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いけない!ルナ先生 4

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いけない!ルナ先生』(いけない!ルナせんせい)は、上村純子による日本の漫画作品。講談社の漫画雑誌『月刊少年マガジン』にて、1986年から1988年にかけて連載された。

概要

前作『あぶない!ルナ先生』を下敷きに『月刊少年マガジン』に連載された一話完結のお色気漫画。主要キャラクターは『あぶない!ルナ先生』とほぼ同じであるが若干キャラデザインと設定が変更され、またストーリー上の繋がりは無い。

前作同様「年上の女性が少年にエッチな個人授業をする」という、当時の少年誌としては過激なお色気描写がウリで、男性読者を中心に絶大な人気を誇った。なお、良く誤解されている事だが、裸や乳房などの性描写はあっても、性行為そのものや、またそれに近い描写や表現は一切描かれていない。

出版された単行本は各巻40万部以上とヒットしながら、1990年からの有害コミック問題の対象となり、などして、単行本は出荷停止・絶版となり、全国の書店からルナ先生の単行本は姿を消した。講談社の在庫分も断裁処分になったが、既に増刷していて出荷できなくなった10万部の印税は支払ってくれたという上村純子「『いけない!ルナ先生生』絶版騒動顛末記」『誌外戦』コミック表現の自由を守る会編、創出版、1993年。最終回のようなストーリーがないため「打ち切り」と誤解されるが、1990年には連載が終了していたため打ち切りではない。

1999年、成年指定の復刻版として松文館から発売され、後に文庫本でも発売。その後長らく絶版となっていたが、現在、講談社を出版元としてコミックパークのオンデマンド出版や電子配信などで発売されている。

あらすじ

母を亡くして父親と2人暮らしの少年・神谷わたる。突然、父が海外の出張でしばらく家を空ける事になり、下宿人として女子大生の葉月ルナと同居する事になる。当のわたるは勉強も運動もダメな怠け者、興味があると言ったらエッチな事ぐらい。わたるの将来を悲観するルナはわたるに体を張ってマンツーマンの個人教授をやることになった。ルナ先生の個人教育を受けたわたるは必ず(といっていいほど)成果を出すことができたのである。

登場人物

神谷 わたる(かみや わたる)
主人公。勉強が苦手で生活態度もだらしない中学二年生。また運動神経は悪くないのだが不器用でサッカー以外のスポーツは苦手なダメ人間。性格は怠け者で努力は大嫌いだが、個人授業を受けた後は必ず結果を出しており、決して才能が無いわけでは無い、いわゆる「やれば出来る子」。
ルナとの個人授業の時には感激すると「うれぴ~」「こんな事出来ちゃうなんて幸せ~!」「でぇ~っ!」等と叫ぶ。また、殆どルナの言い付けを守らずによく暴走する(胸を覗く、目隠しを外すなど)。
誕生日にプレゼントをするなどルナ先生の事が好きらしいが、当のルナがその事に気付いているかは不明(復刻版5巻のあとがき漫画ではルナ本人もわたるの事が好きだという事が判明した)。
葉月 ルナ(はづき ルナ)
音羽女子大 教育学部に通う女子大生。わたるの父親の留守中、下宿人として、わたるの面倒を見る事になる。
ハーフという説や年齢は19歳という説がある。
近所の学習塾『講談塾』で講師のバイトもしており、将来の夢は立派な教師になる事らしい。
母性本能溢れる性格で本人はわたるの母親代わりを自認しており、わたるが何か行き詰まると「自分が何とかしなければ…」と毎回、カラダを張ったHな個人授業を行っている。また異常な程心配性でありその思考回路は常人の理解を超えている。
例えばわたるがテストで0点を取ると、
「テスト0点 → 落第 → 退学 → 人生の落伍者 → 孤独な人生 → 自殺」
と言った具合に必ずラストは「死」「自殺」に繋がる想像を繰り広げ、「このままじゃわたるが死んじゃう~」と、わたるの命を救う為に個人授業を行ってしまうのがパターンであり、このルナの思考パターンはファンの間で伝説になっている。
ちなみに一応、大学生の筈だが、普段はわたるの家の家事や塾で講師などをしていて、大学に通っている姿はほとんど見られない。ちなみに大学のプロレス同好会と付き合いが長い。
わたるの父
早くに妻を亡くし男手一つでわたるを育ててきた。現在は外国に転勤しており、たまに帰国している。白髪頭のため年齢は50代と思われる。
オニ山(おにやま)
わたるのクラス担任。プロレス経験者でやる気の無かったわたるを投げ飛ばすが、数日後ルナの指導を受けたわたるに負ける。
長島(ながしま)
わたるのクラスメイト野球が得意な少年。自分の腕前を見せつける為、わたるを引き立て役にするが、翌日個人授業を受けたわたるに完封される。ちなみに長島と命名したのは編集部らしい。
わたるの母
松文館の復刻版のあとがき漫画「有害マンガ指定」に登場。天国からわたるを見守っていたが、わたるのあまりの堕落ぶりと、ルナ先生との個人授業に憤慨し、ルナ先生を天界へ連れて行き、後にわたると有害図書などで口論となった。
遺影の笑顔とは正反対に堅物でヒステリーな、いわゆる「超教育ママ」で、子供は親の言う事を聞いて真面目に育てば良いという考えしか持っておらず、口論の末、しまいにはわたるを自分の子供じゃないと言い出す始末である。

備考

  • 展開上はあくまで個人授業であるため、作中に登場する問題や説明などは実際に中学生までの教科書に収録されているものがほとんどである。
  • 講談社コミックス版の単行本では描き下ろしのイラストコーナーや付録などが収録されており、現在のオンデマンド版や電子書籍でも引き継がれているが、松文館版のあとがき漫画は収録されていない。
  • 当時は同じ『月刊少年マガジン』に連載されていた『天才バカボン』のエピソードの一つにルナ先生とわたるが出ていた回がある。

出典

関連項目

  • あぶない!ルナ先生
  • いけないパラダイス
  • 風が吹けば桶屋が儲かる

外部参照リンク