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サーキットの狼 4

共有

サーキットの狼』(サーキットのおおかみ)は、漫画家の池沢さとしが1975年から1979年にかけて「週刊少年ジャンプ」(集英社)に連載した漫画作品。続編に『サーキットの狼II モデナの剣』、『21世紀の狼』がある。実写映画が1977年に製作・公開された。

概要

主人公の風吹裕矢が、愛車ロータス・ヨーロッパを駆って、公道やサーキットを舞台に疾走する姿を描いた。他にもポルシェやフェラーリ、ランボルギーニ、マセラティ、日産・フェアレディZ、シボレー・コルベット、トヨタ・2000GTなど、世界中の著名なスポーツカーが劇内に頻繁に登場。いわゆるスーパーカーブームの火付け役となった。

作品に関する評価

リアル感

本作の大きな特徴は、「マッハGoGoGo」などそれまでの作品が架空の車種しか登場しないのに対し劇中に登場する車種を実際に存在するものにした点である。触れるどころか目にすることも希な外国製超高級スポーツカーを、作品を通じて疑似体験できることが人気を呼んだ。

登場するスーパーカーは、作者である池沢さとしの愛車や、作者のクルマ仲間の愛車そのものであることが多く、ナンバーも実在のものである。主人公達が競争を行う箱根ターンパイクなどの道路や、主人公達がたむろする喫茶店も実在のものであり、不思議なリアル感もあった。また、星野一義などの実在の人物が実名で登場することも多かった。

外国製スーパーカーが多数登場する一方で日本車の扱いは非常に低く、フェアレディZ等一部の車種を除き殆どが暴走族の車等、端役扱いとなっていた。これは当時、国内の各メーカーがオイルショック後の排気ガス対策に追われ、新車が殆ど登場しなかったことが理由とされる(排ガス対策をクリアした本格的なスポーツカーの登場は、1978年のサバンナRX-7まで待つこととなる)。

高い人気

連載当初は関係者の間から「自分の趣味をマンガにするなんて」、あるいは「子供に車の運転技術はわからない」といった批判があったらしい。読者からの人気も今ひとつだったため、「少年ジャンプ」の伝統ともいえる「10週で連載打ち切り」が決定していたという。そのため初期のストーリーには、話の展開が急すぎる部分もある池沢自身の談話。

しかし連載7週目から読者からの支持が急激に高まったため、急遽連載続行が決定「さらばわが青春の『少年ジャンプ』」(西村繁男著、飛鳥新社)p.223。その後も人気は伸び続け、「少年ジャンプ」の看板マンガとしての地位を確立した。

広いファン層

ちいぃっ」、「ちぎられちまったぜいぃっ」、「ドリュリュリュリュー」、「アタイは・・・」といった独特の台詞回しや派手な走行音、また実際にはありえない走行テクニックやレース展開など、その独特の世界観が当時の小学生から社会人まで多くの読者の心をつかんで、「スーパーカーブーム」という空前絶後の社会現象にまで発展した。スーパーカーブームは、1976年と1977年に富士スピードウェイでF1レースが開催されたことに始まるF1レースブームと連動する形になり、多くの少年が自動車レースに目を向けるきっかけを作った。

作者・池沢自身が自動車マニアで、登場するスポーツカーの多くを自らまたは知人が所有した経験があり、レースにも参戦していたことから、車種ごとの構造的な特徴や乗車感覚の違いが体験に基づき事細かに描写されており、少年マンガの枠を越え、大人の自動車好きの興味をも引いた。

連載中には、様々なスポーツカーのオーナーたちが「たとえ一コマでクラッシュしてしまう様な役どころであっても自分の車を漫画に出して欲しい」と作者に要望してくる事が多かったという。

「小よく大を制す」

特筆すべきは主人公の愛車ロータス・ヨーロッパが、高性能スポーツカーとしては比較的エンジンの排気量が小さく、絶対的なパワーとスピードに欠ける車種だったことである。このため主人公は、ライバルが乗るポルシェやフェラーリやランボルギーニといった大排気量ハイパワー車に対し、コーナリング性能と運転技術で懸命に対抗するという図式が出来上がった。作中で主人公がランボルギーニ・ミウラを羨ましがる台詞もある。しかしマンガのストーリー展開としては「小よく大を制す」という図式は、大柄で力の強い番長を、小柄で非力な少年が知恵と勇気で倒すという、日本の少年マンガの普遍的なカタルシスに重なるという指摘もあり、作者自身もそれを意図したと述べている。この後、主人公は何度か愛車を変えることになるが、比較的パワーの低い車種でハイパワー車を倒すという基本的な図式は大きく変わらなかった。

ブーム後の展開

タイトルに「サーキット」という言葉が入っているだけに、最終的にはサーキット(レース場)での本格的なレースが主題になっていくが、連載の終盤にはスーパーカーブームもF1レース人気も完全に下火となっていた。さらに、ストーリーがプロレースの本質の部分に近づくほど悪い意味でマニアックになり過ぎ、初期の荒唐無稽な魅力が薄れてしまうというジレンマが発生。かといって本当のレース関係者やマニアが見れば、細部の考証にアラや絵空事が目立ってしまう。初期に見られたリアル感と荒唐無稽さのバランスが、後半には悪い方向に逆転してしまった。実在しないF1マシン(日本の複数の自動車メーカーが共同で製作したという設定)に乗り、主人公が日本人初のF1優勝者になるところで連載終了となったが、この最終回を迎えた頃の作品の人気はブームの頃と比べかなり低迷していた。

公道レースを題材に人気を得た漫画が、本格レースへとステップアップした途端に人気が落ちるという現象は、後に「バリバリ伝説」(しげの秀一)などでも見られた。

高い影響力

スーパーカーブームから約10年を経た1980年代後半、アイルトン・セナや劇中にも登場したネルソン・ピケが日本のホンダエンジンで活躍し、中嶋悟や鈴木亜久里ら日本人がF1に参戦したのがきっかけとなり、日本には再度のF1ブームが訪れる。そのブームに最も心踊らせて熱中したのは、スーパーカーブーム時に少年だった1960年代から1970年代生まれの青年たちだろう。少年期に「サーキットの狼」をきっかけにスーパーカーやF1を愛好し、モータースポーツ文化や精緻なメカニズムに親しんでいた世代にとって、F1は受け入れやすいスポーツジャンルだった。そうした点からも「サーキットの狼」は、日本におけるモータースポーツ普及にとって非常に重要な作品と評される。

ブームから30年以上経つ現在も関連グッズの発売が続いており、2009年には当時の実車や漫画、スーパーカー消しゴム等のグッズを展示した「サーキットの狼ミュージアム」が茨城県神栖市にオープンした。

劇中のコーナリングテクニック

  • スピンターン
  • 三回転スピンターン
  • パワースライド
  • ドリフト
四輪ドリフト
ブレーキングドリフト
逆ドリフト
慣性ドリフト
  • タックイン
  • 幻の多角形コーナリング
  • ジャンピング・ターン・フラッシュ

主な登場人物

初期の公道レース時代の登場人物の多くが作者にとって身近な自動車趣味仲間がモデルになっており、後半のモータースポーツ編では実在する世界的なレーシングドライバーたちが登場している。その一方、漫画作品では珍しく中堅クラスの登場人物でもフルネームが存在せず、苗字あるいは通称でしか呼ばれない人物も多い。

風吹裕矢(ふぶき ゆうや)
本編の主人公。愛車はロータス・ヨーロッパ→ディーノ246GT→ディーノRS(レース用)→ランチア・ストラトス・ターボ(レース用Gr.5仕様)。普段は姉のローザ(ファッションモデル)と二人暮らし。
公道時代から一匹狼のドライバーとして活躍しており、暴走族仲間から「ロータスの狼」と呼ばれていた。ドライビング面では天才的なテクニックと冷静な判断力、そしてバトル中にドライビング・テクニックを生み出すなど驚異的な適応力を持ち、数多くの修羅場をクリアしてきた。普段は女の子を見るとデレデレになってしまうなど軟派な性格(最初期では硬派)だが、運転中は負けん気の強い性格となり、相手ドライバーを「イモ」と罵る光景もしばし見られる。コーナリングを得意としており、「多角形コーナリング」や「慣性ドリフト」などを編み出すことから「コーナリングの魔術師」とも呼ばれる。愛車のロータスにはボンネット部分に黒い星のステッカーを貼っており、相手を倒す度にその星を増やしていった。後に公道グランプリのゴール直前に亡くなった沖田の愛車・ディーノを受け継ぐ。ディーノはボディ・エンジンともに大幅に改造(エンジンは308GT用V型8気筒3,000cc)され、作品オリジナルのマシンとなった(ボディデザインそのものはピニンファリーナが発表したディーノのショーモデルを模している)。そのためメディアによっては『ヤタベRS』と紹介されることがある。
F1参戦で優勝したのちドライバーを引退。続編の『モデナの剣』ではファッションデザイナーに転身している。
名前は作者が応援していたレーサー・風戸裕に由来する。
早瀬佐近(はやせ さこん)
主人公最大のライバル。愛車はポルシェ・911カレラRS→ポルシェ・930ターボ→ポルシェ・カレラRSRターボ(レース用)→ポルシェ・93577ターボ(レース用)。
電機メーカー「早瀬電機」の御曹司で、ポルシェ専門の暴走族「ナチス軍」総統。甘いマスクとやさしさを兼ね備え、人望も厚い非の打ち所のない人物。ドライビングは風吹と対照的に極めて冷静沈着であり、風吹とは何度も激しいライバル争いを行ってきた。
物語後半では風吹と同じくプロレーサーの道に進むが、モナコグランプリでクラッシュし事故死してしまう。
ちなみに早瀬の操るカレラRSには側面ドア部分にハーケンクロイツのマークがあるのが特徴だが、同マークに関する近年の国際情勢を配慮してか、モデルカーやプラモデルではこのマークが省略されて発売されることが多い。
早瀬ミキ(はやせ みき)
佐近の妹。春花学園の高校生。自らも女暴走族集団「赤い流れ星」を率い、関東近辺の暴走族を纏め上げている。
兄の佐近と風吹の戦いを通じ、途中からは風吹と実質的な恋人関係となる。公道グランプリでは途中で右腕を負傷しシフトチェンジが困難になった風吹の代わりに、ロータス・ヨーロッパの助手席に同乗してシフト操作を担当するなど、風吹との深い結びつきが作中で示されることが多い。
飛鳥ミノル(あすか みのる)
プロレーサー。愛車はランボルギーニ・ミウラP400S。
かつては神奈川で、集団「湘南タイガー」のトップであり、街道レーサーチャンピオンとして君臨していた。若手では実力ナンバーワンのレーサーで、時速230キロの時点からミウラを直角に曲げるテクニックを持ち、その技術の高さから風吹を驚かせた。若く暴走しがちな風吹を制御する兄貴分的存在であり、良きライバルでもあった。
風吹の姉であるローザとは恋人関係にあり、サーキット場の表彰台で婚約発表をして結婚。風吹とは義兄弟の関係となる。トヨタ自動車のワークスドライバー川合稔がモデル(現実の川合稔もモデルの小川ローザと結婚した)。
沖田(おきた)
警察官出身のレーサー。愛車はディーノ246GT。秋田県出身。名前の由来は沖田総司。原作では最後まで下の名前は登場しなかったが、2009年に製作されたパチンコ機「CR 新サーキットの狼」では大治郎という名前がつけられている。
元々は町工場の工員だったが、中古でトヨタ・スポーツ800を手に入れてからスピードに目覚めるようになり、街道レーサーとして活躍。その後堂々とスピードを出せると言う理由から交通機動隊に転職を果たす。警官時代はスピード違反取締りの特殊部隊「新選組」に属し、新撰組の隊旗を模した塗装を施したパトカー(日産・フェアレディZ)で暴走族の取締りを行っていた。
のちに同じ秋田出身の谷田部からプロレーサーの道に誘われ、フェラーリ・ディーノの提供を受けて公道グランプリに参戦するが、実はすでに結核に体を冒されており満身創痍の状態であった。レース中に発作を起こしながらも最終コーナーでトップに立ったものの、なぜかコーナー脱出後に突然スローダウンしてしまう。最後は風吹に次いで2位でゴールしたが、ゴール直前ですでに沖田はステアリングを直進状態に握ったまま絶命、壮絶な最期を遂げていた。
その後沖田のディーノは谷田部の元で大改造され、風吹のマシンとなる。
隼人ピーターソン(はやと ピーターソン)
富士スピードウェイでのレースから登場するハーフのレーサー。前年の公道グランプリ優勝者。愛車はトヨタ・2000GT→BMW3.0CSL。名前の由来はロニー・ピーターソンとされる。
非常にプライドが高く、レースで勝つためならプッシングやブロックなどの悪質な走行妨害も平気で行い、果ては相手を死なせても何とも思わない、シリーズ最大の悪役。しかしながらドライビングテクニックは優秀なものがあり、風吹・早瀬も一目置く存在。妨害工作に熱中するあまり、それが自らに跳ね返ってくることがしばしばあり、公道グランプリではクラッシュを起こして顔の左半分に大火傷を負ってしまう。その後BMWに乗り換えたのちもその性格が改まることはなく、最終的には流石島レースで火山地帯に突っ込みクラッシュ、マシンごと炎上。
作中ではその後が描かれなかったため生死不明の状態となっていたが、『モデナの剣』で再登場した。
山岸 みのり(やまぎし みのり)
早瀬電機とライバル関係にある電機会社の社長令嬢。愛車はコスモスポーツ→ポルシェ・930ターボ。
早瀬を幼少時から慕い、彼を魅了する自動車の世界に少しでも近づきたいと思いレーサーから訓練を受けて公道グランプリにコスモで参戦。その後、少しでも早瀬に近づきたいために一時的にマシンを失った風吹に自らのポルシェ930を貸し出し東名高速で勝負をさせる。しかし風吹のドライビングテクニックを見ているうちに自らしてきたことの愚かさを反省し、街道レースの世界から足を洗うことになる。勝負ののちに早瀬の前で号泣した。
ハマの黒ヒョウ
横浜の暴走族連合の総元締めで本名は不明。愛車はランボルギーニ・カウンタック。
公道グランプリから一貫してカウンタックで参戦。最終的に3度クラッシュを起こすもののそのたびに修理して復帰し、風吹からもその執念深さは評価されるほど。しかし公道グランプリでは途中地点からの乱入、A級ライセンス取得レースでは周回遅れとなってわざと早瀬のポルシェと張り合うなど、本編内ではアンフェアなプレーが目立っていた。日光で開催された「ルマン・イン・ジャパン」でのレース中、トンネル出口でクラッシュしてカウンタックとともに散る。
ちなみに「ルマン」ではカウンタックをシルエットフォーミュラ仕様に改造して参戦。当時ランボルギーニ自体モータースポーツへの参戦が一切無かったため読者に残した印象は非常に強く、高い人気を誇った。
土方年男(ひじかた としお)
沖田と同じ警察官出身のレーサー。愛車はランボルギーニ・ウラッコ→フォード・カプリ→トヨタ2000GT。名前の由来は土方歳三で、沖田とは「新選組」時代からの同僚だった。
沖田の遺志を継いでプロレーサーとなり、筑波サーキットで行われたA級ライセンス取得模擬レースでデビューする。ドライブテクニックは決して派手ではないものの着実に順位を伸ばすタイプで、谷田部からは一時期沖田とどちらをレーサーに育ててゆこうか迷わせてしまうほどの実力を持っている。先述のA級ライセンス取得レースではスタート時にエンストを起こしてしまうものの、最終的に3位に入賞した。その後流石島(瀬戸内海に存在する架空の島)で行われたレースにはカプリで参戦したが、ヨットの浮かぶ港湾に飛び込みリタイアした。
魅死魔国友(みしま くにとも)
各地の解散した暴走族の生え抜きが集結して結成された「シュトコー戦闘隊『神風』」のリーダー。愛車はフェアレディZ432R→リジェ・JS2。
首都高速道路をホームとして夜中~明け方に何千週と駆け回り、首都高のことなら道路の継ぎ目や舗装の荒れ具合まで分かると豪語する。常に『神風』と書かれた鉢巻きをしており、右目には切り傷のような跡がある。風吹・早瀬を交えて首都高でレースに挑んだものの結果は3位となった。愛車のフェアレディZは白い車体に日の丸の図柄というインパクトの強いもので、登場当初はリア部分に国旗が取り付けられていた。A級ライセンス取得レースでは4位に入った。
人物のモデルは作家の三島由紀夫であるが、「国友」の名は当時池沢のアシスタントだった国友やすゆきから取ったもの。
切替 テツ(きりかえ てつ)
「カーショップディノ」経営者。愛車はマセラティ・ボーラ。
筑波のA級ライセンス模擬レースから登場。レースでボーラを大破させたものの見事に蘇らせ、その後風吹・早瀬がポルシェ930を操って行った「東名高速道路の辻斬りマシン討伐」に割り込む形で参戦。最初は善戦したもののポルシェの戦闘力に負けて敗戦。その後流石島レースにも参戦したがレース途中でいつの間にか姿を消した。なお登場当初は「ボーラの男」と呼ばれており、名前が出てくるのは流石島での時点となる。
フェラーリ・クラブ・ジャパン会長で、フェラーリ専門店の「レーシングサービスディノ1」の切替徹がモデルである。
原田和夫(はらだ かずお)
「北海の龍」の通称を持つ。愛車はランチア・ストラトス→トヨタ・セリカLBターボ。
筑波のA級ライセンス模擬レースから登場。北海道の大自然道を走破。コーナリング性能No.1と言われるストラトスを駆り、風吹のライバルとなる。Aライ模擬レースでは最終コーナーでトップ争いを演じたがコースアウトしてしまう。流石島レースではターボ・エンジンを搭載したストラトスで参戦し、風吹と互角のコーナリング対決を演じたが、豪雨のホテル街でクラッシュした。ルマン・イン・ジャパンではドイツ・シュニッツァーチューンのセリカLBターボで出場するも8位に終わった。
関根英次(せきね えいじ)
「潮来のオックス」の通称を持つレーサー。愛車はランボルギーニ・イオタ。
流石島レースから登場。風吹の恋人である早瀬ミキも思わず「ハンサム」と言ってしまうほどの美男子。若干ナルシストな側面もある。レース終盤に火山地帯で岩に衝突、リタイヤした。ルマン・イン・ジャパンでは6位に入り、のちに飛鳥、早瀬らと共にヨーロッパF2選手権に出場するものの、クラッシュで重傷を負い再起不能となった。
人物のモデルは潮来市に在住していた関根氏というスーパーカーを多数保有しているカーマニアで、当時発売されたスーパーカーのレコードにランボルギーニ・ミウラのオーナーとして登場していた。
田原 ミカ(たはら みか)
流石島レースで登場する女性レーサー。通称「フェラーリの女豹」、愛車はフェラーリ・308GTB。
田原財閥のお嬢様で、後継者探しに躍起となっていた父親の依頼で18歳までに15回のお見合いをさせられる。しかし、自分より速い男で無ければ満足できないという理由からレーサーの道を選ぶ。流石島レースでは風吹・早瀬を苦しめるものの最終的に隼人ピーターソンの悪辣な妨害に巻き込まれクラッシュし、そのまま帰らぬ人になる。
谷田部行雄(やたべ ゆきお)
作中では数多くの不良少年を更生させた実績から「青少年の父」の異名を持つ人物。その関係で警察にも顔が利く。
自称「年がいもないカーマニア」で、当初は沖田をプロレーサーとして育てるべく様々な援助を行っていたが、その沖田が公道グランプリで亡くなってしまったこと、また風吹に沖田に勝るとも劣らない才能を感じたことから、その後は風吹のスポンサーとなり、主に資金面で風吹をバックアップした。

その他の登場人物には以下のような人物がいる。

  • 影法師の会長(姓名不明)
愛車はランボルギーニ・ウラッコ。公道グランプリで、ピーターソンの策にはまりクラッシュした。
  • 極道連総長(姓名不明)
愛車はマツダ・サバンナ。スポンサーの仇をとるために執拗に風吹を狙う。公道グランプリ後、風吹が手の届かない存在になったことを悟った。
  • 極道連スポンサー(姓名不明)
愛車はデ・トマソ・パンテーラ。シグナル・グランプリで風吹のロータスに破れる。
  • 飯島チーフ(名不明)
ロータスのメンテナンスを担当しているメカニック。公道グランプリでクラッシュしたロータスに、谷田部が資金援助し開発したターボエンジンを搭載、ロータス・ヨーロッパ・ツインカム・ターボ・スペシャルとして再生した。
  • ロータス・プレイヤー(風吹裕矢と同じロータス・ヨーロッパを駆る5人組、姓名不明)
公道グランプリでは3台がクラッシュしたため、全員リタイアした。
  • ハイエナの6(姓名不明)
愛車はポルシェ・914-6。関東地方の走り屋。A級ライセンス取得レース前半では、風吹のロータスと小型ミッドシップ同士で戦ったが、最終的には周回遅れとなってしまう。
  • 高速をGCマシンで走る男(姓名不明)
元レーサーのトラック運転手。輸送中に遭遇する危険運転車両に腹を立て、マシン狩りをするために他のトラック仲間と共同でGCマシンを入手した。
  • 四国の獅子(姓名不明)
愛車はデ・トマソ・パンテーラGT4。四国地方の走り屋。流石島レース後半、トップに進出するために、部下達に火山地帯で故意に崖崩れを起こすように指示した。フェラーリの女豹の308GTBとトップ争いを演じたが、火山地帯で岩石に衝突しクラッシュした。
  • ジャック・シンカー
愛車はシボレー・コルベット・スティングレー。谷田部が流石島レースのために呼んだ、アメリカの新鋭トップレーサー。1周目後半のホテル街でクラッシュした。
  • 鈴木サトル
愛車はロータス・ヨーロッパ。風吹に憧れており、アンダーパワーなロータスで流石島レースを戦い抜こうとしていた。豪雨となったレース後半、いち早くレインタイヤに交換したことで、一時3位にまで順位を上げた。ラスト1周、風吹を他車から守るためにブロック、クラッシュした。
  • セリカLB(リフトバック)の男
トヨタ・ニュー7の5リッター・ターボエンジンを搭載したセリカで流石島レースに出場。800馬力のパワーで30度バンクにおいて頭角を現し、ビーチラインでは国産車初のトップに躍り出た。レースラスト1周、追い抜きをかけた風吹を抑えようとした際、サバンナRX-3、フェアレディ240ZGと共に鈴木サトルのロータスと接触、クラッシュした。
  • 椿健太郎
愛車は、日産TSサニー→ランボルギーニ・ウラッコ3000シルエット→BMW320ターボ。
富士フレッシュマンレースから参戦。風吹に勝利するという自信を得るために、ツーリングカーレースに出ていた。フレッシュマンレースではエンジン・ブローでリタイア。暴走するカウンタックLP500Sとフェラーリ512BBの事件では、新しく結成された暴走族グループ「ホークス」のサブリーダーとしてウラッコで参加、事件解決に協力した。ルマン・イン・ジャパンではBMW320ターボで、3位に入った。のちに飛鳥、早瀬らと共にヨーロッパF2選手権に出た。
  • 京極さくら
愛車はポルシェ・928→BMW3.0ターボ。
京都の女暴走族「紅孔雀」の総統。暴走するカウンタックLP500Sとフェラーリ512BBの事件では、新しく結成された暴走族グループ「ホークス」のサブリーダーとして928で参加、事件解決に協力した。ルマン・イン・ジャパンではBMW3.0ターボのパワーを生かし、一時はトップに立った。
  • 長岡五郎
愛車は日産・フェアレディ240ZG。風吹の学生時代の同級生。風吹は「二輪の狼」、長岡は「四輪のタカ」と呼ばれていた。新暴走族グループ「ホークス」の団結心を高めるために谷田部が企画した、筑波サーキットでのレースに参戦。事件解決後は、ルマン・イン・ジャパンに出場した。
  • 成金息子A(カウンタックの男)(姓名不明)
  • 成金息子B(ボクサーの男)(姓名不明)
共に、谷田部とライバル関係にある実業家の息子。物だけを与えられ、見かけ上は不自由のない生活をしていた。兄はLP500S仕様のカウンタック、弟はフェラーリ512BBで暴走行為を繰り返した。
  • 高林(名不明)
プロ・レーサー。ルマン・イン・ジャパンにGCマシン・マーチBMWで参戦した。椿とのドッグファイト中にクラッシュした。
  • ボビー・歌田
愛車はシボレー・コルベット・スティングレー。日系2世。ルマン・イン・ジャパンで、一度クラッシュした不安定なマシンで風吹と早瀬を追うが、中禅寺湖畔道路で林に突っ込みクラッシュした。
  • 従山(名不明)
プロ・レーサー。ルマン・イン・ジャパンにGCマシン・マーチロータリーで参戦した。京極のスピンに巻き込まれクラッシュした。
  • 生島(名不明、生沢徹と桑島正美のもじり)
プロ・レーサー。ルマン・イン・ジャパンにGCマシン・GRDで参戦、4位に入った。
  • 桑沢(同上)
プロ・レーサー。ルマン・イン・ジャパンにGCマシン・マーチBMWで参戦し5位に入った。
  • 鈴本(名不明)
全日本カートチャンピオン。富士サーキット・ゴーカート場で、風吹とレーシングカートで対決した。
  • ジョージ・プライス
一流ブランドメーカー、ルイ・バートンの御曹司。BP・F3選手権のニュー・スター。BP・F3選手権第4戦ブランズハッチ・サーキットでF3初参戦の風吹と対決するが、エンジン・ブローでリタイヤする。モナコF3で早瀬のマシンをプッシュ、クラッシュさせ死に追いやった。その後F1スペインGPにロータス78で参戦するも、風吹のゼロ戦007と接触後宙を舞い、ファイアストーンブリッジに激突した。
  • フランケン・ホフマン(クレイジー・フランケン)
F3ドライバー。モナコF3に参戦。マシンはラルトPTI。人間性の問題からF3に留まってはいるが、ドライビング技術ではジョージ・プライスに匹敵する。モナコの決勝で、風吹を押し出そうとしてガードフェンスに激突、大破した。
  • セシル・ラピエール
女性F3ドライバー。モナコF3に参戦。マシンはシェブロン。「バラのセシル」の通称を持つ。フランスの貴族出身で裕福な生活に反抗してモータースポーツにかけている。風吹に「ジャンピング・ターン・フラッシュ」のヒントを与えた。決勝で、早瀬の敵討ちに燃える風吹のために、周回遅れになりながらもジョージ・プライスをブロックした。
  • 三次(姓不明)
マーチのメカニック。モナコF3を観戦に来て、風吹のマシンに「ジャンピング・ターン・フラッシュ」に最適なセッティングを施した。
  • 神藤速人
元はサッカー界の国際的スター。谷田部のF1プロジェクトで純日本のチーム「神風」のテスト・ドライバーとして「ゼロ戦007」の開発に協力、チームのNo.2ドライバーとなった。風吹に強いライバル心を持ち、デビュー戦のスペインGPで激しいバトルを繰り広げたが、シャーシの剛性不足で両者ともリタイヤした。1年後のベルギーGPに風吹と共に「ゼロ戦009」で参戦した。
  • 星部(名不明)

主なレース

公道グランプリ
全国から街道レーサーが集まり、公道で争うレース。非合法のため、警察が阻止しようとする。前年の覇者は隼人・ピーターソン。
コースは、伊豆スカイライン→芦ノ湖スカイライン→表富士周遊道路料金所手前で折り返し→芦ノ湖スカイライン→箱根ターンパイク→真鶴道路→熱海ビーチライン→伊豆スカイライン。
参加台数は55台。全距離は約250キロメートル。
A級ライセンス取得模擬レース
国内A級ライセンス取得の為のレース。午前中に筆記試験があり、午後にレーシングコースでの走行となる。
コースは筑波サーキット。1周約2キロメートル。
流石島レース
谷田部行雄が、瀬戸内海・塩飽諸島の流石島(架空の島)に計画しているレジャー施設の一つ、サーキットコースの完成を記念した耐久レース。
1周30キロメートルのコースを20周する。
富士フレッシュマンレース
飛鳥や谷田部に同一レベルのマシンで戦うことを勧められ風吹が出場した、富士スピードウェイで行われるプライベート・チューナーによるツーリングカー・レース。なお富士フレッシュマンレース自体は実在のレースである(現在の富士チャンピオンレースの前身)富士チャンピオンレース - 富士スピードウェイ

映画

1977年8月6日、東映系公開

  • 監督:山口和彦
  • 主演:風吹真矢
  • 出演:横本メイ、矢吹二朗、佐藤仁哉、倉石功、山内恵美子、榊ひろみ、夏木陽介、今井健二、小林稔侍
  • 特別出演:池沢さとし、高橋国光、中嶋悟、星野一義
  • 音楽:鈴木宏昌
  • 主題歌、「サーキットの狼」
作詞:池沢さとし 作曲・歌:子門真人 編曲:鈴木宏昌
  • 同時上映は『トラック野郎 度胸一番星』。
  • 配給収入は10億9000万円。

テレビ

MONDO21にて、池沢さとしが出演する実写版のクルマ番組『蘇れ!サーキットの狼』が2006年6月より放映中。

脚注

関連項目

  • モータースポーツ
  • レーシングドライバー

外部リンク