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拳闘暗黒伝セスタス/技来静也

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著者: 技来静也
巻数: 全15巻

技来静也の新刊
拳闘暗黒伝セスタスの新刊

最新刊『拳闘暗黒伝セスタス vol.15


出版社: 白泉社
シリーズ: ジェッツコミックス


twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)

otona_manga_bot No.120 (四択)拳闘士を題材にした漫画「拳闘暗黒伝セスタス」は誰がローマ皇帝だった時代を舞台としている?⇒ネロ
caribmarley RT @4649_seigi: 【拳闘暗黒伝セスタス】 帝政ローマ時代に行われていた古代ボクシング。その中で体格が恵まれない拳奴セスタスは師との出会いにより、格闘家としての成長だけでなく、一人の人間としての尊厳を取り返していく。 #武道やってる人のお薦め漫画 http://t
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torarara 最近買った漫画 「拳闘暗黒伝セスタス」15巻 「イタリア家族」読み切り 「エコー/ゼオン」3巻 「ゾンビッチはビッチに含まれますか?」1巻 #manga #漫画

拳闘暗黒伝セスタス』(けんとうあんこくでんセスタス)は、技来静也による漫画作品。1997年より、2009年3月まで雑誌「ヤングアニマル」にて第1部として連載され、2010年5月より題名を『拳奴死闘伝セスタス』にあらためた上で第2部の連載が開始された。これについてもこの項で扱う。

なお、連載スピードが遅いのは、歴史的部分に緻密な取材を要するためである。

物語

爛熟期を迎えつつある帝政ローマ。当時、コロシアムでは古代ボクシングが興行されていた。そこで選手として戦う奴隷たちは拳奴(けんど)と呼ばれ、過酷な環境の中で闘いを繰り広げているのだった。本編の主人公である拳奴セスタスは、体格に劣りながらも天性のスピードと師ザファルの教えたテクニックにより、難敵を打破していく。その闘いぶりが若きカエサル・ネロの目に止まり、謁見を許されるが、それを契機としてセスタスは運命の渦の中に巻き込まれていくこととなる。

作品概要

真の自由を欲するセスタス、父との葛藤の中でもがく天才格闘家ルスカ、皇帝としての宿命を背負ったネロ。そして、セスタスの師ザファルとルスカの父デミトリアスとの過去の因縁。物語は格闘漫画としての領域を超え、帝政ローマ時代を生きた3人の少年たちの運命を軸に描く、歴史ドラマの要素を含んだ内容となっている。

もう1つ大きな特徴として、作者による物語に関連した簡潔詳細な解説が上げられる。格闘の大部分を占める拳闘を中心に、現代格闘技、人間工学における科学的対比による解説や、物語が進むにつれて史実の歴史的背景、及び人々の生活習慣などを解説する描写も多くなっている。それらは作品の深みを引き立たせるだけなく、ローマ時代に関して詳しくない読者にも楽しめる配慮が伺える。

これらを踏まえて習俗や歴史的人物、事件などはかなり正確に描かれており、歴史的背景に関してはかなり忠実に表現されているが、フィクションの部分も存在するので注意が必要である。一例として、実際には徒手拳闘を旨とする部隊などは実在せず、拳闘試合も裸体で行われていた。逆に、宮廷では近衛隊以外は帯剣を許可されていなかったという史実を利用して、素手での戦闘に長けた衛帝隊が必要とされたという解釈で描かれており、極力史実に対して違和感がないように考慮されている箇所も存在する。

あらすじ

第1部

第I章
紀元54年10月13日正午、豪雨の中でわずか17歳のネロがローマ皇帝となった同時刻、ローマ郊外の奴隷拳奴養成所では拳奴となる為の最終選考が行われ、15歳の少年セスタスは親友との戦いに挑んでいた。拳奴となったセスタスは試合のために帝都ローマを訪れ、終生のライバルとなるルスカに出会う。セスタス・ルスカの試合を見たネロは2人に興味を持ち、2人を自らの宮殿に招くが、アグリッピーナに見つかったことにより、事態は思わぬ方向へと進む。
第II章
セスタスはネロの招きにより、ルスカと共に彫刻のモデルとなるためローマ宮殿へ向かう道中で、旅芸人のメイソン一座に属するアシュレイと知り合う。メイソン一座はネロの殺害を狙う暗殺者集団であり、アシュレイはネロ殺害の実行役として役割付けられていたが、デミトリアスの内偵により計画は失敗に終わる。皇帝暗殺を謀ったアシュレイは一転して窮地に陥るが、セスタスが一計を講じる。
第III章
ルスカはローマ市内で私闘に及んだことから自宅謹慎となり、束の間の休暇を妹ルクレティア、恋人ヴァレリアと過ごすこととなった。一方、セスタスは練習試合のために徒手格闘兵団訓練校を訪れ、5人対抗の試合の先鋒として、デミトリアスの眼前で順調に勝利を重ねるが、敗北時に退学となる旨を宣告されていた訓練校側は、最後の切り札として謹慎中のルスカを登場させる。
第IV章
ルスカは晴れて衛帝隊に入隊して参等衛士に任命され、その足でヴァレリアに求婚する。そのことをヴァレリアから聞いたヴァレンスは前祝いとして、1ヶ月間拳奴の試合を停止することを発表するが、日頃からの圧制に耐えかねた拳奴達の不満は既に臨界点に達していた。
第V章
奴隷闘士養成所の崩壊によって、セスタスは師ザファルと離れた。セスタスは奴隷として売りに出され、ネロによって自身の奴隷として購入される。ネロは自らの孤独を埋める役割をセスタスに求めるが、その思いをセスタスは受け止めることができなかった。
第VI章
ドリスコ拳闘団に引き取られ、そこでザファルと再会したセスタスは、スパルタクスの乱が勃発した地であるカプアに入る。セスタスは拳闘試合で「カプアの黒猿」と呼ばれる男と対戦するが、毒霧攻撃を受けて視界を失い窮地に陥る。
第VII章
興行のため、南部の港湾都市ネアポリス(現ナポリ)を訪れたセスタスは、ヌミディア出身のクァルダンと出会い、そして拳闘試合で対戦して勝利を収める。闘力の衰えを自覚したクァルダンは、自由を求めて112戦完殺の剣闘結社ケルベロスの総長タナトスとの絶望的な戦いに挑む。
第VIII章
ヴァレリアの死後、鬱々とした日々を過ごすルスカ。ネロの身代わりとなり命の危機に晒されたことに対し冷淡であったこと、家庭を顧みず母を精神退行状態に追い込んだこと等で、デミトリアスに対して憤懣を鬱積させていたが、あるきっかけによりそれが爆発する。一方、ネロは自らの出生にまつわる疑惑を知り、アグリッピーナに不信の念を抱くようになる。
第IX章
カンパニアの農園を訪れたセスタス。拳奴のふるい落としを行う野試合で網膜剥離を患うモンソンと対戦し、一方的に叩きのめすが、その気迫に圧倒される。精神的な動揺を抱えたまま、同地で農奴として働くゾラの拳闘団入団試合での対戦を余儀なくされる。
間章(棘無き花に捧ぐ)
オクタヴィアの随行役として市場へ向かったルスカは、占い師による10年後の不吉な占いの結果を聞く。
第X章
大都市ポンペイを訪れたセスタスは、ポンペイを統べる絶世の美女サビーナと出会う。サビーナが自らの身辺世話をする奴隷としてセスタスを登用する旨を伝えるも、これをセスタスが辞退したことに怒り、サビーナは自らを慕うエムデンに、セスタスを叩きのめすよう焚き付ける。
第XI章
ローマ帝国最大の敵国であるパルティアから派遣された不死隊が、衛帝隊との5対5の対抗戦を挑む。ルスカ以外は実体が掴みづらかった衛帝隊メンバーの実力・素顔が明らかとなる章。

第2部 拳奴死闘伝セスタス

登場人物

主人公

セスタス
ローマ帝国最下層の身分に位置する15歳の少年拳奴。当初はヴァレンス奴隷闘士養成所に所属していたが、拳奴達の反乱により養成所が崩壊、一時ネロに身請けされるも決別し、現在はドリスコ拳闘団に所属している。まだ成長期とあってかなり小柄な体格だが、天性のスピードと師ザファルより伝授された拳闘術で、体格に優る強敵達と渡り合う。拳闘試合での渾名は「瞬速の新星」「神速の拳闘児」。 
ルスカ
本名はルスカ・アッティクス・デミトリアス。ローマ帝国徒手格闘兵団衛帝隊に所属する衛士。総合格闘技パンクラティオンの使い手で、16歳の若さで既に完成された技巧を持つ天才闘士。金髪が特徴の美男子で「黄金のルスカ」「ローマのルスカ」の異名を持つ。普段は知的で誠実な好青年だが、闘いでは一切容赦しない冷酷さを見せる。自分や母ルクレティアを蔑ろにした父デミトリアスを深く憎んでおり、自らの手で倒すことを生涯の目標としている。
ネロ
ローマ帝国の第5代皇帝。孤独な少年皇帝であるが、素顔は「争いを嫌う文人で美術や音楽、詩作を愛する芸術の信奉者」である。セスタスやルスカの闘いぶりに感じ入り、セスタスに対しては自らの理解者となるように求める。セスタスに去られた後は、さらに孤独を深め、やがて母・アグリッピーナとも対立していくようになる。

ドリスコ拳闘団

ザファル
セスタスの師匠。若い頃は「ヌミディアの拳狼」の異名を持つ無敗の拳奴だったが、デミトリアスとの試合で左膝を破壊され引退。以降はヴァレンス養成所の訓練士となり、後にドリスコ拳闘団に買われる。訓練では厳しい面を見せるが、良き理解者でもある。
かつての師デモクリトスから、従来の拳闘とは次元の違う科学的な拳闘術を習得しており、弟子たちにもその技術を伝授する。
ドリスコ
ドリスコ拳闘団団長。酒好きで腹の肥えた中年。抜け目のない商人だが、その一方でモンソンのことを気遣うなど意外と優しい一面もある。
ラドック
ドリスコ拳闘団ナンバー1の拳闘士。別名「怒涛の烈拳」。若い頃のザファルに憧れていた。余りの強さに相手側から弱い相手をあてがわれ捨て試合にされることが多く、不満を募らせる。
エルナンド
ドリスコ拳闘団の少年拳奴。ザファルの元で訓練中。長身でリーチを活かした拳闘をザファルに学ぶ。
ペドロ
ドリスコ拳闘団の少年拳奴。ザファルの元で訓練中。ソバカス顔で小心者。
ゲティ
ドリスコ拳闘団の少年拳奴。ザファルの元で訓練中。亀のように丸い体躯。
ゾラ
エチオピア出身の黒人拳奴。カンパニアの農園で働く奴隷であったが、気性が荒く他者と打ち解けようとしないことから持て余され、ドリスコ拳闘団に引き取られる。入団時の試験ではセスタスの技術の前に敗北したものの、身体能力、喧嘩の駆け引き、そして闘争本能ではセスタスを圧倒する逸材。

ローマ帝国衛帝隊

デミトリアス
ルスカの実父。徒手格闘兵団衛帝隊の隊長。ローマ闘技場にて400勝を揚げ、その腕1つで現在の地位を築き上げた。別名「アッティカの金獅子」。ザファルとの勝負で右眼を失う。非常に傲慢だが実力は超一流で、完全武装の剣闘士3人を素手で屠るほどの怪力を持つ。息子であるルスカに対しても傍若無人に振る舞うが、それを自分なりの教育法としている。
ディノデイモス
スパルタ出身。デミトリアス、ドライゼン、ロクサーネの師匠で、格闘技の腕で身を立てようという大望を抱いたデミトリアスの後見人として、彼らと共にローマを訪れた。ルスカの入隊と同時に現役を引退し、補佐官として後進の指導に当たる。デミトリアスに意見出来る数少ない人物で、劇中でも衛士達の前で私闘を演じるデミトリアスとドライゼンを、自分の教え子として叱り飛ばす場面がある。
ドライゼン
アルゴス出身。衛帝隊副長。実力・人格共に優れた格闘家で、ルスカの師であり、またあたかも歳の離れた兄の様な存在。ドライゼン自身も、幼い頃からの付き合いであるデミトリアスとは兄弟同然の間柄であり、交流の乏しいデミトリアスとルスカの父子を繋ぐ人間である。相手の動きを利用する体術に長け、短期決戦であればデミトリアスとも互角に渡り合う実力を持つ。
ロクサーネ
アルカディア出身。女性の二等衛士。セスタスの生き様に同情を示す。ドライゼンとは幼い頃からの恋仲。
アポロニウス
テーベ出身。壱等衛士。一見文人風の中年男性だが、実は「無血の破壊魔」と呼ばれる関節技の達人。医術や接骨の心得もあり、負傷した衛士の治療も行う。
ソルレオン
マケドニア出身。壱等衛士。常に冷笑を絶やさぬ皮肉屋。別名「ネメシスの凶刃」。衛帝隊最悪と呼ばれる殺し屋で、殺し合いなら隊最強とまで謳われる。毒や暗殺に関する知識も豊富な模様。
ダイダロス
ミケーネ出身。参等衛士。寡黙な闘士。小柄ながら筋肉質で、俊敏な上に打撃力にも秀でる。
アドニス
シラクサ出身。参等衛士。衛帝隊では珍しい拳闘士でルスカの親友。女性のような美貌の持ち主だが、性格はかなり短気で好戦的。お調子者だが憎めない性格をしており、隊内でのポジションも概ねそのような扱いである。衛帝隊随一の拳速、俊足の持ち主で、ノーガード状態から相手の攻撃を誘い繰り出す一撃必殺のカウンター「忘却の昇弾(レテのしょうだん)」、一瞬にして7つの人体急所をほぼ同時に撃ち抜く「昴(プレアデス)」を切り札とする。
エッダ
ロードス島出身。参等衛士。大柄で褐色の肌が特徴の女性闘士。性格も豪快で大変な大食らい。主にアグリッピーナの護衛を担当することが多い。
カサンドーラ
トロイア出身。参等衛士。東洋的で端正な顔つきの女性闘士。平素はエッダ同様アグリッピーナの護衛役を勤める。後にブリタニクスの護衛に回り面倒を見るようになる。相手の気配から次の動きを予測する第六感的な能力を持つ。額飾りの紋章は蝙蝠。自分の能力に関して葛藤があるらしい。

ローマ帝国宮廷

アグリッピーナ
ネロの実母で先帝クラウディウスの後妻。激しい気性の権謀術数に優れた女傑。衰えない美貌の持ち主でもあり、性に関しても貪欲。作中ではそういった性格を表すために、ネロや実兄であるカリギュラとの近親姦のエピソードが採用されている。反面、酒に酔うと涙もろくか弱い一面を覗かせるなど、母親と女性の両面が描かれている。
オクタヴィア
ネロの妻で先帝クラウディウスの実子。可憐な少女。生母メッサリーナの乱行により不幸な子供時代を過ごす。ネロとの夫婦関係は当初からなきに等しく、徐々にルスカに魅かれていく。
ブリタニクス
オクタヴィアの実弟。癲癇の持病を持っていて病弱。東方へ旅立ったティトゥスとは親友関係。カサンドーラに恋慕している模様。自ら進んで、ネロと対立を深めるアグリッピーナの手駒になろうとした矢先に急死する。
セネカ
ローマ帝国重臣にして当代きっての文人。ネロの家庭教師でもあった。
ブルス
ローマ帝国重臣。近衛隊のトップを務める。デミトリアスが隊長を務める「衛帝隊」とはライバル関係にある。

ポンペイ

サビーナ
ポンペイ1の大富豪にして、絶世の美女。
ファブリウス
ポンペイの富豪。ドリスコが先代に世話になっていた。苦労知らずの2代目。
エムデン
ポッパエア家に幼少の頃買われたポンペイ最強拳闘士。「寡黙な門番、番拳エムデン」の異名を持つ。サビーナに対して偏執的な敬愛を示す。ザファルと師を同じくすることが後に明らかになる。
ナシカ
通称「鼻曲がりのナシカ」。ファブリウス家に幼少の頃買われた奴隷秘書だが、実質的な差配を行う。幼少時にサビーナ付き奴隷となる権利をエムデンと争って敗れ、名前の由来となる怪我を負うが、ファブリウス家の先代の下で教養を与えられた。

パルティア

ロシュタム
不死隊隊員。アッシリア出身。御前試合で先鋒を務める。カサンドラを女性と侮って激昂するも不覚を取る。
シャルゴン
不死隊隊員。バクトリア出身。御前試合で次鋒を務める。アドニスの軟派な外見に油断し敗れる。
バニパル
不死隊隊員。ガウガメラ出身。御前試合で中堅を務める。前の2人の敗北から油断せずに挑み、その握力にて一矢報いるが、怒ったアドニスに猛反撃され敗北する。
ビスタネス
不死隊隊員。メディア出身。御前試合で副将を務める。ルスカを打撃闘士と見誤り寝技に持ち込むが、逆に絞め技にて敗れる。
ハンムラビ
不死隊副長。バビロン出身。御前試合で大将を務める。本調子でないルスカを追い込むも、勝利への執念を込めた頭突きを何発も打ち込まれ敗れる。
バルディア
不死隊隊長。アルベラ出身。不死隊でも最強の実力者で、試合にこそ登板しなかったが、部下の弔い合戦のために路上にてデミトリアスに一騎打ちを挑み、死闘を演じた。結果的には敗北したものの最期まで相手を苦しめ、辛うじて勝利を収め帰還したデミトリアスは部下たちに、世界には見知らぬ強豪たちが溢れていると、笑顔と共に最大級の賛辞を贈った。

その他

アシュレイ
トラキア出身のネロ暗殺を謀った女性刺客。セスタスの機転で死罪を免れた。
ルクレティア
ルスカの妹。なお、母も同名である。
ヴァレリア
奴隷闘士養成所を経営するヴァレンスの一人娘。美人でルスカの幼馴染にして婚約者であったが、拳奴の反乱に巻き込まれて命を落とす。セスタスも密かに憧れており、彼女を救おうと反乱計画の影で動いたが、結局助けることはできなかった。ヴァレリアの死によって、ルスカは拳奴への憎悪を抱くようになる。
クァルダン
ザファルと同じヌミディア出身の奴隷。溺れていたセスタスを助け親身に相談に乗るが、実は拳闘士でもあり、セスタスと試合で対峙する。
デモクリトス
カディス出身。ザファルとエムデンの「師匠」。人体における破壊の探求をしている。自分の求める条件に合致した戦士をスカウトし、研究した技術を教え込み、実戦での効果を確かめることを繰り返している。ザファルとエムデンは言わば「被験者」であった。ザファルからは「神の眼に悪魔の頭脳、天使の弁舌を持つ好奇心の怪物」と評される。

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