エースをねらえ!/山本鈴美香
著者: 山本鈴美香
巻数: 10巻
最新刊『エースをねらえ! 10』
twitterでのコメント (関係ないのに引っかかることもあります...)
エースをねらえ!の既刊
名前 | 発売年月 |
---|---|
エースをねらえ! 1 | 2002-06 |
エースをねらえ! 2 | 2002-06 |
エースをねらえ! 3 | 2002-07 |
エースをねらえ! 4 | 2002-07 |
エースをねらえ! 5 | 2002-08 |
エースをねらえ! 6 | 2002-08 |
エースをねらえ! 7 | 2002-09 |
エースをねらえ! 8 | 2002-09 |
エースをねらえ! 9 | 2002-10 |
エースをねらえ! 10 | 2002-10 |
『エースをねらえ!』は、山本鈴美香のスポーツ漫画で、1973年から1980年まで『週刊マーガレット』に連載された。少年少女を中心にテニスブームを起こしたスポーツ根性(スポ根)漫画として知られる。週刊マーガレット1973年2・3合併号より1975年5号まで連載され、いったん完結したが、3年後第二部として再開され1978年4・5合併号から1980年8号まで連載される。
== 概要 == 主人公の岡ひろみが、ライバルからのいじめや様々な苦難を乗り越えて一流テニス選手へと成長していく過程を描く。原作者の山本鈴美香は、埼玉県立浦和西高等学校出身で、舞台の「県立西高校」は浦和西高校がモデルとされている。原作では宗方コーチの住所が浦和西高校に近い「浦和市領家」となっているように、浦和が舞台であることは明らかだが、アニメやドラマでは神奈川県立西高等学校という設定になっている。
作品中の随所に、1920年代に活躍した日本の往年の名選手、福田雅之助(1897年 - 1974年)による有名な「庭球訓」が織り込まれている。この漫画を通して、福田の名言もより広く知られるようになった。
原作漫画には、1970年代当時に活躍していた実在選手たちのエピソードも随所に盛り込まれている。とりわけビリー・ジーン・キング夫人、クリス・エバート、マーガレット・コート夫人は大きな位置を占める。他にもロッド・レーバー、ビョルン・ボルグ、イボンヌ・グーラゴングなど、様々な実在選手たちが登場し、オーストラリア・テニス界の黄金時代が終わりに近づいた時代に描かれた作品であることを示している。
この時期、いわゆるスポ根漫画が流行していたが、それらの作品とは明らかに一線を画するもので、その差は作品中の「魔球など存在しない」といった発言にも見て取れる。
作者の画力はデビュー当初から定評があったが、この作品でより正確で、バランスのとれた画風へと確立した。その変遷が岡ひろみの成長にリンクし、読者の共感を呼んだ。
単行本はマーガレットコミックス(集英社)から全18巻が刊行された。その後、中公コミックスーリ愛蔵版(中央公論新社)として全4巻が再刊された。(この刊行は全18巻を全4巻にするために、極薄の紙に印刷された。そのため変色も早く、荒い製本との評価もあったが、大長編を4冊で読めると人気が集中、版を重ねた。(同シリーズには「オルフェウスの窓」「ベルサイユのばら」などの池田理代子作品もあり、同じく人気を博した) その後、コミック文庫ブームの先駆けとして中央公論新社よりコミック文庫化、その後ホーム社(発売:集英社)よりコミック文庫全10巻として刊行されている。
主要登場人物
- 岡ひろみ
- 西高1年生。“お蝶夫人”に憧れてテニス部に入部する。新任コーチの宗方から代表選手に抜擢されたことで、それまでの生活が一変してしまう。
- 宗方仁
- 西高コーチに就任早々、いきなりひろみを代表選手に抜擢して猛特訓を開始する。周囲は彼の考えを理解できないが、理屈に合わないことはしない男。トップ選手だったが、22歳の時に練習中に倒れて再起不能を宣告された。祖父母と3人暮らし。漫画作品におけるスパルタコーチの代名詞的存在の一人。
- 竜崎麗香
- 通称“お蝶夫人”。超高校級の実力者で、生徒会副会長。自分に憧れるひろみをテニス部に誘い、妹のようにかわいがる。庭球協会理事の娘として、プライドが高い。
- 藤堂貴之
- 生徒会長。西高テニス部男子副キャプテンでもある。宗方の特訓や先輩たちのいじめに耐えるひろみを優しく励ます。
- 緑川蘭子
- 通称“加賀のお蘭”。西高の宿敵・加賀高校のエースで、長身から繰り出す弾丸サーブが武器。宗方仁とは異母兄妹である。
- 尾崎勇
- 西高テニス部男子キャプテン。藤堂とダブルスを組めば天下無敵。
- 牧(アニメでは愛川マキ、ドラマでは愛川牧)
- 西高1年生で、ひろみの親友。いつもひろみのことを気遣っている。
- 千葉鷹志
- 新聞部員(報道部員)で、藤堂・尾崎の親友。テニスの取材・撮影をライフワークにしており、早い時期からひろみの写真を撮り続ける。空手をたしなみ、黒帯を許されている。
- 宝力冴子
- 東京・白蘭高校に転入した帰国子女。関東メンバー合宿で自分と同学年のひろみを見つける。世界を知る立場から、ひろみを刺激するライバル。奔放な性格で、宗方コーチを尊敬している。
- 桂大悟
- 本作品の“第二部”の主要人物。宗方仁の親友。宗方の再起不能宣告と同時にテニス界を引退する。宗方との“ある約束”を守るため、永平寺で修行生活に入った。宗方の死後、健康なコーチとしてひろみの復活を支え、世界へ送り出す。
- 音羽(アニメ、ドラマでは音羽京子)
- 宗方がひろみをレギュラーに抜擢したため、レギュラーを外される。ひろみに対して色々な嫌がらせをする。レギュラー復帰を求めて再試合するが、ミスで自滅し敗退する。
- ゴエモン
- ひろみの飼い猫。黒い猫である。
アニメ
1973年10月5日から1974年3月29日まで毎日放送制作、NETテレビ(現・テレビ朝日)系列で毎週金曜日の19時00分 - 19時30分に放送されたが、裏番組に『ウルトラマンタロウ』(TBS系)や『シャボン玉歌まね合戦スターに挑戦!!』(日本テレビ系)があったため、視聴率低迷により26話で原作の中盤までを描いて打ち切られた。しかしその後の再放送で高視聴率をマークしたことで、1978年10月14日から1979年3月31日まで『新・エースをねらえ!』というタイトル名で日本テレビ系列で毎週土曜日の19時30分 - 20時00分にリメイク放送された(本枠でのアニメは1971年開始の『アニメンタリー 決断』以来7年振り)。しかし話題性はあったものの、こちらも裏番組に『クイズダービー』(TBS)があったため、余り視聴率は良くなかった。そして終了と同時に、本枠は夜8時枠と統合して90分枠となった。
その他に1979年に劇場版新作が東宝系で公開され、劇場版の続きにあたるOVA『エースをねらえ!2』『エースをねらえ!ファイナルステージ』が1988年から1990年にかけて発表された。アニメの制作はいずれも東京ムービー。
『エースをねらえ!』(テレビシリーズ、全26話)
1973年10月5日~1974年3月29日放映
- スタッフ
- 作画監督:椛島義夫、杉野昭夫、北原健雄
- 作画:マッドハウス、アニメルーム、トミプロダクション
- 音楽:三沢郷
- 演出:出崎統
- 制作協力:Aプロダクション、映音、東京アニメーションフィルム
- 制作:毎日放送、東京ムービー
- 主題歌
- OP - 『エースをねらえ!』 歌:大杉久美子 作詞:東京ムービー企画室 作曲:三沢郷
- ED - 『白いテニスコートで』 (『白いテニスコート』という表記もある)歌:大杉久美子 作詞:東京ムービー企画室 作曲:三沢郷
- 各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ |
---|---|---|---|
第1話 | テニス王国のシンデレラ | 田村多津夫 | 崎枕 |
第2話 | 選手はおまえだ! | ||
第3話 | 涙の地区予選 | 馬嶋満 | 吉川惣司 |
第4話 | テニスコートの対決 | 朝木夢二 | 石黒昇 |
第5話 | 鬼コーチにぶつかれ! | 田村多津夫 | 吉川惣司 |
第6話 | ああ!準決勝の日 | 馬嶋満 | 崎枕 |
第7話 | 弾丸サーブお蘭! | 朝木夢二 | 波多正美 |
第8話 | 赤いバラの挑戦 | 田村多津夫 | 崎枕 |
第9話 | 白熱のマッチポイント! | 馬嶋満 | 吉川惣司 |
第10話 | 涙の退部とどけ | 朝木夢二 田村多津夫 | 波多正美 崎枕 |
第11話 | 恐怖のスピンドライブ! | 馬嶋満 | 開田進 |
第12話 | 決戦!お蝶対お蘭 | 朝木夢二 | 波多正美 |
第13話 | すき!すき!すき!藤堂さん | 崎枕 | |
第14話 | 燃えろ!木枯しの特訓 | 竹内啓雄 | 波多正美 |
第15話 | ダブルスコンビ誕生の秘密 | 馬嶋満 | 吉川惣司 |
第16話 | 恐怖の竜巻サーブ! | 早田和夫 | 波多正美 |
第17話 | うなる!魔のツイストサーブ | 馬嶋満 | 菊田武勝 |
第18話 | 黒いスパイを叩け! | 朝木夢二 | 九十英夫 |
第19話 | 血ぞめの大逆転 | 竹内啓雄 | 崎枕 |
第20話 | 朝やけのラリー | 朝木夢二 | |
第21話 | あやうし!ダブルス決勝 | 竹内啓雄 | 波多正美 |
第22話 | 卒業試合に涙は無用! | 馬嶋満 | 菊田武勝 |
第23話 | 打ちこめ!この一球を | 朝木夢二 | 波多正美 |
第24話 | コートに舞うラブレター | 佐藤実 | 崎枕 |
第25話 | 男子テニスに負けるな! | 竹内啓雄 | 波多正美 |
第26話 | ひろみ対お蝶!最後の対決 | 馬嶋満 | 崎枕 |
- 劇場版
- 1973年12月10日、『東宝チャンピオンまつり』内で第1話を上映した。
- 併映は、『キングコングの逆襲』『ウルトラマンタロウ』『侍ジャイアンツ』『科学忍者隊ガッチャマン』『山ねずみロッキーチャック』の5本だが、当番組と『タロウ』、それに『侍』と『ロッキーチャック』という裏番組同士が上映されるという構成となった。
『新・エースをねらえ!』(テレビシリーズ、全25話)
1978年10月14日~1979年3月31日放映
- スタッフ
- 企画:吉川斌
- プロデューサー:武井英彦、齋藤藳男
- 脚本:藤川桂介、杉江慧子、荒木芳久
- 演出:岡崎稔、出崎哲、山吉康夫、井内秀治、西牧ひでお、新田義方、不二みねお、永丘昭典
- チーフディレクター:岡崎稔
- 作画監督:端名貴勇
- 美術監督:小林七郎
- 撮影監督:高橋宏固
- 録音監督:中野寛次
- 録音技術:前田仁信
- タイトル:藤井敬康
- 文芸担当:小野田博之
- 編集:鶴渕充寿、高橋和子
- 効果:倉橋静男
- 選曲:鈴木清司
- 音楽:馬飼野康二
- 制作:東京ムービー新社(日本テレビはクレジット表記なし)
- 主題歌
- OP - 『青春にかけろ!』 歌:VIP 作詞:竜真知子 作曲:馬飼野康二
- ED - 『明日に向かって』 歌:VIP 作詞:竜真知子 作曲:馬飼野康二
- サブタイトル
- 第1話 ひろみとお蝶と鬼コーチ
- 第2話 選手と迷惑と藤堂さん
- 第3話 仮病といじわると思いやり
- 第4話 試合とケイレンと自転車にのって
- 第5話 ひろみと妬み心と消えたラケット
- 第6話 特訓とねばりとあついまなざし
- 第7話 お蘭と素質と白いコート
- 第8話 不安と不安と赤いバラ
- 第9話 涙と退部と恋しいコート
- 第10話 カムバックと情熱とお蝶夫人
- 第11話 憎しみとお蘭と冬の風
- 第12話 ひろみとダブルスとコーチの秘密
- 第13話 愛と闘志と宗方仁
- 第14話 握手とひけめと私のテニス
- 第15話 恋とパワーと軽井沢
- 第16話 自信と過保護と例外メンバー
- 第17話 強敵と二敗と愛の翼
- 第18話 人気とメダルと狙われる女
- 第19話 コンパと抱擁と板ばさみ
- 第20話 ひろみと海外遠征とコーチの計画
- 第21話 ひろみと固い絆と南十字星
- 第22話 恋と挫折と再出発
- 第23話 衝撃と波紋とお蝶夫人
- 第24話 愛と自覚と不吉な予感
- 第25話 輝く未来と永遠の別れと宗方仁(最終話)
『エースをねらえ!』(劇場版)
1979年10月公開(東宝)
- スタッフ
- 製作:藤岡豊
- 製作補:片山哲生
- 監督:出崎統
- 脚本:藤川桂介
- 作画監督:杉野昭夫
- 美術監督:小林七郎
- 撮影監督:高橋宏固
- 録音監督:中野寛次
- 製作デスク:池田陽一
- 効果:倉橋静男
- 編集:鶴渕充寿
- 音楽:馬飼野康二
- 主題歌
- 『まぶしい季節に』 歌:少年探偵団 作詞:竜真知子 作曲:馬飼野康二
- 『はるかな夢』 歌:少年探偵団 作詞:竜真知子 作曲:馬飼野康二
『エースをねらえ!2』(OVAシリーズ、VHS全6巻、全13話)
1988年3月より発売(バンダイビジュアル)
- スタッフ
- 総監修・絵コンテ:出崎統(さきまくら)
- プロデューサー:鵜之沢伸、高橋豊、本村真章、青野史郎
- チーフディレクター:古瀬登
- 演出:篠原俊哉
- 脚本:三上牧子、海渡理香
- 作画監督・キャラクターデザイン:杉野昭夫
- 美術監督:金島邦夫
- 撮影監督:高橋宏固
- 効果:倉橋静男
- 音楽:芹澤廣明
- 主題歌
- OP - 『エンドレス・ドリーム』 歌:森口博子 作詞:竜真知子 作曲:芹澤廣明
- ED - 『遠くから見ていて』 歌:森口博子 作詞:竜真知子 作曲:芹澤廣明
- サブタイトル
- 第1話 無二の親友の約束
- 第2話 岡、エースをねらえ!
- 第3話 コーチのいない海外遠征
- 第4話 哀しみのニューヨーク
- 第5話 残された日記
- 第6話 さよならコーチ
- 第7話 悲しみの中へ
- 第8話 宗方仁のラケット
- 第9話 傷だらけのコート
- 第10話 ライバルたち
- 第11話 決戦前夜
- 第12話 弾丸サーブ・復活!
- 第13話 きっと…見ている(最終話)
『エースをねらえ!ファイナルステージ』(OVAシリーズ、VHS全6巻、全12話)
1989年11月より発売(バンダイビジュアル)
- スタッフ
- 監督:出崎統
- 絵コンテ・演出:鍋島修
- 脚本:森雅美、海渡理香
- キャラクターデザイン:杉野昭夫
- 作画監督:平山智
- 音響監督:山田悦司
- 音響制作:ゆりーか
- 選曲:鈴木清司
- 音楽:芹澤廣明
- 主題歌
- OP - 『NEVER SAY GOOD BYE』 歌:森口博子 作詞:安藤芳彦 作曲:和泉一弥
- ED - 『真夏のアリス』 歌:森口博子 作詞:山梨鐐平 作曲:山梨鐐平
- サブタイトル
- 第1話 僕は好きだ、君が!
- 第2話 19才の夏
- 第3話 NEVER SAY GOOD BYE
- 第4話 会いたい、藤堂さん…‥
- 第5話 もう引き返せない
- 第6話 ニューヨーク、藤堂さんのいる街
- 第7話 ADVANTAGE…
- 第8話 最後の敗者復活戦…!
- 第9話 クイーンズカップ'90開幕!
- 第10話 チャレンジャー・蘭子!
- 第11話 もう、翔べなくなりました…
- 第12話 FINAL STAGE(最終話)
(注:『エースをねらえ!2』『エースをねらえ!ファイナルステージ』は、1話30分各12〜13話ずつという形態で制作。VHSでは2話または3話の収録、LDでは3話または4話収録で発売された)
- キャスト
- 岡ひろみ - 高坂真琴→水谷優子
- 竜崎麗香(お蝶夫人) - 池田昌子→榊原良子
- 藤堂貴之 - 森功至→井上和彦
- 緑川蘭子 - 沢田敏子→弥永和子→山田栄子
- 音羽京子 - 太田淑子→小宮和枝
- 宗方仁 - 中田浩二→野沢那智*
- 愛川牧 - 菅谷政子
- 尾崎勇 - 池水通洋→豊田真治→梅津秀行
- 千葉鷹志 - 市川治→曽我部和行→堀内賢雄
- 竜崎理事 - 加藤正之→納谷悟朗→藤本譲
- 宝力冴子 - 吉田理保子
- 友代 - 三石琴乃
概要
- 『エースをねらえ!』(テレビシリーズ、全26話、1973年10月~1974年3月 )
- 基本的には原作通り。県立西高テニス部一年生の岡ひろみが新任の宗方コーチに見出され成長するさまを描いているが、ラストはひろみとお蝶夫人との対決とその決着で終わっており、宗方コーチの死は描かれていない。原作第一部の中盤までの内容で終了している。旧エースとも呼ばれる。
- 出崎、杉野らによる斬新な作風が評価される一方、原作通りではない事に異を唱えるファンも少なくない。
- 『新・エースをねらえ!』(テレビシリーズ、全25話、1978年10月~1979年3月)
- 前作終了より4年半を経て『エースをねらえ!』のスタッフ、一部キャストを変更してリメイクされた作品。
- 前作の続編ではなく、新作として原作の最初から第一部終了にあたる宗方の死までが描かれる。
- 旧エースより原作に近い内容で旧エースとは違うファン層を獲得するが、出崎、杉野らが参加していない事を残念がる声も多い。
- 『エースをねらえ!』(劇場版、85分、1979年10月公開)
- 『新・エースをねらえ!』の好評を受けて映画化された。TVシリーズの再構成ではなく、劇場用として全て新規に制作されている。
- 出崎、杉野らが再び参加。原作の第一部を再構成し、約90分にまとめ上げた出崎の手腕が高く評価されている。
- 『エースをねらえ!2』(OVAシリーズ、VHS全6巻、全13話、1988年10月~)
- 『エースをねらえ!』(劇場版)の公開より9年の年月を経て制作された続編的な位置付けの作品。
- 原作の第二部の初映像化作品である。
- 原作第二部同様、宗方の死の直前からスタートし、第二部中盤にあたる、ひろみが宗方の死から立ち直るまでを描く。
- 劇場版も上映されているが、OVAの製作中に公開されたために物語が完結しておらず、宗方の葬式までを編集したものとなっている。
- 『エースをねらえ! ファイナルステージ』(OVAシリーズ、VHS全6巻、全12話、1989年11月~)
- 『エースをねらえ!2』の翌年に製作された続編。
- ただし本作においては、実質的な主人公は岡ひろみではなく(新打法を披露するなどの見せ場はあるが)、むしろお蝶夫人をはじめとしたひろみの前の世代であり、選手としての末期にある彼らの葛藤が描かれる。
- 前作『エースをねらえ!2』は原作の第二部中盤までをアニメ化したものであるが、今作は原作を離れ、ほぼアニメオリジナルのストーリーとなっている。
関連CD
- エースをねらえ! 総音楽集
TVドラマ
2004年1月15日 - 3月11日に、テレビ朝日の木曜ドラマ枠で同局の開局45周年記念ドラマとして初めて実写版として放送された。ひろみ役は上戸彩が務めた。2004年9月23日には続編として、スペシャル版「奇跡への挑戦」が放送された。テレビ朝日はその前身のNETテレビが、毎日放送制作のアニメ版のネット局だったため、同局での同作品は30年ぶりの放映となる。
スタッフ
- 脚本:瀧川晃代
- 音楽:住友紀人
- テニス監修:松岡修造
- チーフプロデューサー:松本基弘(テレビ朝日)、関口静夫(共同テレビ)
- プロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)、森安彩(共同テレビ)
- 演出:松田秀知(共同テレビ)、六車俊治(テレビ朝日)
- 撮影協力:武蔵工業大学(現東京都市大学)
- 制作:テレビ朝日、共同テレビ
キャスト
- 岡ひろみ:上戸彩
- 藤堂貴之:吉沢悠
- 竜崎麗香:松本莉緒
- 緑川蘭子:酒井彩名
- 尾崎勇:石垣佑磨
- 音羽京子:金子さやか
- 愛川牧:森田彩華
- 千葉鷹志:柏原収史
- 竜崎総一郎:夏八木勲(特別出演)
- 藤堂の姉:水野真紀(友情出演)
- 桂大悟:寺脇康文(『奇跡への挑戦』)
- 塩山みさこ
- 島真理子:平岩紙
- 若葉由奈
- 高橋麻衣:セイラ
- 斉藤ゆり
- 神崎詩織
- 田中沙織:小野麻亜矢
- 大久保綾乃
- 桜川博子
- 長谷川恵美
- 水野はるか
- 宝力冴子:ベッキー
- 太田健作:甲本雅裕
- 岡美智子:高橋ひとみ
- 岡修造:高橋克実
- 宗方仁:内野聖陽 ほか
サブタイトル
各話 | 放送日 | サブタイトル | 視聴率 |
---|---|---|---|
STORY1 | 2004年1月15日 | 鬼だ…鬼コーチだ | 13.7% |
STORY2 | 2004年1月22日 | コートでは、誰でも一人だ | 15.3% |
STORY3 | 2004年1月29日 | あたくしかテニスか!? | 12.4% |
STORY4 | 2004年2月05日 | これが本物のダブルス | 12.7% |
STORY5 | 2004年2月12日 | 恋をしても溺れるな | 11.4% |
STORY6 | 2004年2月19日 | テニスへの冒涜 | 12.9% |
STORY7 | 2004年2月26日 | 絶対無二の一球 | 11.7% |
STORY8 | 2004年3月04日 | ひろみ、最後よ | 14.8% |
STORY9 (最終回) | 2004年3月11日 | 岡エースをねらえ | 14.2% |
colspan="6"|平均視聴率13.2%(ビデオリサーチ調べ・関東地区) |
概要
- テレビ朝日開局45周年記念ドラマは2003年10月 - 12月に、前時間帯(通常の木曜ミステリー枠)で「西部警察2003」が放送される予定であったが、ロケ先の名古屋での撮影中の事故により 制作・放送中止となり、急遽「エースをねらえ!」が代替のテレビ朝日開局45周年記念ドラマとして制作・放送された。
- DVD第5巻には未公開シーン追加など新たに再編集した最終回スペシャルエディション版が収録されている。終盤はひろみと宗方の絆を強調している。
- 月曜日22時台での遅れネット局のうち、四国放送・高知放送がこの作品をもって、また最後まで残った福井放送もその4年後に「交渉人〜THE NEGOTIATOR〜」をもってこの時間枠でのネットをそれぞれ終了している。
関連事項
- 松岡修造
- この漫画に影響を受けテニスを始める。「庭球訓」を用いた発言をするなどこの漫画の影響を垣間見ることが出来る。松岡は、海外遠征時もこの作品を持ち歩き、ウィンブルドンのセンターコートにも持ち込んだことで有名である。TVドラマ版でも監修を務めた。
外部リンク
ca:Ace wo Nerae!