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ニューヨーク・ニューヨーク/羅川真里茂

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著者: 羅川真里茂
巻数: 2巻

羅川真里茂の新刊
ニューヨーク・ニューヨークの新刊

最新刊『ニューヨーク・ニューヨーク 2


出版社: 白泉社
シリーズ: ジェッツコミックス


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

pyonpetach 『ニューヨーク・ニューヨーク』という漫画に出てくる、アメリカの子供にウケる鉄板ギャグを披露するオカリン(軽くググったくらいではセリフが判明せず、空白のままです) http://t.co/ZrOFP4awki
syaruruu 説明がひどすぎて薦める気あるのかって思いました!\(^o^)/ RT @tukakou そういや五十嵐さんに『ニューヨーク・ニューヨーク』を薦めて、どんな漫画かと訊かれて「ゲイの話」って答えたらえらい目で見られたな……名作なのに!
SharpGalapagos 本日の新規配信コミックは『百姓貴族』1巻、『嘘喰い』1~9巻、『魔法使いの娘』1~2巻、みなもと太郎『完全版 ホモホモ7』復刊ドットコム、『ニューヨーク・ニューヨーク』1~2巻、『天より高く』1~5巻等です。http://t.co/TLG2RUBl #コミック #comic

ニューヨーク・ニューヨークの既刊

名前発売年月
ニューヨーク・ニューヨーク 1 1998-03
ニューヨーク・ニューヨーク 2 1998-05

ニューヨーク・ニューヨーク』は羅川真里茂による少女漫画作品。白泉社より刊行されている隔週誌「花とゆめ」に1995年19号から1998年14号まで休載をはさみながら連載された。

概要

作者の羅川真里茂はそれまでコメディ色の強い作品を書く「花とゆめ」の看板作家だったが、この作品では一変してゲイの男性を主人公にしたシリアスな話を描いている。

ゲイの男性を主人公にしているものの世間一般に流通しているようなBL的な内容ではなく、ゲイである事を隠して生活をする難しさやそれに伴うジレンマ、ゲイへの偏見や弾圧、肉親への罪悪感、エイズ (HIV)、更にはゲイのカップルが養子を取る事で発生する問題まで、現実に生活しているゲイの人々が直面している、あるいはするであろう極めて深刻なテーマを多岐に渡って扱い、少女漫画誌に連載されていた作品でありながら男性を含む幅広い層からの支持を獲得した作品として知られている。

コミックスは全4巻。文庫本は全2巻。2000年にドラマCDが発売された。

ストーリー

ニューヨーク州クイーンズで警官を勤めるケイン・ウォーカーはゲイだった。普段は異性愛者を演じているが、そんな生活に疲れ、渇きを潤すためにゲイ・ネイバフッズ(ゲイ地域)に脚を運ぶ生活を続けていた。特定の恋人は作らず、ゲイバーで気に入った相手を引っ掛けては一夜だけのセックスの関係を楽しむ事にしていた。

ある晩、ゲイバーに好みの金髪碧眼であるメル・フレデリクスが訪れる。お互いを一目で気に入った2人は、ケインのアパートで飲み直し、ケインは自分の性の初体験は女性である事やゲイだと気付いた事、メルは恋人と別れ手首を切って自殺未遂した事を話した。その晩2人はセックス無しで夜を共にし、翌朝まだ眠っているケインを置いてメルは玄関の鍵をポストに入れ、アパートを後にした。メルが出て行った直後に目を覚ましたケインが慌ててアパートの窓から通りを見下ろすと、メルは笑顔で手を振って去って行くところだった。ケインは、住所も電話番号も聞かなかったことを後悔する。

その夜、ケインは再びマンハッタンに出てメルを探すが出会えず、メルのような金髪の男性を自分のアパートに連れ帰ったところ、アパートの階段でメルとすれ違ってしまう。アパートの玄関のドアには、メルからの伝言が書かれた紙が挟まれ、そこにはメルの住所と電話番号、仕事が休みの日が書かれていた。

翌日、メルの部屋に巡回中のケインが警官の制服で現れる。ケインのアパートをメルが訪れ、ケインは肉体的にも精神的にも今までで一番満たされたセックスをした。以後、2人は時に苦難に見舞われながらも良好な関係を築き、ケインは両親に自分がゲイである事を打ち明け、恋人としてメルを紹介することを決めた。

登場人物

カッコ内はドラマCDの配役

ケイン・ウォーカー(中井和哉)
ニューヨーク市警所属の警官。ゲイ(同性愛者)。登場時25歳。出身はマサチューセッツ州ミドルセックス、ニュートン。家族構成は両親との3人。後にメルと養子縁組をし、事実上夫婦同然の関係を作った。85歳没。
メル・フレデリクス(石川英郎)
コーヒーショップのウェイター。登場時22歳。ニューヨークアッパーマンハッタンハーレムの近くで生まれ育った。母の自殺後、血縁関係の無い叔母夫婦に育てられたが、義父(義理の叔父)から性的虐待を受け、高校在学中に家出し、事実上天涯孤独の身である。後にケインと養子縁組をした

。腎臓癌のため52歳で死去。

ダニエル・ハワード(野島健児)
ケインの元同僚。ヘロインの密輸に関わり、偶然居合わせたメルを強姦した上、口封じのため彼を殺そうとするが、警官に射殺される。ゲイである事を隠し、ケインに好意を抱いていた。
ブライアン・バーグ(西村知道)
ケインの上司の巡査部長。古いタイプの人間だが、ケインとメルの関係に理解を示し2人の結婚式にも参列する。
ジョシュア・ブロンソン
メルの元恋人。メルが自殺未遂するきっかけを作った。モデルで両刀、気に入った相手とは誰とでも寝る事から、メルとは口論が絶えなかった。
J・B
メルが勤めるバーのオーナー。ゲイ。ゲイが集まる店であるため、メルにとっては居心地が良いが、ケインは当初反対した。本名は不明。
ジョージ・ウォーカー
ケインの父親。高校教師。かつて教え子にゲイがいた事から、同性愛に深い理解を示し、メルの存在も難なく受け入れた。同性愛者の集まりにも時折顔を出している。83歳没。
エイダ・ウォーカー(菅谷政子)
ケインの母親。2度流産し、もう子供は難しいと診断された後にケインを出産したため、息子を溺愛している。ケインがマサチューセッツではなくニューヨークの大学を選んだ時には号泣した。それまでの人生の中で、同性愛者と接する機会が無かった事や敬虔なクリスチャンである事から、ケインとメルがゲイの関係である事に強い嫌悪感を示したが、親友(シャーリー)や夫(ジョージ)からの話を聞くうちに態度が軟化し、最終的には2人の関係を受け入れ、結婚の報告を受けた時には花を贈った。88歳没。
デイビス・オマッティ
ケインの高校時代の友人。ケインからゲイであるとのカミングアウトを受けた時はあからさまに嫌悪感を示したが、後に軟化し関係が修復された

シャーリー・ロウ
エイダの高校時代からの親友。ジョージと同じく、最初から同性愛に深い理解を示している。シャーリーとエイダの高校時代の同級生ヘザーがレズビアンであった事をエイダに伝えた。
ゴーシュ・ストーンマン
ケインの同僚。ゲイバーで顔を合わせた事からお互いにゲイだと悟ったが、暗黙の了解としてお互いに何も言わない関係を作った。既婚者で娘が一人いる。作中、同性愛の関係からHIVに感染し死亡。
ナスターシャ・ストーンマン
ゴーシュの妻。唯一、ゴーシュからゲイである事を告白された。ゴーシュがゲイである事を知りながらも深く愛していたが、娘(メリッサ)が生まれてから一度もセックスはしなかった。
メリッサ・ストーンマン
ゴーシュとナスターシャの娘。
ベイカー
ケインが所属する警察署の署長。
マチルダ・バーグ
ブライアンの妻。夫と共にケインとメルの結婚式に参列。
ジョーイ・クライン(古澤徹)
偽名(テッド)を使い、ロベルトの下でバンガローの管理をしている連続殺人鬼。金髪碧眼の男女のみを狙って誘拐し監禁、強姦後に拷問して殺害している。作中での犠牲者は8人。最後はルナに射殺される。
ルナ・ピッツバーグ(折笠愛)
FBI捜査官。ケインにジョーイ・クライン連続殺人事件への参加を要請。ジョーイの腹違いの姉。後にFBIを退職した後、ジョーイの物語を書いてその作品は映画化もされた。
エリック

(石田彰)

ジョーイの腹違いの弟。冷淡な家族の中で、唯一ジョーイに温かく接した。後にジョーイと共に暮らすが、意見と価値観の相違を理由に別離した後に死亡する。画家志望だった。別離したとはいえエリックの死亡直後ジョーイが最初の犯行を犯した事から、お互いに連絡を取り合っていた(?)

トム・クライン
ジョーイ・エリック・ルナの父親。ギャンブルが好きで酒癖が悪かった。離婚後、ジョーイと暮らすが、後にジョーイに殺害される。
ロベルト・ティーノ
ジョーイにバンガローの管理を任せている大企業の社長。イタリア系。
ジェシカ・ランガー
ジョーイに殺害された被害者。ロベルトの愛人で高級娼婦。
エドモンド・グレイ
ジョーイに殺害された被害者。
モーガン
FBIニューヨーク支局の捜査官。ジョーイに殺害される。
グレン
FBIニューヨーク支局の捜査官。ジョーイに殺害される。
エミリ・グレイ
エドモンド・グレイの妻。妊娠中。
ウィズナー
ジェシカ・ランガーの検死を担当した検死医。
ジョーンズ
ケインの同僚。ケインがゲイである事が発覚した後露骨に嫌悪感を示し、ケインのロッカーに侮辱的な落書き・人前でなじる等、悪質な嫌がらせを繰り返し、作中ケインに拳で殴られた

エリカ・ウォーカー
養護施設にいた孤児。実の母親が麻薬中毒で子供を育てられないため養護施設に預けられていたが、ケインとメルの養子になった。
マシュー・ライアン(マット)(保志総一朗)
エリカの夫となった青年。記者志望だったが最終的にはフリーランスライターになった。エリカと結婚後、ケインとメルの物語『ニューヨーク・ニューヨーク』を著した。
エミリ
エリカの娘で、ケインの孫。
メル
エリカの孫で、ケインの曾孫。