため、系列局の多くでは異なる曜日・時刻にてオンエアされていた)。全25話。原作の中盤部分で終了したため、続編はOVAとして製作された。因みに、OVA版のストーリーは、原作とは大きく異なるものとなっている。

このアニメ版は同じ車田正美原作の『聖闘士星矢』のような大ヒットとはいかなかったものの、日本での放送終了後に海外でも放送された。東南アジア地域では大変な人気作となり、海外オリジナルの玩具も発売された。日本版の『ソリッドスキャンモデル』『ソリッドスキャンキット』では未発売に終わったマックス、マドンナ、リュカオンや五色の燐光を発動したエックスなど。雷童、ジュテーム、通常カラーのエックスも新規造形で発売。日本ではOVA展開時に『マトリックスアクションシリーズ』としてタカラ (玩具)|から発売された。

スタッフ
  • 監督・シリーズ構成:浜津守
  • キャラクターデザイン:井上栄作、本橋秀之
  • ハードデザイン:高谷浩利
  • 美術監督:東條俊寿
  • 撮影監督:土岐浩司
  • 音楽プロデューサー:堀尾裕樹(ポリグラム) 
  • 音楽:千住明
  • 音響監督:高橋剛
  • 色彩設計:清水千世子
  • プロデューサー:松元理人、水沼健二
  • 製作協力:電通
  • 製作:TBS、キョクイチ東京ムービー
主題歌
  • OP:『遥か〜SAILING FOR MY DREAM〜』(作詞:室井美樹、作曲:西村麻聡、編曲・歌:FENCE OF DEFENSE)(レーベル:ポリドール)
    • 台湾中国語バーションのOP:『HIGH PRESSURE』 (作詞:井上秋緒 作曲・編曲:浅倉大介 歌:T.M. Revolution)
  • ED:『僕の生き方』(作詞:伊藤良太、作曲:青木慶則、編曲:JOHNNIE FINGERS、歌:ブルーボーイ)(レーベル:キティ・エンタープライズ)
放送リスト

話数サブタイトル脚本絵コンテ演出作画監督
第1章奇蹟! 復活のB'T-X(ビート・エックス)富田祐弘浜津守本橋秀之
高谷浩利
第2章誕生! 太陽の戦士(バトラー)浜津守まついひとゆき井上栄作
第3章対決! 機械皇国の野望井硲清高高橋英吉
第4章登場! 伝説の四霊将平野靖士福本潔小泉昇
第5章出発(たびだち)! 決死の救出作戦(バトルロード)菅良幸白土武高橋幸雄金子匡邦
第6章恐怖! 砂漠のパイレーツ平野靖士奥脇雅晴矢野篤東出太
高谷浩利
第7章驚愕! 機械皇帝の謎菅良幸井硲清高岡崎ゆきお井上栄作
第8章華麗! 幻惑戦士カミーラ福本潔小泉昇
第9章驚異! エビル・フラワー亀垣一織田美浩本橋秀之
第10章迫撃! メタルフェイスの逆襲平野靖士福本潔小泉昇
第11章無敵! 東の霊将ロン岸間信明井硲清高高橋英吉
第12章強敵! 猛将カオス菅良幸まついひとゆき東出太
第13章相棒!(バディ)熱き心の絆康村諒青鮫鯉太郎橋本晋也
水輪葵
第14章悲劇! 墓場の少女マリア葛城稜高橋幸雄金子匡邦
第15章炸裂! 死神への一撃織田美浩本橋秀之
第16章復活! 五色の燐光岸間信明福本潔小泉昇
第17章出現! 黒いエックス菅良幸井硲清高高橋英吉
第18章暗黒!アンダーヘルの恐怖岸間信明岡崎ゆきお矢野篤東出太
第19章決死! エックスの最後菅良幸康村諒石野聡
第20章生命!(いのち)ブレイク・ハート岸間信明高橋幸雄金子匡邦
第21章新生! B'Tエックス誕生福本潔小泉昇
第22章最凶! エリアの七魔将菅良幸井硲清高高橋英吉
第23章閃光! シャイニング・ナックル岸間信明矢野篤東出太
第24章炎上! 太陽のかけらまついひとゆき
木崎文智
まついひとゆき石野聡
第25章打倒! B'Tラファエロ菅良幸浜津守小泉昇

ネット局
  • 東京放送(製作局)
  • 北海道放送(土曜7:00~7:30)
  • 青森テレビ
  • IBC岩手放送
  • 東北放送
  • テレビユー山形
  • テレビユー福島
  • 新潟放送
  • 信越放送
  • 北陸放送
  • 静岡放送
  • 中部日本放送
  • 毎日放送
  • 山陽放送
  • 中国放送
  • あいテレビ
  • RKB毎日放送
  • 熊本放送
  • 南日本放送
  • 琉球放送

OVA

『B'T-X NEO』(ビート・エックス ネオ)のタイトルで、1997年8月21日にOVA化された。

スタッフ
  • 製作総指揮:角川歴彦
  • シリーズ構成:菅良幸
  • ストーリーエディター:小野田博之
  • 脚本:菅良幸、岸間信明
  • 総作画監督:本橋秀之
  • 作画監督:本橋秀之、東出太、小泉昇、大塚健
  • キャラクターデザイン:本橋秀之、小泉昇、東出太
  • 美術監督:東條俊寿
  • 撮影監督:土岐浩司、白尾仁志
  • 音楽:安西史孝
  • 音楽プロデューサー:前山寛邦
  • 音楽ディレクター:熊田和生
  • 音響監督:高橋剛
  • 色彩設定:清水千世子
  • 監督:亀垣一
  • 演出:亀垣一、矢野篤、小村敏明、西澤晋、多田俊介
  • 絵コンテ:西澤晋、矢野篤、小村敏明、山内重保、井硲清高
  • プロデューサー:横山和夫、森丘祐史、渡辺哲也、松元理人、水沼健二 
  • アニメーション制作:キョクイチ東京ムービー
  • 製作:「B'T-X NEO」製作委員会(角川書店、電通、キョクイチ東京ムービー)
主題歌
  • OP「A PIECE OF THE SUN」(作詞:前田耕一郎、作曲:山崎利明、編曲:須藤賢一、歌:遠藤正明)(コロムビアレコード)
  • ED「永遠のその先 〜You are the best buddies〜」(作詞:前田耕一郎、作曲・編曲:ホリエアキラ、歌:遠藤正明)(コロムビアレコード)
エピソードリスト
  1. 霊将VS魔将
  2. 愛と憎しみの地!
  3. 紅蓮の炎
  4. ブラッドの奇跡!
  5. 夢幻の恐怖!
  6. 一条の光!
  7. メール リヒト!(もっと光を)
  8. 仮面の告白!
  9. 血の絆
  10. 悪魔の咆哮
  11. 失われた過去を求めて!
  12. ONE FOR ALL!
  13. 未来の記憶!
  14. A PIECE OF THE SUN!

脚注

id:B'T X