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どろろ梵 4

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どろろ梵』(『どろろぼん』)は、「ヤングチャンピオン」で2007年12号から2009年5号迄連載されていた原作手塚治虫、作者は道家大輔による青年漫画作品。各話ごとのサブタイトルは漢字四文字で、ほとんどが四字熟語として成立している。

概要

原作は手塚治虫作の「どろろ」だが、オリジナル作品の要素が強い。本作では現代が舞台で、生まれ変わった百鬼丸が女になり、どろろは妖怪になっている。また、現代では妖怪を認知できる人間が少なくなっている。オリジナルキャラクターも登場している。ちなみに、作品名中の「梵」については下記を参照。

あらすじ

どろろと百鬼丸が別れてから五年……。ある橋の上、自らの身体を取り戻すべく一人旅をしていた百鬼丸は女の妖怪と戦っていた。百鬼丸は妖怪の首や身体を切き裂き、止めを刺そうとすると「アニキ!」との声が聞こえた……その妖怪はどろろだったのだ。 不意をつかれ手を止めてしまった百鬼丸は、どろろに胴体を真っ二つにされた。そして、どろろにこう言い残し、自ら刀で首を跳ね飛ばし絶命した。「オレはいつか必ずおまえを殺しにいく」と。 そして五百年後、現代へと輪廻転生し女となった百鬼丸は身体を取り戻す為、そしてどろろを殺す為に旅を再開するのだった。

登場人物

人間

醍醐 百鬼丸(だいご ひゃっきまる)
前世は男性だったが、女性に生まれ変わって五百年後の現代に黄泉還った。年齢は詳しくは判らないが、見た目だと十代~二十代だと思われる。赤ん坊の頃は前世と同じく身体の一部が欠損しているが、前世で取り戻せなかった右目・右腕・左足の三ヶ所のみ。髪が長く、一つに束ねており身体の所々にタトゥーが彫ってある。刀を右腕に仕込んでいたが妖怪に壊されてしまい、それからは義足に仕込んである刀のみで戦っている。妖怪の存在を認知でき、飼い猫の妖怪に憑かれていた梵を助けた後、百鬼丸に興味を持った梵に付き纏われ、鬱陶しく感じていたがだんだん仲間と思うようになって来ている様である。
梵(ぼん)
中学生の女の子で、殺されて妖怪化した飼い猫のホフマンに取り憑かれて町の歩行者達を殺してしまい、さらに殺した者への復讐に囚われたホフマンにより、自分の中学校で事件を起こしてしまった。最初は妖怪をわずかにしか認知できなかったが認知できるようになり、興味を持った百鬼丸に付いていく様になる。両親や親戚などは不在の模様で、中学では不登校気味で窃盗や傷害の常習犯でスリの才能もある。性格は明るく間延びした感じだが、逞しさもある。ホフマンに取り憑かれて半分妖怪になった状態であるため、妖怪と同じ匂いがするらしい。
この作品名中の「梵」は、彼女の名前である。
けんじ
植物の声が聞く事ができる人間の男の子。梵に惚れ、世話を焼こうとするが現実離れした事が目の前で次々と起こるので全てを受け止める事は出来なかった。
けんじの父
百鬼丸と梵を旅の途中でトラックに乗せてくれた心優しき人物。梵に大量の野菜を何度かあげている。
結丸(ゆいまる)
どろろがKニュータウン郊外の森で拾った人間の幼児の男の子。まだ妖怪が見る事ができる。どろろが育てると決心をするも、捜索隊の中にいた両親の元に帰った。
どろろは『ゆいまる』とは呼ばずに『むすびまる』と呼んでいた。

妖怪

妖怪は「怨み」によって生きる存在で、怨みを浄化した時が寿命である。 前世の百鬼丸から身体の一部を奪った「四十八の妖怪」は、枕がえし・赤目・鎌鼬を残して前世の百鬼丸に殺された。この残り三体が五百年後の現代でも右目・右腕・左足を持っている。

どろろ/鎌鼬(かまいたち)
風を司る妖怪で、百鬼丸の左足を持つ右腕と右目を持つ赤目と枕がえしが死んだ時点で、百鬼丸の体の欠損部分は左足のみとなった。「四十八の妖怪」の一体。人間「どろろ」と妖怪「鎌鼬」が融合した存在。
人間であった時は前世の百鬼丸と旅をしていて、百鬼丸と別れた後は美しく成長するものの、相変わらずスリなどで生計を立てて裏世界で生きてきた。立ち寄った犬山村で得た情報から百鬼丸と再会するも鎌鼬にとり憑かれてしまい、意識を鎌鼬に吸収され百鬼丸に敵対するのならばと自ら崖を飛び降り自殺した。しかし、魂が鎌鼬と融合する形で妖怪化し人間だった頃の記憶をほとんど失い、前世の百鬼丸を殺しても顔色一つ変えなかった。それから五百年間、同じ妖怪の枕がえしと一緒にいる。妖怪だが性格は人間の頃と変わっていなく、頭に猫の尻尾が生えている。
どろろに取り憑く前の鎌鼬は花魁の様な格好をした猫娘の姿で、人間に取り憑いて人間を殺していた。
枕がえし(まくらがえし)
夢の世界を司る妖怪で、百鬼丸の右目を持つ「四十八の妖怪」の一体。現実を夢に摩り替える事により現実に起こった事象を別の事象に置き換えることができる。その時、妖術をかけられた対象は眠りにつく。それは人間・妖怪問わず力を行使できる。置き換える夢は枕がえしの任意によりその時により様々な夢を対象に見せる。当人はだんだんと人間を憎くなってこなくなりもうすぐ死ぬという事を自覚している。普段は黒猫の姿で、どろろと一緒にいる。好物は秋刀魚。住処には趣味の将棋があり、孫の手、座蒲団、雑誌、お茶、畳などを完備している。怨む事で妖力が増す妖怪に至って枕がえしだけは怨み以外にも妖力の源とすることができる。その源が何かは明記されていない。どろろからは「じっちゃん」梵からは「猫ちん」と呼ばれている。もう一人の百鬼丸に胴体を真っ二つにされて力尽きてしまう。
赤目(あかめ)
煙の様な妖怪で、百鬼丸の右腕を持つ「四十八の妖怪」の一体。人間を好きになりかけるが、もう一人の百鬼丸に苦しめられ切り刻まれ、人間を怨んで死ぬ。
醍醐 百鬼丸(だいご ひゃっきまる)
途中から登場した、現代に黄泉還ったもう一人の百鬼丸。こちらは前世と同じく男性だが、何故か妖怪である。どろろに胴体より下を切り刻まれてしまったがその時点では死なず、枕がえしを殺したにも関わらず自分を助けようとする梵の優しさに触れることで「怨み」を失い力尽きる。
一反木綿(いったんもめん)
本作では時を司る妖怪。百鬼丸を当初から監視(?)していた。物語終盤でもう一人の百鬼丸と繋がっていた事が判明したが枕がえしにあっけなくあしらわれる。自信過剰な性格。
ホフマン(化け猫?)
梵に飼われていたがとある学生に生きながらに虐殺され人間に強い怨念を持ったために妖怪と化した猫。化け猫。その余りの怨念の強さに百鬼丸の業物を粉々に砕いた。後に百鬼丸に退治されたように見えたが、飼い主であった梵に取り憑き一時的に梵を半分妖怪化する要因となる。
終盤にてもう一人の百鬼丸から梵を守るように百鬼丸と運命を共にする。
消しゴム
どろろの胸元に常にいる妖怪。パッケージの表示は『MOMO』。終盤にもう一人の百鬼丸にどろろを守るように立ち向かうが力及ばず消滅する。
神木の妖怪
百鬼丸が前世で埋めた木から発生したキノコ型の妖怪。人間の行いを長年見続けた結果、種族間での戦争、我が子を捨てる等人間を愚かで理解できないと思うようになっていた所に更に、神木を開発の為に切ろうとする人間に怨みを持つようになり妖怪化した。
特殊な妖力的な描写は無く、己の姿が見えない人間に対してチェーンソーの暴発に見せかけて虐殺した。百鬼丸との戦闘で唯一、妖力的なものを発揮して百鬼丸に取り憑いたが梵に蹴られて百鬼丸が気絶し、百鬼丸の体から抜け出した所を目覚めた百鬼丸に止めを刺されて消滅した。
海坊主
姿は巨大な腕。その巨体で名古屋にマグニチュード8.0以上の地震と津波を引き起こし、大災害を巻き起こした。
マー君に憑いていた妖怪
人間に憑いていた妖怪。丸い石の頭に5つの眼球を持つ。体を硬化させる能力がある。
名古屋で海坊主が起こした地震の被災地で死体を食べていた所を百鬼丸に見つかって胴を切り落とされ首だけの存在となり、最後はもう一人の百鬼丸の怒りを買いあっさり倒される。

幽霊

妖怪とは異なる存在。人間動物の霊魂から成り立つ存在。

???
電車幽霊から飛び出した少女。
おかっぱ頭に着物と言った童スタイル。心霊ポイントである踏み切りで幽霊電車を見た者を幽霊電車に誘い込む。幽霊電車に乗せられた者は次の幽霊電車の目撃者と入れ替わらない限り電車から降りる事は出来ない。
心霊スポットのホームページから少女の事故の画像を見ると少女と強制的に遊ぶ事となる。遊びは『鬼ごっこ』最初は閲覧者が鬼で少女が逃げる役。少女の霊を捕まえると鬼が交代するがその時、不気味な笑い声と共に「つかまったらシボー」と言いつつ追いかけてくる。実際には捕まえたらシボーするのは少女の霊の方である。少女の願いが聞き届けられた時成仏していった。
清めの塩(食塩)では浄化できない。

サブタイトル

  • 第一話 輪廻転生
  • 第二話 邂逅遭遇
  • 第三話 合縁奇縁
  • 第四話 怪力乱心
  • 第五話 複雑怪奇
  • 第六話 悪戦苦闘
  • 第七話 接近遭遇
  • 第八話 暗中模索
  • 第九話 相即不難
  • 第十話 殷鑑不遠
  • 第十一話 暴虎憑河
  • 第十二話 鬼哭啾々
  • 第十三話 危急存亡
  • 第十四話 悪因悪果
  • 第十五話 万物即繁
  • 第十六話 愛余憎溢
  • 第十七話 二律背反
  • 第十八話 情意投合
  • 第十九話 主客転倒
  • 第二十話 天晴明昇
  • 第二十一話 暗雲低迷
  • 第二十二話 天罰覿面
  • 第二十三話 因果応報
  • 第二十四話 流転輪廻
  • 第二十五話 輪廻応報
  • 第二十六話 会者定離
  • 第二十七話 三世因果
  • 第二十八話 愛別離苦
  • 第二十九話 急転直下
  • 第三十話 不倶戴天
  • 第三十一話 老驥伏櫪
  • 第三十二話 因果覿面
  • 第三十三話 死中救活
  • 第三十四話 怨徹骨髄
  • 第三十五話 罪障消滅
  • 第三十六話 因果因縁
  • 第三十七話 有相執着
  • 最終話 無始無終

脚注