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みゆき 12

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みゆきの既刊

名前発売年月
みゆき 9 1984-01
みゆき 10 1984-06
みゆき 11 1984-10
みゆき 12 1984-12

みゆき』は、あだち充作の漫画作品。少年ビッグコミック連載(1980年~1984年)。

概要

映画化、テレビアニメ化、テレビドラマ化もされた人気作品。第28回(昭和57年度)小学館漫画賞受賞。

テレビアニメは1983年3月から1984年4月にかけてフジテレビ系で全37話を放映。映画は1983年9月、東宝系で公開された。どちらもキティフィルムの製作。

テレビドラマは、1986年8月4日にフジテレビ系で月曜ドラマランドの枠で放送された。フジテレビと共同テレビの共同製作。尚、2007年からはフジテレビ721でも放送が開始されている。

「お約束」のパターン(例えば2人で歩いていると不良にからまれるなど)を並べることにより、逆にそれをギャグにしている。 「血の繋がらない妹」と「親不在であるが経済的に困らない生活」という設定は、その後の他作家の諸作品にも影響を与えた。

主人公のモデルは、当時毎日のように作業場に出入りしていた快活な女子中学生。妹のいなかった作者にとって格好の素材となった。

あらすじ

主人公、若松真人が二人のみゆきに振り回される。1人は血の繋がらないかわいい妹、もう1人は美人同級生。ほんとに好きなのは?

登場人物

若松真人(わかまつ まさと)
一見、平凡な高校生。母親と2回死別している。妹のみゆきは2人目の母親の連れ子なので、血縁関係はない。間崎竜一の別荘でアルバイトをしている時、鹿島みゆきが自分に気があることが分かったが、トラブルがあり嫌われてしまう。すぐに長い間外国で父親と暮らしていたが帰国してきた妹のみゆきと浜辺で出会い、一緒に住むようになる。以後、ふたりの「みゆき」の間で揺れつづける。妹のみゆきは自分たちに血縁がないことを知らないと思っているため、そのことを隠し、普通の兄妹のように振舞う。高3の時に青秀大学を受験したが落ち、1浪して青秀大学に入学する。
みゆき(妹)にある期間会わないと体調が悪くなる(「みゆき病」と呼ばれる)。
最終的に妹のみゆきと結婚をする。
若松みゆき(わかまつ みゆき)
真人の血の繋がらない妹。兄とは違い、成績優秀、運動神経抜群。真人に海辺で出会い、声をかけた。とても明るい性格で人気者。そのため、しつこく求愛してくる者があとを絶たないが、その中に本命はいないようである。原作での生年月日は1966年2月9日(コミックス12巻)。
真人と血縁関係が無いことをもともと知っていた(最終話で間崎竜一の母親が語っている)。
鹿島みゆき(かしま みゆき)
真人の同級生。美人でおしとやかなクラスのアイドル。控えめな性格の割に勝ち気な一面もあり、真人の頬に平手打ちすることもある。料理・裁縫など女性らしい技術は一流。成績優秀であったが、志望校を真人にあわせ、現役合格したものの真人が落ちてしまったため、真人に合わせるために浪人をし、真人と同時に青秀大学に入る。生年月日は若松みゆきのちょうど1年前。真人が妹のみゆきと結婚したことで、単身北海道に傷心旅行に出た。
間崎竜一(まさき りゅういち)
若松みゆきに一目惚れし、一緒の修学旅行、一緒の卒業式、一緒の同窓会のために留年した。年齢は真人の1コ上(中学卒業後高校浪人しているため、1浪1留となる。大学浪人はしなかった)。とても積極的な性格で、様々なドタバタエピソードを残す。成績不良のため退学になりかかったり、巧みな策略で友人をアルバイトにこき使ったりした。腕っ節は強く、数人相手の喧嘩も負けない。喫茶店「ドラゴン」を母親と切り盛りし、喫茶店のマスターもしている。
当初は、若松みゆきに好意的に接してもらえたが、2年時に別々のクラスになってしまい会う機会が減った。
「みゆき病」の第一罹患者。
中田虎夫(なかた とらお)
独身体育教師。白樺女子学園中等部で体育教師をしていたが、みゆきが青華高校に入学すると、追いかけて転職する。竜一とは恋敵で、二人の関係は竜虎に例えられている。みゆきとは20近く歳が離れている。母親が見合い話をたくさん持ってくるが、若松みゆきにしか興味がないので相手にしていないが、一度勘違いで同名の美由紀(みゆき)という女性と婚約したが、結婚直前で破談。若松みゆきが真人と結婚した後、母親の見合い話に承諾する。
鹿島安次郎(かしま やすじろう)
鹿島みゆきの父。警察官(警部)。「二枚刃の安次郎」と自ら名乗るも、鹿島姓もしくはフルネームで登場したことがない。若い女の子一般が好きらしく、初詣で若松みゆきに偶然出会い、気に入る。その後は警察官の身分を濫用しては、何度も若松みゆきに接近する。真人は気が気ではなく、鹿島みゆきの父親と知らず、面と向かって啖呵をきったこともある。
香坂健二(こうさか けんじ)
真人の同級生。勉強ができてスポーツ万能。表向きは明るく正しく、教師とっては理想の生徒。二枚目で女子にとってのアイドルスター。ひたすら鹿島みゆきのみにアタックする。鹿島みゆきと同じ大学に入るために、大幅に志望大学のレベルを下げ現役合格。しかし、鹿島みゆきが真人のために浪人して予備校に通うことを知ると、自分も浪人して同じ予備校に通おうとするが失敗。
沢田優一(さわだ ゆういち)
真人とは年上の幼なじみ、大学生。高校時代までは真人の隣の家に住み、大学を両親とともに西ドイツへわたり留学。未来のサッカー選手。突如帰国の形をとって後半から登場。真人は兄のように慕っており、妹みゆきの相手としても申し分のない存在だったが、真人兄妹の間柄を知る一人として、真人に自分の気持ちを気づかせる最後のチャンスを与えることに。その後、北海道に旅立った際、鹿島みゆきと偶然再会している。
村木好夫(むらき よしお)
真人の同級生。真人と同じくらいの成績にして、同じくらいのスケベさ、どこにでもいるような高校生。要所要所で登場、真人と鹿島みゆきの間柄をうらやみ、ちょくちょく割り込む。もてないと思っていた妹がいる。真人と同じく、一年浪人してから同じ大学へ進学。作者の分身のような存在。どういうわけか、沢田と若松みゆきの結婚披露宴には登場しない。

テレビアニメ

既に『うる星やつら』などで小学館作品のテレビアニメ化権を取得していたキティフィルムが、タツノコプロ出身の宮田知行プロデューサー、西久保瑞穂監督を招き、自社で制作スタジオを構えて挑んだ初のテレビシリーズ。フジテレビは既にアニメ製作会社グループ・タックによるあだち充作品『ナイン』をテレビスペシャルで放送しており、『みゆき』の後、『タッチ』『陽あたり良好!』のテレビシリーズと立て続けにあだち充作品を放映していくことになる。

最初の放送時間(JST)は木曜19時30分 - 20時00分だが、この枠はロート製薬一社提供番組(『万国びっくりショー』ほか)→『スター千一夜』を含む帯番組→『とびだせものまね大作戦』と変遷しており、当時の金曜19時台後半枠と共にフジの19時枠の中ではアニメ未経験枠だった金曜19時台後半枠の最初のアニメは、11年後の1994年開始の『キャプテン翼J』が最初(そして最後)

配役は、主役の兄妹は実年齢が近い点が重視された。ヒロインの若松みゆき役を演じた荻野目洋子はキティフィルム製作の実写映画『ションベンライダー』のオーディションを受けたことがきっかけで起用された。演技については、アニメ雑誌の投稿などで厳しい声が寄せられるなど賛否両論があったが、小学生のときに芸能活動をしたものの、中学になってから活動のなかった荻野目にとって再デビューの足がかりとなった。 これまで美形や二枚目の役が多かった塩沢兼人は本作の村木役での三枚目演技で新境地を開いたと評価されている(ちなみにアニメ版においてのみ、彼が主役の話もあった(第33話)。)。

音楽部門にキティレコードを抱えるキティフィルムの製作ゆえ、所属アーティストの歌が頻繁に挿入歌として使用されている。また当時のテレビアニメとしては37話で3曲のエンディング主題歌は異例であった。H2Oが歌う「想い出がいっぱい」はヒットし、1980年代のスタンダードナンバーとして記憶されることになった。この曲は、現在でも卒業式などで歌われることがある。

番組後期にローカルセールス枠(関東は金曜19時00分 - 19時30分)へ移行したため、一部地域では打ち切りとなったが、後年再放送で全話放送された地域もある。この場合、フジテレビ及び系列局の著作権及び優先放送権が失効した後、系列外局で初放送となった話が発生したケースもあり得る。

フジテレビが再放送権を喪失した後は、日本テレビにて再放送が行われた(1996年頃)。

エピソードは原作中盤を消化したところでほぼ無理やりクロージングを迎えており、打ち切りの原因としては、と言われる。完結編を劇場用新作として制作する話も持ち上がったが、頓挫している。

キャスト

  • 若松真人:鳥海勝美
  • 若松みゆき:荻野目洋子
  • 鹿島みゆき:鶴ひろみ
  • 間崎竜一:大林隆介
  • 村木好夫:塩沢兼人
  • 中田虎夫:玄田哲章
  • 鹿島安次郎:富山敬

スタッフ

  • 製作:多賀英典
  • 原作:あだち充
  • 企画:落合茂一
  • 企画協力:宇佐見康
  • プロデューサー:宮田智行(現・宮田知行)
  • 音楽:ライオン・メリー、天野正道、安西史孝
  • キャラクターデザイン:遊佐和重
  • スタイリスト:鶴巻葉子
  • チーフ制作:森本一雄
  • 制作デスク:山津真岐子
  • 美術監督:海保仁三朗
  • アートデザイン:早乙女満
  • 音響監督:松浦典良
  • 撮影監督:都島雅義
  • チーフディレクター:西久保瑞穂
  • フジテレビプロデューサー:岡正
  • 原画:オフィスシュガー、アニメアール、アニメスポット、A.I.C、スタジオイルカ
  • 動画チェック:佐藤真美江、西堀ひろみ、岡田久美子、青山貴子
  • 動画:アニメスポット、スタジオワールド、スタジオイルカ
  • 色指定:西川裕子、小松利江
  • 検査:布本由紀子
  • 仕上:SKプロ、鈴木動画企画、こずえアニメ
  • 美術設定:村上律子、須藤栄子、中座洋次
  • 背景:スタジオワールド
  • 特殊効果:阿部郷
  • 撮影:緒方プロダクション、ロングランプロダクション、スタジオウッド
  • 編集:西出栄子
  • 制作担当:赤澤信幸、阿部英次
  • 制作進行:久保多恵子、芳原信、赤澤信幸、水間仁、阿部英次
  • 効果:伊藤克己
  • 調整:高橋弘幸
  • 録音スタジオ:整音スタジオ
  • 音響制作:現
  • 現像所:東京現像所
  • 制作スタジオ:キティフイルム三鷹スタジオ
  • 制作:キティフイルム、フジテレビ

放送リスト

話数サブタイトル脚本絵コンテ演出作画監督
1ボクと渚の黒ビキニ!金子裕
西久保瑞穂
西久保瑞穂野部駿夫
2ひらて打ちは恋のレッスン柳川茂西久保瑞穂ときたひろこ
3竜一のスクランブル誕生日大町繁
4妹ダントツ!あにきはペケ!?金子裕古川順康野部駿夫
5デートのたびにキツーイ一発土屋斗紀雄大町繁
6ロリコン刑事 二枚刃の安!柳川茂ときたひろこ多賀かずひろ
7真人マッサオ!ビキニはどこへ?大橋志吉西久保瑞穂アベ正己
8やったネ中田!みゆきと婚約!?土屋斗紀雄大町繁
9雨の日のコンサート古川順康野部駿夫
10ラブラブハイキング 安次郎の場合…!?柳川茂児玉兼嗣神村幸子
11エッチとすけべ土屋斗紀雄大町繁遊佐和重
12竜一・村木のアルバイト情報!西久保瑞穂坂田純一谷口守泰
13嵐の夜には何かが起こる!?大橋志吉ときたひろこアベ正己
14みゆきの心 曇りのち晴れ柳川茂真砂智康薄井義雄
15青春づくり 想い出づくり土屋斗紀雄西久保瑞穂内藤正志野部駿夫
16真夏の夜のお願い蛍柳川茂児玉兼嗣神村幸子
17ひとりっ子 ふたりっ子大橋志吉古川順康坂田純一アベ正己
18ミラクル男 間崎竜一!土屋斗紀雄ときたひろこ遊佐和重
19恋占いラプソディー大橋志吉真砂智康鈴木幹雄薄井義雄
20哀愁の修学旅行島田満児玉兼嗣神村幸子
21バトンタッチは夕暮れ時に!大橋志吉真砂智康鈴木幹雄薄井義雄
22ヌワァンと5才で結婚宣言!?柳川茂児玉兼嗣神村幸子
23ひとつ屋根の下 二人のみゆき大橋志吉ときたひろこ谷口守泰
24恋のリハーサル島田満西久保瑞穂遊佐和重
25おしかけ母さんラプソディー柳川茂坂田純一
26M・Wは恋のイニシャル!?土屋斗紀雄
西久保瑞穂
西久保瑞穂アベ正己
27ラブレター代理戦争!大橋志吉児玉兼嗣神村幸子
28ロンリー・バースデー土屋斗紀雄西久保瑞穂田代文夫遊佐和重
29迷い狼と金色ウサギ!?彦坂健二坂田純一
30雪やコンコン ストレンジャー真砂智康鈴木幹雄薄井義雄
31ムフフ写真コンテスト柳川茂
32男の点数彦坂健二田代文夫谷口守泰
33オジャマ虫・村木君!土屋斗紀雄真砂智康鈴木幹雄薄井義雄
34すれ違いサードママ柳川茂
35落としちゃった戸籍抄本島田満坂田純一アベ正己
36恋の酸素不足土屋斗紀雄ときたひろこ谷口守泰
37愛・哀…ブルーエアメール柳川茂

主題歌

  • オープニング - 「10%の雨予報」
    • 作詞 - 阿木燿子
    • 作曲 - 鈴木キサブロー
    • 歌 - H2O
  • エンディング -
    • 前期「想い出がいっぱい」(第1話 - 第13話、第20話 - 第22話)
      • 作詞 - 阿木燿子
      • 作曲 - 鈴木キサブロー
      • 歌 - H2O
    • 中期「サマー・ホリデー」(第14話 - 第19話)
      • 作詞 - 中里綴
      • 作曲 - 吉田雅彦
      • 歌 - 河合美智子
    • 後期「Good-bye シーズン」(第23話 - 第37話)
      • 作詞 - 山川啓介
      • 作曲 - 鈴木キサブロー
      • 歌 - H2O

映画

主演の永瀬正敏はキティフィルムの『ションベンライダー』でデビュー。脚本の高星由美子はこの後に『タッチ』のシリーズ構成を手がけた。

同時上映はあだち充原作の『ナイン』のアニメ版。後にあだち充原作のテレビアニメ『タッチ』を手がけるスタッフが制作し、既にフジテレビの日生ファミリースペシャルで放映されたテレビスペシャルである。

監督である井筒和幸は、受諾してから初めて原作漫画に目を通したが「内容のなさに呆れた」という印象を抱く。仕事にとりかかったものの、まもなく鬱病を発症して精神科医に「仕事のストレスでの離人症のため、最低2ヶ月の療養が必要」と診断されるが、3日延期したのみで以後は抗鬱剤を服用しながら撮影をしたと語っている中島らも+鮫肌文殊『ひそひそくすくす大爆笑』(メディアファクトリー)に収録の井筒との対談より。

映画と原作の相違点

映画は、真人が高校2年生の夏休みから始まり、2学期が始まるところで終わっており、その中に原作のエピソード(冒頭~翌年の母の日、コミックの1巻~3巻に相当する部分)が散りばめられている。また、謎の女子大生や家庭教師など、原作にはない登場人物の設定がある。

真人が高校2年生の夏休みに(父親所有と思われる)海沿いの別荘に、鹿島みゆき、竜一、矢内清美、三原佐知子、村木の6名が集まっているところから始まる(原作では、海沿いの民宿でのアルバイト)。真人と若松みゆきの再会シーンも異なり、逆ナンパはない。また、再会時の年齢も原作よりそれぞれ1歳上である。そのほか、エピソードの設定に相違点が多々ある。

キャスト

  • 若松真人:永瀬正敏
  • 若松みゆき:宇沙美ゆかり
  • 鹿島みゆき:三田寛子
  • 間崎竜一:嶋大輔
  • 矢内清美:横田ひとみ
  • 三原佐知子:桂田裕子
  • 村木好夫:吉田充
  • 謎の女子大生:石原真理子
  • 家庭教師・杉原:北詰友樹
  • 鹿島みゆきの母:長内美那子
  • 重さん:佐々木すみ江
  • 鹿島安次郎:三遊亭圓楽
  • 竜一の母:木の実ナナ

スタッフ

  • 脚本:高星由美子
  • 音楽:奥慶一、萩田光雄
  • 音楽監督:早川裕
  • 製作:多賀英典
  • プロデューサー:伊地智啓
  • 企画協力:宇佐美廉
  • 監督:井筒和幸
  • 撮影:伊藤昭裕
  • 照明:木村誠作
  • 録音:小野寺修
  • 美術:徳田博
  • 編集:冨田功
  • 助監督:矢野広成
  • 製作担当者:青木勝彦
  • 主題歌:南風ドリーミング(歌:永瀬正敏)
  • 挿入歌:只今失恋真最中(歌:嶋大輔)
  • 挿入歌:野菊いちりん(歌:三田寛子)
  • 挿入歌:Miss you baby(歌:上田正樹)

テレビドラマ

1986年8月4日には『月曜ドラマランド』枠(フジテレビ系)でドラマ化された。

キャスト

  • 若松真人:野々村真
  • 若松みゆき、鹿島みゆき:河合その子

スタッフ

  • 脚本:奥津啓治
  • 演出:若松節朗
  • 企画:久保田栄一、大黒章弘
  • プロデューサー:石川泰平、若松節朗、谷慎輔
  • 制作協力:渡辺プロダクション
  • 制作:フジテレビ、共同テレビ

脚注

cs:Mijuki

ko:미유키 (만화) th:มิยูกิ (การ์ตูนญี่ปุ่น)