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バイトくん 9

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バイトくん』は、いしいひさいちの4コマ漫画作品である。いしいが関西大学に在学中だった1972年に、関西のアルバイト情報誌「日刊アルバイト情報」で連載を開始。

概要

いしいの商業誌デビュー作。架空の大学「東淀川大学」(いしいの母校である関西大学がモデルとされる)に通う、貧乏な下宿学生たちの奇矯ともいえる日常生活を中心に描いた作品である。長期にわたって掲載誌を変えて執筆されたほか、一種のスター・システムでキャラクターが他の作品に登場することも多い。

主な登場人物

メインキャラ

菊池久彦
3バカの1人。一応主人公。小太りで胴長、目は小さい。頼りない奴。
久保
3バカの1人。やせ形で眼鏡をかけている。夏休みに一緒に旅行するなど、菊池の高校時代からの友人。うるさい奴。「安下宿共斗会議」の活動には参加していない。
鈴木
3バカの1人。アブない奴。学生運動組織「安下宿共斗会議」のリーダー格。

仲野荘関係者

山田
住人。話によって顔や性格が微妙に違う。基本的に金持ちだがケチ。
管理人
仲野荘管理人。中年の女性。話によって顔が微妙に違う。

東淀川大学関係者

田辺留年(とめとし)
学生。留年を繰り返しており「東淀川大学のヌエ」の異名を持つ。38歳。通称「先輩」。卒業できていない現状を連想させる話題を聞くと落ち込む。一応殆どの回では仲野荘に住んでいるが、別の住居に住んでいる回も存在する。

その他

三宅やす子
菊池のガールフレンド。『ノンキャリウーマン』の三宅とは同一人物。
魔人(?)
何かの拍子に意外な所から出現する謎の存在。様々な種類が居る。要求内容はそれぞれ違う。

用語

仲野荘
菊池達が住んでいる安アパート。基本的な間取りは三畳一間の流し付きで窓は西向き。風呂なしその代わり、体を洗うために洗面器一杯のお湯を管理人から貰う貰い湯というシステムがあるらしい。トイレ共同。モデルとなった同名の建物が東淀川区下新庄4丁目に実在したいしいのファンクラブを主宰したことのある眠田直のウェブサイトに写真が掲載されている。。近隣の住民からの評判は悪い。何故か看板のルビが「なかのくそ」となっている。館内が薄暗いため、来訪者が目を慣らすための「待合室」がある。
東淀川大学
菊池達が通っている大学。低レベル大学の代名詞的存在。オイラート部・タタール部など普通ではない部活動が数多く存在している。学生は55歳定年制。登場人物が在籍しているのは「雑学部応用雑学科」である。なお、学費を滞納している生徒が多数いるが、諦めているのか取立てはしていないらしい。そのため、劇中で学費の話題が出る事は殆ど無い。
ギリシャ問題研究会
3バカが所属している部活動。具体的にどんな活動をしているのかは不明。3バカ曰く「何もしない」「何をしてもいい」らしい。
安下宿共斗会議
菊池達が所属している学生運動組織。活動資金は無いが人員だけは豊富ただし全員が男であり、女性メンバーは居ないらしく、やむをえず女性メンバーが必要な場面ではダッチワイフで済ませようとしている。。活動拠点は大阪で、他には京都支部が確認されている。「ピース缶爆弾」ならぬ「ドラム缶爆弾」を仕掛けようとしたことがある(中に隠れている人がいきなり「どかーん」と叫ぶだけ)。知事を誘拐して身代金を恐喝する、警官を襲撃して拳銃を強奪しようとするなど、かなり悪質な計画を立てることもあるが、メンバーの質と連携の悪さ故に必ず自滅に終わる。「三里塚闘争」にも参加するが、「過激派」ならぬ「喜劇派」だと機動隊に言われ無視される。

余談

主人公の菊池久彦は作者の分身に近い存在とされており、いしいが描く「自己キャラクター」は、菊池をアレンジした デザインとなっている。

脚注