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永久指名おねがいします! 9

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永久指名おねがいします!』(えいきゅうしめいおねがいします)は、カナエサトによる日本の漫画作品。『恋するソワレ』(ソルマーレ編集部)において2011年8月から連載中。さまざまな電子書籍サイトでも配信されている。2014年の時点で、電子書籍が100万ダウンロードを突破したシーモア売上ランキングでNo.1を獲得した「恋するソワレ」シリーズの大人気少女コミック 「♂♀生き残りゲーム」と「永久指名おねがいします!」が単行本発売!! - NTTソルマーレ

単行本は紙が既刊8巻、電子書籍版が既刊9巻(2017年10月現在)。紙の単行本より、電子書籍版の方が早く刊行されている。電子書籍版は1話のみ収録されている分冊版と、単行本と同程度の内容の特装版がある。表紙は紙、電子書籍の分冊版、特装版でそれぞれ異なる。

あらすじ

引きこもりの十和子は、両親が遺した家で兄のマキと二人暮らしをしていた。ある日兄が勤めるホストクラブの先輩の蓮次里央息吹の3人が入り浸るようになる。始めは3人に対し悪い印象しかなかった十和子だったが、次第に打ち解けていった。蓮次と親しくなっていくうちに、十和子自身の意識も変わっていく。十和子の恋と自立、成長の物語。

登場人物

嶺岸 十和子(みねぎし とわこ)
主人公。20歳。中卒。兄のマキと二人暮らしをしていた。引きこもりで、家で家事をしている。人見知り。買い物はインターネット通販で済ませていた。料理が上手。要領が良い。
黒髪。眼鏡をかけていたが伊達で、視力は悪くない。猫背で貧乳。家での服装は、Tシャツまたはトレーナーにジャージのズボン。自分で散髪している。
ニートだったころは無駄遣いが多く、兄に怒られていた。パソコンが壊れた際に、新しいパソコンを購入するため、一週間限定でロイヤルで料理を作った。人間観察のために、再びロイヤルの厨房(とバー)で働き始める。
小説が好きな文学少女だが、アニメやゲームなどには興味がない。幼いころに母親が色々な本を読み聞かせてくれたことがきっかけで、本が好きになった。ストレス発散に、3人のBL小説を書いていた。束原文代が好きで、本を2冊ずつ持っているほどのファン。彼女が審査員を務めていたことがきっかけで、「ガーネット大賞」に小説を応募する。
小説家としてのペンネームは「中川 空(なかがわ そら)」。デビュー作は「海辺の花」で、親が子供に読み聞かせるような話を書きたかったため、低年齢向けの内容になっている。受賞式後には、小説を書いていることをマキ、里央、息吹に明かした。
ブラコンではないが、兄の貞操を心配したり、女に騙されているのではないかと心配する程度には好き。
ホストに対して良い印象はなく、汚らわしいとさえ思っていた。蓮次たちと話したくなかったため、サプライズカーおもちゃの車のような形で、車体横の画面に文字が出るようなもの。を購入し、それを使って会話をしていた。
中学2年生の時にいじめに遭い、それが原因で引きこもるようになった。3人に対して苦手意識を持っていたのは、いじめていた人達が派手なグループだったため。臨時でキャバクラで働いた時の源氏名は「トワ」。当初、蓮次に対する印象は「危険人物でヘンタイ」だった。束原文代の小説で意気投合。小説の授賞式に出席することになり、蓮次に代わりを頼んだことがきっかけで、連絡先を交換した。授賞式後には、蓮次と友達になった。蓮次が実家に帰った際、彼女(婚約者)役を演じた。
両親に些細な事で悪態をつき、それが最後の会話となったことを後悔している。
旅行後、好奇心がありそうなモエには恋愛相談が出来なかったが、息吹と友達になってからは、恋愛相談をしていた。息吹のことは「美しい」「いい人」だと思っている。
ネットで食材を調達していた十和子はスーパーに買い物に行ったことがなかったが、息吹が誰かに振られて落ち込んでいると勘違いをし、励ますための料理を作るため、初めて息吹と買い物に出かけた。
女として自信をつけるため、外見を変えようと試みた際に、モエに協力して貰った。身なりに気を使うようになってからは、以前より外出出来るようになり、人の多い場所に慣れてきた。
人として自信をつけるために、小説を書き上げた。新作の取材の際、編集助手として紹介された。

十和子の家に出入りする人物

蓮次(れんじ) / 十時 蓮(ととき れん)
No.1ホスト。オネエキャラでバイ。左目の下に泣きぼくろがある。左耳に4つ、右耳に3つピアスをつけている。友達になってからは、十和子から「蓮次殿」と呼ばれている。当初は「マキがタイプ」と言っていた(冗談なのか本気なのかは不明)。
家にいる時は、「休む時はこれが一番落ち着く」という理由で浴衣を着用している。小説の授賞式の時には、和服を着用した。
筑前煮が好き。化粧をしてあげるのが上手い。
熱を出すと人が恋しくなり、傍にいる人を見境なく襲ってしまうが、その間の記憶は曖昧。
十和子に頼まれ、小説家「中川 空」のフリをする。十和子の小説の入賞祝いとして服をプレゼントする。
小学3年のころ、祖母が亡くなったために神奈川県から九州に引っ越した。子供のころは身体が弱く、人見知りだった。築曰く「口調は姉の影響」。怜と泰良が付き合い出した後、反抗期になった。そのころは築に依存していた。
将来に備えてたくさん働くことを、里央に宣言した。
息吹(いぶき)
ホスト。ロイヤルのエース。18歳。里央の母親違いの弟。両親の再婚後に生まれた子供で、末っ子。6歳の時、看取った際に母親を泣かせてしまったことを後悔し、本音を言えない子供になった。里央が自分の時間を犠牲にして家族のために働いているのをみて、助けになりたいと思っていた。友達になってからは、十和子から「息吹殿」と呼ばれている。
食い意地が張っている。風呂の中で寝ることが出来る。無心になれる作業がわりと好き。
ロイヤルのバーで十和子の指導役を担当。元々はバーテンとしてロイヤルで働いていた。
裁縫が得意で、昔は兄弟の雑巾や手提げ袋を作っていた。里央と二人で暮らしている。本命の女の子とは、話も出来ない程に奥手。好きな人には幸せになってほしいと思っている。控えめな花が好きで、子供っぽい菓子も好き。
子供のころからよくスーパーで買い物をしていた。
ロイヤルを休んでいる間、薔薇の花束作りのお礼として、かおりの家の花屋を手伝っていた。手伝っているうちに、かおりに恋愛相談をするようになった。
里央(りお)
ホスト。25歳。中卒。身長は低め。息吹の母親違いの兄で、父親の連れ子。十人兄弟の長男。口が悪い。当初十和子に対して嫌味を言ったりと、嫌っていた。家族ネタに弱い。
恋愛に対する勘は鋭く、息吹の十和子に対する気持ちも素早く察したり、蓮次が探りを入れていることにも気づいた。蓮次が十和子に好意を持っていることを、一番初めに知り、協力を求められる。息吹の気持ちを知ってからは、息吹の味方をした。息吹が密かに十和子の家に行っていたことに気づいていた。
蓮次に弱みを握られている。モエの料理を食べ、3kg痩せた。モエの料理が嫌で、マキの家ではなく、自宅で冷凍食品を食べていた。息吹と二人で暮らしている。
マキ / 嶺岸 慎一(みねぎし しんいち)
ホスト。23歳。蓮次、息吹、里央の後輩。十和子の兄。十和子から兄上と呼ばれている。店長にシスコンと言われるほど、妹思い。十和子がいじめられていたことを、後輩に聞いて知る。ホストの仕事に転職した理由を「割のいい仕事だから」と十和子に説明したが、実際は夜型の十和子と生活時間を合わせるためだった。酔った時のチョップの威力は10倍。
酒に弱く、話も上手ではないが、人が良いため、客のストレス発散として潰れるまで酒を飲まされている。
恋愛には疎い。モエとはやけ酒につきあっていたら、意気投合したことがきっかけで親しくなった。
「十和子が蓮次に振られた」と勘違いして以来、蓮次のことをよく思っていなかったが、誤解だと知り、謝った。蓮次のことを「女の人を幸せに出来ないタイプ」だから、十和子とは適度な距離感を保って貰いたいと思っている。
十和子の自立を心配しているが、嬉しいと感じている。
モエ
キャバ嬢。蓮次狙いでロイヤルに来店し、指名出来ない場合はマキを呼んであたり散らしていたため、息吹に「嫌な客」と言われていた。
高校を辞めてキャバ嬢になった。田舎から都会に出てきてきつかったため、心のよりどころが欲しくて、ホスト通いを始めた。子供に手をあげたり、放置するような親だったため、縁を切った。
マキの子供を妊娠し、入籍した。妊娠中、つわりが大変だった。食べづわりだったため、体型がふくよかになったが、女としての自信は失っていない。太ったことを自覚している。月に2回、おやつのご褒美の日を決めている。
料理がかなり苦手だが、作った料理を完食しないと許さない。妊娠発覚後、ヘルシーでバランスのとれた料理のレシピを十和子から貰って作っている。
薄着でいることが多かったが、妊婦になってからは格好が変わった。

ロイヤルで働く人物と関係者

店長(てんちょう)
店内でも帽子をかぶっているが、たまにかぶらないことも。黒髪であごに髭を生やしている。蓮次と十和子が旅行に行く前に、蓮次がゴーストライターである秘密を知った。ハロウィンの時に悪酔いし、コスプレの衣装をボロボロに破いた。十和子に対して、元引きこもりを哀れむ眼差しで見ていた。
俊ちゃん(しゅん)
ロイヤルのキッチンを1人で担当していた。盲腸で倒れた。
アフロ
正式な名前は未登場。ロイヤルのホスト。十和子が初めてロイヤルの厨房に行った日に怖がらせた。かおりのファンだが、変装したかおり(と蓮次)には気づかなかった。
かおり
花屋の娘。父子家庭。可愛い系の容姿で、ロイヤルのホストに人気がある。顔と胸を整形しているが、隠すつもりはない。息吹と蓮次以外は整形に気づかなかった。父が周囲から恐れられるため、友達がいなかった。
息吹がロイヤルに来て以来(一年以上)ずっと好きだが声をかける勇気がなく、ストーカーをしていた。変装して気配を消すことが得意だが、変装していない時は男性に絡まれやすい。
いつか覚悟が出来たら息吹に告白するつもりだが、振られたとしても幸せを願って見守りたいと考えている。
要領が悪く勉強も苦手だが、恋愛に関する勘はよく当たると自負している。
蓮次と噂になった際には、「ストーカー被害に遭っていて相談している」ことにした(実際はかおりが息吹のストーカーをしていた)。
かおりの父
花屋。強面で、ホストやホストクラブの女性客から恐れられる容姿。娘を溺愛しており、過保護。

出版関係者

西門 円(にしかど まどか)
「中川 空」の担当編集者。男性。「中川 空」の正体を知っている。仕事に関して熱い性格。十和子の次回作に期待していたため、新作が完成した際には喜んでいた。
束原文代(つかはらふみよ)
十和子が好きな作家。存在感のある女性。著書「空をおいかけて」の初版本は、マニアの中でも幻とされている。授賞式で「海辺の花」について感想を述べた。
若 桜子(わか さくらこ)、東亜 ヒロ(とうあ ヒロ)
十和子が応募した時の「ガーネット大賞」の審査員の1人。授賞式に出席していた。
川崎 拓哉(かわさきたくや)
十和子が入賞した第24回ガーネット大賞で、最優秀賞を受賞した作家。受賞作は「紅蜥蜴」。
森 優奈読み方は不明。
十和子が入賞した第24回ガーネット大賞で、佳作を受賞した作家。受賞作は「夢泳ぐ魚」。

蓮次の地元関係者

怜(れい)
蓮次の姉。基本的には優しい性格。九州に引っ越してすぐ、泰良と同じクラスになり、親しくなった。料理が出来、家族の食事を作っている。
蓮次の父
金髪で碧眼。ハーフ。脳梗塞で倒れ、入院した。極度の人見知り。祭りが好き。
蓮次の母
家の向かいにある「ブティックみちこ」をライバル視している。泰良を婿に貰う際、道子に頭を下げた。
泰良(たいら)
怜の夫で蓮次の義兄。婿。怜とは同級生。築から「たいちゃん」と呼ばれている。蓮次の母から、浴衣を着させてもらえない。
築(きずく)
蓮次の同級生。蓮次の実家の隣に住んでいる。小学生のころから眼鏡をかけている。家は酒屋。蓮次の実家の窓から部屋に入っていた。過去に蓮次と親密な関係だった。泰良から「きずっくん」と呼ばれている。
道子(みちこ)
泰良の母親。家は「ブティックみちこ」。

その他

ユリ
モエの同僚のキャバ嬢。髪型とまつ毛が凄い。
アリサ
モエの同僚のキャバ嬢。十和子とモエがトイレで話をしている時に、電話をかけていた。
町田(まちだ)
モエを指名した客。潰した会社の社員の子と自分の子供が同級生で、そのために妻と娘が口を聞いてくれなくて困っている。

用語

場所・店

十和子の家
里央曰く「ボロくてばーちゃん家みたい」な家。ロイヤルから近いところにある。風呂はシャワー付きで、成人男性が3人まで入ることができる大きさ。3人のパンツが洗濯機に入っていた場合は、十和子に捨てられる。
クラブ ロイヤル
蓮次たちが働いているホストクラブ。給料は歩合制。俊ちゃん(キッチン担当)以外に料理が出来るホストはいない。十和子の料理で店の評判が上がり、リピーターが増えた。蓮次が雑誌に載ってから、売上が3割増しになった。5月10日で5周年を迎え、記念のコスプレイベントが開催された。イベントの景品は「抽選で1名に30分間ホストを独占する権利」。
BELL ROSE
モエが働いていたキャバクラ。
三竹駅
九州にある、蓮次の実家の最寄り駅。実家から車で5分の距離にある。
西通り商店街
蓮次の実家「十時呉服店」がある。呉服店の近所には肉屋、薬局、酒屋(築の家)、「ブティックみちこ」、「鮮魚本店」「鈴木青果店」などがある。
三竹中央病院
蓮次の父が入院している病院。
社宅
見た目は古い(ボロい)が静かで筆が進むと作家から好評な物件。家具は備え付けられている。西門の紹介により、十和子は一人暮らしを始めた。ロイヤルや花屋から近い距離にある。
Floral garden
ロイヤルのホスト御用達の花屋。かおりとその父の店。
ガーネット大賞
十和子が応募した小説の賞。
豊穣祭
蓮時の実家のある地方では稲作が盛んで、毎年田植えが始まる時期に五穀豊穣を祈願した祭り。蓮時の家では祭りで使用する法被を提供したり、毎年手伝いをしている。
かぼさん
蓮時の実家の方のゆるキャラ。祭りで十和子が景品としてキーホルダーを貰った。

書誌情報

電子書分冊版の表紙は全て同じで、十和子。電子書籍特装版9巻の表紙は十和子。

  • カナエサト『永久指名おねがいします!』ソルマーレ編集部(運営)/ジュリアンパブリッシング(発売)〈スフレコミックス〉、既刊8巻(2017年10月18日現在)紙単行本の書誌情報。サイトによってはアダルト商品の警告が表示されるが、意識のはっきりしない蓮次が十和子に襲いかかる(もちろん未遂)描写があるのみで、性的な表現があるわけではない。
    1. 2014年11月7日発売、ISBN 978-4-86457-202-6 - 表紙:十和子電子書籍特装版 - 蓮次
    2. 2014年12月10日発売、ISBN 978-4-86457-205-7 - 表紙:蓮次電子書籍特装版 - 十和子
    3. 2015年4月10日発売、ISBN 978-4-86457-219-4 - 表紙:十和子電子書籍特装版 - 里央
    4. 2015年9月10日発売、ISBN 978-4-86457-247-7 - 表紙:蓮次電子書籍特装版 - 息吹
    5. 2016年2月10日発売、ISBN 978-4-86457-286-6 - 表紙:十和子電子書籍特装版 - マキとモエ
    6. 2016年6月10日発売、ISBN 978-4-86457-326-9 - 表紙:蓮次電子書籍特装版 - 蓮次と十和子
    7. 2017年4月10日発売、ISBN 978-4-90875-787-7 - 表紙:十和子電子書籍特装版 - 息吹と十和子
    8. 2017年10月18日発売、ISBN 978-4-86669-034-6 - 表紙:息吹電子書籍特装版 - かおり

脚注

外部リンク