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ストッパー 2

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ストッパー』は、『コミックバーガー』に連載されていた、水島新司作の野球漫画。水島にとって昭和最後の連載作のひとつ。

概要

セントラル・リーグに属する架空のプロ野球チーム「大阪ガメッツ」(のちに大阪ドリームス)にドラフト外から入団した、三原心平の物語。

青年誌連載であることを意識したのか、当初は不正投球でセーブ記録を稼いだり、読者にもなかなか本心を見せない、水島作品には珍しいアンチヒーロー型の主人公となっていた。やがてガメッツを買収して自らオーナー兼現役選手となるなど、やはり水島作品らしい野球狂ぶりを発揮することになる。

かつての代表作『野球狂の詩』の東京メッツの面々が(なぜか水原勇気はのぞいて)ライバルとして登場。中 - 終盤にかけてはむしろ岩田鉄五郎が主人公ともいえるつくりになっている。

主人公、三原心平の投手としての能力は、メンタル面を除きプロレベルに到達していないとして描かれており、ストーリーの初期は「超遅球」や「山なり投球」などを切り札に、配球の駆け引きで打者を打ち取っていき、果てにはヤスリでボールに傷を付けたり、ポマードを使用したスピットボールなどの不正投球まで駆使するといった展開である。しかし、その証拠となる球の行方までがドラマとして利用されるなど、それまでの正攻法の野球とは一線を画すダーティヒーローを描いた。

しかし物語中盤から野手コンバートを経て投手兼任外野手となると、野手としては一転して超一流レベルの能力を持つ選手(俊足巧打のトップバッターで、広い守備範囲と強肩を併せ持つ外野手)として描かれている。

のち、所属する「大阪ガメッツ」が身売りするはめになり、その身売り先がなんと主人公である三原心平自身であり、チームの中心メンバーがチームオーナーという急展開を迎える。しかもドリームスはホームの白いユニホームのときはクリーン野球だが、ビジターの黒いユニホームのときは主人公にあるまじきダーティプレイの連続というそれまでにない、善と悪を内包するチームであった。

俊足の左打者である事を活用した内野安打やバントヒットの上積みによって、打率4割を狙うエピソードは、連載当時は荒唐無稽な内容だと思われていたが、のちのイチローの登場を予言していた面もある。 また、連載当時は荒唐無稽な投法だと思われた「山なり投球」も、現実の野球界において多田野数人がその有効性を証明した。