HOME > コミック > 風光る

風光る/

共有

著者:
巻数: 6巻

の新刊
風光るの新刊

最新刊『風光る 第6巻


出版社: 小学館
シリーズ: 小学館文庫


風光るの既刊

名前発売年月
風光る 第3巻 2007-12
風光る 第4巻 2008-01
風光る 第5巻 2008-02
風光る 第6巻 2008-03

風光る~甲子園~』(かぜひかる)は、原作七三太朗、漫画川三番地の高校野球漫画である。月刊マガジンで連載。1992年、第16回講談社漫画賞受賞。単行本全44巻。2006年3月をもって連載終了。なお、もとは『風光る』という題名だった。『風光る~甲子園~』というタイトルはゆたかが甲子園に出場してから、すなわち単行本で言うと28巻からということになる。

あらすじ

主人公、野中ゆたかは万年一回戦敗退の弱小校、多摩川高校に在籍する補欠。だが、野球選手の物まねの天才。そこに、かつて多摩川で甲子園に出場経験があり、東京六大学で三冠王を取った経験を持つ君島監督が赴任して来た。君島監督はゆたかの才能に目をつけ、エースで4番と言う重役を任せる!そして、強豪千束と接戦にまで持ち込んだと言う自信と、短い時間で集中的にやってきた練習を味方に就けて、南東京大会、そして全国で旋風を巻き起こす!

主な多摩川高校のメンバー

野中ゆたか
弱小校、多摩川の補欠。多彩な野球選手の物まねを持っている。
また、丁寧な性格で初めは鏡と正対しながら右投手の物まねだったら左から、左投手の物まねは右からやると言う。
これは打者でも同様。そんなゆたかのセンスに目をつけて、君島監督は4番で投手と言う重要なポジションを任せる。
当初は戸惑っていたが、試合を重ねるごとに4番らしい風格が漂ってきた。非常に野球が好きな子で、野球中継を座って見たことがないと言う。
石川卒業後、主将を務めることとなる。身長153センチ。両投両打。
野中美奈子
ゆたかの姉。常にゆたかのことを心配している弟思いな姉。ゆたかにとっては、「怖い姉ちゃん」。
君島
多摩川高校に赴任してきた監督。多摩川OBで、若いわりには非常に落ち着いている。
試合中は足を組んで、組んだ足の上から頬杖をついている。かつて東京六大学で三冠王の経験あり。
いろいろ謎なところも多いが、選手への気配り、アドバイスは常に的確にかつ重要なところで教える名監督である。
京浜の小野監督から後継者としてアプローチされていたみたいだが野球の楽しさを母校に伝えるためその話は無しにした。
部長
表立ってゆたか達に協力をしていた人物。
永井先生
多摩川高校女子テニス部顧問。京浜高校との試合前日、練習に熱の入っていた野球部員のために女子テニス部の部員たちと夕飯を作ったりするなどしていた。甲子園一回戦では、ゲスト出演もしていた。
石川
多摩川高校の主将で2番・キャッチャー。ひざのツッパリをゆたかに指摘されてから、打撃がぐんとよくなった。
少し熱い部分を持ち、ゆたかに初めアドバイスをされてかっかしていたが、的確であったので納得したようである。
また、守備はお粗末で、クロスプレイではたびたびボールをこぼしている。
小暮
多摩川高校の副主将で、3番・ファースト。ゆたかが来るまではエースで4番。
その責任を感じてか力んでいたが、ゆたかに力みを指摘されて見事に打撃開眼。通常、投手というのは熱い性格になりがちだが、小暮の場合は非常に冷静な性格で、ゆたかの助言もすんなり聞き入れた。チーム1のセンスを持つ。
岡田
多摩川高校でサードを守る。
体が大きく、頑丈なため、力任せのスイングをしているとゆたかに指摘され、千束戦で9番だった打順は、予選以降は5番に昇格。
その体の頑丈さは、打球を顔で止めるほど。精神的に優しすぎる性格のため、守備でのガッツが打撃に生かされて来れば怖い選手。
坂本英一
多摩川高校で1番を打ち、レフトを守っている。
足が速いのに、フライばかり上げているから上から叩きつけるように打ったほうがいいとゆたかの指摘を受けて、見事に修正。
ここから、小暮に次ぐセンスの持ち主であることが伺える。また、肩も強い。
佐々井
6番センターのだんごっぱな。チーム1の強肩を持つ守りの要。
根岸
9番ライト。千束戦のときのスタメンだった藤木を退けて、定位置を獲得した。
星野
洋食屋の息子で、予選のときに合宿を張るときにはよく包丁を持つ2年生。
京浜高校戦で代打で出場し、見事にヒットを打っている。伝令役としてもよく出る。2年生のはずなのだが、ゆたかにため口で言われたり、敬語で言われたりするなど、厳密に言えば何年生なのかはよくわからない。
星野同様、京浜高校戦で代走として登場。また、決勝戦の有明戦でも守備固めとして出場している。
ベースランニング15秒半(プロ平均14秒半)で、陸上部の誘いを蹴って野球部にやってきたと言う。また、星野同様、よく伝令役として使われる。

ゆたかたちの戦ってきた選手たち

千束高校

小野
名門、千束の監督にして君島監督の先輩。熱血漢で選手には常に全力でプレーするようにといっているが、態度に出てしまい、時に暴力を振るうのが玉に傷。
「ドロ水も青空を写すんだよ。」がモットーであり、ゆたかの末恐ろしさを千束ナインに教え込んでいた。
大城
速球を武器とする名門・千束の4番でエース。
爪を割らなければ昨年度大会は甲子園に導くことができていたといわれていた。
しかし、練習試合で万年1回戦だった多摩川にぎりぎりで勝った上、結局公式戦ではゆたかたちに敗れ去った。

尾山台高校

久恒
尾山台高校の4番・捕手で主将。
多摩川をダメ多摩と評していたが、結局痛い一撃を喰らうこととなる。そのあと、ゆたかをずっと追い続けてきた男でもある。
根津
尾山台高校のエース。
ゆたかに決め球のシュートを打たれて自信喪失に陥り、結果先発広田とあわせて16点を取られてコールド負けを喫する。

昭文館高校

宇童
元シード校・昭文館高校のエース。
速球にカーブ、切れ味鋭いスライダーを持つ。カーブのときに首をたたむ癖をゆたかに見抜かれて一時マウンドから降りたが、その後球の出所が一緒で癖の無いスライダーに切り替えてからはしばらく多摩川を悩ませた。しかし、疲れからストライクとボールがはっきりしだしたことから結局スライダーも攻略され、最後はゆたかにサヨナラ2ランを喫する。

本豪学園高校

佐久間博和
第3シード・本豪学園の3番でエース。
MAX140km/hといわれる速球と切れ味鋭いスライダー、カーブが武器。カーブは石川・小暮によって攻略されて疑心暗鬼となり、速球を投げざるを得なくなったゆたかの前にあえなく散った。

京浜高校

小野監督
名門京浜高校の名将。君島監督の先輩で、自分の後継者として君島を指名していたが、君島には拒否され、そしてその君島率いる多摩川に敗北を喫す。
甲子園行き確実と言われている、第1シードの京浜高校のエース。
佐久間と同じスピードのストレートをもちつつ、曲がりの大きいカーブが武器。ゆたかにホームスチールを決められ、動揺したが、見事に持ちこたえるなど、精神力も強い。後にゆたかは9回にホームランを4番・中井に打たれたとき、村上学園に先制されたときに彼のリラックス法を真似ている。
羽田
京浜高校の大魔神。
一人に3球と投げたことの無い投手で、プロもマークしている。最速150km/hかつ、鋭く落ちるフォークボールを武器とする。しかし、一人を3球でしとめるという武勇伝は、小暮に破られてしまい、最後は、ゆたかにサヨナラタイムリー3ベースを打たれた。

村上学園高校(徳島代表)

大石
Aランク校(多摩川はCランク)、村上学園の5番でエース。
野球王国・四国でNo.1の防御率を誇る投手。羽田と同じくらいの速球をもち、多彩な変化球と投球術で人を食ったような投球を見せる。一回戦にゆたかの前に立ちはだかるも、最後はゆたかを色眼鏡で見てしまい、サヨナラ満塁ホームランを打たれた。それ以来、ゆたかが最後の打席でゴジラ松井のまねをしたことからゆたかのことを『ミニラ』と呼んでいる。実は5回戦で戦った京浜高校は、2年前に村上学園に一点差で勝利を収めたと言う。
菅井
Aランク校、村上学園の4番で一塁手。
得点圏打率6割を誇り、先制の犠牲フライ、勝ち越しのホームランを放つも、サヨナラ負けで敗退した。

関大淀川高校(大阪代表)

赤井隆也
ゆたかのことを唯一色眼鏡で見なかったチーム、名門関大淀川の主将で4番でサード。
ほぼホームラン決定的であっても、審判が「ホームラン」と言わない限り全力疾走で走る。ゆたかから3本塁打10打点を記録し、辛くも勝利を収めるものの、三回戦で敗退し3連覇はならなかった。また、多摩川戦の後、後輩たちを呼び集め、来年はゆたかに負けるなよと話したそうだ。
山口大輔
通称「ヤマスケ」。関大淀川の5番でエース。
今大会№1投手。野球センスの塊で、今打者が何をするのかまでわかってしまうほどだと言う。また、そんなことをしなくても相手をねじ伏せられる剛球を持ち、恐らく最速155km/hは行っていると思われる。ただし、多摩川で全力投球をした上13失点と打たれ力尽きたか、2回戦では勝利を収めたが、3回戦で敗退してしまった。また、ヤマスケと呼ばれるのが嫌いらしく、自分には山口大輔というかっこいい名前があるんだからそれで呼べと言っているが、結局赤井からもチームからもヤマスケと呼ばれている。身長187cm。

ゆたかが物まねをした選手

打者

  • 落合博満・・・オレ流でもう有名。その卓越した打撃理論はすさまじいものがある。
  • 君島監督・・・本来は右打席だが、物まねが完成しきっていないと言う理由で、左打席で打つ。
  • 清原和博・・・KKコンビの一人。桑田同様、ゆたかが初めて打者としてあこがれた選手。
  • イチロー・・・日米通算首位打者9度の実績を誇り、日米の年間最多安打記録を保持する世界最高の安打製造機。
  • 松井秀喜・・・ゴジラ松井と呼ばれるほどのパワフルな打撃に加え、王貞治をも超えるスイングスピードは日本最高のスラッガー。
  • バリー・ボンズ・・・ステロイド問題で騒がれているが、当時世界最高の打者。

投手

  • 野茂英雄・・・トルネード投法で有名。君島監督は野茂の物まねからゆたかの才能を見出した。
  • 山田久志・・・元阪急の名投手。下手投げからの速球、シンカーを武器として、史上初の3年連続MVPに輝く。
  • 今中慎二・・・キレの良い速球と落差の大きなカーブを武器に、中日の一時代を築いたエース。01年引退。
  • 桑田真澄・・・ゆたかが最初に物まねした選手と語る。幼少時代、甲子園の試合を見ていると、KKコンビの活躍していた試合だった。「強い!強い!最強だ!」といってからずっと桑田の物まねをしていると姉、美奈子は話す。
  • ランディ・ジョンソン・・・通称ビッグ・ユニット。メジャー屈指の左腕。
  • 島・・・南東京大会5回戦で9回、中井に本塁打を許した後、8回にゆたかにホームスチールを決められ、動揺した島を真似なさいと君島監督に言われ、島を使って深呼吸で心を落ち着かせることをして、自分の投球を崩さなかった。
  • 羽田・・・甲子園大会1回戦、村上学園戦で1回表1点先制された後に、京浜のストッパー、羽田をまねている。実は、村上学園は2年前に京浜に敗れており、そのとき、羽田に抑えられてしまっている。

ゆたかたちの戦跡

  • 練習試合

{| border="1" !!!1!!2!!3!!4!!5!!6!!7!!8!!9!!計 |- align="center" !千束 |1||1||0||1||0||1||1||0||0||5 |- align="center" !多摩川 |2||0||0||0||0||0||0||0||2||4 |} ここから多摩川のひと夏(厳密に言えば連載期間は15年弱だが)の奇跡が始まったのである。ゆたかの物まねのセンスを見抜いた君島監督は、4番で投手と言う過酷なポジションにゆたかを据えた。失望の目で見る石川を初めとする多摩川メンバー。それでも、重量打線ともいえる名門千束打線を野茂英雄のトルネード投法でわずか5失点。最後の最後でゆたかは上ずったが、君島監督の"命の注入"で、形だけ似ていた落合も、次第に性格まで似てくるようになり、後一歩と言うところまで千束を追い詰めたのである。この100日後、多摩川は甲子園出場権を手にする。

  • 南東京大会1回戦(3回コールド)

{| border="1" !!!1!!2!!3!!計 |- align="center" !尾山台 |0||0||0||0 |- align="center" !多摩川 |6||4||6x||16 |} 以前の練習試合で、コテンパンにやられてしまった多摩川。(無論、千束と試合をやる前の話であるが。)だが、名門・千束と互角にやりあったと言う自信で、今まで手玉に取られてきたエース・根津を捕らえ、3回コールドで粉砕した。

  • 南東京大会2回戦(7回コールド)

{| border="1" !!!1!!2!!3!!4!!5!!6!!7!!計 |- align="center" !目蒲 |1||0||1||0||0||0||0||2 |- align="center" !多摩川 |0||0||0||0||0||6||3x||9 |} 相手は、"3回戦の常連"と言う目蒲。2点を先制されるが、この試合で課題だった守備を克服。打っては、6回に目蒲のエース三好の配球と球威の無さを見破り、7回コールドで粉砕した。

  • 南東京大会3回戦

{| border="1" !!!1!!2!!3!!4!!5!!6!!7!!8!!9!!計 |- align="center" !昭文館 |0||0||0||2||0||0||0||0||2||4 |- align="center" !多摩川 |0||0||4||0||0||0||0||0||2x||6 |} "元シードの強豪"、昭文館の強力打線を山田久志のアンダースローで相手に揺さぶりをかけられるものの、何とか4点で封じた。相手投手の本格派、宇童に対しては、一時マウンドから引きずりおろしたものの、スライダーで5回から8回まで完全に封じ込められた。が最後、石川、小暮で攻略をし、小暮が2ベース性のあたりを打つが、わざと転倒して一塁に留まり、最後にゆたかのサヨナラ2ランを呼び込んだ。だが、試合後にも多摩川には課題が残った。この後打つ岡田の「ま、ゆたかが一番打点を稼いでいるからいいか。」と言う気楽と言うかその発言から、君島監督は一人京都で寺にこもることとなる。

  • 南東京大会4回戦

{| border="1" !!!1!!2!!3!!4!!5!!6!!7!!8!!9!!計 |- align="center" !本豪学園 |0||0||0||0||0||0||0||0||1||1 |- align="center" !多摩川 |0||0||0||0||0||0||0||0||2x||2 |} ついに見捨てられたと判断したか主将石川は、俺たちだけで合宿をやろうと決意、実行に移した。結局最後は監督だけでは大きくは変わらない、自分たちの意識が大事であると言うように全国の野球少年たちに伝えたかったのではないだろうか?いずれにせよ、この後戦う京浜と並んで、実力派とも言われる本郷学園。100メートル11秒台の選手が多く、冷静な昭文館の宇童でさえ、混乱をしてしまったほど。ゆたかは左のクイック投法で機動力を封じる。9回に試合巧者の本郷学園が4番・中江の犠牲フライで先制されるものの、完璧に打たれたわけではないとゆたかをはじめとする多摩川ナインは、石川、小暮で佐久間のカーブを攻略し、潜在意識の変わった岡田がネクストバッターサークルで見守る中、最後はイチロー打法でサヨナラ2ランを放った。自ら判断でき実行に移せるチームは強いものだと言うことを証明した。

  • 南東京大会5回戦

{| border="1" !!!1!!2!!3!!4!!5!!6!!7!!8!!9!!計 |- align="center" !京浜 |1||0||0||0||0||0||0||0||3||4 |- align="center" !多摩川 |1||0||0||0||0||0||0||1||3x||5 |} "甲子園行き確実"とまで言われた京浜。エース、島は選抜大会にも出場している、今大会の大本命。最速140キロにも達する速球と、曲がりの大きいカーブが武器。先制は試合巧者京浜がするものの、桑田投法と、清原打法で挑んだゆたか。島のカーブを攻略し、同点に追いつく。8回にはゆたかの2ベースから、ホームスチールで勝ち越し。9回には京浜で層の厚さで逆転するが、島をその裏捉え、チャンスを作ると、抑えの羽田が登場。最速150キロにも迫る速球と、フォークで小暮は討ち取られたが、ゆたかに真っ向勝負を挑み渾身の速球で臨んだ羽田は、最後の最後でゆたかに走者一掃となるタイムリー3ベースを打たれてサヨナラ負け。胸を借りるどころか、大金星まで上げてしまった多摩川は、その後、千束にサヨナラ勝ちし、"南東京の雄"と呼ばれる有明を倒し、甲子園に出場する。

  • 南東京大会準決勝

{| border="1" !!!1!!2!!3!!4!!5!!6!!7!!8!!9!!計 |- align="center" !千束 |0||0||0||1||0||0||1||0||0||2 |- align="center" !多摩川 |0||0||0||0||0||0||0||0||3x||3 |}

  • 南東京大会決勝

{| border="1" !!!1!!2!!3!!4!!5!!6!!7!!8!!9!!計 |- align="center" !有明 |0||1||0||0||0||0||0||0||0||1 |- align="center" !多摩川 |0||0||0||1||0||0||2||0||X||3 |}

  • 甲子園大会1回戦

{| border="1" !!!1!!2!!3!!4!!5!!6!!7!!8!!9!!計 |- align="center" !村上学園 |1||1||0||0||0||0||1||2||0||5 |- align="center" !多摩川 |3||0||0||0||0||0||0||0||5x||8 |} "四国一の怪腕"大石を擁するAランク村上。思い切った野球をし、多摩川を翻弄しようとするが、打線のつながり、大石の傲慢な精神がゆたかから3ランを浴びることとなる。しかし、打線のつながりを重視するのは多摩川だけでなく、村上も重視していたのである。が、ゆたかが気温40度にでも達しようかと言う暑さの中踏ん張り、点を与えない。最後は強引に2点を奪って勝ち越し、多摩川も強引に点を取ろうとしようと意識しすぎたか、8回にその策にはまってしまう。だが、9回の伝令で「身の丈の野球だね」と言う君島監督の言葉から、つなぐ意識を思い出し、再びつなげてつなげて点を取り、疲れからだろうか?最後は大石も人の子、ゆたかを色眼鏡で見切ってしまった。ゴジラ松井の物まねで、最後はゆたかがサヨナラ満塁弾を放った。

  • 甲子園大会2回戦

{| border="1" !!!1!!2!!3!!4!!5!!6!!7!!8!!9!!計 |- align="center" !多摩川 |1||0||3||7||0||0||0||2||0||13 |- align="center" !関大淀川 |0||1||5||0||0||0||3||1||4x||14 |} "優勝候補"、関大淀川。"1イニングビッグバン打線"と呼ばれ、1イニングで6点以上を取ったり、一試合で7点以下だった試合は無いなど、数々の武勇伝を持つ強力打線と、"ヤマスケ"ことエース山口大輔は、今大会屈指の投手。ゆたかをはじめとする多摩川ナインは、ボールを水でぬらし、雨が降ったときの練習をするなどして雨対策も万全で、試合に挑んだ。 「雨が降ったら間違いなくこちらの勝ちです」と話した君島監督。試合では、つなぎの野球の集大成とも言うべく、「ONE FOR ALL、ALL FOR ONE(みんなは一人のために、一人はみんなのために)」野球で、同点に追いつかれても再び勝ち越す。その裏、ボール球を強引に打たれるなどして5点を奪われるものの、ぱらついてきた雨を利用し、スクイズ、ミートヒッティングの後、ゆたかの2試合連続満塁弾で勝ち越し。一挙7点を奪う猛攻。ゆたかは身長の小さいことを利用し、幼いころ家の前で姉・美奈子と遊んでいたときに、美奈子がボールを蹴ってゆたかが空振りをすると言うことをしたが、(もちろんボールを蹴ったら反則投球である)すっぽ抜けを上手く利用して関大打線を翻弄。なお、美奈子が遊びで使った投法は、一回にも右で投げたら次は左のサイドからというようにした関大打線を一回を無得点で抑えている。7回に関大打線に対し1死一二塁で赤井がヒットに徹したところ、外野をセンター・佐々井だけにして他の選手は全員内野を守らせるなどしたが、タイムリー3ベースを打たれ、その後もヤマスケのスクイズで2点差にされる。その後多摩川は2点を入れて突き放すが、関大は8回に一点を加えた後、最後の最後で赤井に今日3本目となるサヨナラ満塁ホームランを浴び、多摩川は屈した。王者関大淀川が、ここまで追い詰められたのははじめてであるが、わずか4ヶ月弱でここまでにも成長した多摩川ナインの自分たちの実力を見る目、意識、そして君島監督の的確な指導が無ければ、ここまで成長することはまず無かったであろう。そしてこの後ゆたかは主将となり、チームを引っ張ってゆくこととなる。