俺節 5
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『俺節』(おれぶし)は、『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で1991年から1993年にかけて連載されていた漫画。作者は土田世紀。単行本はビッグコミックスで全9巻刊行され(のちに絶版)、その後太田出版より全3巻で『定本 俺節』として刊行。実在の歌手や歌が多用されているのが特徴。
あらすじ
卒業を間近に控えた津軽の高校生・海鹿耕治が、単身上京して演歌歌手を目指す物語。
主な登場人物
- 海鹿耕治 (あしか こうじ) / コージ
- 主人公。津軽出身の高校生。祖母と二人暮らしをしていたが、歌手を目指して上京する。常に津軽弁で話す。
- 南風原太郎 (はえばる たろう) / オキナワ
- プロのギタリストを目指す海鹿の相棒(後に羽田と組むことになる)。沖縄出身のため、周りからは「オキナワ」と呼ばれている。北野波平に弟子入り志願をするものの拒否されていたところ、海鹿耕治と出会い意気投合して、ドヤ街「みれん横丁」のアパートで同居することになる。
- 北野波平 (きたの なみへい)
- 演歌界の大御所歌手。多くの弟子を持つ。海鹿の憧れの的。
- テレサ
- フィリピン人の不法就労者。ストリップ劇場で働いていたが、地方回りに行く直前に海鹿たちの手助けにより脱走し、海鹿と同棲生活を始めるが、その後、入国管理局によって祖国に強制送還される。
- 羽田清次
- ロックバンド「ショート・ホープス」のリーダー。デビュー3日前に、流しで歌っていた海鹿の歌に触発されて、ロックから転身して演歌歌手を目指すことになる。
- 戌亥辰巳
- プロデューサー。海鹿にレコードデビューの話を持ちかける。後に海鹿は、戌亥の事務所に所属して、レコードデビューを果たす。
- 唐名新政
- 戌亥の事務所の社員で、海鹿のマネージャー。
その他
海鹿耕治のデビュー曲「俺節」は実際に制作され、小林ひさしの歌でCDが発売された。作詞は土田世紀、作曲・プロデュースは北島三郎(作曲にはペンネームである“原譲二”を使用。なお北島は、コミックス表紙などに使用された『俺節』の題字も手がけた)。
単行本
- ビッグコミックス(小学館、全9巻。現在は絶版)
- 定本 俺節(太田出版、全3巻。上巻:ISBN 9784778321239、中巻:ISBN 9784778321246。2010年から2011年にかけて刊行予定。上・中巻の巻末には土田へのメール・インタビュー、下巻の巻末には描きおろし自伝漫画を収録)