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BEASTARS 5

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BEASTARSの既刊

名前発売年月
BEASTARS 2 2017-04
BEASTARS 3 2017-05
BEASTARS 4 2017-07
BEASTARS 5 2017-10
BEASTARS 6 2017-12
BEASTARS 7 2018-02
BEASTARS 8 2018-05
BEASTARS 9 2018-07
BEASTARS 10 2018-09
BEASTARS 11 2018-11
BEASTARS 12 2019-02
BEASTARS 13 2019-04
BEASTARS 14 2019-07
BEASTARS 15 2019-10
BEASTARS 16 2019-12
BEASTARS 17 2020-01
BEASTARS 18 2020-04
BEASTARS 19 2020-07
BEASTARS 20 2020-08
BEASTARS 21 2020-10
BEASTARS 22 2021-01

BEASTARS』(ビースターズ)は板垣巴留による日本の漫画作品。『週刊少年チャンピオン』(秋田書店刊)にて2016年9月8日発売の41号から連載中。単行本は2018年2月8日現在、既刊7巻。肉食獣と草食獣が人のように生活・共存をしている世界を舞台にし、全寮制の学校「チェリートン学園」へ通う動物たちの生活の様子を描いた群像劇となっている。

概要

板垣が同様のテーマで描いたオムニバスの短期集中連載作『ビーストコンプレックス』(『週刊少年チャンピオン』2016年14号から17号までに掲載)が人気を得て、本格連載化した作品。以前から持っていたキャラクター(主人公のレゴシ)を高校生にして、世界観はそのままで舞台を高校にすれば少年漫画っぽくやれるかも、ということで連載が決まった。

本作は「擬人化した動物による高校生ライフを描いた作品」であるが、いわゆる“ほのぼの系ストーリー”ではなく、表面上は平和だが歪さを併せ持つ世界を舞台に、人間の本性を動物たちに置き換え、種族を越えた友情や恋と、逆に相容れることのない対立を描いている。

2017年、宝島社から刊行された『このマンガがすごい!2018』のオトコ編で第2位に選出された。第11回マンガ大賞にノミネートされた

また累計発行部数は60万部を突破している。

あらすじ

全寮制、中高一貫のエリート学校「チェリートン学園」。ある日この学園内で、草食獣アルパカの生徒テムが肉食獣に殺されるという「食殺事件」が起きた。警察の見解では学内の肉食獣が怪しいとのことで、生徒である肉食獣と草食獣の間には不穏な空気が流れる。それはテムが所属していた演劇部内においても例外ではなかった。

演劇部に所属するハイイロオオカミの少年レゴシは、大型の肉食獣であることに加えて寡黙な性格や意味深な言動が災いし、テム殺しの犯人だと疑いの目を向けられてしまう。幸いこの疑惑はすぐに晴れることとなるが、結局真犯人は見つからないままであり、学園内に生まれた肉食獣と草食獣の確執のようなものが消えることはなかった。

新入生歓迎公演「アドラー」に出演予定だったテムが亡くなったことにより、演劇部は代役を立てることを迫られる。そのやりとりのなかで、レゴシは演劇部の役者長・アカシカのルイに一目置かれるようになり、とある雑務を頼まれる。それはルイたちが本来禁止されている夜間の練習を行っている間、誰かに見つからないように見張りをするというものだった。

なし崩し的にその任に当たったレゴシは、見張りの最中、一匹の草食獣の気配を感じる。次の瞬間、レゴシは自身が持つ本能に従ってその草食獣を捕らえていた。捕らえた草食獣に対する食肉衝動に駆られるレゴシ。しかしルイたちにトラブルが起きたこともあり、すんでのところで食殺は起こさずに済む。

その一件からしばらく。部の雑務で花を受け取りに園芸部を訪れたレゴシは、そこで小さなウサギの少女ハルと出会う。彼女こそ、あの夜レゴシが襲った草食獣だった。

レゴシはハルと交流を重ねていくうちに、彼女に対して恋愛感情のようなものを覚えていく。医師であるジャイアントパンダのゴウヒンからは「その気持ちの裏にあるのは彼女を食いたいという『狩猟本能』だ。事を起こしてしまう前に身を引け」と諭されるが、ハルが好きだというレゴシの考えと決意は変わらず、レゴシは肉食獣の本能に抗いながら、ハルへの想いに殉じて行動していくようになる。

登場キャラクター

主要なキャラクター

レゴシ
種族 - ハイイロオオカミ
本作の主人公。性別はオス。チェリートン学園の高等部2年生で演劇部の美術チームに所属。担当は照明係。
4月9日生まれの17歳。牡羊座で血液型はO。身長185センチメートルの体重71キログラム。毛色は灰色。好きなものは昆虫と天気予報。
体格や戦闘力に見合わず繊細で心優しい性格。物静かで目立とうとはせず他者との付き合いも積極的ではないため、周囲からは近寄りがたい変わった動物だと思われている。幼馴染であるラブラドールレトリバーのジャックは良き理解者。
肉食獣、ひいてはオオカミであることがコンプレックスで無害な存在でありたいと望む。ハルと出会ったころから様々な経験を経て抑え込んでいた自分を少しずつ出すようになっていくが、ハルへの感情が恋なのか肉食獣としての本能(食欲)なのか懊悩する。
名前の由来は俳優のベラ・ルゴシから。
ルイ
種族 - アカシカ
チェリートン学園の高等部3年生。演劇部の役者チームのリーダーで肩書は役者長。性別はオス。レゴシと対立するもう一人の主人公的存在。
3月29日生まれの18歳。牡羊座で血液型はA。身長172センチメートル、体重53キログラム。好きなものはセロリ。
ホーンズ財閥の御曹司であり、演劇部の花形役者でもある学園のカリスマ的存在。しかし幼いころは裏市で肉食獣用の生き餌として飼育されており、5歳の時にホーンズ財閥の跡取りとしてオグマに引き取られたという過去を持つ。この出自から自らが捕食される側(草食獣)であることに強いコンプレックスを持っており、肉食獣として振る舞おうとしないレゴシに一目置いていると同時に、苛立ちも感じている。
ハル
種族 - ドワーフ種のウサギ
本作のヒロイン。チェリートン学園の高等部3年生で園芸部所属。性別はメス。
10月19日生まれの18歳、てんびん座。血液型はO型。身長105センチメートル、体重は15キログラム。好きなものは朝ドラ。
自らに正直な性格で、常に明るく・気丈に振る舞う。しかしその内面には「小型の草食獣」という圧倒的弱者であることへの諦観のようなものを抱いており、性行為に耽っている間だけは弱者ではなく対等な存在として扱われていると感じられるからと、性行為に対しては積極的かつ奔放に振る舞う。しかしそういった行為がきっかけで動物同士の関係で亀裂を作ることも多く、学内では孤立している。
ルイとは恋仲であり、異種族であるため結ばれないということを寂しく感じている。また、レゴシのことは当初「不思議な子」「(種族の違いから)相容れない存在」と見ていたが、付き合いを重ねていくうちに惹かれ始めていく。
ジュノ
種族 - ハイイロオオカミ
チェリートン学園の高等部1年生で演劇部の役者チームに所属。性別はメス。レゴシとは同種族ということもあり、恋愛感情を抱いていく。
2月12日生まれの16歳、水瓶座。血液型はAB型。身長170センチメートル、体重51キログラム。毛色は赤茶色。好きなものはスイーツと散歩。
当初はその恵まれたルックスのせいで一部の生徒から妬まれがちだったが、周囲への気配りを忘れない明るい振る舞いを続け、信頼と人気を得ていく。しかしその言動は自身に対する絶対的な自信から生じているものであり、ルイからは「自信過剰で自分は全てを手に入れられると思い込んでいる強欲な女」と評された。

演劇部

チェリートン学園のクラブ。毎年、中等部から10匹から20匹ほどが顧問からのスカウトという形で新たに入部する。これは演劇部が持つ「生き様を見せる」という裏テーマを徹底するためであり、スカウトされる動物たちは何らかの事情を抱えたものだけとなっている。部内では演出係が頂点であり、部長の下に台本担当、音響チーム、役者チーム、ダンスチーム、美術チームと分けられている。

サヌ
種族 - ペリカン
演劇部の部長で性別はオス。癖の強い者ばかりが揃っている演劇部メンバーの扱いに苦労している。

役者チーム

ルイがリーダーを務めるチーム。

ビル
種族 - ベンガルトラ
高等部2年生。性別はオス。明るい性格で目上の動物を立てるなど世渡り上手。いわゆる不良の先輩とも付き合いがあり、そこから草食獣(ウサギ)の血を入手するなどの違法行為もしていた。
肉食獣であることに誇りを持ち、肉食動物が自由に肉食できないこの世界に不満を抱く。裏市でもなりふり構わず草食獣の肉を購入しようとするなど、肉食獣の持つ狩猟本能や食肉衝動に従うことを肯定している。このため、正反対の考えを持つレゴシとは度々衝突している。
エルスの事を気にかけており、頻繁に話しかけたり、シシ組襲撃の際は真っ先に安否を確認していた。本人曰く「女友達として気に入っているだけ」との事だが、上記の様な問題行動がある為真偽は不明。
テム
種族 - アルパカ
高等部2年生。性別はオス。レゴシとは仲が良く、また同じ演劇部に所属するアンゴラヒツジのエルスに片思いをしていた。演劇部の舞台「アドラー」に「水の精 オディー」という役で出演予定だったが、食殺事件に遭い死亡する。

ダンスチーム

シイラ
種族 - チーター
高等部3年生。性別はメス。ダンスチームのリーダーで、肩書は振り付け長。
14歳のころ、金欠のため「肉食メスクラブ」で女王様のアルバイトをしていたところを演劇部にスカウトされた。

美術チーム

本作の主人公、レゴシが所属するチーム。仕事内容は細分化されており、照明、衣装、小道具・大道具に別れる。

ドーム
種族 - クジャク
美術チームのリーダー。オネエ言葉が特徴で性別はオス。周囲への気配りが上手く、和を大事にする性格。変わりつつあるレゴシのことをジュノに教えるなど、ジュノの恋を応援している。
カイ
種族 - マングース
美術チームの照明係。性別はオス。生まれた直後に捨てられ、ハイエナ一家に育てられた過去を持つ。
元は役者チームで、重要な配役を決めるオーディションで自分を差し置いて選ばれたテムが死んだ事で、自分が代役を務めると思い込んでいた。
しかしルイより本番中の2度にわたるミスを指摘され、リーダー会議の決定事項として美術チームへの異動を命じられると激昂して思わず殴りかかりそうになるも、居合わせていたレゴシに止められる(レゴシに食ってかかるも、彼の牙を見て怖気付いた)。
役者として気が張り詰めている上にプライドが高く、美術チームの事は陽の目を浴びない陰気な仕事と見下していた。登場時は傲慢な態度が目立つものの、本来は協調性のある気の良い性格らしく、徐々に裏方の仕事にも楽しみを見出し、チームの動物達にも友好的で良い関係を築いていく。レゴシと2匹きりになった際に自身の生い立ち、演劇部にスカウトされる動物の条件を話した。
キビ
種族 - アリクイ
美術チームの衣装係のオス。アリシェイクが好物。ハルの噂を知っており、レゴシに教えた。
ファッジ
種族 - レッサーパンダ
美術チームの衣装係。性別はオス。一言多い性格でドームによく窘められている。

チェリートン学園の面々

ジャック
種族 - ラブラドールレトリバー
レゴシの幼馴染で実家も隣。性別はオス。レゴシとは寮の同室で親友でもある。学園内での学力はトップクラス。周囲から誤解されがちなレゴシを心配する。
ミズチ
種族 -
自らを絶滅危惧種と自負する高等部の少女。左右対称に白と黒で縞がはっきり別れているのが特徴。常に取り巻きを2匹は連れている。
同種族の男子と恋人関係にあったが、彼氏がハルへと浮気したことがきっかけで破局。絶滅危惧種のカップルを壊したという理由と嫉妬からハルに嫌がらせ・いじめを行う。
レゴム
種族 - ニワトリ
レゴシのクラスメイトのメス(メンドリ)。無表情でお嬢様言葉が特徴。レゴシがいつも困ったような下がり眉をしていることから、心中でレゴシのことを「八の字」と呼んでいる。
アルバイトとして水曜日のみ学校の売店に自分が産んだ無精卵を卸しており、レゴシが「水曜日のタマゴサンドイッチは特に美味しい」と褒めているのを聞いたことがきっかけで真剣に体調管理を行い、産む卵に責任と矜持を持つようになる。なお、レゴシ自身は褒めていたタマゴサンドイッチがレゴムの卵で作られていることに終始気づかないままだった。

その他

ゴウヒン
種族 - ジャイアントパンダ
裏市で心療内科医を十数年営んでいる医師。性別はオスで年齢は39歳。肉食獣としての狩猟本能に悩んでいる肉食動物達のカウンセリング、治療を行っている。
強面で粗野な振る舞いが目立つが、面倒見の良い性格。顔面にある複数の傷跡は、患者の治療中に何度も暴行されたのが原因。そういった経験から患者の暴力に負けないよう笹を食べ鍛錬に励んだ結果、筋骨隆々の肉体を手に入れた。
オグマ
種族 - アカシカ
ルイの義理の父親。ホーンズ財閥の一匹息子であるが子孫を作れない身体のため、自身の後継者として育てるべく幼いルイを裏市の生き餌販売所から高額で引き取った。

設定

世界観

舞台となる世界は現代社会と近い文明を有しており、通貨単位は円。パソコンやスマートフォン、SNSも存在している。また、気温は低めで25度もあれば大変暑いとされ、冬場はマイナス10度まで下がる。登場キャラクターが人間ではなく動物のため、数え方も「一人」ではなく「一匹」と数える。動物達の手足は皆人間と同じ形状をしており、鳥類も例外では無いが、本来の鳥の様に翼に変化させての飛行も可能(但し、飛行には免許証が必要であり、学校を卒業しないと取得できない為、在学中は飛行ができない)。

肉食獣と草食獣が共に文明を持って生活している世界であるため、肉を食すということは法律で禁じられた重罪行為となっており、動物性の食材として食べることが許可されているのは卵と乳製品のみとなっている。 しかし法律で定められていても本能である食肉衝動を抑えることは難しく、一部の肉食獣の中には「裏市」と呼ばれる場所から違法に草食獣の肉や血を入手して食している者もいる。

異種族同士でも交配、子孫を残すことは可能。但し血統を残すため婚姻・出産は同種で行われることが望ましいとされているため、異種族同士の恋愛は学生時代で終わらせるものという考えが常識として存在する。と同時に、肉食動物と草食動物による恋愛ないし姦淫は異常性癖者とみなされる傾向にある。

用語

チェリートン学園
全寮制、中高一貫のエリート学校。中心街から少し外れた丘の上に建てられており、学園内からでも中心街を見下ろすことができる。この世界独自の科目として海洋語学、生態学などの授業がある。寮は男女別であるが、さらに肉食動物棟、草食動物棟に分けられている。寮の部屋割りは同種族(レゴシの部屋(701号室)はイヌ科が集まっている)となるように組まれている。
ビースター
チェリートン学園ナンバー1の称号であると同時に、肉食動物でも草食動物でもない動物として英雄視される存在となることを意味する。ビースターとなった卒業生は、スポーツや政治など様々な分野で活躍している。
裏市
非合法に肉の販売を行っている場所。その肉は病院や葬儀屋から密かに提供されている。また、中には自分の指を生肉として販売している老草食獣もいる。

書誌情報

  • 板垣巴留 『BEASTARS』 秋田書店〈少年チャンピオン・コミックス〉、既刊7巻(2018年2月8日現在)
    1. 2017年1月15日発行(2017年1月6日発売)、ISBN 978-4-253-22754-4
    2. 2017年4月15日発行(2017年4月7日発売)、ISBN 978-4-253-22755-1
    3. 2017年5月15日発行(2017年5月8日発売)、ISBN 978-4-253-22756-8
    4. 2017年7月15日発行(2017年7月7日発売)、ISBN 978-4-253-22757-5
    5. 2017年10月15日発行(2017年10月6日発売)、ISBN 978-4-253-22758-2
    6. 2017年12月15日発行(2017年12月9日発売)、ISBN 978-4-253-22759-9
    7. 2018年2月15日発行(2018年2月8日発売)、ISBN 978-4-253-22760-5

出典