ルナハイツ 1
『ルナハイツ』(Luna-Heights)は、星里もちるによる日本の漫画作品。『ビッグコミックスペリオール』(小学館)にて、2003年第9号から2004年第22号まで連載された。単行本は全4巻。星里得意の住宅ラブコメである。2005年12月24日に安田美沙子主演で原作の前半部分が映画化された。さらに2006年12月23日に後半部分にあたる「ルナハイツ2」が公開された。
あらすじ
盟王製紙の総務課に勤める南條隼人は結婚間近。同僚との付き合いも断り倹約を重ね、やっとの思いで3階建てのマイホームを購入した。
が、入居を目前にして、婚約相手に携帯電話で「もう会えない」と一方的に破談を言い渡されてしまった。南條はヤケ酒で泥酔し、強引に課長を新居に案内する。その際に課長の「南條の新居を会社の女子寮にする」という提案に、南條は酔った勢いで了承してしまう。折りしも、盟王製紙は経費削減として社員寮の整理を検討していたが、代官山の女子寮に住む4人は退去の条件に代替の寮を要求しており、対処に困っていたのだ。
酔っていたとはいえ了承してしまったことと住宅ローンとで選択の余地のない南條だったが、南條の不満に臆することのない女子社員4人との不思議な同居生活が始まるのであった。
登場人物
- 南條隼人(なんじょう はやと)(演:柏原収史)
- 盟王製紙総務課に勤務。婚約者の友美から結婚式目前に婚約解消され失意の中、自宅を女子寮にされてしまう。自宅でありながら抽選でリビングが自室になってしまう。真面目で一本気な男。しかし自分の理想を相手に求めてしまうことがある。
- 大月窓明(おおつき まどり)(演:安田美沙子)
- 盟王製紙商品開発課に勤務。生理用ナプキンの開発を担当しており、商品調査・研究には余念がない。その反面、生理のたびに行動のたがが外れ、騒動を起こす。大勢の兄弟姉妹と育ったため適度な対人距離の感覚が人とは違っており、南條との関係で南條をはじめ周囲に誤解を与えてしまう。異性にドキドキする感覚が分からないことに苛立ち、南條に襲いかかる過激な面もある(映画では、男性を恋愛の対象としてみることができないのは双子の兄と一緒に育ったため、という設定に変更されている。)。
- 日高りん(ひだか りん)(演:上野未来)
- 盟王製紙営業部に勤務。趣味はパソコンとインターネットオークションでのぬいぐるみの蒐集。職場も自宅もぬいぐるみで溢れている。南條が武道の達人で自分を助けてくれたものの全く自慢しないことから恋心を抱くようになる。しかし人とは趣味の会話が合わないうえに引っ込み思案。
- 茅ヶ崎裕子(ちがさき ゆうこ)(演:斉藤優)
- 盟王製紙秘書課に勤務。合コンを企画してでカップルを成立させることに執念を燃やしている。対人関係の調整能力は高い。南條の上司である総務部長・田所とは不倫の仲。学生時代はバレーボールをやっていた。
- 土屋重子(つちや しげこ)(演:山口由紀子)
- 盟王製紙経理課勤に勤務。ほとんど口を利かず、筆談で会話することもある。他人とのコミュニケーションも苦手であるが、時々不意を打つように名言格言を披露する。何故か日当たり悪くトイレ風呂が近い1階北側の部屋を希望し、風呂も洗濯も夜中にこっそり。扉には「必ずノックして下さい!」と貼り紙が貼られている。その理由は後に明らかになる。
- 松浦友美(まつうら ともみ)(演:後藤ゆきこ)
- 南條の婚約者だったが、突如、電話で別れを告げて失踪。その真相は中盤で明らかになる。南條の理想を絵に描いたような女性。
- 課長
- 南條の直上の上司。既婚者。南條とは違い借家住まいだか、南條が気付かなかった住むということの一つの理想を見せる。
- 女の子の幽霊
- 夜中に出没する。
単行本
いずれも小学館ビッグコミックス。
- (2003年10月30日発売)ISBN 4091864244
- (2004年2月発行)ISBN 4091864252
- (2004年8月発行)ISBN 4091864260
- (2004年12月発行)ISBN 4091864279
映画
出演者
主要キャストについては前述。(2)は「ルナハイツ2」のみの出演者。
- 石塚義文(部長):村野武範
- 池野忠志(課長):乱一世
- 岸辺次郎:飯尾和樹
- 岸辺あんな:大橋のぞみ
- 大久保雅春:小西大樹(2)
- 古田かおり:古谷香織(2)
- 有森研二:金子昇(2)
- 藤野真理:夏川純(2)
- 井上モータース社長:藤波辰爾(2)
- 内田譲
- 蒲生純一
スタッフ
- 監督:初山恭洋
- 脚本:ミスミホノオ
- 企画・製作統括:吉岡市雄
- プロデューサー:河村健一郎
- 音楽:足立洋
- 撮影:北澤弘之(1作目)、村埜茂樹(2作目)
- 照明:清野俊博
- 美術:津留啓亮
- 協力:アーティストハウス・ピラミッド、イングス、スタイルコーポレーション、小学館『ビッグコミックスペリオール』編集部
- 製作:ルナハイツ委員会(1作目)、ルナハイツパートナーズ(2作目)
主題歌
- AZURE「笑顔の先に」「REALIZE」
- 本作に出演した斉藤優と山口由紀子が在籍していたユニットの楽曲。
サウンドトラック
2006年5月17日にFARM RECORDSから「ルナハイツ・サウンドトラック」として発売(品番:FARM-63)。前述の主題歌2曲の他、安田美沙子による劇中の名シーンを部分収録している。
- 笑顔の先に/AZURE
- 劇中カット~回想シーン
- 笑顔の先に(ピアノ・ヴァージョン)
- 劇中カット~教会シーン
- 笑顔の先に(教会オルガン・ヴァージョン)
- REALIZE/AZURE
その他
本作品の番外編である『ルナハイツ番外編・岸辺のアルバム』が『ビッグコミックスペリオール』2006年5月号に掲載された。タイトルはテレビドラマ『岸辺のアルバム』から取られたと思われる。土屋重子に縁のある父娘の苗字が岸辺であることが理由と思われる。単行本未収録。