あしたのジョー 1
あしたのジョーの既刊
名前 | 発売年月 |
---|---|
あしたのジョー 1 | 2000-06 |
あしたのジョー 4 | 2000-07 |
あしたのジョー 5 | 2000-08 |
あしたのジョー 10 | 2000-10 |
あしたのジョー 11 | 2000-11 |
『あしたのジョー』 は、高森朝雄(梶原一騎)原作、ちばてつや画によるボクシングをテーマにした漫画である。
概要
講談社の『週刊少年マガジン』に、1月1日号(発売日は12月15日)から5月13日号にかけて連載された。
現在においても日本漫画を代表する作品の1つである。累計発行部数は2000万部『週刊現代』2009年3月14日号、p.74。。連載中の社会的反響はすさまじく、ジョーのライバルである力石徹が死んだ時には東由多加によって実際に葬儀が行われ、よど号ハイジャック事件では、ハイジャック犯が「われわれは明日のジョーである」(原文ママ)と声明を残したことでも知られる。また辰吉丈一郎をはじめ現実のボクシング界にも大きな影響を与えた。これら社会的反響の大きさから、「戦後最大のヒット漫画」の1つに数えられている。
ストーリー
東京・山谷のドヤ街に、ふらりと1人の少年が現われた。矢吹丈(ジョー)と名乗るその少年に一方的にたたきのめされたアル中の元ボクサー・丹下段平は、その動きから天性のボクシングセンスを見いだし、一流のボクサーに仕立て上げんと奮闘する。しかしジョーは、ドヤ街の子供たちを引き連れて乱行を繰り広げた揚げ句、自分に向けられる段平の情熱を利用して犯罪に手を染め、警察に逮捕されて鑑別所・少年院へと送られてしまった。
ある日、少年鑑別所のジョーあてに、「あしたのために」の書き出しで始まる段平からのはがきが届く。その内容は、左ジャブの打ち方から始まるボクシング技術の講義であった。時間と体力を持て余していたジョーは、そのアドバイスに従ってボクシングの練習に身を入れるようになり、やがて自分のパンチの切れが、今までと比べ物にならないほど向上してゆくのを実感する。野菊島の東光特等少年院での、ライバル・力石徹との宿命の出会いを経て、ジョーは本格的にボクシングの道へと足を踏み入れることとなった。
その後、ジョーは強敵カーロス、金竜飛らとの対戦を乗り越え、世界チャンピオンの座を賭け最強のボクサー・ホセとの闘いに挑む。パンチドランカーに冒されていたジョーは、善戦むなしく判定負けを喫し敗れ去る。灰のように真っ白に燃え尽きたジョー。しかし、その顔には満足げな微笑みがあった。
登場人物
TVアニメ
あしたのジョー
4月1日〜9月29日、毎週水曜19時〜19時30分、フジテレビ系放映(全79話)。
人気は高かったが、放映中にストーリーが原作に追いついてしまい、矢吹丈VSカーロス・リベラ戦で終了している。原作の魅力に加え、初めて監督格となった出﨑統の先鋭的な演出によりその名を高めた。また、矢吹丈と丹下段平の声を(元来アニメ声優ではない)あおい輝彦と藤岡重慶が担当し、そのハマリ具合の絶妙さは「彼ら以外には考えられない」と見る者に思わしめるインパクトだったため、続編や劇場版において他キャラの声の配役が大幅に変更される中でも、この両名だけは常に不動とされたほどである。しかもこれほどの好評にもかかわらず、両名とも声優業は洋画吹き替えや単発アニメを別として、ほぼ『あしたのジョー』関連のみに限られ、俳優としてのキャリアを重ねた。なお、続編『2』ほどではないにせよ、本作にも原作にないオリジナルキャラやオリジナルストーリーが随所に挿入されている。原作最後の対戦者である「ホセ・メンドーサ」は最終回で名前のみ登場している。
スタッフ
- チーフ・ディレクター:出﨑統
- プロデューサー:富岡厚司、渡辺忠美、別所考治(フジテレビ)
- 制作担当:おおだ靖夫
- 設定:丸山正雄
- 作画:中村一夫、佐々門信芳、川尻善昭ほか
- 美術監督:明石貞一
- 美術:渡辺毅
- 背景:椋尾篁
- タイトル特殊効果:橋爪朋二
- 撮影監督:熊谷幌史
- 編集:松浦典良
- 現像:東洋現像所→東京現像所、育映社
- 音楽:八木正生(A・R・A)
- 効果:石田サウンドプロ(石田秀憲、太田正一)
- 製作:虫プロダクション、フジテレビジョン
声の出演
- 矢吹丈 : あおい輝彦
- 丹下段平 : 藤岡重慶
- 力石徹 : 仲村秀生
- 白木葉子 : 西沢和子、恵比寿まさ子(34話〜44話を代役)
- マンモス西(西寛一) : 西尾徳
- 林紀子 : 小沢かおる
- サチ(ドヤ街チビ連) : 白石冬美
- キノコ(ドヤ街チビ連) : 牛崎敬子
- 太郎(ドヤ街チビ連) : 増岡弘
- ヒョロ松(ドヤ街チビ連) : 肝付兼太(話数により嶋俊介)※原作・『2』ではチュー吉
- トン吉(ドヤ街チビ連) : 八奈見乗児
- カーロス・リベラ(世界バンタム級6位) : 広川太一郎
- ウルフ金串(東日本バンタム級新人王) : 加藤修(話数により今西正男)
- 白木幹之介(葉子の祖父) : 和田啓
- ハリー・ロバート(カーロスのマネージャー) : 桑原たけし
- ゴロマキ権藤 : 大塚周夫
- タイガー尾崎(全日本バンタム級チャンピオン) : 飯塚昭三
- 大高会長(アジア拳) : 大宮悌二
- 国友会長(濹東拳) : 雨森雅司
- 兵頭会長(音羽クラブ) : 北村弘一
- 林敬七(紀子の父) : 和久井節緒
- 林玉子(紀子の母) : 阿部光子
- 稲葉粂太郎(ドサ回りボクサー) : 小林清志
- 草拳闘プロモーター河野 : 野本礼三
- 青山まもる(東光特等少年院
) : 小宮山清
- ガイコツ(東光特等少年院
) : 城山堅
- トンネル(東光特等少年院
) : 細井重之(話数により西山連、野本礼三、飯塚昭三)
- ゲリラ(東光特等少年院
) : 飯塚昭三
- 笑い屋(東光特等少年院
) : 原田一夫
- 池内(東光特等少年院の教官) : 風祭修一(話数により村松康雄)
- 大井川豪平(押しかけドクター) : 大木民夫
- ヘンリー・ジェイムズ(プロモーター) : 家弓家正
- パンチョ・レオ : 立壁和也
- シャーク鈴木(ドサ回りボクサー) : 納谷六朗
- ハリケーン馬場(ドサ回りボクサー) : 中江真司(話数により北村弘一、安田隆)
- ベアー釜崎(ドサ回りボクサー) : 阪脩(話数により安田隆)
- 雷電為五郎(ドサ回りボクサー) : 木原規之
- プロテスト候補生・稲垣正平 : 田中信夫
- 原島龍(全日本バンタム級1位) : 井上弦太郎
- 南郷満(全日本バンタム級2位) : 木原規之(話数により安田隆)※原作では南郷浩二
- 殿谷浩介(ジョー復帰第1戦の相手) : 野本礼三
- 家庭裁判所・裁判長 : 永井一郎
- 日本ボクシングコミッション・コミッショナー : 塩見竜介
- 小野会長 : 宮内幸平
- ユリ(桧山牧場の娘) : 野沢雅子
- ユリの母(桧山牧場の女主人) : 麻生美代子
- 平田(鬼姫会幹部) : 渡部猛
- 権太 : 槐柳二
- 吉沢 : 徳丸完
- Missオヤマ : 田の中勇
- おかみさん(林屋の常連客) : 京田尚子
- 少年 : 山本嘉子
- チビ(ドヤ街チビ連) : 麻生みつ子
- 幼い頃のジョー(回想) : 牛崎敬子
主題歌
- OP:「あしたのジョー」(作詞:寺山修司 作曲・編曲:八木正生 歌:尾藤イサオ)
- ED(〜40話):「ジョーの子守唄」(作詞:梶原一騎 作曲・編曲:八木正生 歌:小池朝雄)
- ED(41話〜):「力石徹のテーマ」(作詞:寺山修司 作曲・編曲:八木正生 歌:ヒデ夕樹)
※「力石徹のテーマ」は当時は発売されず、放送終了後に発売されたサウンドトラックアルバムで初商品化となった。歌詞中に現在では差別用語になる言葉が含まれているため、ヒデ夕樹のベスト・アルバムに収録される際はライナーノーツに注意書きが付された。なお、再放送においてのEDは一部の放送局を除いて「ジョーの子守唄」に統一されている。
放映リスト
話数 | 放映日 | サブタイトル | 脚本 | 作画監督 | 絵コンテ | 演出 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1970年4月1日 | あれが野獣の眼だ! | 雪室俊一 | 杉野昭夫 | (不明) | 出崎統 | 14.0% |
第2話 | 1970年4月8日 | 四角いジャングルに生きろ | 山崎忠昭 | 金山明博 | 西牧秀雄 | 16.0% | |
第3話 | 1970年4月15日 | けものよ牙をむけ! | 杉野昭夫 | 奥田誠治 | 17.3% | ||
第4話 | 1970年4月22日 | 熱きこぶしに涙をながせ! | 雪室俊一 | 荒木伸吾 | 斎藤博 | 14.3% | |
第5話 | 1970年4月29日 | あしたのために! -その1- | 金山明博 | 波多正美 | 17.7% | ||
第6話 | 1970年5月6日 | 燃えろ! 左ジャブ! | 山崎忠昭 | 荒木伸吾 | 斎藤博 | 16.3% | |
第7話 | 1970年5月13日 | 狼を裁くな! | 雪室俊一 | 杉野昭夫 | 西牧秀雄 | 15.2% | |
第8話 | 1970年5月20日 | 東光特等少年院 | 山崎忠昭 | 金山明博 | 石黒昇 | 18.7% | |
第9話 | 1970年5月27日 | 奴の名は力石徹! | 雪室俊一 | 荒木伸吾 | 斎藤博 | 14.2% | |
第10話 | 1970年6月3日 | 赤い夕陽に吠えろ! | 山崎忠昭 | 金山明博 | 石黒昇 | 19.4% | |
第11話 | 1970年6月10日 | 地獄の底で燃えろ! | 雪室俊一 | 杉野昭夫 | 西牧秀雄 | 17.7% | |
第12話 | 1970年6月17日 | 燃える太陽に叫べ | 金山明博 | 18.2% | |||
第13話 | 1970年6月24日 | 宿命のリングに立て | 荒木伸吾 | 斎藤博 | 18.3% | ||
第14話 | 1970年7月1日 | KOゴングはまだか! | 山崎忠昭 | 杉野昭夫 | 波多正美 | 19.4% | |
第15話 | 1970年7月8日 | 白いマットの子守唄 | 雪室俊一 | 金山明博 | 吉川惣司 | 18.0% | |
第16話 | 1970年7月15日 | 裏切りの落日 | 荒木伸吾 | 斎藤博 | 16.3% | ||
第17話 | 1970年7月22日 | 嵐の中に一人 | 山崎忠昭 | 杉野昭夫 | 西牧秀雄 | 17.0% | |
第18話 | 1970年7月29日 | 悲しきリングロープ | 荒木伸吾 | 平田敏夫 | 17.4% | ||
第19話 | 1970年8月5日 | 恐怖のレバーブロー | 雪室俊一 | 金山明博 | 石黒昇 | 16.8% | |
第20話 | 1970年8月12日 | 傷だらけの勝利 | 西牧秀雄 | 19.5% | |||
第21話 | 1970年8月19日 | 栄光ある小さな勝負 | 荒木伸吾 | 平田敏夫 | 18.1% | ||
第22話 | 1970年8月26日 | まぼろしの力石徹 | 杉野昭夫 | 崎枕 | 20.0% | ||
第23話 | 1970年9月2日 | あばよ少年院 | 山崎忠昭 | 荒木伸吾 | 富野喜幸 | 20.8% | |
第24話 | 1970年9月9日 | 帰えってきたドヤ街 | 雪室俊一 | 金山明博 | 石黒昇 | 22.6% | |
第25話 | 1970年9月16日 | 野良犬の掟 | 富野喜幸 | 23.4% | |||
第26話 | 1970年9月23日 | 絶望のライセンス | 荒木伸吾 | 平田敏夫 | 28.7% | ||
第27話 | 1970年9月30日 | 明日に架ける橋 | 山崎忠昭 | 金山明博 | 吉川惣司 | 21.1% | |
第28話 | 1970年10月7日 | 栄光への賭け | 雪室俊一 | 石山英児 | 20.6% | ||
第29話 | 1970年10月14日 | 明日への挑戦 | 山崎忠昭 | 杉野昭夫 | 富野喜幸 | 29.2% | |
第30話 | 1970年10月21日 | 試練のプロテスト | 雪室俊一 | 荒木伸吾 | 斎藤博 | 20.5% | |
第31話 | 1970年10月28日 | 翔たけプロボクサー | 金山明博 | 波多正美 | 22.5% | ||
第32話 | 1970年11月4日 | 輝くリングへの道 | 山崎忠昭 | 西牧秀雄 | 18.0% | ||
第33話 | 1970年11月11日 | 初勝利バンザイ | 杉野昭夫 | 富野喜幸 | 21.2% | ||
第34話 | 1970年11月18日 | ボクサー志願 | 雪室俊一 | 荒木伸吾 | 石黒昇 | 22.7% | |
第35話 | 1970年11月25日 | ガンバレ! 西 | 山崎忠昭 | 金山明博 | 富野喜幸 | 15.9% | |
第36話 | 1970年12月2日 | 牙をむくウルフ金串 | (不明) | 杉野昭夫 | 崎枕 | 17.7% | |
第37話 | 1970年12月9日 | 怒りの大特訓 | 20.0% | ||||
第38話 | 1970年12月16日 | 史上最大の六回戦 | 20.5% | ||||
第39話 | 1970年12月23日 | 勝利のトリプルクロス | 吉川惣司 | 22.7% | |||
第40話 | 1970年12月30日 | 白銀に誓う | 山崎忠昭 | 荒木伸吾 | 平田敏夫 | 19.8% | |
第41話 | 1971年1月6日 | 力石徹の挑戦 | 伊東恒久 | 金山明博 | 富野喜幸 | 22.9% | |
第42話 | 1971年1月13日 | 男の世界 | 宮田雪 | 杉野昭夫 | 崎枕 | 20.2% | |
第43話 | 1971年1月20日 | 残酷な減量 | 伊東恒久 | 金山明博 | 19.3% | ||
第44話 | 1971年1月27日 | 苦闘! 力石徹 | 小林幸 | 吉川惣司 | 23.2% | ||
第45話 | 1971年2月3日 | 打倒! 力石へのスェイバック | 松岡清治 | 北島教夫 | 20.3% | ||
第46話 | 1971年2月10日 | 死を賭けた男 | 宮田雪 | 崎枕 | 18.5% | ||
第47話 | 1971年2月17日 | 嵐の前のふたり | 田村多津夫 | 荒木伸吾 | 富野喜幸 | 19.2% | |
第48話 | 1971年2月24日 | 宿命の対決 | 伊東恒久 | 杉野昭夫 | 22.0% | ||
第49話 | 1971年3月3日 | 果しなき死闘 | 小林幸 | 石黒昇 | 棚橋一徳 | 22.9% | |
第50話 | 1971年3月10日 | 闘いの終り | 荒木伸吾 | (不明) | 吉川惣司 | 19.9% | |
第51話 | 1971年3月17日 | 燃えつきた命 | 宮田雪 | 杉野昭夫 | 崎枕 | 26.4% | |
第52話 | 1971年3月24日 | さらば力石徹 | 田村多津夫 | 石黒昇 | 19.8% | ||
第53話 | 1971年3月31日 | 憎いあんちくしょう | 小林幸 | 崎枕 | 16.0% | ||
第54話 | 1971年4月7日 | 悲しみの十点鐘 | 伊東恒久 | 富野喜幸 | 16.1% | ||
第55話 | 1971年4月14日 | さすらいのバラード | 宮田雪 | 石黒昇 | 棚橋一徳 | 15.6% | |
第56話 | 1971年4月21日 | よみがえる狼 | 松岡清治 | 荒木伸吾 | 富野喜幸 | 15.9% | |
第57話 | 1971年4月28日 | 傷ついた野獣 | 金山明博 | 吉川惣司 | 16.0% | ||
第58話 | 1971年5月5日 | 勝利のボディブロー | 山崎晴哉 | 杉野昭夫 | 崎枕 | 11.8% | |
第59話 | 1971年5月12日 | しのびよる黒い影 | 田村多津夫 | 金山明博 | 本田元男 | 10.6% | |
第60話 | 1971年5月19日 | 激闘のスパーリング | 小林幸 | 石黒昇 | 13.6% | ||
第61話 | 1971年5月26日 | 投げられたタオル | 伊東恒久 | 杉野昭夫 | 北野英明 | 12.7% | |
第62話 | 1971年6月2日 | 生きていた力石徹 | 宮田雪 | 荒木伸吾 | 瀬山義文 | 12.5% | |
第63話 | 1971年6月9日 | 最後の挑戦 | 田村多津夫 | 杉野昭夫 | 富野喜幸 | 11.8% | |
第64話 | 1971年6月16日 | カーロス登場 | 松岡清治 | 本田元男 | 16.3% | ||
第65話 | 1971年6月23日 | リングある限り | 宮田雪 | 崎枕 | 13.1% | ||
第66話 | 1971年6月30日 | 明日への旅立ち | 田村多津夫 | 荒木伸吾 | 吉川惣司 | 13.5% | |
第67話 | 1971年7月7日 | 小さな冒険旅行 | 松岡清治 | 杉野昭夫 | 斎藤博 | 13.1% | |
第68話 | 1971年7月14日 | 仕組まれた八百長 | 山崎晴哉 | 富野喜幸 | 11.9% | ||
第69話 | 1971年7月21日 | 牧場の子守唄 | 崎枕 | 12.4% | |||
第70話 | 1971年7月28日 | 気になるあいつ | 小林幸 | 11.8% | |||
第71話 | 1971年8月4日 | 無冠の帝王カーロス | 荒木伸吾 | 富野喜幸 | 11.8% | ||
第72話 | 1971年8月11日 | 帰えれ、輝くリングへ | 杉野昭夫 | 12.2% | |||
第73話 | 1971年8月18日 | よみがえるクロスカウンター | 山崎晴哉 | 金山明博 | 本田元男 | 13.4% | |
第74話 | 1971年8月25日 | 今日からの出発 | 松岡清治 | 杉野昭夫 | 波多正美 | 16.7% | |
第75話 | 1971年9月1日 | リングの魔術師カーロス | 伊東恒久 | 林政行 | 16.5% | ||
第76話 | 1971年9月8日 | 燃える挑戦状 | 山崎晴哉 | 荒木伸吾 | 崎枕 | 16.8% | |
第77話 | 1971年9月15日 | 男の闘い | 松岡清治 | 杉野昭夫 | 本田元男 | 15.9% | |
第78話 | 1971年9月22日 | 死闘!!カーロス対矢吹丈 | 小林幸 | 崎枕 | 15.5% | ||
第79話 | 1971年9月29日 | 燃えろ 遠く輝ける明日よ!! | 20.6% |
最高視聴率
- 本放送時:29.2%(1970年10月14日放送 第29話「明日への挑戦」)
- 再放送時:31.6%(1980年3月13日放送 第13話「宿命のリングに立て」)※日本テレビ、18時-18時30分放映
(ビデオリサーチ調べ・関東地区)
あしたのジョー2
10月13日〜8月31日、毎週月曜日19時〜19時30分、日本テレビ系放映(全47話)。日本テレビ系アニメとして初めて全話ステレオ放送された作品である。
前作の続編だが、下記の再編集劇場版の続きという位置付けのためストーリーは力石との対戦後から始まり、カーロス戦までは事実上のリメイクとなっている。ただし旧作や原作にあった矢吹丈がドサ回りのボクサーになり、そこからはい上がるストーリーは省略されている。また原作にないオリジナルストーリーがふんだんに盛り込まれ、オリジナルキャラクター(須賀清など)も多数登場させている。原作が完結して何年もたってから整理しての制作なので、矛盾点もクリアされており、登場人物の足りなかった心理表現も丁寧に描かれている。特に終盤のテレビ関東による世界バンタム級1位のレオン・スマイリーとのマッチメイクや、WBA王者カロルド・ゴメスとWBC王者ホセによる王座統一戦のくだりなどは、よりリアルにプロボクシングの世界を描きたいという意図(前述の「ドサ回り」ストーリー削除も、この観点による。仮にプロボクサーがそのような興行に出場した場合、ライセンスは剥奪され、復帰はほぼ不可能)からの登場で、オリジナルの部分からは主に監督である出﨑統が「あしたのジョー」という作品世界をどう解釈しているか、がうかがえる。ちなみにほとんどの話数で絵コンテを担当しているさきまくらは出崎統の別名義である。なおサブタイトルには第4話と第33話を除く残りすべてに「…」が挿入されている。
スタッフ
- 原作:高森朝雄、ちばてつや
- 企画:吉川斌(日本テレビ)、川野泰彦
- 音楽:荒木一郎
- キャラクターデザイン/作画監督:杉野昭夫
- 美術監督:男鹿和雄
- 撮影監督:高橋宏固
- 録音監督:加藤敏
- 選曲:鈴木清司
- 監修:梶原一騎、ちばてつや
- 文芸担当:飯岡順一
- 制作担当:青野史郎
- 演出(チーフディレクター):出﨑統
- プロデューサー:高橋靖二(日本テレビ)、加藤俊三
- 脚本:篠崎好、高屋敷英夫、山崎晴哉、大和屋竺、善福次郎「善福次郎」は実在の脚本家ではなく、脚本家が書いたシナリオがさきまくら(出崎統)の絵コンテの段階で大幅に変化してしまったため、「善福次郎」という架空の名前を出すようになった。1
- コンテ:さきまくら、竹内啓雄
- ディレクター:竹内啓雄、大賀俊二、西久保瑞穂
- 仕上:シャフト、グループジョイ、スタジオロビン
- 背景:小林プロダクション
- 撮影:高橋プロダクション
- 編集:鶴渕允寿、高橋和子
- タイトル:高具秀雄
- 特殊効果:橋爪朋二
- 色指定:伊藤純子
- デスク:岩瀬安輝
- 制作進行:横溝隆久、福田尚紀、尾崎穏通、斉藤昭一郎、柳内一彦、家野喜世史
- テクニカルアドバイザー:高山将孝
- 録音:東北新社
- 現像:東映化学
- 協力:あんなぷる
- 制作:東京ムービー新社
声の出演
- 矢吹丈:あおい輝彦
- 丹下段平:藤岡重慶
- 白木葉子:田中エミ
- 西寛一(マンモス西):だるま二郎
- カーロス・リベラ(世界バンタム級6位):中尾隆聖
- 金竜飛(東洋バンタム級チャンピオン):若本紀昭(現・若本規夫)
- ホセ・メンドーサ(WBC世界バンタム級チャンピオン):宮村義人
- 力石徹:仲村秀生
- 林紀子(西紀子):森脇恵
- サチ:白石冬美
- キノコ:堀絢子
- 太郎:鈴木清信
- チュー吉:つかせのりこ
- トン吉:丸山裕子
- 須賀清(情報屋):堀勝之祐
- 白木幹之介:大木民夫
- ハリー・ロバート(ドルを呼ぶ男):池水通洋
- 玄曹達(金竜飛のセコンド):寺島幹夫
- ゴロマキ権藤:渡部猛
- ウルフ金串(東日本バンタム級新人王):納谷六朗
- ハリマオ(マレーシアの野獣ボクサー):田口昂
- 大高会長(アジア拳):加藤修(現・加藤治)
- 国友会長(濹東拳):田中康郎
- 木村会長(大洋ジム):飯塚昭三
- 金竜飛(幼少時):小宮和枝
- 塩谷ジュン(ウルフのフィアンセ):横沢啓子
- 塩谷会長:峰恵研
- 塩谷ジロー(ジュンの弟):塩屋翼
- 林屋の主人(林敬七):矢田稔
- 林屋のおかみ(林玉子):斉藤昌
- タイガー尾崎(全日本バンタム級チャンピオン):石丸博也
- チコ・スティンボード(ハワイでのスパーリング相手):古川登志夫
- 青山まもる(特等少年院時代の仲間):千葉繁
- ガイコツ(特等少年院時代の仲間):沢りつお
- ゲリラ(特等少年院時代の仲間):鈴置洋孝
- 南郷浩二(全日本バンタム級2位):仲木隆司
- Dr.キニスキー:マイク・バーロー
- カバレロ(ホセのセコンド):池田史比古
- ホセの妻:尾崎桂子
- 大橋(テレビ関東の運動部長):平林尚三
- チンピラ辰(権藤の手下):笹岡繁蔵
- チンピラ吉(権藤の手下):長堀芳夫(現・郷里大輔)
- チンピラ留(権藤の手下):小滝進(現・大滝進矢)
- 鈴木会長:緑川稔
- 松木(葉子の秘書):鈴置洋孝
- 焼き鳥屋の親父・村上輝明(元全日本ライト級チャンピオン):及川ヒロオ
- 東野(試合解説):水鳥鐵夫
- 実況アナウンサー:小比類巻孝一
- レフリー、記者:井口成人
白木葉子役の声優は一般公募された。1,380人の応募者の中から、梶原一騎や出崎統を含む8人の審査員による公開オーディションの結果、田中エミと森脇恵が同点となり、田中が白木葉子役に、森脇が林紀子役に選ばれた『アニメージュ』1980年10月号、徳間書店、p.44.。
主題歌
- OP1(〜25話):「傷だらけの栄光」(作詞・作曲:荒木一郎 編曲:後藤次利 歌:おぼたけし)
- OP2(26話〜):「MIDNIGHT BLUES」(作詞・作曲:荒木一郎 編曲:チト河内 歌:荒木一郎)
- ED1(〜25話):「果てしなき闇の彼方に」(作詞・作曲:荒木一郎 編曲:後藤次利 歌:おぼたけし)
- ED2(26話〜):「果てしなき闇の彼方に」(作詞・作曲:荒木一郎 編曲:チト河内 歌:荒木一郎)
作品リスト
- そして、帰ってきた…
- 男一匹花一輪…リングに賭けた
- 地獄からの使者…矢吹丈
- その時、十点鐘は鳴った
- 幻の…あのテンプルを撃て!
- 吠えろ…かませ犬
- さまよえる…野獣のように
- あいつが…燃える男カーロス
- そして…野獣は甦った
- クリスマスイブ…その贈り物は
- 死闘の始まり…カーロスVSジョー
- 吹雪の夜…その果しなき戦い
- 丹下ジムは…不滅です
- どこにある…ジョーの青春
- 誰のために…必殺ラッシュ
- 遠い照準か…世界への道
- 姿を見せた…大いなる標的
- あのナックルが…烙印のメッセージ
- 戦うコンピューター…金竜飛
- 俺のバンタム…減量への挑戦
- 力石の…唄が聞こえる
- そして…計量の朝
- 燃える野獣と…氷
- ゴングが鳴った…悪魔のリング
- 第6ラウンド…奇跡が起った
- チャンピオン…そして、敗者の栄光
- ボクシング…その鎮魂歌
- ホセがいる…ハワイへ
- 初防衛なるか…矢吹丈
- 偉大なるチャンピオン…ホセ
- Vサイン…その意味するものは
- さらば…古き愛しきものたち
- アメリカから来た13人目のキング!?
- カードと共に散った…あいつ
- チャンピオンは…ひとり
- 葉子…新たなる企て
- 野性児その名は…ハリマオ
- 意外な訪問者…ゴロマキ権藤
- ジャングルに…野獣が二匹
- 燃えろジョー…標的が近い
- ホセ来日…闘いの日はせまった!
- 衝撃…葉子の予感
- ジョー・段平…二人の日々
- 葉子…その愛
- ホセ対ジョー…闘いのゴングが鳴った
- 凄絶…果てしなき死闘
- 青春はいま…燃えつきた
最高視聴率
- 16.3%(1980年10月13日放送 第1話「そして、帰ってきた…」)
(ビデオリサーチ調べ・関東地区)
劇場版アニメ
あしたのジョー
- 3月8日公開
- 監督:福田陽一郎
- 製作:三協映画、富士映画、ヘラルドエンタープライズ
- 配給:日本ヘラルド
- 1970年のテレビアニメを力石戦まで再編集した劇場版。力石や葉子など一部のキャストを変更している(俳優を起用)。
声の出演
- 矢吹丈:あおい輝彦
- 丹下段平:藤岡重慶
- 力石徹:細川俊之
- 白木葉子:檀ふみ
- マンモス西:岸部シロー
- アナウンサー:志生野温夫
主題歌
- 主題歌:「美しき狼たち」(作詞:たかたかし 作曲:鈴木邦彦 歌:おぼたけし)
- 挿入歌:「K・O(ノック・アウト)」(作詞:村上龍 作曲:ジョー山中 歌:清水保男)
- 挿入歌:「グッバイ・ジョー」(作詞:梶原一騎 作曲:平尾昌晃 歌:スザンナ・スー)
あしたのジョー2
- 7月18日公開
- 製作総指揮:梶原一騎
- 脚本・監督:出崎統
- 製作:三協映画、ヘラルドエンタープライズ、富士映画、ちば企画
- 配給:ヘラルドエンタープライズ
- 前作映画の続編で、全体としてはテレビシリーズ『あしたのジョー2』の再編集。ただし、終盤はテレビシリーズと同時進行で別に描き起こされたものである。また、声優も一部変更されている。
声の出演
- 矢吹丈:あおい輝彦
- 丹下段平:藤岡重慶
- 力石徹:細川俊之
- 白木葉子:檀ふみ
- マンモス西:岸部シロー
- ホセ・メンドーサ:岡田真澄
- カーロス・リベラ:ジョー山中
- 林紀子:藤田淑子
- 金竜飛:古川登志夫
- アナウンサー:志生野温夫
主題歌
- 主題歌:「あしたのジョー2のテーマ〜明日への叫び〜」(作詞・作曲・歌:ジョー山中)
- 挿入歌:「青春の終章(ピリオド)〜JOE…FOREVER〜」(作詞・作曲・歌:ジョー山中)
実写映画
1970年版映画
『あしたのジョー』(ビデオリリース時:『あしたのジョー 実写版』)。1970年7月22日公開
==== 製作配給 ==== 新国劇映画・ダイニチ映配 (日活)
出演
- 矢吹丈:石橋正次
- 丹下段平:辰巳柳太郎
- 力石徹:亀石征一郎
- 白木葉子:高樹蓉子
- 白木幹之介:見明凡太朗
- マンモス西:山本正明
- 青山正:小松政夫
- ウルフ金串:スピーディ早瀬
主題歌
「あしたの俺は」唄:石橋正次
==== スタッフ ====
- 監督:長谷部安春
- 製作:望月利雄、守田康司
- 脚本:馬場当
- 企画:高木豊、桧明哉
- 撮影:上田宗男
- 音楽:渡辺岳夫
- 美術:佐谷晃能
- 編集:鈴木晄
- 録音:片桐登司美
- スクリプター:浮石晴
- 照明:森年男
2011年版映画
『あしたのジョー』2011年陽春公開予定
==== 製作配給 ==== TBS、東宝
出演
- 矢吹丈:山下智久
- 丹下段平:香川照之
- 力石徹:伊勢谷友介
- 白木葉子:香里奈
- マンモス西:勝矢
- ウルフ金串:
==== スタッフ ====
- 監督:曽利文彦
- 脚本:篠崎絵里子
- プロデューサー:伊與田英徳
舞台
- 1971年6月3日〜26日、東横ホール上演
出演
- 矢吹丈:石橋正次
- 丹下段平:郡司良
- 力石徹:亀石征一郎
ラジオ
ラジオ劇画傑作シリーズ あしたのジョー
- 1977年10月3日-10月28日(全20回)TBSラジオ
声
- 矢吹丈:安原義人
- 力石徹:清水紘治
- 丹下段平:斉藤晴彦
“矢吹丈 対 力石徹”完全実況中継
- 『あしたのジョー40周年記念番組 “矢吹丈 対 力石徹”完全実況中継』
2010年1月17日19:00 - 20:00 TBSラジオ
矢吹丈vs力石徹戦を、第1ラウンドから最終第8ラウンド2分47秒まで実際のボクシングの試合のように架空中継するプログラム。マンガやアニメには描かれていない時間帯も含め再構成しており、監修はちばてつやと梶原一騎の妻である高森篤子が務めている時を超えて名勝負再び。TBSラジオ「丈vs力石」を架空中継 2010年1月15日 コミックナタリー。
- 実況 - 土井敏之
- 解説 - 薬師寺保栄
- 丹下段平 - ガンリキ佐橋大輔
ビデオゲーム
- あしたのジョー(1983年CSK/フィルコム PC-8801以降作品)
- あしたのジョー(1989年 タイトー/WAVE AC作品)
- あしたのジョー伝説(1991年 SNK/WAVE ネオジオ作品)
- あしたのジョー(1992年 ケイ・アミューズメントリース SFC作品)
- あしたのジョー闘打 〜タイピング泪橋〜(2000年 SSI tristar Windows作品)
- ボクシングマニア あしたのジョー(2001年 コナミ AC作品)
- ジ・アニメ スーパーリミックス あしたのジョー2(2002年 カプコン PS2作品)
- あしたのジョー 〜まっ白に燃え尽きろ!〜(2003年 コナミ PS2作品)
- あしたのジョー 〜まっ赤に燃え上がれ〜(2003年 コナミ GBA作品)
パチンコ
- CRあしたのジョー(奥村) - 2001年11月導入
- CRびっくりぱちんこあしたのジョー(京楽) - 2010年2月導入
- CRびっくりぱちんこあしたのジョー MAX EDITION(京楽) - 2010年6月導入
パチスロ
- パチスロ あしたのジョー(Sammy)
カップ麺
- あしたのジョー クロスカウンター焼そば 醤油トンコツ味(マルちゃん(東洋水産))
エピソード
漫画
- 本作において、梶原一騎は「高森朝雄」とペンネームを変えて原作を手がけている。これは梶原一騎の名前を用いると「巨人の星のような『熱血』スポ根もの作品である」という先入観を持たれかねない、と危惧したためであるという。ちなみに高森朝雄というペンネームは、梶原の本名・高森朝樹に由来している。
- 当時の梶原は、原作の改変を激しく嫌うことで有名だった。それを知ってか知らずか、ちばてつやは本作の作画を引き受けるにあたり、「時と場合に応じて、こちらの方で原作に手を加えさせてくれ」と注文をつけた。担当編集者が恐る恐る梶原にその旨を伝えたところ、「手塚治虫とちばてつやは別格だ、いいでしょう」と快諾した。だが連載1回目、ちばはいきなり「話の導入部がわかりづらい」と梶原の用意した原稿を丸々ボツにし、自ら新たに第1話のストーリーを作り上げた。「好きに手を加えてくれ」と言った梶原もさすがにこれには激怒し、連載を止めるとまで言い出して編集者が梶原を説得し、何とか納得させるほどの大騒ぎになった。
- 本作で最も有名な力石徹の減量エピソードは、ちばと梶原の設定確認の行き違いによって生まれたものである。ジョーと力石の初対面シーン、渡された原稿の一文を自分なりに解釈したちばは、力石の身長をジョーより頭一つ分高く描いてしまった。発行された誌面を見てそれを知った梶原は、後に話のつじつまを合わせるため、力石に過度の減量を強いたのである。
- マンガでは、ジョーと力石の出会いのシーンは、養豚場へ向かう途中に自転車に乗った力石が段平の「あしたのために」の手紙を届けるというものだった。暴走する豚を片っ端から殴り倒してジョーの脱走を阻止するというシーンではない(ただし、上記シーンそのものは、マンガにも存在する。第2巻112頁)。
- 力石をどうするかで、梶原は力石を殺したいがちばは生かしておきたいということになり、口論になった。ここで梶原が「力石は、絶対殺す!」と発言。口論の場となった新宿のバーのバーテンダーが梶原の発言を聞いて、警察に通報した。最終的には編集がちばを説得、力石は試合後に死ぬという方向に決まった日本のヒーローは世界を制す。
- 『週刊少年マガジン』の1970年第9号(2月22日号)にて力石が試合後に死亡したのを受け、1970年3月24日には寺山修司の呼びかけで、文京区の講談社講堂にて力石の葬儀が行われた泉麻人の東京版博物館 力石徹の葬儀、2005年11月6日、朝日新聞社。。現在は実在しない漫画キャラクターの葬儀として語られることが多いが、葬儀自体はアニメ版の主題歌を歌っていた尾藤イサオがライブ形式で歌いだすなど、力石戦で人気が最高潮に達していたことをきっかけとした、ファンイベント的な要素が強かったようである。当時のこの作品に対する注目度がいかに高かったかを示すエピソードになっている。また、2002年5月9日には雑誌『ジョー&飛雄馬』の創刊イベントとして、講談社講堂で力石の33回忌献花式が行われた力石の33回忌に300人 ちばてつやさんら献花、河北新報社、2002年5月9日。。
- 『トリビアの泉』で「力石徹は作者のつじつま合わせで死んだ」というトリビアが紹介され、ちばがコメントをしている。ちばは、VTRの最後で力石をつじつま合わせで死なせたことに対して、『彼(力石)には申し訳なく思っている』とコメントしている。
- 梶原が最初に作った本作の最終回は「ホセ・メンドーサに判定で敗れたジョーに、段平が『お前は試合では負けたが、ケンカには勝ったんだ』と労いの言葉をかける。ラストシーン、白木邸で静かに余生を送るジョーと、それを見守る葉子の姿」というものだった。だがその原稿を手渡されたちばは、「今まで死ぬ思いでボクシングをやってきたのに、最後の最後で『ケンカに勝った』はないだろう!」と猛反発し、「結末は自分が作る!」と梶原にねじ込んだ。連載を何本も抱えて多忙なスケジュールに追われ、ジョーの原作すら滞りがちだった梶原はあっさりとこれを承諾、その結果出来上がったのが有名な「真っ白に燃え尽きた」ラストシーンであった。これを見た梶原は、「この漫画は君の物だ」と言った。因みに、連載後期はほとんどちばがストーリーを考えていたという。尚幻の梶原案ラストシーン「白木邸で静かに余生を送るジョーと、それを見守る葉子の姿」は民放バラエティ番組においてちば直筆色紙で紹介されている。梶原が書いた原稿をちばに渡す前に見ていたという真樹日佐夫も最終回について、ちばとほぼ同様のことを述べているが、ラストシーンがパンチドランカーとなったカーロス・リベラと共に療養所のような所で笑顔で戯れている姿で終わっていたと書いているデイリースポーツ 2010年10月20日。
- 上述の経緯でちば自身がラストシーンを作ることが決まり、締めくくりをどうすべきか考えていた際、本編を最初から読み返していた当時の担当編集者が、「これこそあしたのジョーのテーマではないか?」と、ジョーが紀子に「ほんの瞬間にせよ、まぶしいほどまっ赤に燃えあがるんだ。そしてあとにはまっ白な灰だけが残る。燃えかすなんか残りやしない。まっ白な灰だけだ」と語るシーンをちばに差し出した。
ちばはこの意見に同意し、これを基にラストシーンを作り上げた。描き上げてから5日間は何もできず、ご飯もおかゆしか食べられなくて、家族も心配していた、と週刊誌の取材に述べている。
- 連載終了後しばらく、ちばはジョーの絵が全く描けなくなったという。また後年「今でもたまにジョーや力石のイラストを描くが、あの頃の迫力には全く及ばない」とも語っており、当時のちばがいかにジョーの連載に心血を注いでいたかがうかがえる。現在でも特に、ラストシーンについて、「ラストシーンの再現は無理。あの時のテンションには戻れない」と行列のできる法律相談所の「100人の絵で作るカンボジア学校健設プロジェクト」でジョーの絵を依頼された際に述べている。
- 本作のヒットにより、日本国内のボクシング人気は爆発的に高まった。だが「過度の減量は当たり前、むしろ美徳ですらある」「精神主義重視、技術軽視」というゆがんだ風潮がボクシング界に浸透してしまったという負の面も少なからずある。
- 純粋に「ボクシング漫画」として見た場合、とてもリアリティのある作品とは言えない面も多々あった。劇中でジョーが得意としていたクロスカウンターは、相手のパンチを食らいつつそれ以上の打撃を与える「肉を斬らせて骨を断つ」技であったが、実際のクロスカウンターは、相手の攻撃をスリッピングなどでかわしつつ同時に攻撃を加える、いわば「攻防一致」の高等技術である。また「カウンターパンチは通常のパンチの2倍以上の威力を誇る」という理論は必ずしも間違っていないのだが、クロスカウンターは4倍の、クロスカウンターをクロスカウンターで返したダブルクロスは8倍の、それをさらにクロスカウンターで返したトリプルクロスは12倍の破壊力を持つという部分は完全に梶原の創作であることが検証されており、何の根拠もない(他項目参照)。
- 他にも、物理的に不可能な動きをするハリマオの空中回転パンチや、ホセ・メンドーサのコークスクリューブローなど、荒唐無稽な描写は枚挙にいとまがない。特に、コークスクリュー・ブローは実在する技術ではあるが、空手の正拳突きと原理が似ているため、対戦相手を一撃で廃人に追い込むほどの大ダメージは与えられないことが検証によって証明されている。
- ジョーが燃え尽きるラストに関して、ちばてつやは、
「子供向けには今日のリングに負けても、また明日も勝利を目指して戦い続けるジョー」「大人向けには文字通り真っ白な灰になるまで、燃え尽きるまで戦った男・ジョー」という双方の生き方を読者それぞれが感じたまま受け止めてくれればいい、と語っている。しかしながら続けて「自分の中ではこの終わりは(ジョーが死んだか否か)確実に決まっている」と発言している。更に近年では、『タイトルに「あした」と付くくらいだからジョーは死んではおらず、明日も太陽に向かって白木葉子と共に歩き出していると思う』というジョー死亡説を否定するような発言もしている2007年、大阪芸術大学特別講義での本人による解説より。漫画評論家の夏目房之介も、「ジョーの身体が次のページ方向を向いており、リングの線も同じように途切れずに向かっていることから明日があることを意味している」と解説した『BSマンガ夜話 あしたのジョー』より。また、医学的な観点から論じると、疲労で死亡した場合、微笑むなどの顔の筋肉の運動や椅子に座った姿勢を保つようなことは不可能であるため、疲れて休んでいるだけに過ぎないと結論付けられる。梶原の兄の真樹日佐夫も、「死んだとは描いてない、白い灰はあくまで比喩」と語っているデイリースポーツ 10月21日(木)12時57分配信。
- 『巨人の星』に関する評論では『あしたのジョー』が比較として出されることが多く、『巨人の星』の文庫版のあとがきでも、『あしたのジョー』に触れた評論が多い。文庫にあとがきを寄せた1人は、これを『少年マガジン』連載中にリアルタイムでこの2作を読んだ世代の「悪い癖」と見なしており、あとで原作者が同一人物だと知ったショックによるものだと評論している。
アニメ
- TVアニメ版のオープニングテーマの「ルルル〜ルルルル〜」の部分は、レコーディング中に歌詞を忘れてしまった尾藤イサオが、それをごまかすためにとっさに口ずさみ、それを聞いた寺山修司が「こっちのほうが良いよ」と気に入り、正式に採用されることになったといわれている(尾藤当人が民放特番で証言していたのはこちら)。一方、寺山の作詞がレコーディング期日に間に合わず、窮余の策として尾藤がそのように口ずさんだものがそのまま定着した、という説もある。
- TVアニメ版『あしたのジョー』の予告編は、本編と別のスタッフにより独自に制作されていたため、本編の内容と異なる部分が多い。例として、第22話のサブタイトルは、予告編では「さらば少年院」であったが、本編では「まぼろしの力石徹」となっていた。また、第51話放送後の次回予告「さらば力石徹」は、本来第52話にあたるところを、第42話と誤植されていた。死に番号を付けられたこの52話は、偶然にも力石の死に関するエピソードの回である。
- TVアニメ版『あしたのジョー』『あしたのジョー2』は、韓国でも放映された。その際、ジョーを初めとする日本人の登場人物は皆韓国人という設定になり、原作で韓国人だった金竜飛や玄曹達はベトナム人に、金竜飛の朝鮮戦争に関するエピソードはベトナム戦争下のものに変えられていた。またちばてつやが韓国の漫画フォーラムに出向いた際に入手した漫画海賊版における金竜飛は日本人という設定だったとのこと。
- TVアニメ版『あしたのジョー2』で力石戦のトラウマにより矢吹がリング上で嘔吐するシーンは光るゲロとして話題になり、後に(出﨑監督自身のセルフパロディも含め)いろいろなアニメ作品でパロディ化された。
- 1994年、ニッセイがテレビコマーシャルに『あしたのジョー』を起用したが、「ジョーや力石が生命保険になんか入るはずがない」というクレームが殺到し、CMは短期間で打ち切られた。他のCMでは、日清食品のジェットラ王やサッポロ飲料の梅クエン酸2000のCM、1980年には三菱電機のカラーテレビのCMにも具志堅用高と対決という形で登場している。
- 細川俊之が力石の声を演じたのは劇場版のみだが、ネームバリューとインパクトのある声から「力石=細川」の印象は根強い。2001年に放映されたサントリーBOSSのCMは、あしたのジョーを読んでいるサラリーマンの横で細川とあおい輝彦が力石とジョーの台詞を勝手にアフレコしているというものだった。
- ジョーが力石の死によって、一時的に相手のテンプル(頭の側面)を打てなくなった際、段平が「やつ(矢吹丈)はかたわだ」と言ったセリフが、現在自粛されている。漫画版では「ボクサーとして欠陥品だ」に差し替えられ、アニメ「あしたのジョー2」の東京MXテレビでの再放送では当該カットが削除されていた。
- TVアニメ版の全79話のDVDは、2009年9月4日にAmazonにて発売された。
その他
- タイトルの最終候補は「左のジョー」と「一発屋ジョー」であった 。
- 元プロボクシング世界王者・辰吉丈一郎の名前は、元ボクサーの父が、矢吹丈にちなんで命名したものである。奇しくも辰吉もまたジョーと同じくバンタム級を代表する一選手であった。
- タイトーの発売したアーケードゲーム『あしたのジョー』、SNKの発売したネオジオ用ゲーム『あしたのジョー伝説』は、ともにWAVE社の開発した作品である。両方ともホセ・メンドーサを倒すとエンディングを迎えるが、タイトー版は白木葉子との結婚式、SNK版は夕陽をバックにしたジョーのランニングシーンという、原作とは完全に異なる結末となっている。
- 「トリビアの泉」2006年9月27日放送分(最終回)では、矢吹丈がレギュラー最後の影ナレも務めた。
- 2008年は少年マガジン少年サンデーが創刊50周年、あしたのジョーが連載40周年を迎え、カレンダーやタオル、G-SHOCKなど記念モデルが続々登場している。
- 『笑っていいとも!』(2009年1月21日O.A.)のテレホンショッキングのコーナーでゲストの女優・木村多江が、最近『あしたのジョー』に嵌まっていることを告白し、矢吹丈のようなおシャレ(トレンチコートにハンチング帽)をして街に出かける事があることを披露している。また最終回にも感動した事を披露している。
- 2011年の実写映画版の風景などは忠実に再現されるが、衣装の一部であるトランクスは当時のものよりひざの高さまで長くなっているため、忠実に再現されていない。
評論、研究本
- 豊福きこうが『水原勇気0勝3敗11S』(1992年、情報センター出版局 ISBN 479580673X)で矢吹丈の対戦試合、勝敗数、パンチ数などを分析。路上での殴りあいも含めた矢吹の全対戦リストも掲載。矢吹丈が長期戦や判定になると勝てないことをデータから分析。また、『タイガーマスク』の伊達直人との比較論、矢吹丈が鑑別所の心理テストで答えた「両親=植木等、無責任」、「植木等に憧れる」という矢吹丈のことばと、それでも「両親を責める気持は希薄」である点に着目。さらに、映画の植木等が本当は悪い意味での無責任でないことなどから、そこから考察する矢吹丈の「力石死後の戦い」の意味についての論説もある。
- 「あしたのジョー」心理学概論—“矢吹丈”その心の病 (サーフライダー21著、中公文庫 ISBN 4122022037)。気鋭の若手心理学者、精神科医、弁護士、教育学者らが知の技法を縦横に適用、「真っ白に燃え尽きた」ボクサー・矢吹丈の人間的内面に迫る。
- 柳田理科雄が『空想科学読本』シリーズで「矢吹丈の長い前髪」やホセ・メンドーサの「一瞬の白髪」を検証。『漫画読本』シリーズでクロスカウンターの「2倍、4倍…」の理論を検証し、また、ハリマオの空中でスピンする技を「科学的」に解説している。
- 上記『水原…』と同様、河崎実も『「巨人の星」の謎』(1993年、JICC出版局=現・宝島社 ISBN 4796606785)で矢吹丈の「俺は植木等のファンでね」の台詞を引用し、『巨人の星』と『あしたのジョー』の根底に植木等の行動力、敢闘精神があったと分析。また、アニメの『巨人の星』にも「泪橋」が登場することを紹介。「マンモス西と紀子の結婚」などから梶原作品における、ある「法則」を導き出している。
あしたのジョーに関連した楽曲
- 「あしたのジョー」が題名および歌詞に出てくる楽曲
- 『“あしたのジョー”以降』(野口五郎)
- 『あしたのジョーなんかきらいだ』(三上寛)
- 『夢は夜ひらく』(三上寛)
- 『明日のジョーは帰らない』(大塚博堂)
- 「あしたのジョー」主題歌をサンプリングしている楽曲
- 『打つべし〜明日のために〜』(UZI)
- 『明日のジョー』(電気GROOVE)
- その他
- 『パンチドランカー』(THE YELLOW MONKEY)
- 『明日の☆SHOW』(福山雅治)
- 『立つんだジョー』(レミオロメン)
- 『あしたのショー』(ゴールデンボンバー)
脚注
関連項目
- 梶原一騎
- ちばてつや
- 週刊少年マガジン
- あおい輝彦
- 寺山修司
- 尾藤イサオ
- 石橋正次
- 出崎統
- リング禍
- 山谷 (東京都)
- 泪橋
- ドヤ
- 久里浜少年院
外部リンク
ko:허리케인 죠
sv:Ashita no Joe