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イグアナの娘/萩尾望都

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著者: 萩尾望都
巻数: 1巻

萩尾望都の新刊
イグアナの娘の新刊

最新刊『イグアナの娘


出版社: 小学館
シリーズ: PFコミックス


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

nanto_dt 「イグアナの娘」萩尾望都 宇宙も美少年もなし。誰かが間違えてちぐはぐな色を塗ってしまったような日常が舞台。どうしてそんな発想が出てくるんですか?自分にとって大切な物、大事な物とは何か。どうやったら手に入れられるのか。素直な疑問から生まれる登場人物達の悩みは共感できるところばかり。
zakurino @yut_k イグアナの娘だと、娘が母を理解するのがラストだよね。でも和解じゃなし――むしろ母親が感じている娘に対する不気味さを娘が理解してしまう。結局、少女漫画の主役は娘なわけで。
suikyokitan RT @TRiCKPuSH: 萩尾、山岸、大島の24年組に、近藤ようこさんとかだよ。わかりやすいところだと『イグアナの娘』とか『綿の国星』とか。角田さんとか紹介されてる作家さんは、若い頃にこのへん読んでてもまったく不思議じゃない世代だよね。RT @yuckgob: 私も知 ...
honkisuzu 萩尾望都さんのインタビューを読んでたら、ドラマ「イグアナの娘」をまた見たくなりました。
takkyou 【マンガ】萩尾望都「イグアナの娘」→岡崎京子「PINK」→よしながふみ「愛すべき娘たち」→ヤマシタトモコ「HER」あたりを順に読んでくと、各時代の中で女性が抱えていた意識の変遷が窺えて面白い。#manga

イグアナの娘」(イグアナのむすめ)は「プチフラワー」1992年5月号に掲載された萩尾望都の漫画作品。

醜形恐怖症を題材とした作品であり、娘を愛することができない母親と母から愛されない娘、両者の苦悩についてファンタジーの要素を織り込んで描いた。

1996年にテレビドラマ化された。

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ストーリー

青島ゆりこの目には長女・リカの姿がなぜかみにくいイグアナに見えてしまい、どうしても愛することができずにいた。次女・マミは普通のかわいい人間の赤ちゃんに見え、そのため、ゆりこはマミを偏愛し、リカにはますます冷たく接する。 一方、リカ自身も鏡に映る自分の姿がイグアナに見え、自分がみにくいイグアナだから母親にも愛されないし、恋愛もできない、幸せになれないと思い込むようになる。

作品の背景

作者は2歳で絵を描き、4歳で漫画や本を読み始めたが、母親が「漫画は頭の悪い子が読むもの」としかるので、漫画を読むのも描くのも親に隠れた行為だった。作者は母親にいつも「勉強しろ」と追いたてられ、成績の悪い子とは付き合うなとか、教科書以外の本は読んではいけないとか、また姉や妹と比較されては四六時中怒られていた『ダ・ヴィンチ』1996年8月号「解体全書 萩尾望都」参照。作者の妹は、「『イグアナの娘』の母親に甘やかされる妹は、たぶん私がモデルです。母親から嫌われる娘が望都さんだと思います。(中略)『イグアナの娘』の中で、イエローとピンクの服をマミとリカが着て、リカがピンクの服を似合わないと言われる話は、小さい時、私と姉とで実際にあった話です。」とインタビューで語っている。(『文藝別冊〔総特集〕萩尾望都 少女マンガ界の偉大なる母』(河出書房新社 2010年)の家族インタビュー「両親・姉妹が語る 萩尾望都の素顔」より)。成績の良くなかった作者はそれで家にいるのがつらく、また競争もいやで、漫画家になろうと思ったのも競争しないですむと思ったからということもある

漫画家になり上京して独立住まいをするようになってからも、母親に対する反発は心の中に無意識にくすぶり続けた作者は「最初は自分では気づかなかったのだけど、デビューして2年目ぐらいに「あなたの作品って、いつもお母さんがいなかったり、死んだりするのね」って言われて、「あれそうなのかな?」って。それで、母親を登場させたくない自分の内面心理について振り返り始めたりしました。」と語っている。(『WIRED (雑誌)』1998年3月号「閨秀談義 少女はそれを待っている」(佐藤嗣麻子との対談)より)

その後、1977年に定年になった父親を代表として会社を作ったが、両親との不和が高じて大げんかし、2年後に会社をつぶす。親との関係を見つめるため心理学を勉強し始め、内なる親から解き放たれるために、1980年に親殺しをテーマにした『メッシュ』の連載を開始し『AERA』2006年5月1日-8日合併増大号「萩尾望都 少女漫画が文学を超えた日」参照。『imago(イマーゴ)』(青土社)1995年4月号「特集 少女マンガ」の巖谷國士との対談(「少女マンガという装置」)では、「まあとにかく親と決裂したので変な親子の話を描いてやろうと。『メッシュ』ですね。ここでやっと私は親と対決する話を描くハメになるんですね。なぜ対決するかというと、理解したいから。」と語られている。、その流れを引き継ぎ、厳格だった母親との対立を基にして1992年に描いたのが本作品である作者は「私小説にいちばん近いのは『イグアナの娘』」と長嶋有との対談で語っている。(『文藝別冊〔総特集〕萩尾望都 少女マンガ界の偉大なる母』(河出書房新社 2010年)の作家対談(「言いたいひとこと」と「見せたい場面」)より)『AERA』2006年5月1日-8日合併増大号「萩尾望都 少女漫画が文学を超えた日」に、『イグアナの娘』を読んだ母親が「ははぁ、やったなぁ。描かれちょるな。」と思ったと記されている。

テレビドラマ版

  • 1996年4月15日 - 6月24日、テレビ朝日系「月曜ドラマ・イン」枠で放送。全11話。
  • 平均視聴率11.5%、初回視聴率7.9%、最高視聴率19.4%(最終回)
    • 初回こそ7.9%と不振であったがその後着実に上昇を続け、最終回では同時間帯第1位となる19.4%を記録した。

登場人物

  • 青島リカ - 菅野美穂 / 米澤史織(子供時代)
  • 岡崎昇 - 岡田義徳
  • 橋本かをり - 小嶺麗奈
  • 三上伸子 - 佐藤仁美
  • 中谷直紀 - 山口耕史 / 内野謙太(子供時代)
  • 高野春子 - 小松みゆき
  • 高見沢博 - 井澤健
  • 青島まみ - 榎本加奈子
  • 青島ゆりこ - 川島なお美
  • 青島正則 - 草刈正雄

スタッフ

  • 脚本:岡田惠和
  • 演出:今井和久(現:MMJ)、新城毅彦(現:5年D組)
  • 音楽:寺嶋民哉
    • 『イグアナの娘』オリジナル・サウンドトラック/音楽:寺嶋民哉 発売・マーキュリー・ミュージックエンタテインメント 販売・ポリグラム 1996年5月 PHCR-74
  • 企画・プロデュース:高橋浩太郎
  • プロデュース:東城祐司(MMJ 現社長)、塚本連平(MMJ)
  • 技術プロデューサー:佐々木俊幸
  • T・D:磯崎守隆
  • 撮影:浅野仙夫
  • 撮影助手:大石弘宜
  • 照明:森田典光
  • 照明助手:山本和宏、佐川司、永井日出夫
  • 音声:畦本真司
  • 音声助手:福部博国、飯田庸安芸、工藤威
  • V・E:植木康弘
  • 効果:小西善行
  • 美術製作:北林福夫
  • デザイン:金子隆
  • 美術進行:渡部哲也
  • 大道具:山田美男
  • 装飾:鎌田徳夫、加藤大輔
  • 持道具:寺澤麻由美
  • 衣裳:江渡ゆかり、森田流水
  • ヘアメイク:原口千栄、本庄良子
  • スタイリスト:高田みわ子、吉田桂子
  • 電飾:森智
  • 造園:小田隆文
  • プロデューサー補:中野達夫、多田健
  • 助監督:長谷川康、大垣一穂、荻島達也、坂本栄隆
  • 記録:黒木ひふみ、吉丸美香
  • 製作担当:岩崎敬道
  • 製作主任:伊勢雅義
  • 製作進行:竹井政章
  • タイトルCG:駄場寛
  • 編集:定野正司
  • オフライン編集:清水正彦
  • スチル:橋本田鶴子
  • 広報:太田正彦(テレビ朝日)
  • 3Dキャラクター:高柳祐介
  • クリエイト:押杵ゆかり
  • ブレーン:藤井裕理子
  • 音楽協力:テレビ朝日ミュージック
  • スタジオ:砧スタジオ
  • 技術協力:バスク
  • 美術協力:フジアール
  • 車輌:ドルフィンズ
  • 製作:テレビ朝日、MMJ

主題歌

  • エルトン・ジョン「YOUR SONG」(邦題:僕の歌は君の歌)

サブタイトル

各話放送日サブタイトル演出視聴率 |-

|第1話||1996年4月15日||のろわれた誕生||rowspan="2"|今井和久||7.9%

第2話1996年4月22日わたし死にたい……8.1%
第3話1996年4月29日高原の夜、初めての……新城毅彦8.1%
第4話1996年5月6日お母さんの秘密……9.2%
第5話1996年5月13日誕生日…母に捨てられたプレゼント今井和久11.5%
第6話1996年5月20日波紋、母が呼んだ家庭教師……10.0%
第7話1996年5月27日母の告白…あなたを殺したい!新城毅彦14.5%
第8話1996年6月3日永遠の友情、死、そしてもう一人の母10.7%
第9話1996年6月10日幸せになる権利……今井和久12.8%
第10話1996年6月17日悲しい家族旅行……新城毅彦14.0%
第11話1996年6月24日お母さん! お母さん! ……おかあさん!今井和久19.4%
colspan="5"|平均視聴率 11.5%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ)

その他

  • テレビドラマ版でリカが自殺しようとした川原のロケ地は多摩川・丸子橋近辺。
  • ナインティナインのオールナイトニッポンでナインティナインがこのテレビドラマをコケにした結果、聴視者から、紙が切れるほどの抗議のFAXが送られてきた。そのときの事情は「ナインティナインのオールナイトニッ本」に「イグアナとの抗争勃発」としてCDに収録されている。

キャラクター商品

  • 1996年、「イグアナの娘」のフィギュア(セーラー服姿のイグアナ)が(株)アート・ストームから制作・発売されている。

本作品収録の単行本・文庫本

  • PFコミックス『イグアナの娘』 1994年7月20日初版発行 ISBN 9784091720320
収録作品 「イグアナの娘」、「カタルシス」、「午後の日差し」、「学校へ行くクスリ」、「友人K」
  • 小学館文庫『イグアナの娘』 2000年12月10日初版発行 ISBN 9784091913814
収録作品 「イグアナの娘」、「帰ってくる子」、「カタルシス」、「午後の日差し」、「学校へ行くクスリ」、「友人K」
  • 萩尾望都Perfect Selection 9『半神』 2008年3月2日初版発行 ISBN 9784091312242
収録作品 「半神」、「イグアナの娘」、「天使の擬態」、「学校へ行くクスリ」、「午後の日差し」、「偽王」、「温室」、「マリーン」、「カタルシス」、「帰ってくる子」、「小夜の縫うゆかた」、「友人K」

脚注

外部リンク