リトルコップ 5
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『リトルコップ』は、小林たつよしによる日本の漫画作品。『月刊コロコロコミック』（小学館）にて1988年11月号から1991年4月号まで連載された。単行本は全5巻。未収録エピソードあり。
概要
現代日本を舞台としたガンアクション警察漫画。刑事である主人公が現実の日本以上に凶悪な犯罪者たちを相手に、様々な銃火器兵器やミリタリー知識を駆使して戦っていく。基本は1話完結だが前後編や3～5話程度の中編も多い。戦う相手も単独犯から国際テロ組織、怪盗、ロボット技術者、走り屋など多岐に渡っており、遭難した子供を救助するような敵のいない話もある。協力としてレッドカンパニーがクレジットされていた。
あらすじ
休日の東京ベイサイド。大迷路アトラクションに犯罪者が逃げ込み、人質を取ってししまった。ベイサイド署の刑事ブルが手をこまねいていたその時、迷路の立て板をぶち抜いて一発の銃弾が撃ち込まれ、犯人を気絶させる。発砲したのは新入り刑事の主人公・矢車弾だった。犯人はベイサイド署に連行されるが、仲間のテロリストが武装ヘリで救出にやってくる。弾とブルは自動車を使い、猛追を交わしながら丸の内までヘリを誘導。隙を突いてライフルを撃ち込み、これを撃墜する。弾とブルとの刑事コンビが誕生し、犯罪者との戦いの幕が開いた。
登場人物・組織
ベイサイド署
弾たちが勤務する警察署。管轄は新東京ベイエリアと思われる。犯罪者たちの襲撃により、最終回までに3度ほど破壊されている。
- 矢車弾（やぐるま だん）
- 本編の主人公。アメリカ育ちの青年で前任地であるニューヨークのブロンクス署では「リトル・コップ」の異名で通っていた。実年齢は20歳前後だが童顔で体も小さいため、しばしば子供と間違えられる（事実ブルや風間は初対面で銃を使った弾を署まで連行している）。
- 銃の腕前や運転、操縦の腕前、ミリタリー知識も一級品。運動神経もよく、父から教えられた少林寺拳法を使う。冷静な判断力を併せ持つ優秀な刑事であるが、子供っぽい純粋な部分も残っている。
- 遊びやホビーといった方面にも詳しく、自宅のアパートにファミコンやミニ四駆コース等、様々な遊具を揃えて子供たちの遊び場にしている。
- 刑事であった父親は爆弾テロによって命を落とし、母親もすでに他界。唯一の肉親として母方の祖父がいる。
- 愛銃はベレッタM93Rリトルコップカスタム。
- 最終回では対テロ組織用の精鋭部隊にスカウトされ、日本を去っていった。
- ビッグブル＝荒波吾作（あらなみ ごさく）
- ベイサイド署の刑事。大柄な体に禿頭と口髭が特徴の厳つい風貌から「ビッグブル」の異名で恐れられる。弾の良き相棒兼理解者。妻を通り魔に刺殺されて以来、独身のまま愛犬のブル太とともに暮らしている。
- 使用する銃はM10ミリタリー&ポリス。
- おふくろさん
- ベイサイド署の女署長。部下たちからは母親のように慕われている。若い頃から弾の父親に惚れており、ギター弾き語りのテープを弾に内緒でダビングしている。本名は不明。
- ウォーレン・サムソン
- ニューヨーク署から派遣された刑事。陽気な性格な反面、事件現場では仲間を信頼せず、平気で見捨てたり盾にしたりしていたが、弾の熱意に心を開く。
- 愛銃はデザートイーグル。
- 風間一枝（かざま かずえ）
- 新任の女性刑事。未熟で空回りすることも多いが、弾たちに助けられ成長していく。好物はフルーツパフェ。ブルに続いて弾を署に連行した2人目。
- 青山
- かつてブルとコンビを組んでいた新人刑事。署内の婦警と結婚を控えていたが、角田に刺殺される。
警察関係
- 嘉門（かもん）
- 警視庁特別任務課。武者高志の作った私設軍隊を潰すため弾を含めた4人の特殊部隊を編成する。
- 河内三郎（かわち さぶろう）
- 重火器班の大柄な男。M60機関銃を腰だめで撃つ事ができる。
- 服部泰三（はっとり やすぞう）
- 特殊工作班。くないや縄抜けなどの忍術を使う。
- 浅川ちなみ
- メカニック班。女性。ナパーム手榴弾を自作する他、CH-47チヌーク輸送ヘリを操縦する事ができる。
- 折重昌也（おりしげ まさや）
- 特殊機甲兵（警官用強化スーツ）「オリオン」や獣機動メカ「ゼウス」の開発者。自分と自分のメカを否定した弾への復讐を目論む。
- 警視総監
- 弾の報告を受けてオリオン計画の中止を決断する。最終回では弾に対して特殊部隊入隊のための辞職を勧めた。
犯罪組織および犯罪者
- 吉川
- 国際テロ組織「コブラ」構成員。戦闘ヘリで弾たちを追い詰めるが、撃墜される。
- 爆弾魔
- 特撮ショーのぬいぐるみに紛れて爆弾テロを繰り返していたが、弾に追い詰められ怒りの発砲を受ける。
- 天野
- 暴力団・黒獅子一家の組長。マフィアと組んで武器を密輸し全国のヤクザ組織統一を狙う。戦車まで持ち出したが弾とサムソンの連携に敗れる。
- 二人組の誘拐犯
- 一攫千金を夢見て平成を誘拐したが、子供たちと弾の連携によって逮捕される。
- ジャッカル
- 中東の要人たちを次々と暗殺したスナイパー。来日中のサダテ国王を狙うが弾に阻止され、自決する。
- クール
- ジャッカルの仲間の一人で爆破トラップのプロ。ビューティの作戦の巻き添えとなって射殺される。
- ビューティ
- 催眠術で人間を操る冷酷な女。弾のスリングを食らい自動車に撥ねられ絶命する。
- ゴリラ
- 巨漢の黒人。ビル爆破からも生き残るほど強靭な肉体を持つ。ベイサイド署に立てこもり弾に肉弾戦を挑むが、古傷を攻められ倒された。
- リトル・ルパン
- 世紀の怪盗と呼ばれる少年。変装トリックでハワイの富豪から宝石「マウイの涙」を盗み出すが、弾によって失敗。この借りを返すため日本に潜入し、弾に化けて盗人警官を演じた。女装時に（後で作り物と発覚するとはいえ）大ゴマで乳首を露出させたことが当時の読者に衝撃を与えた。
- 武者高志（むしゃ たかし）
- 元刑事。かつては「警視総監にまでなる」といわれた優秀な男だったが十年前に失踪。弾の父親の友人で、銃の撃ち方（武器全般に詳しい）やフーセンガムの膨らませ方などを教えた。世の不正を正すために暴走、麻薬を資金源にして私設軍隊を作り上げてしまう。同軍のボス時代には大型のサバイバルナイフとウィルディ・ピストルを携行。弾に正義を託して死んでいった。
- 金閣
- 武者の私設軍隊の副将。双剣を使うが、最後には自分を撃った武者と相打ちに。本名不明。
- 銀閣
- 同じく副将。格闘戦で弾と服部を追い詰めるが、弾が隠し持っていた実包で倒される。本名不明。
- 山田
- 権藤組の事務所に盗みに入った際、組長の殺人現場を目撃する。大阪から東京へと護送されるが、道中で権藤の刺客に狙われる。
- 権藤権之介
- 権藤組組長。殺人を目撃した山田を消すため刺客を放つ。
- 黒いポルシェ
- 子供を轢き逃げし暴走族を振り切った暴走車。ドライバーの正体は不明。
- 角田希（かくた のぞむ）
- 脱獄班。ブルのかつての同僚・青山を刺し殺した。その際ブルに暴行を加えられ、その恨みから奪った拳銃でブルを狙う。
- ボス
- 日本粛清組織「竜の牙」の中心人物。ツインタワービルを占拠し、弾の祖父である白神会長を人質に30億円を自分たちの口座に振り込ませた。この話は単行本未収録。
- Gコマンド
- 弾の父を殺した国際テロ組織。ついに日本を襲撃し始めたが、弾の活躍によって阻止される。
その他関係者
- 子供たち
- 弾の家に集まって遊ぶ子供たち。その中には作者の別作品である｢ファミコンキャップ｣や、同誌で連載中の｢ダッシュ!四駆郎｣の登場人物の姿も。リーダー格のアキラやカーマニアのヒロちゃんをはじめ、誘拐された平成の救出に協力した。
- 平成
- 金持ちの子供。腎炎を患っているため3日に一度は人工透析を受けないといけないが、運悪くその日に誘拐されてしまう。
- サタデ国王
- アラブの国王。ジャッカルに命を狙われる。大柄で傲慢な人物だったが、自分を救った弾を見直した。
- 矢島
- 暴走族のリーダー。子供をひき逃げした黒いポルシェを弾とともに追うが返り討ちにされる。愛車はフルチューンされたフェアレディZ。
- ブル太
- ブルの愛犬で小型のブルドッグ。強盗逮捕に協力する。
- 白神会長
- 弾の母方の祖父で白神グループ会長。多忙であるため弾と会えるのは一年の内で大晦日の一日だけ。弾が自分の後を継ぐことを望んでいる。
- サブ
- スキー場のある雪山の子供。都会者を疎ましがる。
その他
- 特にメディア展開はされなかったが、MKGからリトルコップガムが発売されていた。
関連項目
- ベレッタM93Rに関連する作品の一覧