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S線上のテナ/岬下部せすな

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著者: 岬下部せすな
巻数: 9巻

岬下部せすなの新刊
S線上のテナの新刊

最新刊『S線上のテナ 9



twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

dtlandbl 岬下部 せすな著『S線上のテナ (3) (まんがタイムKRコミックス)』http://t.co/H7ZjKpo4 #BL #comic
dtlandbl 岬下部 せすな著『S線上のテナ (1) (まんがタイムKRコミックス)』http://t.co/n4xGUzFJ #BL #comic
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S線上のテナの既刊

名前発売年月
S線上のテナ 1 2007-09
S線上のテナ 2 2008-01
S線上のテナ 3 2008-04
S線上のテナ 4 2008-08
S線上のテナ 5 2009-02
S線上のテナ 6 2009-07
S線上のテナ 7 2010-01
S線上のテナ 8 2010-06
S線上のテナ 9 2010-10

S線上のテナ』(エスせんじょうのテナ、Tena on S-string)は、岬下部せすなによる日本の漫画作品。通称“Sテナ”。『まんがタイムきららフォワード』(芳文社刊)で創刊号から2010年10月号まで連載された。各話にはサブタイトルは付かず、話数は「第○楽章」と書かれ○には漢数字が入る。

2009年7月24日にフロンティアワークスより、原作者が脚本を監修したドラマCDが発売された。

概要

『きららフォワード』誌の表紙や巻頭カラーとなることも多い看板作品。「命の譜面」(ソウル・スコア)と呼ばれるこの世のすべてに宿る譜面の異状によって発生する災害などを防ぐことを使命とする命の調律師と呼ばれる超能力者の少女テナが、悪性の音符に取り付かれた青年、恭介と出会い、共に悪性音符を回収しながら日々を過ごしていく物語とされたが、当初の目的である悪性音符の回収はメインで扱われる事がなく、恭介の周りにテナや他の調律師の少女が徐々に登場して、ラブコメディとバトル漫画の要素を主要な位置に占めた作品になっている。序盤は日本を舞台にしているが中盤よりフランス編に入り、コメディ面を維持しつつもシリアスな謎解きと調律師同士のバトル漫画としての面も濃くなっていく。タイトルはバッハの『G線上のアリア』に由来する。S線とはソウル・スコア(Soul score)が持つとされる独特の音の法則を意味するSコードの事を指す造語で、ヴァイオリンのG線とは関係が無い。

あらすじ

交通事故がきっかけで周囲に楽譜が見え、音楽が聞こえる様になった響恭介の前に、調律師の少女テナが現れる。自分に起きた異変は事故のときに音符が自分と融合していたことが原因であることを知った恭介。調律師の本部に保管されていた調和を乱す悪質な音符が世界中に散ってしまったため回収するために派遣されたというテナは回収対象の音符と一体化した恭介を手元に置き、恭介の能力を音符の回収に利用するために恭介の家に居つくことになる。

本記事は、最新の単行本までを典拠として作成されています。本記事を引用したり、最新の状況に修正や加筆をされる場合は、この点にご注意ください。


登場人物

声優はドラマCD版のキャスト。

メイン・キャラクター

作者のHPでは、テナ・アルン・メゾ・ソプラ・デュオンの5人がメインヒロインであると記載されている。

テナ(テナー・フォルテシアン/Tena Fortissian)
声 - 田村ゆかり
15歳。身長138cm。A型。
本作のヒロイン、小学生の様な外見だが、AAAランクの命の調律師の少女。世界中に散った悪性の音符の回収のために派遣されて日本に訪れ、そこで悪性音符に取り付かれた恭介を発見するが、音符が分離不可能である事と彼の能力が判ると彼の家に居つき音符の回収を手伝わせる。幼い頃に身寄りを失い、スカウトされて調律師候補となるが、外部から来たため組織では立場が弱い。しかし負けず嫌いな性格で、エリート達より劣っていないことを証明しようと努力を怠らない。調律師の成績は万年2位で、実力・家柄・ルックス・カリスマ性を備えたアルンに強いコンプレックスを抱いており、ライバル視している。
本人は自覚していないが、恭介に好意を抱いていてアルンなどが彼と仲良くしているとやきもちを焼いたりする。その性格からツンデレと評されることもあるが、作者は、かまってほしくて意地をはった末にイジけてみせている「イジデレ」である、と語ったきらら情報局!! 第1回。甘いものが好きで日本に来てからは和菓子にはまっている。オシャレにも気を使っていて、ゴスロリ服を始め、かわいい服を大量に持っている。それらは年収1000万円以上となる調律師としての報酬で購入している。
名前の由来はテナー(テノール)とフォルティッシモ(15px)から。
響 恭介(ひびき きょうすけ)
声 - 杉田智和
24歳。身長176cm。AB型。
本作の主人公、音大の作曲科を卒業後、自宅で音楽教室(ピアノ教室)を開いている努力家の青年。交通事故がきっかけで悪性の音符と融合し、命の譜面が見え、その音楽が聞こえる様になるが、そのためにテナに組織に幽閉されたくなければ自分の手伝いをするよう言われ、自宅に住みつかれ食事を作らされるなど下僕扱いさせられる。
作曲家を目指したのは音楽の師である母に喜んでもらい、母のように多くの人に喜ばれる人になりたくて勉強を始めたという経緯がある。音楽学校での生活を苦学生として乗りきった過去を持つため、テナの事情にも一定の理解があるが、その一方で他者からの好意を「施し」と感じ、拒絶する悪癖があり、「心の壁」を作って下手に自身の心を他者に開かないようにしている。
基本的には堅苦しいことを好まない善人で世話好きのためテナの保護者的な面を見せ、後に恭介の音符を狙ってきたメゾ、ソプラにも居候され面倒を見ることになる。悪性の音符と融合すると、普通は怪物化したりするが、そのような異常は特には見られない。しかし、テナを上回るほどの音符の聞き取り能力を持ち、その後命の調律師の力も持っていることが判明した。調律の力があるということが分かってからは、調律師のスキルを身に着けようと特訓をしているものの、一向に上達しない。
メゾ
声 - 堀江由衣
16歳。身長162cm。B型。
命の調律師。本名はメゾンヌ・リチェルカーレ。譜面の回収よりも譜面を科学的に解析し、発明に応用することに生き甲斐を持っている。珍しい譜面を見ると周りを省みない行動に出ることもある。どうやって収納しているのか不明だが、ソウル・スコアを振動させる巨大なバズーカ砲なども制作して常に所持している。よくテナをからかっているが、テナのような不器用な子を見ると放っておけないらしい。彼女が髪をツインテールでいるのは名家であるリチェルカーレ家を捨てて、1人の女の子として生きる決意の表れであり、それ以前には髪は下ろして上品な容姿をしていた。
ソプラ
声 - 能登麻美子
16歳。身長158cm。O型。
命の調律師。フルネームはソプラ・ビレーであり、かつて音符の研究により財を築いた名家であったビレー家の一員。メゾとコンビで発明に取り組んでいる。性格はおっとりしているが、基本的にメゾと同類。眼鏡をかけていて巨乳。メゾは1番の友人であり、彼女を泣かせる者は誰であっても鉄拳を制裁するという、おとなしいだけに留まらない気丈な一面も。
名前の由来はメゾ&ソプラで、メゾソプラノから。
アルン・スフォルツ
声 - 川澄綾子
16歳。身長161cm。A型。
名家に生まれ、常にトップの成績を取り続けているSAランクの命の調律師。別件で日本へ行く兄のフォルテオと共に、悪性音符の回収と観光目的に訪れ、一人で行動していた時に恭介と知り合う。初めは恭介の異常に気付かなかったが、後に事情を知り彼に協力する。正しい調律のためには自分を律する必要があると考え、全てを規則正しく行動しなければ気がすまない性格。クールなことで有名だが、わずかでも予定が狂うと酷く落ち込む。その割にはドジを踏むことも多い。恭介に対しては子供のような表情をすることもあり、彼に懐いている。それでいて天然なところがあり、本人には自覚がないのだが、相手をグサリとさせる発言や、脈絡のない唐突な発言をしてしまう。兄からもそういった指摘されている。自然と周囲に人が集まってくる並外れたカリスマ性を持っていて、何故か動物までも惹きつけてしまう。常に規律を守る生き方をしていたが、恭介と出会ったことで変化が現れ、規定外のことにも関わりつつもそれを後悔はしなくなっている。恭介に好意を抱いていき、彼の力になりたいと思っている。
口の形が三角形になる描写が作中の全キャラ中最も多い。名前の由来はアルトとスフォルツァンド(15px)から。
デュオン・オルゲル
声 - 佐藤利奈
15歳。身長156cm。AB型。
アルンを慕う少女。スフォルツ家と同じく名家のひとつであるオルゲル家に生まれた命の調律師。しかし能力はアルンやテナほど高くはなく、最下層のEランクである。歌を歌うのはかなり上手い一方で、自信が持てず落ち込むことも多いが、その度にポジティヴな考えを以って立ち直るという一面も。前向きな点では恭介と気が合うことが多く、よくシンクロしている。
一人称は「僕」であり、ハスキーボイスで、ボーイッシュな容姿でもあるため、恭介は最初、男と思っていた。
名前の由来はデュオと、オルガンのドイツ語読み・オルゲルから。

命の調律師

調律師上層部

アルプス山脈に本部を置く命の調律師のトップ。総督グロリアが楽団隊長達を指揮して、あるプロジェクトを計画している。

グロリア
調律師総督。威圧的な雰囲気をまとった男性。感情を顔に出すことは滅多にない。名前の由来はミサ曲の一種・グローリアから。
コード
第1楽団隊長を務める男性。
音符回収率を担当している。ややだらしない印象。副官のクラベスに好意を持っている。
名前の由来は和音や弦を表すコードから。
クラベス
第1楽団副官の女性。
コードをサポートしているしっかり者。フォルテオから貰ったハリセンを所持しているツッコミ役。伊達眼鏡をかけているが、視力は両方1.5ある。名前の由来は打楽器の一種・クラベスから。
ヴィーナ
第2楽団隊長の女性。
衛生を担当し、調律師の治療を行っている。名前の由来は弦楽器の一種・ヴィーナから。
フォルテオ・スフォルツ
第3楽団隊長。
調律師の分散状況を担当している上層部のメンバーの一人で、若手のリーダー。
アルンの兄であり、妹を溺愛している。自称「ハートはキラキラの乙女」で、オカマっぽい喋り方をする。音無琴子とは顔なじみ。
名前の由来はフォルテ(15px)とスフォルツァンドから。
レガート・フィナレ
第4楽団隊長。
反逆者討伐係を務める千年を生きる調律師。特殊な譜面の持ち主のため老化が遅く少年のような姿をしている。楽器などが破壊された際に生じる音を美しく感じるなど、サディスティックな性格。
名前の由来はアーティキュレーションの一種であるレガートと、最後の楽章を意味するフィナーレ。
ベルリラ・リチェルカーレ
第5楽団隊長、女性。
諜報部隊を担当。名家であるリチェルカーレ家の一員で、メゾの姉。快楽主義であり、周囲の反応をからかったり面白がったりしてばかりだが、力なき理想は無力といった現実的な考えを持った厳しい一面もあり楽団隊長を務めるだけあって調律師としての実力は高く、フランスに渡った恭介達を捕らえるために立ちはだかり、一行を苦しめる。胸のサイズはEカップ。
名前の由来は鉄琴の一種・ベルリラと、楽曲様式の1つリチェルカーレから。

その他の関係者

音無 琴子(おとなし ことこ)
楽器店「アダージョ」を経営している女性。おっとりとした性格で、恭介とは彼が子供の頃からの知り合い。テナのことも気に入っていて、さり気なくアドバイスを送ったりしている。
元は第2楽団員であり、命の調律師。フォルテオとはその楽団員だったときの旧友で、現在は現役は退いていると語るものの、調律用タクトは現在も所持している。調律師の上層部からはコトコ・シンフォニエッタと呼ばれている。
名前の由来は日本の弦楽器琴と、イタリア語で「小さな交響曲」という意味のシンフォニエッタから。
コントラルト・ドゥドゥー・ガブリエル・ド・ラ・ジェローデル(Contralto doudou Gabriel de la Girodel)
28歳。長髪にサングラスを掛けた男性。その高貴な名前に恥じない家柄と実力とルックスを兼ね備えた自信過剰の調律師で、テナに惚れ込みストーカー行為を働くロリコン。テナの好みに合わないため彼女からは嫌われているが、懲りずにアタックを繰り返している。
名前のコントラルトはアルトの別称であり、アルンと同じ言葉を由来にしている。
胡弓(こきゅう)
テナ・メゾ・ソプラの師匠。キタラの母であり、恭介のお婆ちゃん。忍び装束と和服を合わせたような珍しい身なりをしている日本出身の女性調律師。レガートと同じく、生まれつき進行速度の遅いソウル・スコアを持っており、江戸時代に調律師たちによって保護され、自らの生が他社に悪影響を及ぼさぬように隠遁生活を続け、若い姿のまま現在まで300年の時を生きている。
気が強く、テナ達と再会した途端火箸を投げたり、孫に当たる恭介を初めて見たとたん目の色を変え、詳しい事情を聞かぬままに食って掛かったりと荒い性格。面倒くさがりで、テナ達に頼み事をされても自分から動こうとはしない。
極端なデジタル嫌いで、電話すら所持していない。現代の社会事情に少し疎く、出国以来日本に帰国していないため、明治維新を知らず、徳川政権がまだ続いていると思っていた。お茶が好き。夫のロックは街のレストランのオーナーシェフをしていたが、病気で他界している。
名前の由来は伝統的弦楽器・胡弓から。
カンター・ビレー(Canta Bile)
自称25歳前後。元・ビレー家当主代行でソプラの兄。命の調律師だが、本業は研究者。胡弓に助けを求めたテナ達の元にメッセンジャーとして現れ、共に行動する様になる。非常に冷静な性格であり、頭脳も優れているため、作中では説明キャラとしての役割を担うことが多い。誕生日などの記念日的なものに重要性を感じないため、年齢を正確に覚えてないなど少し理屈っぽいところがある。研究に関しては真面目すぎるほどであり、没頭すると何日も飲まず食わずになることも少なくなかった。ただし、メゾが世話をするようになってからは多少改善された。眼鏡をかけた根っからのインドア派なので、体力的には弱い。メゾとは相思相愛の仲。
名前の由来は「歌うように」を意味する発想記号カンタービレから。
オスティナート・モノフォニー(Ostinato Monophony)
調律師達の本拠地に幽閉されている女性。キタラとグロリアの幼なじみで、外見は少女にしか見えないが40歳。右眼を眼帯で覆っている。グロリアからはオスティナと呼ばれている。
名前の由来は音楽的パターンを続けて何度も繰り返すことを意味するオスティナートと、単一の旋律モノフォニー。
コルダ(Colda)
恭介の母親。故人。黒髪を持つ日系フランス人女性。かつて第2楽団に所属していて琴子の先輩にあたる。非常におっとりとしたつかみ所のないゆるゆるな性格。毎日失敗続きで、患者の治療もかなりアバウト。しかし、患者の求めることを察知することに長けており、周囲からも慕われカリスマナースと呼ばれていた。
臨時赴任先のエコールにて、キタラと出会い結婚、恭介をもうける。だが恭介が「始まりの譜面」ということが調律師上層部に判明したため引き渡しを要求されるが、キタラとともに日本へ逃げることにする。途中レガートの襲撃に会いキタラを失うが、琴子の助けもあり日本へ渡る。その後一般人として生きるべく自身の姿を変え、恭介の力を封じる。
名前の由来はイタリア語で「弦」・「絆」を意味するコルダ。
キタラ(Kithara)
恭介の父親。故人。胡弓の息子。調律師を育てる小学校(:fr:École)で教師をしていた。グロリアとオスティナートは幼馴染。コードの恩師でもある。若干口が悪く教師としての姿勢は厳しいが、子供たちを信頼し接していたため生徒や学校の関係者からは慕われていた。琴子からは一片の曇りもない澄んだ音色の持ち主と言われている。教師になった理由は、未来の調律師である子供たちに出世やしがらみにとらわれず、地上のメロディをまっすぐ受け止められる澄んだ耳を持たせたいと思ったから。エコールで出会ったコルダに一目惚れしてプロポーズし、出会って1分で結婚した。
後にコルダとの間に恭介をもうけるが、恭介が「始まりの譜面」ということが判明したため、調律師上層部に恭介を引き渡すよう命じられる。調律師としての責務と父親としての心から悩み苦しむが、コルダの支えもあり、自分の心に正直な道を選ぶと恭介をつれて日本へ逃げることを決心する。その道中、上層部の監視役として送られていたレガートからコルダと恭介を逃がすため、単身で彼に挑み亡くなる。
名前の由来は古代ギリシアの弦楽器キタラ。

音楽教室の生徒達

恭介の音楽教室に通っている、3人組の女の子達とその友人。16歳。作中では常に3人一緒に行動している。看護師を目指していて、音楽療法を学びたいという理由から、琴子の紹介で恭介の音楽教室に通っている。恭介のことは貧乏で彼女ができなくてかわいそうだと思いつつも、優しくていい先生だと慕っている。テナとも仲良くなり、彼女の使用人A・B・Cとなった。のぞみを含めた4人の名前は全て新幹線の愛称から採られている。恭介がフランスに渡る際の別れで頭をなでられた時、封印の解けかけていた恭介の力により命の譜面が変調したため、3人はソウル・スコアが見えるようになっている。

海影 こだま(うみかげ こだま)
やや気が強く、恭介をロリコンと勘違いして2度KOしたことがある。
月島 ひかり(つきしま ひかり)
やや純情で、赤くなって固まってしまうことが多い。
空知 なすの(そらち なすの)
いつも無表情で感情の起伏が薄い。親が弁護士らしく、テナや恭介に相談に乗るよう持ちかけたこともある。
星子 のぞみ(ほしこ のぞみ)
こだま・ひかり・なすのの幼馴染の少女。中学のときに重病を患って以来、病院で生活している。入院生活が退屈なため音楽を頻繁に聴くようになる。こだまたちがが音楽セラピストを目指すようになったのも彼女がきっかけ。音楽教室の生徒ではないが、退院した暁には恭介のピアノ教室に通うことを約束している。

用語

命の譜面(ソウル・スコア)
この世のものが皆持っているもので、生まれたときからメロディを奏で出し、フィナーレと共に年をとっていく。ズレて調律が必要になることがある。このソウル・スコアの調律とは、編曲に近いものであるとのこと。譜面が狂うと外見に影響を及ぼし、怪物になってしまうこともある。理論上は意図的に譜面を狂わせることで石を金に変えることも可能。ただし、基本的にそのような使い方は法で禁止されている。
命の調律師
命の譜面を調律することが出来る存在。ほとんどが先祖代々調律師のエリート家系の者だが、素質を見出されてスカウトされて来る者もいる。命の調律師の存在は隠密で、一般人にはその存在は知られていないが、世界中の国家に内々に知られていて、科学の力では解決できない問題を「仕事」として調律師本部に依頼してくるという。その歴史は長く、スフォルツ家や3つの名家などは昔から社交の場に立つのが習わしとなっている。
調律はタクトを用いて行う。テナのタクトは伸縮自在の鞭のように振るって調律を行う他、グランドピアノなどの重い物に絡ませて投げるなどの使い方もある。アルンやメゾ&ソプラもタクトを用いて調律を行うが、テナのような使い方は現在のところ見受けられない。また、テナの場合はことあるごとに恭介をつっついたり刺したりするのにも用いているので、硬軟自在でもあるらしい。
調律師の能力は誰にでも備わっているものではなく、少数の人間にだけ備わった特殊技能である。ただし、調律師はあくまで調律を行える者であり、命の譜面を新たに作り出す(命の譜面を作曲する)ことはできない。
3つの名家(リチェルカーレ家 / ビレー家 / フィナレ家)
調律師の中でも研究職で財を成した3つの家柄およびその血統。メゾやベルリラはリチェルカーレ家に、ソプラやカンターはビレー家に属する。リチェルカーレ家とフィナレ家は順調に結果を出し、地位を上げていっていたが、対してビレー家は財政難に陥っていて、現在はベルリラの手により潰れてしまった。
ビレー家はカンターの前の代から地味な仕事しか受けず、そのため研究費が得られず、結果を出すことも出来なかったが、その理由はビレー家はフィナレ家に強制吸収され、不本意な仕事しかできなかったため、大した収入が得られなかったためである。
一方、フィナレ家はカンター曰く、調律師上層部と共同で何か大掛かりな研究をしているらしく、ビレー家を吸収しようとしたのもその人材のためだったらしい。詳細は未だ不明。
始まりの譜面
遠き過去、宇宙創生と同時に偶発的に生まれ出でた「音符を描く音符」。数多い、自らとは違う自らのコピーを生み出し、それらを分化・進化させて万物の礎となり生み出したとされる最初の命の譜面。この譜面を持つ者は、あらゆる譜面をコピーし、自身の力であらゆる無からあらゆる有を生み出す。そのため調律師本部はこの能力を最大の脅威と考え、保護の名の下に幽閉し、自らの都合のいいようにその能力を利用してきた。

作中登場する音楽

音楽をモチーフにしているため実在する曲が紹介される事があるが、物語に直接関わる事は無い。登場した曲として、モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」やジョルジュ・ビゼー作曲の組曲アルルの女より「メヌエット」などがある。他にもオリジナルの曲として、恭介の母が作曲した「恭介へ」と恭介自身が作曲した「脱力マーチ」「虹色のロンド」「月のため息」「涙色の草原」「青春プレリュード」「えびフライマーチ」などの曲が存在する。

単行本

芳文社より「まんがタイムKRコミックス」(B6判)として刊行。

  1. 2007年9月11日発行 ISBN 978-4-8322-7650-5
  2. 2008年1月10日発行 ISBN 978-4-8322-7674-1
  3. 2008年4月26日発行 ISBN 978-4-8322-7696-3
  4. 2008年8月27日発行 ISBN 978-4-8322-7728-1
  5. 2009年2月12日発行 ISBN 978-4-8322-7775-5
  6. 2009年7月13日発行 ISBN 978-4-8322-7820-2
  7. 2010年1月12日発行 ISBN 978-4-8322-7878-3
  8. 2010年6月11日発行 ISBN 978-4-8322-7916-2
  9. 2010年10月27日発行 ISBN 978-4-8322-7948-3

他作品との関連

単行本1巻の描き下ろしページに『えすぴー都 見参!』の五条都が、第九楽章の駅のホームのシーンで『ことゆいジャグリング』の高城唯と山吹小鳥が、第十五楽章でアルンが恭介の料理に感動した際に、『悪魔様へるぷ☆』のルルーが天使の姿で登場している。この他にもゲーム、漫画、映画などのパロディが用いられている。

脚注

外部リンク