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桃色サバス 7

共有

桃色サバス』は、中津賢也による漫画である。

概要

悪魔の魂を宿して生まれた玉吉と、玉吉をボディーガードしている魔女カゴメ。それらをとりまく人々たちのちょっとHなラブコメディー。

書誌情報

  • 初出
    • 「ヤングキング」に1992年から1997年にかけて連載された。
  • コミック版(ヤングキングコミックス)全12巻、少年画報社
  • 文庫版(少年画報社文庫)全7巻、少年画報社
  • 「桃色サバス 裏バージョン」『RED EYE』vol.3、1998年、恐慌舎。作者自身による同人作品。

CDブック

  • 「桃色サバス」1994年、K・A・Oプロモーション

CDブックの主要キャスト

  • カゴメ:篠原恵美
  • 魔道玉吉:一条和矢
  • 魔道玉三郎:若本規夫
  • ヤマト:緑川光

主な登場人物

魔女

カゴメ
主人公。魔女ではあるが低級魔女の為に魔力はなく、一切魔法は使えない。その代わり、片手で鉄骨を折り曲げ玉吉に飛来してくる物を拳だけで容易に受け止めるほどの怪力の持ち主である。最初はベルゼビュートの命を受け、玉吉を殺す為に人間界にやってきたが、玉吉の男気に惚れ、玉吉のボディーガードになってしまう。また、裸体の露出が多い本作の中で、カゴメだけは玉吉と結ばれるまで乳首の描写がなかった。魔道家に居候している。魔女とは思えない性格の良さを持つ。(本性がしっぽでわかる魔界風邪の時、彼女のしっぽはウサギだった)最終的に玉吉と結ばれた為、強力な魔力を得ることとなる。名前の由来は「カゴメ」から。
マユ
カゴメの幼馴染。やはり低級魔女で、魔力を得るために玉吉の精液を欲している。様々な方法で玉吉を誘惑するが、カゴメにばれて一悶着を起こすことが多い。玉吉の精液を求めるせいか、(本性なのか)行動がかなりのスケベ変態状態になってしまっている。また魔法に関する知識自体は豊富。(そのためかフルコピーで変身(ただ、玉吉の不幸の巻き添えのショックで力を失う)、カメラを魔女でも透視で撮影化改造できるほど魔力があるのだが、上級魔女等の基準には異なるためレベルアップが出来ない(そのため玉吉の精液を欲している))なお、人間界では「魔由子」と名乗っている。住居は下水道内に作られた亜空間。
ヘキサ
カゴメの妹。ベルゼビュートを裏切ったカゴメに成り代わり、玉吉を殺しにやってくるが、その時出会った日吉丸に惚れて人間界に居ついてしまう。非常に忘れっぽい性格で、人間界にやってきた当初も何のために来たのか忘れている始末。魔道家に居候している。なぜか、姉であるカゴメを姉さんと呼ばずにカゴメと呼ぶ。年上である玉吉の友人(下に記載)千葉に対しても「千葉ちゃん」である……(魔力の差の故か?)なお、登場する魔女では唯一の上級魔女。
クリス
カゴメの友人の低級魔女。魔力は上級魔女クラスのパワーがあるのだが、高所恐怖症の為に箒での飛行が出来ないため、上級魔女の試験基準をパスできず(箒に乗って空を飛ぶこと)低級魔女に留まっている。(中級にはなれないのかは不明)普段は世間知らずのおっとりとした性格だが、背中に張り付いている使い魔が離れると、非常に乱暴で凶暴な性格になる、二重人格者。

魔道家

魔道玉吉
ベルゼビュートの魂を宿して生まれた高校生。その為に、早死にするように呪いがかけられており、ありとあらゆる不幸が身に降りかかる。普段は普通の高校生だが、酒に酔うと悪魔の魂が前に出てしまい、凶暴な性格に豹変する。(実際の所自分自身でも魔力を抑制しているのだが(登場人物で後述)切れた時、上級魔のブブが人相に驚き逃げ出したくらい)また、性的なことに関しては非常に奥手で、異性とキスをする事を想像するだけで鼻血を吹いて卒倒するくらいである。だがこれは、玉吉に宿る本当の姿(後述)を封印する為のリミッターであった。なお、玉吉の体液には魔力があり、特に精液に強力な力を宿す。
魔道玉三郎
玉吉の父親。職業はヌード写真のカメラマンで、気に入った女性がOKするまでストーカーまがいの説得を行う。女子高生のヌードを撮りたいが為に女性に変身して高校に潜入したり、玉吉の体液を吸って悪魔化したり、話題中に突如出現したりなど、完全なトラブルメーカーである。カゴメのヌードを撮りたがって猛烈に迫っていた時、玉吉により西武新宿線の電車に道連れにひかれても怪我程度ですんでいる。強靱な肉体と先述のストーカー以上のしぶとさをもつ人物だが実は祖父が魔王ベールの血を引いていたからであった。本人談「ちょいとお茶目な42歳」。番外編では主役を務めることが多い。高校生時代は魔族の血により番長を務めていた。
魔道多摩恵
玉吉の母親。小学生の時から無敵の強さを誇り、今でも魔道家では最強。後に父が魔王アスタロトであったことが発覚する。一番常識的な感じもするが、世界征服の野望を抱いており、それは主婦業をしつつ、なお潰えていない。小学生時代は番長で、同じく番長であった玉三郎の挑戦を退けていた。その理由は多摩恵の方がより強い魔力を持つためであった。決闘の末、多摩恵の美しさに惚れ込んだ玉三郎からプロポーズを受け勢いで快諾。それは小学生のノリだったようで高校生になる頃には冷めていた。結果的に玉三郎の一途な想いが通じ結ばれる。37歳の今でも抜群のプロポーションを持っている。旧姓は「御垣」。

両親は二人とも魔族の血を引いており人間離れしている強さを誇るが二人とも魔族であるという自覚は無く、また作品の性質上ギャグマンガ的な描写だと思われていた。

御垣環(みがきたまき)
魔道多摩恵の母であり、玉吉の祖母である。玉吉の魔性の面を一番心配し、玉吉が嫌がらせをされている子供に犬を使い襲われた時、猛烈な魔力で地割れ等を起こして犬は焼死、子供に倒れてきた電柱から身をもって覆い被さりそれで死ぬことに。そのとき初めて玉吉が言葉をしゃべり泣きだした玉吉に人間性を見いだし安心して死ぬ。玉吉はそれ以来本来持っている魔力を使わず、電柱や鉄柱に激突しても我慢していたことになる。また、必ず墓参りをしていた。ブブの持ってきた魔界電話(あらゆる場所で会話可能)で霊界の祖母と話すことが出来、泣いて謝っていた。彼女は人間性のある玉吉に安心していて、カゴメを大切にする様忠告する。最終話前の緊迫した状態(これは恐怖の大王で後述)で霊としてカゴメの眼前に現れ助言する。

人間

天道日吉丸
玉吉の同級生。実は天使ガブリエルの魂を宿しており、邪悪なものを忌み嫌い錫杖により祓おうとする。その為、悪魔の魂を宿す玉吉とはいつも敵対している。しかし、何故か同じ邪悪な存在である魔女に対しては、非常に好意的に接する。かなりのナルシストで家は大富豪。おもらしや下痢などショック等をうけると悪魔化ならぬ天使化する。自宅は豪邸でありメイドの姿をした御庭番がいる。後にヘキサから求愛される。
千葉真作
小学校の時に玉吉と出会って以来の親友。(これも魔道玉吉誕生秘話に登場(2話目、小学生時代)実家は酒店を経営している。ボクシング部の主将であるが、何故か試合ではレフェリーや実況解説役が担当になっている。
筒井一恵
本来、作者の別作品(麻雀の漫画)「イーピンゴッド」筒井征一(2巻等におまけ登場)の娘なのだが、いつの間にか何度か登場する様になった。思いこみが非常に激しく、父譲りの変身「イーピンゴッデス」になっても、本来の目的とは違い(麻雀世界の平和)思いこみで雀荘等を破壊してしまう。征一死亡後、雀荘の親父が養父代わりに育てている。
松戸菜絵
科学部の部長。名前通りマッドサイエンティスト。玉吉の不死身の身体に注目し、どんな実験にも耐えうる実験台として玉吉を狙う。
先生
学園物でもあるにもかかわらず、先生がいないのではと思うくらい少ない。いたとしても担任の顔はモアイだったり(これ自体存在感があるが)女の体育教師以外顔すらなく校長は校長と顔に書いてあるだけのいわゆるへのへのもへじ顔である。ただ、校長は先述の筒井一重に関して、雀荘を思いこみで破壊した時、一応購買をかね学生食堂だが実際は雀荘そのものの施設改装を許可したり(雀荘の親父が校長の知り合いで一恵が雀荘を破壊した故にだが……)女子の制服を変更するのに男子着用によるバトルロイヤルトーナメントを行い、ボンテージ(PTA代表「魔道玉三郎」!)を筆頭にブルマ、海女、ナース等おおよそ制服にならない(中にはセーラー服とブレザーがあるのだが……)物も候補に入れるほどの奇怪な校長先生である。

悪魔

ヤマト
カゴメの使い魔。普段は黒猫の姿をしているが、人語を話すことが出来る。カゴメは魔力が全く無い為、箒での飛行の際は彼の魔力を頼る事となる。戦闘時は人間の姿に変身する。性格は結構クールだが(片思いの女性が襲われそうになっている所を助ける。自分の魔法で入院した玉吉を見舞う、雪ドルマの片思いを解決しようとする律儀な面もあるが)、猫故に非常に気紛れである。
ダイスケ
マユの使い魔。普段は狸の姿をしている。人語を話す時は何故か関西弁。非常にスケベで、趣味はAV鑑賞とのぞき。人間の姿をしている時は世界的に有名な俳優をしており(芸名「蒙狸大介」)、マユの学費や生活費諸々は全て彼が稼いでいる。蒙狸大介としてはカゴメが大ファンである。狸としては玉吉、カゴメによく関わるが、蒙狸大介としてはほぼ無関係。脇役でありながら主人公達を差し置いて頻繁に個別エピソードが描かれるなど出番が多い。なお、外見・名前が一緒のキャラクターが、『妖怪仕置人』にも登場する。
雪ドルマ
悪魔化した玉三郎によって召喚された魔界最下層の下級悪魔。語尾に「~ドル」を付けて話す。玉三郎が寿命で死ぬまで下僕として働くという無茶苦茶な契約を結んでしまった為、魔道家に居候する羽目に。その名の通り体は雪で出来ており、夏場は冷凍庫などに潜んでいる。身体を溶かして衣服に染み込ませる事で、その衣服を着用した者を操る事が出来る以外は、大飯食らい等対した能力はない。(なぜか魔女は通常のカメラ、ビデオに撮影できないのを撮影、録画出来る。頭以外はアイスとして(ミルク、カルピスがけ等)食べられる使えそうな (!?) 機能があるが役に立っていない。魔族のレベル最下層の下級悪魔ゆえか非常に誠実。
ウサギ
夢魔ウサギ。人の夢想、願望等を食べるのが特徴。天道が起きた時いきなり後頭部に密着。高校内で彼の本性であった痴漢行為を働かせる。はずそうにもはずれず、夢想を食べ尽くすまで取れないことから天道が邪のままに更衣室を除いたりして満足させる手前で男子更衣室をのぞいてしまいショックではずれる。実はヘキサの使い魔で魔界から人間界に来る途中はぐれたのを忘れていたらしい。人間形態に変身していた時、玉三郎がヌードモデルにしようとしてOKが取れ、ヌードでもエッチとは異なる非常に生き生きとした撮影シーンを見せた。
ベルゼブブ
自称・カゴメの許婚。外見は幼稚園児だが、やけにプライドが高く、カゴメと同居している玉吉にやたら突っかかってくる。通称はブブちゃん。魔界から様々な魔法アイテムを入手してくる。上位の魔法使いでもあり時を止める魔法などを使える。
グラム
カゴメ、ヘキサの父親(人間の基準によると34歳らしい)美形で長髪。特にカゴメが玉吉暗殺をしないため人間界に現れるが、それよりカゴメを魔界に戻すことを考え玉吉に幸福になる腕輪を与える。結局、腕輪によってカゴメが不要になることに当惑して玉吉がそれを壊したため失敗。また父親として娘の幸福を願い諦めた。その後しばらく出番が無かったが物語終盤にベルセビュートが実は魂の所有に他の問題があることを伝え、再度玉吉にそれを伝えて直接玉吉抹殺に挑む。
恐怖の大王
玉吉に宿る新種の悪魔。実は玉吉の先祖にもベルゼビュートとは異なる強力な悪魔の魂を宿した者がおり、それらの血とベルゼビュートの魂が融合して、恐怖の大王が誕生した。玉吉が異性と交う事によって恐怖の大王が目覚める。

魔界の階層とパワーの基準

基本的に魔界の魔女、悪魔の階層は魔王(上にサタン)、上級魔(魔女)、中級、低級、下級(ドル(魔))となっている。物質変換(変身)はヤマトの発言から魔法の初歩中の初歩であるらしい。同じ上級でもヘキサとベルセブブとは魔力の質が異なり、ヘキサは物質を火、ブブは水の様に操ること(物質変換)により魔力を発揮できる。ただ、魔王や恐怖の大王になると如何なる方法も使えると思われる。

魔道玉吉の家系図