ああ播磨灘 7
『ああ播磨灘』(ああはりまなだ)は、さだやす圭による日本の漫画作品。および、それを原作としたアニメ。『モーニング』(講談社)にて連載された。単行本は全28巻。正式なタイトルは『読むと強くなる横綱漫画 ああ播磨灘』(よむとつよくなるよこづなまんが ああはりまなだ)。
概要
敗北や挫折を味わいながら成長するという常套パターンを採らず、主人公は登場した瞬間から横綱。そして一度も負けられない宿命を背負った主人公に、次々強敵が襲いかかる、という、当時すでに古びていたパターンをあえて踏襲。主人公が勝つと判っていてもハラハラさせるのがこのパターンの王道だが、それを逆手にとって、どんどん超人的になっていく主人公と対照的に、ライバル力士たちの人間ドラマを描き込み、むしろ読者は彼ら敵役の側に感情移入してしまうつくりになっている。
また、『イブニング』にて播磨灘の少年時代を描いた『ああ播磨灘外伝ISAO』(ああはりまなだがいでん イサオ)が連載されていた。
M.A.T.原作、竜崎遼児作画の相撲漫画『雷電王』には、播磨鷹(はりまおう)という豪放な横綱が登場、主人公と死闘を演じた末に敗れる。これを受けて、本作の側でも播磨灘が自身の綱を奪ったプロレスのチャンピオンの両腕を破壊し、瞬殺するエピソードが描かれた。
あらすじ
9月場所初日、新横綱播磨灘は仮面をかぶって土俵入りに登場、人々を驚かせる。さらに、双葉山の69連勝を破ること、今後一度でも負けたらその場で引退することを宣言する。相撲協会の怒りを買い、全幕内力士を敵に回して、播磨灘の快進撃が始まる。
逸話
連載当時、若花田、貴花田、曙らによる相撲ブームが起こり、作者さだやす圭も大相撲関係のコメントを求められることが多くなった。しかし、ユーモアのつもりで言ったことが、挑発的な物言いの様に紹介されることも多く、「播磨灘の様な漫画を描いている作者ならこれくらい言うだろう、と思われている様だ」と困惑させられたという。
特に当時大関の小錦の横綱問題で、はげましとやはりユーモアのつもりで「あの身体に綱をしめたらどんな風になるか見てみたいよ」と語った言葉が、「小錦の横綱姿などきっと見られたものじゃない」という様な逆のニュアンスで伝えられてしまったことについては胸を痛め、総集編の巻末コメントで小錦に対して謝罪している。
登場人物
- 播磨灘勲(はりまなだ いさお)
- 声 - 大塚明夫
- 本名:山形勲(やまがた いさお)
- 土俵の内外で角界の禁をことごとく破り、伝統や権威でさえも平然と破壊し続け、自分に負けた相手に対しては圧勝・辛勝に関係なく暴言を放つなど、まさに掟破りの土俵の鬼神。第1話で、仮面を被って土俵入り。さらに「一敗でもしたら、その日限りで引退する」と豪語、そしてその言葉どおりに連勝を続ける。初場所編の千秋楽にて、「大相撲を解散する」と称し、相撲協会と決別する。のちに「播磨灘道場」を旗揚げし、相撲協会と対決する意味で、7月場所と同じ時期に「播磨十番勝負」という自主興行を起こした。驚異の四股を踏む強靭な足腰と怪力を生み出す上体を併せ持ち、得意技は呼び戻し・吊り落とし。土俵入りの型は不知火型。初土俵時の四股名は、山形山(やまがたやま)だった。生年月日は1961年4月2日 - 1962年4月1日の間と思われる。
- さだやす圭作品の主人公の例に漏れず、関西出身者(兵庫県播磨市出身という設定。なお「播磨」は現在の兵庫県南西部を包含する旧国名だが、「播磨市」という地名は実在しない)・関西弁である。
- 作者が意識したか未詳であるが、昭和中期に活躍した映画俳優山形勲と同姓同名である。しかしキャラクターは異なっている。
- 雷光親方(らいこう)
- 声 - 緒方賢一
- 播磨灘の師匠。現役時代には平幕の下位にとどまった(最高位前頭2枚目)。実直な人柄で、播磨灘の破天荒な挙動に一喜一憂する。播磨の横綱昇進時には有頂天になって放言をしたことがあり、このことを播磨の挙動と合わせて後日協会幹部から責められている。
- おカミさん
- 声 - 真山亜子
- 雷光親方の妻。彼女にとっては播磨灘も可愛い子供の一人であり、一挙手一投足に振り回されつつも、時には雷光以上に毅然とした態度で播磨に接する。
- 時津灘(ときつなだ)
- 声 - 小野健一
- ※実在の元幕内時津洋宏典とは無関係。
- 日向灘(ひゅうがなだ)
- 声 - 高木渉
- 雷光部屋の幕下上位力士。播磨と同場所で幕下優勝し、十両に昇進した。
- 紀州灘(きしゅうなだ)
- 声 - 古田信幸
- 入間山(いるまやま)
- 声 - 福田信昭
- 前田亜希子
- 声 - 折笠愛
- 自ら能面を被って深夜に雷光部屋を訪れ、播磨灘に嫁入りを志願。仮面のまま電撃的な婚約発表をした。九州場所後、正式に結婚する。美人でしっかり者の誉れ高き女性。婚約会見でも能面を着けていたため、後に「能面女」とあだ名されることになった。ただし、能面は記者会見のときに播磨灘に割られ、素顔を晒して以降は着用していない。
相撲協会 / ライバル力士
- 愛宕山理事長(あたごやま)
- 声 - 藤本譲
- 相撲協会理事長。角界の伝統と権威を冒す播磨灘を倒し、引退に追い込もうと執念を燃やす。しかし、初場所編を最後に土俵荒廃の責任を取り、理事長職を辞任した。
- 相撲とは力と力のぶつかり合いである“強さ”を理念としている。また、播磨灘の横綱としての圧倒的な実力そのものは認めており、他の相撲部屋が拒絶した道場破りのような播磨灘の出稽古を受け入れた事もある。
- モデルは初代若乃花の二子山理事長。
- 能登ノ海親方(のとのうみ)
- 能登ノ海一門を率いる角界有力者。初場所終了後に、愛宕山の理事長職を継ぐ。そして、播磨抜きで7月場所を行う事により、大相撲の格式、伝統、様式美を守ろうとした。しかも全幕内力士に「『播磨十番勝負』に参戦する様な事があれば、無条件で相撲協会から追放する」と促す程の念の入れ様。しかし、それでも播磨の元へ行く力士が後を絶たなかった。最後は、追放宣言を白紙に戻し、理事長職を辞任。後任を太刀風に託した。
- 相撲とは技と技のぶつかり合いである“しのぎ”を理念としている。また、かなりの野心家でもあった。
- モデルは元佐田の山の出羽海理事長。
横綱
- 太刀風貢(たちかぜ みつぐ)
- 声 - 笹岡繁蔵
- ※実在する元幕内太刀風義経とは無関係
- 東京都出身。相撲道300年の伝統を踏まえた、心技体充実の相撲と取る横綱。円相撲というスタイルで他力士を圧倒する。土俵入りの型は雲竜型。本割の千秋楽で必ずといっていい程、播磨と全勝で相星決戦を行った。初場所編では、播磨の得意技である呼び戻しのカウンター技である播磨返しを編み出し、千秋楽の播磨戦に臨むが、結局敗れた。その後、播磨に日本式棺桶の中に押し込まれ、地獄車と称して転がされる。その事件をきっかけに、自分の力がピークを過ぎたと悟り、引退を決意。
- その後、打倒播磨の為に紫電海を鍛える一方、愛宕山に本場所に出るように説得する。「播磨十番勝負」における最初の挑戦者として名乗りを挙げるがこれも敗退、その後も裏で十番勝負に挑む力士が一日一人になるように(4日目を除く)調整役をしていたことが北道山の口から述べられている。最終話では能登ノ海の推挙で、理事長に抜擢。記者会見で、記者達の前で土下座し、協会の敗北を認めた。
- 第一人者としてのモデルは千代の富士、キャラクターとしてのモデルは「平成の双葉山」の異名があった様に、双葉山ら昭和期の名横綱たちだったと思われる。
- 北道山剛(ほくどうざん つよし)
- 声 - 若本規夫
- 北海道出身。角界一の怪力を誇る力士。自他共に厳しい荒法師。出身は北海道。9月場所編では横綱だったが、播磨灘に敗れたのをきっかけに、「横綱の力が無い」と周囲の反対を押し切って、自ら横綱の地位を返上し、名誉大関となる。だがそのため却って「所詮大関」「大関なら横綱に礼を尽くせ」などと、播磨灘に暴言を浴びせられることになる。九州場所での播磨との対戦後に自決しようと刀を持ち出すが周囲に止められるが、母親からは「死ね」と言われる。
- 播磨十番勝負編の最後の相手。その時に播磨に「お前がわしに一番近い力士やった」と言わしめた。
- 作者のお気に入りだった為か、第86話「あそびほうける」では回想シーンながらも北道が播磨を破る描写が描かれている。
- 長身、上突っ張りをいかした取り口などからモデルは明治末から大正の無敵横綱だった太刀山峯右エ門。その四股名や直情径行な性格には、力道山のイメージも加味されている。
- 実在する力士北道山和貞の四股名はこのキャラクターから付けられている1。
- 大江川正蔵(おおえがわ しょうぞう)
- 本名は田村正蔵。
- プレッシャーに弱いが、巨体、重心の低さは申し分無し。その天稟は角界一と謳われる横綱。9月場所編では師匠・稲綱親方の進退を賭けて播磨に挑むが、あっけなく敗れた。親方は廃業したが、大江川自身は場所直後に誕生した息子のために、泥をかぶって土俵に上がる決意を固める。九州場所編では、打って変わって水入りの大勝負を演じた(本編中、水入りはこの一番のみ)。初場所編で、「播磨灘戦に敗れたら廃業する」と宣言し、播磨に挑むが敗れ、廃業。
- その後、海外に渡って武者修行の旅に出て、帰国。その時の彼の姿は、頭を丸め、肌は小麦色に焼けていて現役時代とは全くの別人になってしまった。元横綱・大江川ではなく、一個人・田村正蔵として播磨十番勝負に挑む。この十番勝負では大江川は作者による選考から漏れそうになるが、地位が地位で頭を丸めたら強くなるだろう、ということで登場した(文庫版13巻後書きより)。
- モデルは大乃国。
大関
- 富嶽(ふがく)
- 声 - 安西正弘
- 本名はイオテ・イアオケア。
- ハワイ出身。体重250Kgの巨漢力士。腕力は角界1であると愛宕山理事長に言われるほどで、突き押しを主に得意とする。引き付けての鯖折りもあるが、かつて兄弟子の腰の骨を折って廃業させてしまった為、封印していた。九州場所編では、その封印を解き、播磨に挑むが相討ちとなって自分の腰の骨が折れてしまい、敗れてしまう(その後も7月場所編でさば折りを使うシーンがある)。
- のちに関脇に陥落するも、不屈の闘志で奇跡のカムバックを遂げ、「播磨十番勝負」に挑んだが敗北。「人間(じんかん)いたるところ青山あり」の言葉を残して廃業、部屋を去る。その際、親方夫妻から万歳三唱で送られた。
- モデルは小錦。
- 玉嵐(たまあらし)
- 本名は玉井新吉。
- ※実在する元幕内玉嵐孝平とは無関係。
- 稽古の鬼と謳われる努力型の力士。安定した重心と鍛えぬいた鋼のような肉体を武器とする。弟弟子の指導にも熱心で、「土俵の外でも摺り足で歩け」との教えが劇中で描かれた。しかしいつしか稽古をすることが目的となってしまい、播磨に「お前の稽古は稽古のための稽古」と言われ強烈な四股によって邪心を抜かれる。
- 若不動(わかふどう)
- 不動明王を信奉し、9月場所で新大関になった。播磨灘に完敗し、四股名の返上を迫られるも、逆に、師と仰ぐ明澄法師に不動王(ふどうおう)の名を授かる。九州場所で敗れた時には、「四股名を“お不動”に改名せい!!」と言われた。登場は初場所編が最後で、十番勝負には登場しなかった。作者曰く「一見大物っぽいが神頼みタイプ」との事。玉嵐、若不動の2大関が十番勝負に出なかったことについては、作者は文庫版13巻の後書きで「志が低かったからではないか」と述べている。
- 紫電海勝巳(しでんかい かつみ)
- 本名:山中勝巳(やまなか かつみ)。
- 神奈川県出身。スピードと技を誇る天才肌の力士。近代相撲の申し子というべき存在。播磨灘が最後に敗れた相手。表向きは飄々とした性格だが、悩みやすい内面も持っている。プレイボーイと目されているが、それは周囲の協力によるカモフラージュによるもので幼馴染の中嶋紀子一筋。九州場所編では、播磨に秒殺されてしまい、投げ飛ばされた後、「前相撲からやり直せ!!」と罵声を受ける。
- 播磨出現以降の土俵の荒廃を憂えており、初場所編では「こうなったのも播磨を見過ごしたあんたの責任だ」と理事長に啖呵を切った上で、播磨灘と目を覆いたくなる程の流血戦を演じた。
- 本名の山中勝巳は実在の力士安芸乃島と同姓同名。
関脇以下
- 白鳳(はくほう)
- ※実在の横綱白鵬とはまったくの無関係。
- 技と力を備えた正統派力士。入幕した時に太刀風から「これで大相撲も10年は安泰」と言わしめた。9月場所前に、女性を助ける為にヤクザとケンカして病院送りにしてしまい、協会から謹慎処分を受けていたが、9月場所の4日目から復帰する。初場所では、以前とは打って変わってヒールに転向。7月場所で、十番勝負に挑む前に土俵上で天山に半殺しにされる。モデルは連載当時、若手力士のホープとして急速に頭角を現しつつあった貴花田。
- 天山(てんざん)
- ※実在する元十両天山久晴とは無関係。
- 大学相撲でタイトルを総なめにし、幕下付け出しでデビュー。初土俵から4場所連続全勝優勝で、強烈な突きを武器にわずか8ヶ月で入幕を果たす。九州場所前に、山相撲で播磨灘と対決するはずだったが、師匠の山藤親方に制止され実現に至らなかった。九州場所の14日目で播磨灘と対戦し、一本背負いで敗れた。その後、雷光部屋へ押しかけ入門し、播磨灘の呼び戻しの練習台となり背骨を痛め入院、さらに太刀風の播磨返しの練習台となって首を痛めるなど、貧乏くじを引かされがち。極端な無口で、何を考えているのか分からない男。
- 凄ノ尾(すさのお)
- 播磨灘と初土俵と入幕が同じという同期の桜。播磨の長所短所を知っている。首を太くするために頭を生木に打ち続け、骨のように硬くなった額のコブがトレードマーク。九州場所編では、播磨に敗れた後「凄ノ尾改め犬ノ尾とせい!!」と四股名返上を迫られた上に、足で砂をかけられる屈辱を味わう。
- 玄海(げんかい)
- ※実在する元十両玄海桃太郎とは無関係。
- 北道山の弟弟子。福岡県出身。昔は、九州では名の知れた暴れん坊だったが、北道山の鬼のシゴキで、ぶちかましを武器に「壊し屋」の異名を取る実力派力士となった。その為、関取になった今でも北道山を「大将」と慕う。それは、北道山が綱を返上してからも決して変わる事は無かった。北道山が横綱だった時は、露払いを務めた。7月場所、9月場所と播磨に秒殺される。
- 八幡悠介(やはた ゆうすけ)
- 紫電海の後輩。柔軟な体ゆえに「ナマコ」という異名をとる元学生横綱。常に茫洋とした表情で掴み所がない性格。学生結婚した妻がいる。
- 初場所編で播磨と初顔で対戦。敗れはしたものの、播磨に「マシな力士や」と褒められる。唯一播磨に褒められた力士。「播磨十番勝負編」では、雨の日を選んで播磨に挑戦するなど、大策士振りを見せた。
- モデルは旭富士。
- 竜鵬(りゅうほう)
- 立田海部屋の新入幕力士。愛宕山親方をして「久々に抜き身の男に会った」と言わしめたほど頑固で向こうっ気が強い。昔、父親を救えなかった悔恨から、吊り一本にこだわっている。愛宕山は北道山に預け鍛えさせる。十番勝負にて播磨灘に挑戦する。
- 竜雲(りゅううん)
- 愛宕山部屋の部屋頭で小結。口先だけは上手く、自分より立場が上の相手には慇懃に振る舞い、下の人間には、たとえ先輩であっても横暴に振舞う二面性キャラ。播磨との対戦で心の弱さを露呈し、自ら膝をつこうとしたため播磨の怒りを買い、腹から土俵に叩きつけられた上、理事長にも「脂の乗った舌を切るか、部屋を出ていけ」と、事実上の廃業通告を突きつけられるが、その後も現役力士として登場している。
- 修羅ノ海(しゅらのうみ)
- 上位に強く、下位に取りこぼす上位キラー。内掛け一本を極めようとする職人タイプ。播磨にも内掛けで挑んだが「お前の内掛けは技ではなく芸や」と言われ敗れた。
- モデルは安芸ノ島。
- 竜剣(りゅうけん)
- 北道山の弟弟子の一人。播磨に罵詈雑言を飛ばして挑発するも、裏目に出て右腕を折られる。
- 立山(たてやま)
- 関脇。横綱となった播磨灘の最初の相手。分厚く包帯を巻いた手による張り手が得意技。大関だった兄弟子が、播磨灘に星の貸し借りを断られ、大関から陥落した為に逆恨みをしている。
- 津軽山(つがるやま)
- 全勝宣言をした播磨の三番目の相手。汗で滑らせ隙を作ろうとするも、全く通じず粉砕された。
- 三ツ岩(みついわ)
- 播磨に対する捨石の刺客として選ばれた力士の一人。大酒飲みで、馴染みの店ではツケで飲食しているが、未だに勘定を払ったことはない。元は横綱、大関になれる逸材と言われながらも自分の特徴をスポイルさせた師匠の育成の影響から伸び悩んでいた。播磨との対戦で両腕を砕かれる。播磨に負けた後自らマゲを切った。
- 甲斐の山(かいのやま)
- ※実在する元幕内甲斐ノ山福人とは無関係。
- 相撲巧者と言われる力士。播磨灘が息を吐いた頃合を見計らって取り組むも、あっさりと倒された。
- 松島(まつしま)
- 前頭。白鳳と同門。二枚目で爽やかで謙虚な優等生。作中では珍しく播磨灘を尊敬している力士。九州場所では張り手を連発されて敗退。その後も爽やかかつ礼儀正しく振舞ってはいたものの、一人密かに悔し涙を流していた。
- 武乃富士(たけのふじ)
- 前頭筆頭。大横綱・武蔵富士の息子。弱冠20歳ながら横綱と戦える位置まで辿り着いた。九州場所にて播磨灘と対戦したが、ぶざまに敗れた。
- 大朝日(おおあさひ)
- 愛宕山部屋所属の関取。通称・大仏。出稽古にて播磨灘と対戦し、完膚なきまでに叩きのめされる。
- 維新竜(いしんりゅう)
- 玉嵐の弟弟子。幕内最軽量。播磨灘の足を取って持ち上げたが、その足を大きく振られて播磨灘の頭上を越えて後ろに飛ばされた。
- モデルは維新力。
その他
- 北条(ほうじょう)
- 毎朝新聞播磨灘と八田の飲酒した際には、毎朝新聞の記事を見て驚愕するシ-ンがある。に勤務する相撲記者歴30年のベテラン記者。播磨灘を毛嫌いしつつも、常に播磨灘をマークしている。次第に播磨に惹きつけられていき、最終話で播磨に対して「日本一!!」と叫んだ。
- 八田登(はった のぼる)
- 暴力団九州玄界組組長。九州場所中に、ちょっとした交通事故で播磨灘と偶然出会う。播磨灘に魅了され、共に酒を飲んで以降、播磨に付き従い、自分の選んだ書道家の揮毫が播磨に踏みつけられた際の偶然からできた自分の字で作った化粧回しを贈ったり、「播磨十番勝負」の興行責任者を務めたりした。播磨の応援団長的な存在。ヤクザから足を洗い、一生播磨についていく決意をした。ちなみにこのキャラクターは、『月刊少年マガジン』に現在も連載中の『なんと孫六』にも登場した(ただし不良高校生役)。
- 兆二(ちょうじ)
- 玄界組若頭で八田の腹心。播磨と八田に振り回され、ブツクサ言いながらも、男と見込んだ両名に忠義を尽くす。
- 北道山の母
- 北海道の奥地に住み、女手一つで北道山を育てながら、荒野を開墾した女傑。自殺未遂騒ぎを起こした北道山に「とっとと死ね。」と言い放つなど、気性はかなり激しい。
アニメオリジナルキャラクター
- りえ
- 声 - 西原久美子
- マロ
- 声 - 真柴摩利
- フーコ
- 声 - ならはしみき
- ピュータ
- 声 - 田野恵
- ゲンさん
- 声 - 福田信昭
- ジロー
- 声 - 折笠愛
その他
- 行司
- 声 - 小野健一、中嶋聡彦
- 呼び出し
- 声 - 田中耕二、古田信幸
- アナウンサー
- 声 - 村山明
- ナレーション
- 声 - 沢木郁也、小野健一
アニメ
1992年4月23日 - 1992年10月1日まで『見ると強くなる 痛快!横綱アニメ ああ播磨灘』(みるとつよくなる つうかい よこづなアニメ ああはりまなだ)のタイトルでテレビ東京系にて毎週木曜日19時30分 - 20時00分の時間帯で放送された。全23話。
スタッフ
- 原作:さだやす圭(講談社刊『モーニング』連載)
- 企画、シリーズ監修:長田紀生
- キャラクターデザイン:新井豊
- 美術監督:長尾仁
- 撮影監督:笹原純
- 音楽:天野正道
- 音響監督:山崎宏
- プロデューサー:清水睦夫⇒中野万作(テレビ東京)、萩原致司、山出勉
- 監督:岡﨑ゆきお
- 制作:テレビ東京、フォールマンオフィス、イージー・フイルム
主題歌
- OP『絶対負けない』(作詞、作曲、歌:片山圭司/編曲:池田大介)
- ED『死ぬまで離さない』(作詞:長戸大幸/作曲:多々納好夫/編曲: 池田大介/歌:A-TLES)
放映リスト
- 新横綱誕生、みたか仮面の土俵入り
- 仮面の横綱吼える!
- 悲運の関脇、泥を噛め
- 仮面の横綱、踏みつける!
- 仮面の横綱、またもや掟を破る!
- 仮面の横綱、破竹の26連勝!
- 激闘! 嵐の横綱対決
- 炎の横綱、怒りの一撃!
- 出た! 荒技“仏壇返し”!
- 千秋楽前夜、恩人岡林教授死す!
- 竜が飛ぶ! 怒涛の千秋楽
- 全勝対決、真の横綱は誰か?!
- 仮面の婚約者現る!
- 横綱VS女将、天下無双のごっつあん!
- 嵐の前ぶれ! 謎の関取現る
- 真剣勝負! 嵐の出稽古
- 九州場所開幕、またも無敵宣言
- 予告の二枚蹴り!!
- 絶体絶命! 禁じ手、殺人さば折り!
- 絶対負けない! 播磨の逆襲
- 大懸賞、必殺の内掛け!
- 吹き荒れる、張り手の嵐!
- 果てしなき戦い、不滅の大横綱
関連商品
ゲーム
※タイトルは全て「ああ播磨灘」。
- ゲームギア版:1993年7月2日発売(セガ)
- ゲームボーイ版:1993年7月23日発売(アスク講談社)
- メガドライブ版:1993年9月3日発売(セガ) - 難易度を横綱(ハード)にしてクリア、またはパスワード「たいそうしようよ」を入力すると見られる『播磨体操 第一』が有名。