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アラベスク/山岸涼子

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著者: 山岸涼子
巻数: 4巻

山岸涼子の新刊
アラベスクの新刊

最新刊『アラベスク 4


出版社: 白泉社
シリーズ: 白泉社文庫


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

ani_slo_bot 旧ソ連を舞台にした山岸凉子のバレエ漫画は?→「アラベスク」
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アラベスクの既刊

名前発売年月
アラベスク 1 1994-12
アラベスク 2 1994-12
アラベスク 3 1994-12
アラベスク 4 1994-12

アラベスク』は、山岸凉子による日本の漫画作品。1971年から1975年にかけて発表された。

概要

1970年代の共産体制下のソビエト連邦を主舞台にした長編バレエ漫画。第1部は1971年から1973年に『りぼん』(集英社)で、第2部は1974年から1975年に『花とゆめ』(白泉社)でそれぞれ連載された。

1970年代、日本のバレエはまだ到底世界的に通用するものではなかった事もあり、当時世界最高峰のバレエ大国であったソビエトを作品の舞台に選んだという。そのため、1970年代の社会情勢やバレエ事情が、作中に色濃く反映されている。その後ソビエト崩壊で世界情勢は一変し、バレエ事情も大きく変わっている(当時「規格外」とされた長身バレリーナが現在はむしろ主流、体操出身のプリマもいるなど)。

単行本は、りぼんマスコットコミックス(集英社)から第1部の全4巻が刊行された。その後、花とゆめコミックス(白泉社)から第2部の全4巻が刊行され、当初集英社から刊行されていた第1部もこのレーベルから再刊行されている。ただし、花とゆめコミックスから刊行された第1部の単行本は、りぼんマスコットコミックス版に比べカバーのイラストなどに違いがある。

あらすじ

第1部

ソビエト体制下のウクライナ共和国・キエフのバレエ学校に学ぶノンナは、バレリーナとしては長身で優雅さに欠ける劣等生だったが、「ソビエトの金の星」といわれる若き男性ダンサー、ユーリ・ミロノフに見出され、レニングラード・バレエ学校(現:サンクトペテルブルク・ワガノワ・バレエ学校)に編入する。当初はノンナに猛特訓を施すミロノフの真意がわからなかったが、全てはノンナをレニングラード・キーロフ劇場(現:サンクトペテルブルク・マリインスキー劇場)の新作バレエ作品『アラベスク』の主役に抜擢するためだった。キーロフでの初演は成功するが、『アラベスク』映画化をめぐりモスクワ・ボリショイの天才・ラーラと対決。一度はラーラの策略に敗北し逃げ出したノンナだったが、何処とも知れぬ田舎劇場のベテランプリマ・オリガに「バレエの心」を教えられ、ラーラとの再対決に勝利。映画版『アラベスク』に主演したノンナは若きプリマとして一躍世界の注目を浴び、ミロノフと共にフランス・パリ・オペラ座バレエに客演することに。そこではロシア系フランス人の天才少女・マチューとの素晴らしい出会いと悲しすぎる別れが待ち受けていた……。

第2部

ノンナはレニングラード・バレエ学校の最上級生に。若くして成功を収めた彼女といえども、キーロフのプリマどころか正団員の座も約束されている訳ではない。彼女の前に現れる新たなるライバル、苛酷な試練、そしてノンナのミロノフへの想いは……。

== 劇中作『アラベスク』== 「アラベスク」はバレエのポーズの事だが、語源はアラビアの唐草模様からくる。そこから、「アラビアン・ナイト」の「アリババと40人の盗賊」を原案とする、ヒロイン・モルジアナとアリババの物語を描いた新作バレエのタイトルを『アラベスク』とした、という。

== 登場人物 == 注:( )内は愛称形。ロシア語圏では名前を親しみを込めて愛称形で呼び合うのが普通だが、本作品では正式名と愛称形で呼ぶキャラクターが混在している。また、名前の後ろの数字は登場する部である。

ノンナ・ペトロワ(I・II)
ウクライナ共和国・キエフ出身のバレエ学生。168cmの上背に加え、ダイナミックだが優雅さに欠けるとされ、常に優秀な姉・イリーナと比較され劣等感を抱いていたが、その才能をミロノフに見出されレニングラード・バレエ学校へ編入。新作バレエ『アラベスク』の主役に抜擢され、若くして成功を収めるが、更なる試練が次々と彼女を襲う。結構泣き虫。ミロノフに師弟関係以上の恋心を抱くようになり、自分以外の女性パートナーへの態度を見ては嫉妬、自分へのクールな態度を見ては泣く。失踪中にノエラ・イワノワと偽名を使ったこともある。
「姉と常に比較され続け劣等感を抱く主人公」という点は、後に山岸が発表した『舞姫 テレプシコーラ』の六花にも共通する。
ユーリ・ミロノフ(I・II)
ソビエトの「金の星」と称され、バレエに凄まじい情熱を持つ若き男性ダンサー。ノンナの師であり、最高のパートナーでもある。人に対する感情は根は熱いものがあるが、表面上はどこか冷たい人間に見えるところがあり(ロシア人の民族性かも知れない)、ノンナの気持ちを容易には理解し受け止めようとせず、しばしば彼女を苦しめる。
アントニーナ・スホワ(アーシャ)(I・II)
レニングラード・バレエ学校のノンナの1学年上のルームメイトで、親友。ノンナとは正反対に叙情的で丁寧な踊りが持ち味。卒業後はキーロフの団員になり、結婚もする。念願のオデット役での主役デビュー当日に妊娠が発覚、その日の舞台を何とか務め上げた後、産休に入る。
マイヤ・イワネンコ(I)
レニングラード・バレエ学校のノンナの同学年生。ダイナミックで技術もあり、転入当初のノンナのライバル的存在だったが、元々体操をやっていたこともあり踊りの個性・アクが強すぎプリマ向きではないと言われる。ノンナの姿を見て自分でもそれを悟り、バレエをやめ体操選手として世界を目指すと決意。その後はノンナの良き友人となる。
イリナ・コルパコワ(I・II)
キーロフのみならずソビエト中でも当代きっての名プリマ。ノンナ達若手の憧れで目標である。
ライサ・ソフィア(ラーラ)(I)
モスクワ・ボリショイ・バレエ団(同じロシアながらレニングラード=サンクトペテルブルクとは流儀も雰囲気も異なり、古くから現在に至るまで常にライバル関係にある)の天才少女プリマ。『アラベスク』映画版の主役の座をノンナと争う。最終的にはノンナに敗れ、女優への転身を希望してバレエをやめる。
オリガ・デミードウ(I)
何処とも知れぬ小さな町の劇場で踊りながら音楽学校生の息子アレクセイ(アレク)を育てているベテランプリマ。失踪中のノエラ(ノンナ)を偶然拾い、技術だけではない「バレエの心」を教える。
クレール・マチュー(I)
パリ・オペラ座バレエ団の、最年少でのエトワール昇進も間近と目されていた天才少女。父親を亡くし、幼い妹弟を養うために必死だったが、人間的魅力にも優れノンナともすぐに意気投合。常に今最高であろうとする姿は、ノンナがとても彼女にはかなわないと思うほどだったが、何か焦っているようにも見え……。
実はマチューは白血病におかされていた。有効な治療法などなかった時代の話、己のバレエへの執念をノンナに託し、若い生命を散らした。
ロベール(I)
フルネーム不詳。パリ・オペラ座バレエ団の男性ダンサー。マチューのバレエの最高のパートナーであり、いずれは人生のパートナーともなるはずだったが……。
スヴェトラナ・エフレモワ(ヴェータ)(II)
ノンナ同様ミロノフに拾われたハルギツからの転入生。地元では遺伝的体質を問題視されバレエ学校への入学を拒否されていた(肥満家系の子というステレオタイプ)。「ノンナを追い越して見せる」と豪語、ミロノフもヴェータにつきっきりで特訓し事あるごとにチャンスを与え、ノンナを追い詰める。一時は仲が悪かったが、ノンナとは最終的に和解。どんな踊りも見ただけで完璧に覚え踊れる能力を持つ反面、自分固有の表現ができないという致命的な欠陥ゆえ、キーロフはおろかどの有名バレエ団にも採用されず、ハルギツのソリストに納まった。
エドゥアルド・ルキン(エーディク)(II)
ミロノフの親友で宿命のライバル。アーシャのデビュー公演でノンナと組んで踊る。バレエ・アクターとでもいうべき稀有な才能の持ち主だが、ドゥミ・キャラクテールという中途半端な評価しかされない当時のソビエトの状況に失望し亡命を決断。ノンナにも共に亡命する事を勧める……。
レミル・ブロフ(II)
レニングラード・バレエ学校の男子学生。ノンナと同学年ながらずっと接点がなかったが、チャイコフスキー・コンクールではノンナと組むことになる。ノンナに好意を抱いていたようだが最後には身を引く。
カリン・ルービツ(II)
ドイツから来た、妖しげな魅力を持つ女性バレエ・ピアニスト。彼女の屈折した愛憎ゆえの謎めいた言動がノンナの心を掻き乱す。
ザカレフスキー(II)
モスクワからレニングラード・バレエ学校の副校長として送り込まれた監視役。ノンナをキャラクター・ダンサー向きだと決め付ける彼に、ミロノフはノンナのプリマとしての資質を証明すべく、あえてノンナに「ラ・シルフィード」を踊らせることになる……。

category:花とゆめ