あかく咲く声 第2巻

『あかく咲く声』（あかくさくこえ）は、緑川ゆきによる日本の漫画作品。1998年から2000年に、『LaLa』と『LaLa DX』（いずれも白泉社）に掲載された。2000年、第25回白泉社アテナ新人大賞受賞作。単行本は同社の花とゆめコミックスから全3巻が発売された。

概要

1998年12月24日に発売された『LaLa』1999年2月号に読み切り作品として発表。その後、連載作品として同誌1999年7月号から2000年11月号に掲載され完結。全10話。その後、『LaLa DX』2000年11月号と2001年1月号に番外編となる読み切り作品2話が掲載された。作者にとって初の連載作品。

あらすじ

女子高校生の国府佐和は、密かに同級生の辛島に思いを寄せていた。親友・会富の励ましで彼に告白しようと決意した国府は、偶然、辛島がビルに侵入する姿を目撃してその後を追跡。狐の面を被った辛島と対面する。辛島の声には人に暗示をかけることができる力があり、その能力を活かして警察の犯人逮捕に協力していたところだった。犯人は無事逮捕され、辛島と知り合いになった国府は、彼についてのさまざまなことを知り、危険を顧みずに任務を果たす様子を見て、辛島への想いを強くし、彼の力になりたいと願うようになる。

主な登場人物

国府 佐和（こくぶ さわ）

主人公の女子高校生。辛島に恋心を抱く。辛島の声の秘密を知って、その声ゆえに彼が感じる辛さや警察の任務の危険さを知り、それでも彼に近づきたいと願う。

辛島（からしま）

国府と同級生の男子高校生。自分の声で、聞いた人に暗示をかけてしまう特殊な力の持ち主。そのため普段は無口で、友人達と話すときも鼻を押さえながら話すなど工夫する。小学生の時に偶然居合わせた人質事件で、声で犯人の意識を失わせたことがきっかけで警察の仕事を手伝うようになる。警察の任務を遂行するときは、顔を見られないようにするため、狐の面を被る。

川口 誠二（かわぐち せいじ）

警察の特殊部隊員。辛島の良き理解者。

会富（あいどみ）

国府の親友の女子高校生。国府に辛島との恋のアドバイスをするなど良き相談相手。特殊な声を持つ辛島と付き合うことで国府が辛い思いをしないかと心配し、辛島と国府の付き合いに反対する。

坂本（さかもと）

国府と同級生の男子高校生。警察の特殊部隊員で、学校内での辛島のサポート、ボディーガード役。

書誌情報

• 緑川ゆき 『あかく咲く花』 白泉社〈花とゆめコミックス〉、全3巻
  1. 2000年1月10日初版発行、ISBN 4-592-17751-7
  2. 2000年6月10日初版発行、ISBN 4-592-17764-9
  3. 2001年4月10日初版発行、ISBN 4-592-17780-0

• 第2巻に「花泥棒」「珈琲ひらり」を同時収録。

脚注