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ロックマンX3/岩本佳浩

共有

著者: 岩本佳浩
巻数: 4巻

岩本佳浩の新刊
ロックマンX3の新刊

最新刊『ロックマンX3 4


出版社: 講談社
シリーズ: ボンボンKC


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

ameno_ RT @madhands_tweet: 「岩本佳浩先生版・マックスアーマー」(ロックマンX3) 4年半活動したホビロックは明日が最終回。僕の集大成として、、、 最後は男気溢れる正拳突き! #wf2018w #hobbyrock https://t.co/M9XoIIJHEO

ロックマンX3の既刊

名前発売年月
ロックマンX3 1 1996-08
ロックマンX3 2 1997-01
ロックマンX3 3 1997-07
ロックマンX3 4 1997-11

ロックマンX』(ろっくまんえっくす)は岩本佳浩による漫画作品。カプコンのアクションゲームシリーズの〈ロックマンXシリーズ〉(『ロックマンX4』まで)を原作とした漫画化作品で、1994年から1998年まで『コミックボンボン』で連載された。講談社としてでの最後の〈ロックマン〉の漫画作品であり、以後、カプコン側が講談社の〈ロックマンシリーズ〉の連載契約を解除をし、21世紀(2001年)になってからは小学館との契約、〈ロックマンエグゼシリーズ〉からは小学館刊の『月刊コロコロコミック』等に連載移籍した。

漫画版の概要

基本的にゲームの展開に沿いながらも、岩本独自のシリアスで熱い解釈によって再構築されたストーリーは、多くの読者を惹きつけゲームとの相乗効果で高い人気を博すまでに至った。

当時カプコン第二開発部長(現:常務取締役)だった稲船敬二も岩本の漫画に刺激を受け、よりストーリーに力を入れるようになったという逸話もある『コミックボンボン』1997年8月号のインタビューにて

4作目に当たるX4は当初シリーズ最大のボリュームの構想で、プロローグだけで2話も費やした。しかし当『コミックボンボン』誌内の大幅な路線変更の煽りを受け、当初の構想の6割くらいが進んだ時点で打ち切りが決定。まだボスキャラを多く残している状況で残り2話で完結させるという荒業をせざるを得なかった。1話で一気に4体のボスを倒し、最後の1話で残りの2体を倒しつつエックスとゼロのドラマも補完し、ラストボスとの戦いに向かう所で終了するという不完全な形となった。後に岩本も自身のHPで、直接的な表現は避けながらも「残念だなと思った」とコメントしている。この他、8話でキバトドスの基地にダブルが居た理由やエックスが生きていた真相、アルティメットアーマーの存在を知った経緯も不明のままである。

岩本本人はアクションゲームが苦手らしく、上手な人のプレイを収録したビデオを参考にクリアしていた復刊版ロックマンX第1巻参照。また、ロックマンX3の復刊コミックスが出た際こぼれ話にて、3度もΣがラストであるから「本家と異なり、繰り返しの楽しみがある訳ではないから、書くのが難しい」と称している。対照的に、楽しく描いたのはVAVAらしい。

また、漫画版ではいくつもの名(迷)ゼリフが存在している。特にX3で登場したヴァジュリーラFFの狂気に満ちたセリフは、今でもファンの語り草となっており、作者自身も毎年HPでクリスマスネタに使うほどである。

主要登場人物

ここでは、漫画(漫画版オリジナル以外)での設定について記す。

イレギュラーハンター

エックス
主人公のレプリロイドで、イレギュラーハンター。
本人に自覚はないが、伝説のレプリロイドとされる「ロックマン」の後継者で、敵の武器を自分の力としたり、専用の強化パーツが用意されていたりと、その潜在能力は止まるところを知らない。
性格は心優しく繊細。戦いを好まないが、最後まで諦めない不屈の闘志を秘めている。
その性格をボスからは「甘い」「青二才」などと侮られる事が多いが、一部の思慮深い者だけは彼の本質を見抜いている。
ただし、そのロボットらしからぬ繊細な感情を持て余し「戦友の死に暴走してしまう」というエピソードも用意されている(X1、X3、X4)。しかし、必ず立ち直る強靭な精神力を持ち合わせており、それがこの作品においては重きを置いて描かれるテーマとなっている。
彼の性格を裏付けるファクターとして漫画版独自の設定唯一涙を流す事ができるレプリロイドという要素がある。
また喜怒哀楽が豊かで、時にはコミカルな表情を見せることもある。惨殺死体を見て嘔吐までしており(ネジなどの部品を吐いた)、その際ゼロに「人間臭い」と呆れられている。
なお、ゼロと同じく恋愛には疎い面がある。女の子の服の趣味はマーティ曰く「悪い」。
ゼロ
特A級のイレギュラーハンター。エックスの親友であり、よき理解者(当初は先輩)。しかし彼自身も知らないその正体はエックスの宿敵であると示唆されている。ただし物語が未完のまま終了となった為、この設定は一部を除き活きることはなかった。
エックスの本質を見抜いている節があり、彼に対して絶大な信頼と希望を抱いている。彼の性格に対しては甘いと評しつつも、自分が持ち得ない豊かな感情表現に嫉妬することもある。物語後半では、彼の感情に対する在り方もテーマとなっていったようだ。
シリーズ当初は彼本人の出番が少ないこともあって、公式のような冷静で時に冷淡という性格をしていたが、エックスに感化され、次第に非常に熱いキャラクターとなる。その性格描写は原作よりはるかに多く、特にギャグ描写における原作ゲームとの印象の違いはエックス以上である。
ヘルメットを脱いだ時の髪型はオールバック(ヘルメットを破壊されたまま物語の進行する『X4』では前髪が解けている)という漫画版独自の設定がなされている。作者のHPのコメントによれば、彼のメットレス姿のモチーフは『地球へ…』のキース・アニアンであると言う。
なお彼については、ゲーム以上に多くの伏線が描かれている。X1では彼の持つバスターはエックスのものであるという示唆がいくつかなされている。
また、ゲーム版X4でエックスとの差別化のためバスターを使えなくなっていること補足するためのエピソードでは、彼が自身の出自の記憶を僅かに取り戻すと同時にそのバスターが使えなくなるという意味深な描写がある。
Dr.ケイン
オフィシャルキャラクターでは唯一の人間キャラであり、世界で初めてレプリロイドを製作した人物。機械に対する知識は相当に高いレベルで、同じく高い才能を持ったDr.ドップラーとは人間とレプリロイドの立場を超えた友人同士であった。
軽薄に思われがちな言動をしているが、 死んだレプリロイド達の墓を立てたり、絶望的な傷を負ったゼロやバッファリオの修復を試みたり、道を見失っていたエックスやDr.ドップラーに言葉を投げかけるなど、レプリロイド達を子供のように思い、大切にしていることが窺(うかが)える。
長期行方不明であったエックスが帰還した際に、悪戯をしつつもその目の端には涙を浮かべるなど、その言動は照れ隠しのようである。

レプリフォース

アイリス
カーネルの妹で、ゼロに想いを寄せる少女型レプリロイド。心優しい性格だが、自らの命を差し出す覚悟の強さを持つ。所属は不明。
レプリフォースの反乱後、彼らとは別に自分の部隊を率いて中立に属し、敵味方を問わず戦いで傷つき倒れた者達を介抱していた。
この漫画では、優しさと強さを併せ持つ一体の究極のレプリロイド「ロックマン」を目指して造り出されたとされているが、カーネルとアイリス二人に分割され、兄弟となった。元々一体として造り出された為絆は強く、カーネルの負傷の影響が自らに及ぶ事もあった。
ゼロと対決する事になる経緯はゲームとは全く異なるものになっており、ゼロを憎む描写はない。
カーネル
レプリロイドだけの軍隊、レプリフォースの若き陸軍士官。
基本的に人格者で部下を身を挺(てい)して庇う好漢。高い戦闘力と統率力を備え、軍規を乱す者には制裁を加える軍人らしさも窺える。しかし、誤解から武器を放棄して投降するよう迫られたとき、より大きな混乱を招くと知りつつも、一寸の迷いも無く誇りの為に要求を撥ね付けるなど、青さも目立つ。
ゼロとはX1以前から親交があり、互いに認め合っていた戦友。反乱により道を違え、互いの信念を賭して衝突しあう。
ジェネラル
レプリフォースの最高司令官。礼を重んじ、また敵対する者すら気にかける人格者。
スカイラグーンの一件を機に独立を余儀なくされるも内心は複雑で、必要以上の犠牲が出ないよう配慮する姿勢を見せていた。

シグマとその部下

シグマ(Σ)
ケインの最高傑作であるレプリロイド。イレギュラーハンターとして活動していたが、レプリロイドのための世界を作るために反乱を起こし、自らイレギュラーと化す。
なお彼の特徴でもあるまぶたの模様は、自身に逆らって人間の味方をしたカイルを右手の指に搭載したマシンガンで射殺した後に、発射時に生じた熱を利用して自ら焼きつけたものである。これは漫画版独自の設定であり、顔の傷については、原作ゲームシリーズではイレギュラーハンターXではエックスが、X4ではゼロによって付けられたことになっている(ただしX4の場合、他の部位の傷と共に、修理され消えている可能性もある)。また、X1では火傷としてかなり生々しく描かれていたが、X2以降は原作ゲーム同様にペイントの様に描かれている。
X1は一人称が「俺」と比較的若い印象だが、X2以降は一人称が「ワシ」「私」と実際のゲームに合わせてかキャライメージが高齢化した(他にも「余」「我」がある)。
何度も復活することから、復刊版のあとがきで作者はシグマが1番描きづらいキャラであったと述べた。
VAVA(ヴァヴァ)
エックスとゼロの前に立ちふさがるレプリロイドで、特A級のハンターだけあってその戦闘能力は高いが、電子頭脳回路に異常があるため残忍。
漫画版独自の設定では、ピアノを弾くことができるほどの芸達者であり(X3)、彼の放った台詞には名言も多い(ただし「役不足」という言葉を間違った意味で使っている)。なお、彼はシグマへ完全に賛同したためではなく、戦いと破壊を楽しむためにシグマの側についた(それ故、シグマに対して対等な口調で話している)。
「ロックマン」という伝説を破壊するため、その継承者たるエックスを執拗に狙う。
X1終盤で「ロックマン」として覚醒したエックスに破壊されるも、X3で復活する。Σの城で「鬼」と化したエックスと再び対決。徹底的に攻撃を加え続けるも、最後はエックスの「鬼」に恐怖し敗北する。因みに岩本は、X3で彼の話は楽しく描いたとの事。
ダブル
新入りのハンターだが、実際はシグマの部下。ゲームと同じくずんぐりむっくりな体格で語尾に「~デシ」と付けるドジな性格を装っているが、実際は残忍な性格で、デスフラワーでの戦闘の際には顔だけ変身してエックスの油断と動揺を誘ってから攻撃を加えた。その後、今回の全ての事件はシグマの考えた計画と言う事を喋り、一方的にエックスを攻撃するが彼の反撃に遭い、敗北する。
ゲーム版では最終ステージで相見える本当の姿であるが、漫画では第5話にて登場し、エックスに止められたマシュラームを粛清した。ただしエックスは、この時ダブルであると知らない。第7話ではキバトドスの本拠地にいて戦闘を一部始終観ていたが、その際の目的は不明。

カウンターハンター

バイオレン
頭部から伸びる鉄球と怪力が武器。知能は低く「~なんだなぁ」という独特な喋り方をする。当初は二人とは別行動を取っておりDrケインの基地からゼロの体を奪い取った。機動力も低くないがジャンプして着地すると脚部が重量に耐えられず一時的にフリーズしてしまうのが欠点。全ての武器を失ったエックスに襲い掛かるが最期はアジールの剣をとっさに使ったエックスに敗れた。
サーゲス
3人の中では頭脳派であり、ゼロを復活させた。エックスの事を「奴の忘れ形見」と語るなど、ゼロの制作者を思わせる雰囲気を持つ。最終決戦では地雷戦法でエックスを苦しめたが、アジールもろとも討ち取られ下半身を失う。それでもしぶとく生き残って宇宙に浮かぶキラー衛星の起動スイッチでエックスを脅迫したが、直後に自分が再生させたゼロに止めを刺されて破壊された。
アジール
ビームサーベルを武器にしているカウンターハンター。丁寧な口調で喋るが、最終決戦直前には部下のレプリロイドを掃除と称して全員処刑するなど冷酷な性格。その卓越した剣技と機動能力でエックスを追い詰めるもギガクラッシュの光に視覚センサーを狂わされた隙にエックスのチャージショットに敗れる。連載されていた当時(初登場した第2話)は口調が丁寧で無かったが、復刊版にて修正されている。

ドップラーとその部下

Dr.ドップラー
科学者型レプリロイドで、Dr.ケインの友人。かつてはケインのサポート係を務めていたが、ケインの計らいで独立を認められ、人間とレプリロイドが共存するドッペルタウンの建設やDr.ケインと共同してマオー・ザ・ジャイアントの開発を行った。表面上はどちらが優秀な科学者かで張り合っているようにも見えるが、本心では信頼しあっている。何時の間にかシグマに洗脳され、自身の体を強化しつつエックスとゼロを葬ると共にシグマの究極のボディを作るべく暗躍する。最後には自我を取り戻したが、イレギュラーとなってDr.ケインを襲ってしまうことを恐れ、自らのメインプログラムを握り潰して自害する。
ヴァジュリーラFF
マンダレーラBB
ドップラーが制作したレプリロイド。二体で「ナイトメアポリス」を名乗る。レプリロイドを凶暴化させるチップ「ワーム」を素体としたボディを持ち、非常に高い戦闘力を持つ(初戦ではゼロ、バッファリオ、ホーネック、タイガード、ナマズロス、マサイダーを同時に相手にしても互角以上、二度目の戦いではエックスとゼロを完全に圧倒し捕獲するほど)。復活したエックスに圧倒され、ドップラーに助けを求めるも処刑されかけ、瀕死の状態のところを強制的にゴッドカルマシーン・O・イナリーに改造され、再びエックスと戦わせられる。最終的に双頭の巨大なワーム型の怪物と化すが、敗れ去る。
マック
ドップラーの護衛を勤めていたレプリロイド。ケインと子供じみた喧嘩をするドップラーに呆れたりするなど普通のレプリロイドであったが、ドップラーのイレギュラー化に巻き込まれ彼も凶悪化。騙まし討ちで捕らえたエックスを人質にとってゼロを脅迫したが、ゼロの居合い斬りで切り裂かれた。

ボスキャラクター

本項では、ゲーム版には表れない漫画版オリジナルの性格や演出を中心に記載していく。公式の設定等はゲーム版での各作品のボスキャラクター項を参照されたい。

ロックマンX1

雪原の皇帝 アイシー・ペンギーゴ
ペンギン型レプリロイド。元第13極地部隊所属の特A級ハンター。
反乱を起こしエックスの親友マルスらを捕らえた。エックスを見下しており、ことあるごとに「B級(ハンター)」と嘲る自信家。エックスに追い詰められてマルスを盾にするが、地震の影響で補助電源が作動したマルスに動きを封じられてしまい、エックスのフルチャージショットで撃ち抜かれた。特A級ハンターらしく一時はエックスに戦意を喪失させるまでの実力を示したが、どちらかというと臆病で卑怯な小物臭い性格に描写されている。
豪速拳の雷王 スパーク・マンドリラー
マンドリル型レプリロイド。第17部隊所属の特A級ハンター。「いかなる手段を用いても任務を遂行してこその忠誠だ」として、エックスに倒された部下を「クズ」と罵る、非情な戦士。しかしショットガンアイスで腕を凍らされ、エックスの秘められた強さに伝説の「ロックマン」の面影を見ながら戦意喪失し、エックスに命乞いをした。最後はシグマ(の立体映像を伴う攻撃ビット)によって処刑された。
幽林の妖撃手 スティング・カメリーオ
カメレオン型レプリロイド。元は第9レンジャー部隊きっての実力者。
クラシック音楽に傾倒(鑑賞時のソフトはレコード、プレイヤーは手回し式の骨董品という拘りようだった)し、戦いをダンスパーティーに見立てる倒錯した嗜好の持ち主。名古屋弁と思しき喋り方が特徴。エックスを捕獲するようにとのメッセージを伝えてきたΣの使者を惨殺し、命令を握りつぶす。動物達を洗脳・武装させてエックスを襲わせる。エックスバスターを破壊する寸前までダメージを与えるが(彼曰く「もってあと1発か2発」)、最期は辛うじて発射できたバスターの強烈な光によって変色機能を麻痺させられ、「最後の一発」の直撃弾を受け玉砕。この漫画版では、外皮に鱗のようなアレンジが加えられている。
鋼鉄の甲弾闘士 アーマー・アルマージ
アルマジロ型レプリロイド。第8機甲部隊の元隊長。
礼を尊ぶ武人で、一人称は「某(それがし)」。カメリーオに強い不信感を抱いており、彼を倒したエックスにバスターを修理した上で果し合いを申し込む(この行為にΣは激怒し、ビームサーベルで彼の顔に一本傷を入れる)。Σの命令を無視して正々堂々とエックスに戦いを挑み、バスターのビームを反射する全身のシールドで彼を追いつめるが、体を丸めての体当たり攻撃(漫画ではこの攻撃に「高速回転装甲(ローリングシールド)」の名前が付けられている)を確実な物とする為に、体内に高性能かつ精密なセンサーを搭載していた事が仇となり、エックスのエレクトリックスパークに敗北。自身の爆破(Σに対する忠誠の証として、ボディ内部に裏切りと同時に起動する爆弾が仕掛けてあった)からエックスを守る為、体内の起爆装置ごと日本刀を使って「切腹」した。最終的にヴァヴァの攻撃からエックスをかばって戦死する。身を挺して守り抜いた部下たちに至っては、先にヴァヴァによって皆殺しにされていた。最終回の最後の一コマにも、小さくではあるが、他のキャラクター達とともに(刀傷を負った顔で)描かれている。なお、X1でボス相手に特殊武器を使ったのは、彼とスパーク・マンドリラー(ショットガン・アイス)、スティング・カメリーオ(エレクトリック・スパーク)との戦いのみ。
彼の「戦いとは常に臆した者に負けが訪れるものなのだ」という思想はエックスに多大な影響を与えた。
灼熱のオイルタンク バーニン・ナウマンダー
ナウマン象型レプリロイド。元第4陸上部隊隊長として中東で戦っていた。
小型メカニロイドがレプリロイドのスクラップを吸収して生まれ変わった存在として描かれている。幾らボディを破壊されても、本体であるメカニロイドがダメージを受けない限り、何度でも再生可能。敗北後は自身の辛い過去を吐露。その境遇を哀れんだエックスに情けを掛けられ、贖罪を条件に工場地帯に留まる事となる。X1のボスでは唯一の生存者。
天空の貴公子 ストーム・イーグリード(イグリード)
鷲型レプリロイド。第7空挺部隊の隊長を務めていた。
元第17精鋭部隊所属でゼロと友人関係であったが、旅客機ハイジャック事件でゼロの身代わりに恋人「ティル」が殉職してしまったことが原因で第7空挺部隊に転属し疎遠になっていた。誇り高い性格だが、飛行能力に自信をなくしたオストリーグを励ましたり、エックスのためを思って敢えて外道を演じるなど仲間想い。エックスがヘッド強化パーツを受け取るのに相応しいかどうかテストする為に彼と勝負を挑み、敗北。最後は見事にヘッドパーツを受け取ったエックスに満足し、ゼロとのわだかまりも解消されて誇り高く散って逝き、機能停止したボディはゼロの手によってティルが眠る空へと打ち上げられた。しかし、X2におけるシグマとオストリーグのやり取りからしてシグマの手に落ちていた模様。
名前が「イグリード」だった詳細については後述。
深海の武装将軍 ランチャー・オクトパルド
元第6艦隊所属の、タコ型レプリロイド。漫画版独自の設定として、触手それぞれに敵のエネルギー波長を感知し自動追尾するセンサーや、超振動機能で敵をパーツ単位にまで破壊するシステムが搭載されている。一人称は「わし」(ただし、倒される直前には「オレ」と発言。公式設定で性格に関する記述は無かったためキャラが安定していなかったと思われる)。卑劣な性格で、バスターを無効化するサイドス溶液を戦いの舞台にする事によって戦局を優位に進め、さらにマーティを触手の超振動機能で破壊するも、その残骸がエックスバスターのエネルギーを帯びた事によってセンサーを狂わされ、最後はマーティの三叉槍を持ったエックスに顎から脳天まで貫かれ絶命した。
時空の斬鉄鬼 ブーメル・クワンガー
クワガタ型レプリロイド。マンドリラーと同じく、第17部隊に所属していた。
自らの頭脳をタワー最上階の壁面全体に移植・増築していたため、レプリロイドの限界以上の速さで動けるという設定が設けられていた。最期は日本を消滅させるためにチャージしていたエネルギーを転用され、エックスの一撃によって最上階ごと灰燼に帰す。
後に弟、グラビティー・ビートブードの尽力によって残されたわずかなチップから奇跡の復活を遂げる(台詞がカタカナになっており、下半身は浮遊ユニットで代用されていた)が、今度はバグボールの性質を逆手に取ったエックスの奇策により大破した末にブラックホール化。かつての戦いの時と同じく外部エネルギーで強化されたエックスバスターで完全消滅した。常に丁寧な口調で話す。
因みに幻影などを含めると、全シリーズに登場している。

ロックマンX2

緑林の小悪魔 ワイヤー・ヘチマール
シグマの命により気象コントロールセンターを占拠したヘチマ型レプリロイド。無邪気な性格で善悪の区別が付かず、天気をコロコロ変えては楽しんでいた。ダンス好きであり、先述の気象コントロールのスイッチもダンスステージ型にしていた。エックスとの戦闘後にケイン博士がその場で修理して正気に戻った。X2のボスでは唯一生存。なお、ゲームではシグマの秘密工場で作られた事になっているが、漫画版では不明。
ヒートナックルチャンピオン フレイム・スタッガー
鹿型レプリロイド。エックスが所属していた第17精鋭部隊の元隊員。負けず嫌いな性格で、同じ言葉を何度も繰り返す狂気の籠ったセリフ回し(「笑う!笑う笑う笑う笑う!笑っちまうねー!」等)が特徴。
第17精鋭部隊の隊員だった頃は新人イジメの常習者であり、エックスにそれを咎められた事によりゼロらが見守る中でのエックスとの決闘に臨むもののあっさり負けてしまう。それ以来エックスを逆恨みしており、そのためにシグマに協力。大幅に強化された状態でエックスに挑む。最期は不完全な強化改造が裏目に出て、エックスの攻撃で体内の発火システムが破壊され暴走。自分で自分を焼き尽くしてしまう。
水晶の魔術師 クリスター・マイマイン
カタツムリ型レプリロイド。シグマ製。醜い自分の姿にコンプレックスを抱いている。言葉を話さないマグナクォーツ(このステージの中ボス)を「友」として溺愛しとても大切にしていた。マグナクォーツがエックスに倒されたことで大いに悲しみ、自らの心の拠りどころが失われた復讐のために、エックスへと襲いかかった。自分以外の時間を歪め、思考能力以外を減速させる能力がある。独特の美意識を持つのが特徴。一人称は「ボク」で、少年らしい口調を用いる。最後はエックスに本心を打ち明けショックを与えるも、恐怖心に勝てず発射されたエックスバスターによって破壊された。
砂漠の韋駄天 ソニック・オストリーグ
ダチョウ型レプリロイド。元々は第7空挺部隊の特A級ハンターだったが事故(ブースター故障による墜落)による飛行への恐怖心が拭い去れず、飛行能力を封印、脱退していた。
イーグリードの部下だったが部隊を辞めた後は親友関係であり、シグマに「イーグリードは裏切り者のエックスに破壊された」と騙されてエックスを恨み彼と対立する。しかしエックスの不屈の姿にイーグリードの姿が重なり、迷いが生じる。そして自分の知らなかった巨大ミサイルが放たれるのを見ると同時に、現れたバイオレンによって自分が欺かれていた事を知り、エックスへの償いの為にミサイルへ向かおうとする彼を追い越して、封印していた飛行能力を復活させてミサイルに特攻し、死の間際にイーグリードの霊(?)と友情を確かめ合い(尚、イーグリードの姿はエックスにも見えていた)イーグリードと同様に誇り高く散って逝った。
飛行能力を失っても戦闘力そのものは衰えておらず、事実エックスとの対決では彼に殆ど乗ずる隙を与えなかった。
紅のアサッシン マグネ・ヒャクレッガー
ムカデ型レプリロイド。元は全18あるイレギュラーハンター部隊でも影の存在である第0特殊部隊に所属していたエキスパート。卑劣な性格で、女性型レプリロイド・シルキーの姿に化けてエックスを中央コンピューターに誘導して倒そうとした。尾のウィルスでエックスの能力を次々と消去して優勢に立つが、最後はエックスによってマザーのむき出しの回路に押しつけられ、自らが流したウイルスにやられる。エックスと対峙した時は、普通の口調になったり、慇懃無礼な敬語になったり、また普通の口調に戻ったりと、「忍び部隊」らしからぬ感情の起伏が激しいキャラだった。
深海の切り裂き魔 バブリー・クラブロス
カニ型レプリロイド。イレギュラーハンター第6艦隊に所属していた元特A級ハンター。
守銭奴振りに磨きが掛かり、カニ型の巨大貯金箱に金を溜め込んでいた。また海中用レプリロイドを次々と破壊し、動力源「マイヤールビー」を資産として奪っていた。彼曰く総資産は300億円に達するといい、いずれは世界だけでなくシグマをも金で牛耳ろうと目論む狂信的な拝金主義者になっている。口調は大阪弁。マーティの髪を切り落としたときは「髪は女の命だ」と激怒する彼女に呆れていた。エックスからは「だるまがに」呼ばわりされた。最後はエックスの策に引っかかり、バスターで縦に真っ二つにされる。
夢の島の堕天使 メタモル・モスミーノス
蛾(ガ)型レプリロイド。シグマ製作。
ゲームと同じく初めはミノムシの姿で出現。鱗粉には幻影を見せる効果があり、スクラップ処理場に入ったエックスに過去のボス達の墓標を見せ精神的に追い詰め、さらには復活したように見せて襲わせた。エックスには卑怯者呼ばわりされていたが、モスミーノス自身は「エフェクトも戦術の内」という考え方である。鱗粉とスクラップやビームによる攻撃でエックスを追い込むが、鱗粉がラッシングバーナーの導火線となり燃え尽きた。常に丁寧な口調で話す。
凶牙の重戦車 ホイール・アリゲイツ
ワニ型レプリロイド。元6艦隊副隊長。凶暴さに磨きがかかっており、バスターが撃てなくなったエックスを一方的に蹂躙したが、最期はアームパーツが使用可能になったエックスのダブルチャージショットによって倒された。

ロックマンX3

ゲーム中でもドップラーに洗脳されたという設定があるためか、破壊されずに正気に戻ったボスが多く、終盤で正気に戻ったボス達がエックスらを救うために奮闘する。なお、エックスにも終盤まで強化アーマーを使わせずに戦わせたおかげでボスキャラを大勢生き残らせることができたという。

白銀の雪男 フローズン・バッファリオ
バッファロー型スキー場整備用レプリロイド。
本来は街を愛し、レプリロイドにも人間にも分け隔てなく接する心優しい性格であったが、ドップラーに洗脳されてイレギュラー化。芸術家気取りで街を凍り漬けにする。エックスと対決して敗北し、正気に戻った後に自分のした行いを嘆き、一度はエックスに破壊される事を望む。しかし友人である少年トシヒコがバッファリオを想い、必死で雪ダルマを作る姿をエックスに見せられて立ち直った。後に(X4編にて)はエックスと共にフロスト・キバトドスと戦うが、エックスをかばい死亡する。
地底のバーバリアン スクリュー・マサイダー
エネルゲン水晶採掘用サイ型レプリロイド。当初はそのままの姿でエックス達の前に立ちはだかるも、元が作業用なためか二人に軽くいなされた。しかし、その後、ドップラーによって洗脳されイレギュラーとなり、言語力もほぼ無い戦闘用レプリロイドに改造されてしまうが、それでも所詮は付け焼刃でありエックスやゼロには通用しなかった。戦闘後は破壊されず本来の心を取り戻した。その後はイレギュラーハンターに協力する仲間としてドッペルタウンでの決戦にも参戦する。
影の飛忍 エクスプローズ・ホーネック
スズメバチ型レプリロイド。イレギュラーハンター第0特殊部隊の副隊長であり、ゼロの部下にあたる。
元・チンピラグループのリーダーであり、イレギュラーハンターになる以前のゼロに喧嘩を売って倒された事が2人の出会いであった。その後ゼロの強さに憧れて彼の部下となる。
初登場時にはイレギュラーハンターであったが、 序盤のネオ・イレギュラーハンターベース(ゲームでのオープニングステージ)での戦いの際にヴァジュリーラFFに拉致されイレギュラーとなり、後にゼロと戦う事になる。ゼロを超える強さを手にすることに固執し、全身を追加パーツで武装していたが、ゼロには全く通用せず、逆にゼロとの戦いの中で強さとは何なのかを再確認し、再びゼロの下に戻った。その後、バッファリオら3体と共に脳内チップに擬態していたワーム型Σウィルスを除去され現場復帰している。X4のプロローグにも、ワンシーンだけ登場している。
ジャングルの守護神 シャイニング・タイガード
森林保護用のトラ型レプリロイド。
雌のトラ(レプリロイドやメカニロイドではなく本物)と恋仲にあった。そのため、密猟者に恋人を傷つけられた事に起因する人間への怒りに我を忘れドップラーの甘言に乗ってしまうが、ゼロやエックスとの対決の末に正気に戻った。
作中では攻撃の大半を太陽光を利用したエックスのバスターよりも高出力のツメ(ビームクロー)で行い、特殊武器『レイスプラッシャー』は終盤に数コマ使っただけで(とはいえ、ゲーム本編でもどちらかと言えばツメを突き出しての体当たりが多い)、エックスには殆ど通用しなかった。初登場時は助詞を使わない錯乱気味な口調だったが、正気に戻ってからは普通の口調になっている。
レスキュー発電所 エレキテル・ナマズロス
発電用のナマズ型レプリロイド。
関西弁で喋り、芸人志望で「ワーム」によってスターへの憧れが暴走し、各地の発電所でライブを行って破壊していた。電撃でツッコミを入れても耐えられると言うだけの理由でエックスとお笑いコンビを組みたがっていた。エックスの攻撃で正気に戻り、本来の任務とは正反対の事をしてしまった自責の念から、命と引き換えに自ら発電所の炉心になって都市の機能を回復させる。そして後日、奇跡的に復活した。
七つの海の破壊神 シザーズ・シュリンプァー
シグマ軍との戦いに備えて作られたとされる戦闘用ザリガニ型レプリロイド。しかしプログラムに不備があったため封印されていた。
破壊と殺戮を楽しむ戦闘狂で、ガンダ造船所を占拠した。得意の水中戦でエックスをいたぶるものの自身の負傷に逆上、人質を取り秘蔵の戦艦を発進。最後の最後で遠距離から自分だけを一撃で撃ち抜いたエックスの頭脳プレーに歓喜し、満足げに死んでいった。八大ボスの中で唯一エックスに破壊された。オクトパルドのサイドス溶液を使用しない通常の水中戦だったにもかかわらず、エックスバスターの威力が大幅に減少する描写がなされた。
水龍のプレジデント アシッド・シーフォース
ドップラー軍団所属。タツノオトシゴ型レプリロイド。
詩人ぶった喋り方が特徴。世界有数の規模を誇るモナークダムを占拠したがそれは機能停止した女性型レプリロイドを護る為である。エックスたちとの戦いでは、液体化能力で周囲の水に溶け込み、かく乱する事で優位に立つが、エックスが放ったフロストシールドで冷凍され、凍りついた所をバスターを撃ち込まれ敗北(この際にワームから開放される)。バスターを食らって頭を強打した際に液体化機能が破損。最期は元に戻れなくなると分かっていながら液体化して女性型レプリロイドの「保護膜」になり、共にダムの底で永遠に眠る道を選んだ。
鋼鉄のリベンジャー グラビティー・ビートブード
カブトムシ型レプリロイド。兄弟レプリロイドであり、兄はブーメル・クワンガー。
抑揚の無い口調で喋る。兄が破壊されたのは自業自得であると理解していたが、兄思いであるが故に割り切ることができず、エックスへの憧れと憎しみの間で苦しんでいた。そこをドップラーにつけこまれ、「ワーム」を入れられる。ゼロのボディにクワンガーの頭脳を移植しようと企む。落命はしていないが、その後の去就は不明。

ロックマンX4

密林のゲリラコマンダー ウェブ・スパイダス
クモ型レプリロイド。レプリフォース軍ゲリラ部隊長。元イレギュラーハンター第0特殊部隊(別名:忍び部隊)所属。戦闘において、「戦場において、任務達成と生還の為にはどんなものでも利用する」を自身の信条にしている。職業軍人として高い誇りを持ち、かつて所属していたイレギュラーハンターを、後述の理由もあって嫌っている。エックスによって瀕死に追い込まれ、無益な戦いに迷いその終結を願うエックスに対し「不完全な存在である人が造ったレプリロイドもまた不完全であるのは当然の事実であり、それを人間がイレギュラーとして否定し続けるかぎり、この戦いは終わらない」とその非情さを訴えながら力尽き死んでいった。語尾が「ね」となる口調で話す。
廃墟の小悪魔 スプリット・マシュラーム
生物研究所(バイオラボラトリー)管理用マッシュルーム型レプリロイド。
エックスの前に立ちはだかるが、その姿はワイヤー・ヘチマールの様な純粋無垢な様子が垣間見られ、その行動も一種の悪ふざけのようであった。エックスは彼を更生させようとするが、しかし最期は正体を隠し謎のイレギュラーとして現れたダブルによって惨殺される。
極北の暴れん坊 フロスト・キバトドス
レプリフォース陸軍所属。セイウチ型のレプリロイド。バニラアイスが大好物。
捕虜を狩りの獲物にしたり、倒した相手を氷漬けにして標本のようにする等、凶暴さと残虐さが更に強調されており、エックスに協力していたバッファリオを殺害した。だが、それが引き金となって暴走したエックスに重傷を負わされ、最期は規律を乱すものとしてジェネラルに処刑された。
アクアデストロイヤー ジェット・スティングレン
エイ型レプリロイド。レプリシーフォース軍所属。
任務中に助けられたカーネルをとても尊敬しており、カーネルの「部下を守り、敵を倒し、生還する」という教えを己の信条とし、部下の命を大切にしていた。イレギュラー事件現場にいながらカーネルを容疑者として、武装解除を要求したゼロを許せず、部下を撤退させ一対一の戦いを挑むも敗れた。最期は彼の身を案じて戻ってきた部下共々、レプリロイドの自警団により破壊される。
ネットワークガーディアン サイバー・クジャッカー
クジャク型イレギュラー。正確に言うとレプリロイドではなくコンピュータプログラム。ゲーム同様オカマ口調だが、ミステリアスな雰囲気を持つ。アイリス達のネットワークを侵す「バグ」として現れた。ネットワークにダイブしたゼロによって倒され、最後は道連れにしようとし、ゼロを庇ったアイリスを意識不明の状態にした。
鋼の破壊王 スラッシュ・ビストレオ
ライオン型レプリロイド。レプリフォース軍補給部隊所属。
アイリスに取り憑いた「バグ」を除去できるワクチンを所持していた。部下を暴力的に扱い、自身も相当の自負があったが、アルティメットアーマーを装着したエックスにバラバラの残骸になるまで破壊される。最期には命乞いをしていたらしい。
爆炎の武道家 マグマード・ドラグーン
竜型レプリロイド。イレギュラーハンター第14部隊(通称・白兵戦部隊)の隊長。
月刊誌連載時は連載が打ち切られた事もあって、ゼロとの対峙など重要キャラを思わせる初登場シーンがあったにも拘らず、再登場は既にエックスに破壊されていた残骸としてであった。2005年に発行された復刊版コミックではエックスと戦うシーンが描き下ろし追加され、最初は優勢であったが、フル出力のプラズマチャージショットと波動拳の打ち合いに競り負け、倒される。アルティメットアーマーをまとい戦うエックスの姿を見て、それが「怯え」によるものである事を見抜いていた。
古風な口調で喋る。一人称は「我」。
大空の参謀長 ストーム・フクロウル
フクロウ型レプリロイド。レプリフォース参謀本部、及びレプリエアフォース軍所属。
ジェネラルないしはレプリフォースに絶対の忠誠を抱いており、戦うことへの迷いはない。最後はアルティメットアーマーを装着したエックスに立ちはだかるが、その圧倒的な力に倒される。あまりに強大なエックスの力を畏れ、エックスを「イレギュラー」と呼んだ。プレストーリーや会話シーンへの登場が比較的多く、カーネルの右腕的存在であった事が窺えるが、連載時には打ち切りのためドラグーンと共に戦闘シーンがカットされたキャラクター。復刊版では戦闘シーンは結局追加されず、短い会話のやりとりのみが書き下ろされた。

オリジナルキャラクター

イレギュラーハンター

カイル
イレギュラーハンター第17精鋭部隊に所属する特A級ハンター。シグマの企てに対し異論を挟んだ為に、シグマ自身に拠って粛清される。
マルス
元は第17精鋭部隊に所属するハンター(ランクは不明)でエックスの友人だったが、第13極地部隊隊長として栄転する。シグマが反乱を起こすと反乱軍の参加を巡って、同じ13部隊の特A級ハンターであるアイシー・ペンギーゴと対立する事となり、直接対決で敗れ部隊の実権をペンギーゴに奪われてしまった上、自身は氷漬けにされてしまう。
その後、エックスとペンギーゴの対決の最中地震の影響で再起動すると、手練手管でエックスを翻弄するペンギーゴを羽交い絞めにし、自分達の誇りを守る為にエックスのフルチャージバスターにペンギーゴ共々貫かれた。
ティル
A級ハンターの称号を持つ少女型レプリロイドでストーム・イーグリードの恋人。自身が警護する旅客機がイレギュラーにハイジャックされ、自らも囚われの身となると言う憂き目に遇うが、救援に駆けつけてきたゼロによって救出され、ゼロと共にハイジャック犯を追い詰める。しかしハイジャック犯との戦いで負傷したゼロに代わり、イレギュラーの仕掛けた爆弾を処理しようとした際、誤って機外に放り出され殉職してしまった。

レスキュー隊員・海賊団

マーティ
長い金髪を持つ人魚の姿をしたレスキュー用レプリロイド。シグマの命で海路寸断を目論みマーティが活動する海域に進出してきたランチャー・オクトパルドの口車に乗りエックスを罠に嵌めるが、如何なる苦境にも決して屈しないエックスの姿に心打たれ、オクトパルドに翻意を示しその報復を受け一度破壊されてしまう。しかし、ボディこそ粉砕されたもののメモリーチップが無傷だったために辛うじて一命を取り留める。この時にエックスに新しいボディの設計を要求し、エックスもその要求を約束として呑んでいる。なお、戦いが終わりエックスが用意したボディは何故かロリータファッションで彼女の気に入らず、後に自身で鎧を用意した。
性格はいわゆるツンデレで、エックスに対して想いを寄せているが当のエックスにはあまり自覚はない。復刊版ではエックスから「2人で会いたい」と誘われる(彼女の意図する意味合いではない)エピソードも追加されていたが……。
この後もセミレギュラーとして物語に幾度も登場し、海賊団のリーダーとしてエックスと共にバブリー・クラブロスと戦ったり、Dr.ドップラーの反乱時には処刑寸前のエックスにパワーアップパーツを届けるなどの活躍を見せている。また、X3ではシグマ以外で初めて破壊者となったエックスを見る事になり、その後姿に「鬼」を見た。
オリジナルキャラの中でもトップクラスの人気を誇っており、カプコンからX1~6のサントラCDのデザインの仕事が来た際に『“オリジナルキャラ”を出しても構わない』と言われる等、知名度も高い(ちなみに最終的に岩本は、ゲームあってこそのマンガだとして書かなかったとのことである)。作者が自分のホームページで壁紙のリクエストを応募した際には、オリジナルキャラであるにも拘らず、マーティが2位を引き離してトップで決定したほどである(結果は1位マーティ80票、2位エックス&ゼロ61票、3位マーティ&アイリス45票であった。)。
当初は黒髪の予定だったらしいが絵が重くなるということから金髪に変更されたという説がある。
副長
海賊団の一員でマーティの部下。マーティを「あねご」、エックスを「だんな」と呼び慕っており、マーティがエックスに想いを寄せていることも知っている(うっかりマーティに打ち明け叱られたことも)。
ボーイ
最初のシグマ事件の後エックスが隊長として配属された第七レスキュー部隊の一員。真っ直ぐな心根の持ち主で、心優しいエックスを隊長として尊敬していたが、同僚ヒールの背信行為によって仲間達と共に殺害される。彼の死がエックスに再び戦う決意をさせることになる。
ヒール
レスキュー隊員。シグマの命でエックスの部下を装い命を狙っていた。バスターという武装を持ちながら封印し使おうともしないエックスを激しく侮蔑していた。偽装事故を引き起こしレスキュー隊の仲間諸共エックスを抹殺しようと試みるが、却ってエックスの怒りを買い返り討ちに遇った。
ブケノ、イージー、ロビン
ボーイやヒールと同じレスキュー隊の仲間達。ヒールの画策によって無残な最期を遂げてしまう。

その他

マザー
世界中のCPUの中心たるマザーコンピューターの頭脳そのもの。ウィルスによって壊滅的な被害を受け、もはや自らも機能停止=死を覚悟していたが、絶望的な状況でも戦い続けるエックスに心打たれ助力を行った。その後ウイルスデータが消滅したことで一命を取り留め、シグマとの最終決戦にも協力した。マザーの声は頭の中に直接語りかけるようで、シグマ等の悪人には聞こえないようである。
シルキー
マザーコンピューターの管理人を名乗る。マザーコンピューターがシグマウィルスに感染し、危機的な状況に陥っている事をエックスに告げ助けを求めるが、その正体こそマザーコンピューターにウィルスを撒いた張本人マグネ・ヒャクレッガーだった。
女性レプリロイド
アシッド・シーフォースが占拠したダムで守り続けていた、機能停止している美しいレプリロイド。劇中でその素性は語られていない。
トシヒコ
人間の少年。友達とも遊ばず一人でいた所をフローズン・バッファリオと出会い仲良くなった。イレギュラー化したバッファリオに心を痛めていた。
「ROCKMAN」
伝説として語り継がれているレプリロイド。人類が存亡の危機に瀕(ひん)した時に現れると言われている。相手の特殊武器を己が物とし、絶え間ない進化を続ける究極の能力を持つものこそが、「ROCKMAN」の継承者とされている。X3までは名前が偶に上がるか、敵(主にシグマやVAVAなど)がエックスを「ロックマンエックス(またはロックマンX)」と呼ぶ程度で姿は描かれなかったが、X4にてアイリスが自分とカーネルが最初は1体のレプリロイドになる筈だった事やその開発コンセプトをゼロに語るシーンで、初代ロックマンのシルエットが登場する。

漫画版とゲーム版の相違点

ストーリー性を重視する関係上、ゲームとはボス戦の流れ等が大幅に異なる。

ボスキャラクター

  • X1で戦うボスパイダー、ランダバンダ、D-REX。X2で戦うアジールフライヤーやサーゲスタンク、X3で戦うヘルクラッシャー、ワームシーカー、ホタリーカー、プレスディスポーザー、モスキータス、ボルトクラゲール、ブラウンベア、X4で戦うアイザード、ジェネレイドコアと、一部の中ボスやメカニロイドの大ボス、ボスの形態の一部が登場しない。
  • 全体的にボスキャラクターの過去がオリジナルで設定されており、恋人が居たり好物があったりと性格描写に深みを与えている。また、ゲーム版では「弱い」とされるボスが強化されていることもある(フロスト・キバトドスなどは、かなり凶悪になっている)。
  • 「ロックマンX」に登場したバーニン・ナウマンダーの正体は、小型CPUで普通に会話が出来る高等さがある。X1における唯一の生存者。「ロックマンX2」では、ワイヤー・ヘチマールが生存者である。「ロックマンX3」では、シザーズ・シュリンプァーとアシッド・シーフォース以外は、全員生きている。ボスキャラが全滅したのは、「ロックマンX4」のみである。
  • 必ずしもエックス(ゼロ)がとどめを刺して倒したとは限らないケースがある。「X1」はシグマに処刑されたマンドリラー、自害したアルマージ。「X2」はミサイルに特攻したオストリーグ、マザーコンピューターに自分のウイルスを逆流入されたヒャクレッガー。「X3」は大半が生き残るか、エックスに倒されたかのどちらかで、

とどめを刺したという意味では“居ない”。「X4」は自警団に殲滅されたスティングレン、ダブルに殺されたマシュラーム、ジェネラルに粛清されたキバトドス、ゼロに致命傷を負わされるも最期は自爆のような形で消滅したクジャッカー、などが該当する。

  • 本作のロックバスターは強力な破壊光弾とされ、ゲームと違って相手によってはフルチャージショットを一発命中させるだけで勝負が着く事もある(逆に、バイオレンやキバトドス、ジェネラルのような重装甲を持つキャラには全く効かなかった事もある)。
  • ゲーム最終ステージに必ずある、8大ボスとの総当たり決戦がない。
  • X1で登場したベルガーダーとの戦闘描写は無い(対峙する場面のみが描かれ、次のシーンではすでにエックスに破壊されていた)。
  • X2に登場するカウンターハンターの1人であるバイオレンの性格や言動がゲーム版と大きく異なる。
  • X3では、「ホーネックはゼロが隊長を務める第0特殊部隊の副隊長」という設定から、エックスではなくゼロがホーネックを倒しに行く。初めてエックスの出番が無かった話であった。
  • X3で登場したフローズン・バッファリオは、X4第6話にて壮絶な死に方をした(ゲーム版のフロスト・キバトドスステージにバッファリオの残骸があった事への理由付けと思われる)。
  • X3のナイトメアポリスはシグマウイルスを流し込み、チップに擬態する「ワーム」と呼ばれる虫型メカの集合体と言う設定であり、ナイトメアポリスとの最終決戦でワームを砕かれて、マンダレーラBBの顔の一部がワームのままと言う描写がある。さらにO・イナリーもナイトメアポリスにさらに大量のワームが融合して生まれたロボットであるとされている
  • X4のボスであるスラッシュ・ビストレオとストーム・フクロウルの戦闘シーンが無い(マグマード・ドラグーンのみ、復刊版にて追加された)。

ストーリー

  • X2第3話にて、アジールとサーゲスがエックスと対面。バイオレンがゼロのボディを強奪する(ゲームでは、任意のボスを2体倒すとカウンターハンターと戦闘が可能。ただし対面はしない。また、カウンターハンターが1人でも残っている状態で6つのステージをクリアすると、取り戻したゼロのパーツを再び強奪されてしまう)。
  • X2第4話でゼロは復活する。その後、エックスに会うべく基地を脱走するが(計画を伝えるため)、途中で力尽きる。第7話では同じマザーセンターに居たが、「シグマのデータを消すまでは会えない」とマザーに告げ、去っていく。なおエックスはヒャクレッガーとの戦闘後、ゼロの生存をマザーから聞いた。
  • X2第9話でエックスはゼロと再会する(ゲームはΣ戦の前で再会もしくは戦闘する)。この時、ゼロに斬り付けられてしまい、ショックで一時的にバスターが使えなかった。ただしX4との違いは、洗脳状態である事(どちらのケースも、相当堪えている)。
  • カウンターハンターとの戦闘は1対3であり、サーゲスはゼロによって倒された。
  • X3では、殆どのエピソードでゼロと一緒に戦っている(別行動をしている話もあるが)。岩本は「コンビ感を出す為」と復刊版にて語っている。
  • X3では大半のボスキャラが野心や敵意から人間を裏切ったのではなくドップラーのチップで無理矢理イレギュラー化されたと言う設定にされ、破壊されずに生き残り、その後はエックス達の味方として描かれたボスキャラも居る。
  • X3では、中盤エックスがウイルスを流すワームに取り付かれている間にゼロ&生き残ったボスキャラとナイトメアポリスが壮絶な死闘を演じるというエピソードが追加されている。さらにエックスとゼロがナイトメアポリスに捕まり処刑されそうになった際には味方になった各ボスキャラ達がエックスのパワーアップパーツのデータを集め、それをマーティがエックス達の下に届けると言う展開になっている。
  • ドップラーがΣとVAVAよりも先に死亡してしまう。VAVAの登場がドップラーよりも後になっている。
  • X4ではレプリフォース独立演説直後に、戦友カーネル達の行為に苛立ちを感じたゼロがエックスをサーベルで切り裂き基地を脱走し、イレギュラー認定されながらも独自にカーネルを追う。また、打ち切りによりシグマとの対決直前で終了。
  • ↑の影響で、ゲームではゼロのオペレーターを務めるアイリスは軍を離脱した部隊を連れ、各地で戦災負傷者への救助活動を行なっている。よってアイリスの性格もゲームとはかなり異なる。X4はこの他にも(打ち切りの影響もあってか)、ストーリー展開が独特である。
  • レプリフォースが最初のシグマ反乱事件(ロックマンX)に関わらなかったのは、イレギュラーハンター上層部が身内の不祥事は自分達で解決する、という「見栄」を張ってレプリフォース側の協力を断った為とされている。なおレプリフォースの成立時期は、『ロックマンX大全書』にはX3とX4の間と書かれているが、漫画版では少なくともX1の時点で既に成立しているようだ(ゼロの回想でカーネルとの出会いも書かれており、その時のゼロの姿はX1時代の物だった為)。

特殊武器

  • 全作通して、特殊武器を使う場面が非常に少ない(ゼロ然り、ただしX4の後半では必殺技を連発している。エックスの場合、X3でザコやVAVA MK-II相手に多用している)。これは、ゲームとは違い、マンガ上で特殊武器が効果的であることを見せるには、「何故そのボスにこの特殊武器が効くのか?」というSF考証を必要とするが、作者がその手間暇を避けるため、当初敢えて使わない意向だったことによる。X3ではエックス自ら、あまり特殊武器を使っていないことを認める発言をしている。
  • なお、ボス相手に特殊武器を使ったのは、X1でスティング・カメリーオとアーマー・アルマージにエレクトリックスパーク、スパーク・マンドリラーにショットガンアイス。X2ではメタモル・モスミーノスにラッシングバーナー、カウンターハンターとの決戦では全ての特殊武器。X3でアシッド・シーフォースにフロストシールド、エレキテル・ナマズロスとの戦いでトルネードファング、VAVA MK-II戦ではフロストシールド、アシッドラッシュ、トライアードサンダー、トルネードファングのチャージショットを使用している(カメリーオに対するエレクトリックスパークのみ弱点でない)。なお、これ等の相手は「精密なセンサーを持っているので高圧電流に弱い」や「引火性の高い特殊な鱗粉を使う」、「液体化する能力がある為、冷凍されるのに弱い」等の、(一部の例外はあれども)特殊武器が効く理由が解りやすい相手に限定されている。なお、X2のカウンターハンターは全ての特殊武器を弾切れまで使ったが、傷を負わすことはできなかった。また、X3のVAVA MK-II戦ではフロストシールドは文字通り盾として使い、トルネードファング、アシッドラッシュは撃つも防がれ、トライアードサンダーは戦場の一部を破壊するのに使用した。
  • 「ロックマンX3」の特殊武器、「トルネードファング」の名称が「ドリルファング」になっていた。
  • 「ロックマンX3」のVAVA MK-II戦でのみ、特殊武器のチャージショットを使用している。

その他

  • エックスのバスターは、X1~2の途中までは左腕でしか使用できなかったが、オストリーグ戦後ケインが改良し、右腕でも使用できるようになった(ゲームの公式イラストでは大抵X1から右腕に装備している)。複雑な回路のため両腕同時にはできないことも明かされた。
  • ゲームではX4で公式にOKにされたレプリロイド同士の恋愛だが、漫画版では既にX1でイーグリードとティル、X2でエックスとマーティ(?)のカップルが成立している。子を成すことは不可能だが、魂を伝えるためにDr.ケインが方法を模索しているとされている。
  • X1の「イーグリード」は、作中では作者の読み間違いで「イグリード」と表記されており、X2が中盤に差し掛かった頃に間違いに気づいたという。だが後に復刊の話が出た際、ファンの間ではイグリードという名前が定着していたことを知って驚くとともに嬉しく思い、ファンサービスのつもりから「復刊できたら名前の表記はイグリードで通す」と自身のHP上で公言した。だが時間が経つにつれ「最初の間違いはまだしも、意図的に間違った名前を書くのは製作に携わったスタッフ、そしてこのゲームを愛するプレイヤーの方々に失礼ではないか」と思い始め、悩んだ末に「名前の表記はコミックボンボン掲載時のもの