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ザ・ムーン 2

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ザ・ムーンの既刊

名前発売年月
ザ・ムーン 1 1997-05
ザ・ムーン 2 1997-05

ザ・ムーン』は、ジョージ秋山による漫画作品。『週刊少年サンデー』(小学館)において、1972年14号から1973年18号まで掲載された。サンコミックス(朝日ソノラマ)にて単行本化され、後に文庫化もされている。

あらすじ

ザ・ムーンとは、大富豪の魔魔男爵が二兆五千億円(当時)を費やして作り上げた巨大ロボットである。「神は死んだ」と語る男爵は、悪がはびこる世界への怒りから力こそ正義であると考え、新たな神としてムーンを作った。そして本当の正義を見つけ出せる純粋な心を持った少年たちにその操作を預ける。サンスウ・シャカイ・カテイカ・タイソウ(サンスウの弟)・ズコウ・リカ兄弟(双子)・オンガク・ヨウチエン(オンガクの弟)という、変わった名前を持つ9人の少年少女たちが心を合わせた時に、ムーンは動く。(般若心経を唱えて精神統一を行ない、念力で 空中浮遊~飛行も可能となる)

少年たちは、真の正義と平和のためと言って日本に水爆を落とそうとする連合正義軍小学館文庫1巻所収の「七十年代を反映させた少年マンガ」で西村繁男は、連合正義軍と連合赤軍事件や三島由紀夫の自殺との関連などを指摘した上で、滅びを予感させる結末も現実世界を暗示させるものであり、多くの示唆がこめられた作品である事を述べている。や、老人の悲哀を訴えて悪事を尽くす春秋伯爵を相手に、人びとの幸せのために勇敢に戦い続ける。男爵の手下である糞虫という不思議な忍者風の男がそれを助けてゆく。少年読者を意識した設定ながら、街なかに晒される生首や、ハンマーで額に釘を打つ殺人者など、秋山独特の不気味な描写に彩られて物語は展開し、少年漫画とは思えない結末へと向かってゆく

登場キャラクター

サンスウ
9人の少年のリーダー。責任感と行動力にあふれる少年。
カテイカ
9人の少年の紅一点。刑事の父と二人暮し。
シャカイ
9人の少年の副リーダー。斜に構えたクールな少年。
ズコウ
9人の少年の一人。小太りで図画工作が得意。
リカ兄弟
9人の少年の二人。メガネをかけた双子の兄弟。科学知識に優れる。
タイソウ
9人の少年の一人。サンスウの弟。身が軽い。
オンガク
9人の少年の一人。ヨウチエンの兄。
ヨウチエン
9人の少年の一人。よちよち歩きの幼児だが、自分の使命を理解している。
魔魔男爵
ムーンを金にあかせて製作した(させた)大富豪。自分は心が汚れているので、サンスウたちにムーンを任せたのだと言う。月に一度食事会を開き、彼らの活躍を聞くのを楽しみにしている。
糞虫
魔魔男爵子飼いの下忍。優れた戦闘力で男爵の護衛や、サンスウたちのバックアップをする。男爵との「お前はなんだ?」「はーっ、糞にございます」というやり取りは本作品の名物。

用語解説

ザ・ムーン
魔魔男爵が世の悪に憤り、アメリカの年間宇宙研究費と同額を費やして建造させたロボット。胸部ブロックは、上部が開口した三日月型。
9人の少年の脳波をキャッチすると頭部に9個並んだランプが順次点灯、全員の思考が一致することで彼らの思ったとおりに動かす事が出来る。全員が般若心経を唱えて精神集中を高めると、精神動力で飛行する事も可能となる。
『ムーン ムーン ムーン』との駆動音を発して動き、強い脳波をキャッチするなどしてメカが加熱すると、両目から涙の如くオイルがあふれだす。それは、あたかも少年達と心を一つにしたかのように。
基本的に武装は無く徒手空拳で戦うが、満月の夜に特に強い脳波が伝わると、胸部ブロックの開口部に背にした月が重なり、満月となったムーン胸部から強力なエネルギーの光輪が連続発射されて、敵を破壊する。

書誌情報

  • サンコミックス(1975年、朝日ソノラマ、全6巻)
  • 小学館文庫(1997年4月 - 5月、小学館、全4巻)
  • 現在は小学館文庫版を底本にしてコミックパークの小学館オンデマンドコミックスで刊行中。

脚注

関連項目

  • ぼくらの
  • 機動戦士バロムガンダム

松本久志によるギャグマンガ。ジオン軍の新兵器として7人のニュータイプが魔法少女系アニメの呪文を唱えて動かすザ・ムーンザクが登場する。