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銀河戦国群雄伝ライ 16

共有

銀河戦国群雄伝ライ』(ぎんがせんごくぐんゆうでん ライ)は、真鍋譲治の漫画、及びそれを原作としたテレビアニメ。

概要

「月刊コミックコンプ」(角川書店)で1989年11月号から1993年1月号まで、「月刊電撃コミックGAO!」(メディアワークス)で1993年2月号から2001年11月号まで連載された。コミックは全27巻まで発行され、後に月刊 電撃コミックGAO!2003年2月号別冊付録である『銀河戦国群雄伝ライ 異聞』もコミック化された。

作品解説

神聖銀河帝国皇帝であった光輝帝が崩御したことにより帝政が崩壊する。多数の軍閥による権力抗争が始まる中、北天を制したのが元 帝国左将軍の比紀弾正である。比紀弾正は自身の最も信頼する側近の四天王と共に北天を瞬く間に併呑。五丈国を建国し、残る南天の制圧を掲げ、銀河統一へ向けて動き始めた。そんな折、四天王の一人である狼刃は、その軍団の中で一兵卒であった竜我雷に興味を示し、一躍師団長に抜擢する。ついに戦国時代の風雲児が歴史の表舞台に立つ時がきたのであった。

作中の内容は、日本の戦国時代や三国志や史記などの中国史、他に『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河英雄伝説』といったSFアニメがモチーフとなっている。宇宙空間における艦隊戦が舞台でありながら、砲撃戦よりも艦を直接ぶつけて敵艦に乗り込んでの白兵戦がメインとなっており、あまりSFとしての緻密さは重要視されていない。

主な国家

神聖銀河帝国
13代270年に及び銀河中央を統治した一大星間帝国。高い文化力と人的資源を背景に近隣諸国を「蛮族」と呼び将来の併呑を目論んでいたが、13代光輝帝の崩御により瞬く間に瓦解。後釜をめぐって、銀河は戦国時代に突入することとなる。
五丈国
神聖銀河帝国崩壊後に元 帝国将官の比紀弾正が北天の軍閥諸国家を制圧して打ち立てた国家。
緩やかな専制君主制で、軍閥や高級武官である四天王の勢力が強く、官僚機構が整っていないため文官の発言権は小さい。
銀河中央を支配し、神聖銀河帝国の地盤を受け継いでいるので文化・生活水準は他国と比べ群を抜いている。
弾正の病没後、四人の大臣と四天王改め四元帥から成る最高評議会が国政を動かす、集団指導体制に移行する。なお、名目上は太政大臣を筆頭とする四大臣が四元帥の上に位置しているが、実権を握っているのは四元帥と八人の校尉からなる元帥府である。
車騎元帥の骸羅が国権を簒奪し、大元帥、太常府(大元帥と太政大臣を兼ねた役職)を経て帝位につく。
当時 鎮南将軍・南京楼太守に収まっていた竜我雷は、すぐさま偽帝討伐の兵を挙げ激戦の末に偽帝骸羅を倒し全五丈を統一。新生五丈国を興す。
新生 五丈国
竜我雷が偽帝骸羅を討ち、新王朝を打ち立てた国家。作中での呼称は「五丈」あるいは「大五丈」のままだったが、弾正や骸羅の王朝とは体制を一新しているため、便宜上、「新生 五丈国」と標記する。
尊号「竜王」こと竜我雷を頂点とする専制君主制で、丞相 大覚屋師真率いる丞相府が国政を統轄し、尚書令 三楽斎馬防が文官を、大将軍 孟閣が武官を分掌している。官僚機構が前政権より整い、武官重視の風潮が薄くなっている。国主と丞相が遠征に出る際は、尚書令が国主代行を務める。
他にも、内府 王福来が後宮を仕切っているが、丞相府の指揮下にあるのかは不明。
また、無官ではあるものの、経済顧問 大覚屋英真が、国家経済における相談役を務める。
西羌国
南天諸国と共に銀河帝国(北天)と国境を接する異民族国家。専制君主制であるが、王族である秦一族が共同で国政を担う場面が多い。南天以上に武を尊ぶ風潮が強く、国民も総じて勇猛果敢だが、反面政治の駆け引きには疎い。
南天(練・南蛮連合)
練国
南天の部族国家。
専制君主制で、君主の発言権が非常に大きい。
比紀弾正の南征時に、五丈四天王の一人 狼刃との戦いにより国王 羅鶴が戦死する。息子の羅候が兵権を継ぐが、一時は智国の従属国支配に甘んじていた。
後に南蛮王国の国王 琥瑛罵洲より羅候が国権を譲り受けて、錬・南蛮連合国の実権を握る。軍師 姜子昌の智国への謀略による紅玉(独眼竜正宗)の失脚により、南天の盟主にのし上がる。
南蛮王国
神聖銀河帝国から離れているため、異なる部族が連合して出来た国。独自の風潮と文明を築いている。
国王の琥瑛罵洲(くえいばす)によって一応のまとまりは見せているものの、部族間の対立が燻っており、一枚岩ではない。
後に病床の琥瑛罵洲が、娘婿でもある練国の国主・羅候に譲位し、連合国の一部と成る。以後は羅候が連合の統轄に専念するために、琥瑛罵洲の息子達が南蛮三王となり、南蛮宰相 勃鞮を御目付け役として、南蛮王国を統治する。
智国
南天の部族国家。
「正宗」を尊号とする君主が頂点に立つ専制君主制ではあるが、政治体制は脆弱で権力の二重構造という矛盾も抱えており、政宗のカリスマによって国としての体裁を保っている。
先代正宗の死後、娘 紅玉(独眼竜正宗)が幼い弟 虎丸を擁して国政を司る。富国強兵を重ね、南天連合の盟主国と目される。比紀弾正の南征後に南天の反抗部族を征伐,糾合して一大版図を築く。
後に従属していた錬国の軍師 姜子昌の策謀により紅玉の叔父 丁儀がクーデターを起こす。これにより紅玉(独眼竜正宗)から国権が剥奪され、幼王 虎丸を建てる。
しばらくは練国の傀儡国家となるが、紅玉が虎丸を連れ出し、夷にて亡命政府を打ち立てる。それ以外の国土は練国の占領下に置かれ、練と五丈の間で振り回される。
明国
南天の部族国家。神聖銀河帝国以来の名門家である雷神家一族が治める国家。
比紀弾正の南征後に五丈国の策謀によって智国に侵入するが国境侵入の最初の戦闘で大損害を受け、その後に智国が緒戦の優勢のまま一気に明国の首都である洛火閣を攻め陥し雷神家一族郎党の首をはねられ滅亡した。
孟国
南天の部族国家。
比紀弾正の南征後に明国が智国に滅ばされ南天の大国になった智国に対して国主剛志はただちに息子を人質に差し出し智の将として身分を保った。
趙国
南天の部族国家。
比紀弾正の南征の際に国主であった曹州が骸羅に討ち取られる。南征後に練国から軍事圧力を受け、援軍として智国の軍を自国に受け入れることで智国の領土となった。

登場人物

新生 五丈国(北天)

竜我家

※・・・蘭々と梨扇は竜我雷夫人ではないが、両者とも紫紋の近しい側仕えで、梨扇にいたっては竜我の愛妾でもあるため、この項目に記述する。

竜我雷(りゅうがらい)
(一兵卒→師団長→第一近衛軍騎都尉→南京楼太守→鎮南将軍→南京楼軍盟主→五丈王→皇帝)
本作品の主人公。度胸と悪運の強さを五丈四天王 狼刃に買われて一兵卒から師団長に抜擢され、比紀弾上の南征時に先鋒として南天に雪崩れ込み 座王都に一番乗りを果たし、その勇名は敵味方に響き渡る。数々の武功を重ね、南征後に騎都尉、比紀弾正死去後に南京楼の太守、骸羅による政変後は鎮南将軍を歴任する。南京楼で希代の天才 大覚屋師真をはじめとする英傑達を迎えて陣営の強化に努める。
中央で骸羅が皇帝を僭称すると、すぐさま挙兵。金州海で恩師 狼刃を涙をふるって倒し、その余勢を駆って骸羅をも倒し、五丈国を手中に収める。玄偉,西羌王 秦馬らの謀事を鎮圧して五丈王に即位し、自らの尊号を「竜王」と称し新たに西羌王となった秦宮括と講和を結び国内体制を固める事に尽力する。
そんな中、智の独眼竜正宗と それに呼応し北伐を敢行した南天王 羅候率いる軍が、ほぼ同時に大挙して五丈領内に侵攻してくるが、大覚屋師真の戦力集中による各個撃破案を採用し、開彭沖で独眼竜正宗を討取る。その後、返す刀で南天軍主力と六紋海で激突。天文を利用した作戦を採用し、両軍に壊滅的な打撃を加え、撤兵させる事に成功する。
正宗死後の智国に言葉巧みに接近し、軍勢を智領全土に派遣し、有名無実となった智王(虎丸)に自害を強要し事実上 智領の併呑に成功する。
その後、比紀弾正公ら歴代の北天盟主が成し得なかった南征に本格的に着手する。それを迎え撃つ南天軍を北京沖で撃破し、首都 大王理をも占拠する。そんな最中、同盟関係を反故にした西羌国により首都 斉王都を奪取されるという事態が発生し正室 紫紋と大将軍 孟閣を失う。急遽、新鋭旗艦「金剛」を駆って斉王都を奪還した竜我は西羌王 秦宮括を斬首、孟起、雲海の2将軍に西羌進軍を下命し西羌国を滅ぼす。後顧の憂いを絶った竜我は、再び南征主力軍に合流したものの、南天国大都督 姜子昌の首を持参した元智国の将 飛竜の凶刃にあい、一時危篤状態に陥る。だが、師真達の懸命な努力により銀河一の名医 扶華を呼寄せることができ、一命を取り留める。
最終決戦で羅候を討ち取り全銀河を統一。三年後、銀河皇帝として即位し天極を都と定める。
特筆すべきは、自分よりも優れた武勇や知謀をもつ英傑達を大勢惹きつけることである。自身もまた、数々の戦役で培った強靭な肉体と聡明な頭脳、そして天運を併せ持つ。国政においては冷静沈着な面を見せ、部下たちの助言を大事にする。
師団長や太守としての経験から、武官だけでは軍隊や国家が成り立たないことを理解しており、補給担当官を侮蔑する宿将たちを叱責したこともあった。
信念や義理によって自分と敵対あるいは降ってきた者には寛容だが、単に職業意識で牙をむく者や、日和見で降ってくる者には厳しい見方をする。
欠点は、一度懐に入れたものには考えが甘くなることである。特に秦宮括に対しては、その叛意を早くに知りながらも「末弟 公旦のように冷静な状況判断をしてくれる」と信じて南征を優先させてしまう。また、犠牲を少なくするためには非情な策略も用いるが、それで生じる汚名を晴らすことを後回しにする。それゆえ、南天の謀臣たちからは「智王の自害」を絶好の中傷材料にされ、西羌国背信の一因となった。
私的なところでは酒好き、大飯喰らいな面もあり、きくらげ以外は何でも食べる。兵卒時代は女に苦手意識があったが、国主になってからは後宮に三百人もの女を侍らせる。ただし、紫紋に言わせれば「戯れで女を抱かない」気質で、男性としての愛情は基本的に、紫紋はじめ麗羅、楊尚香、綺羅たち四人の竜我雷夫人と愛妾である梨扇に向けられている。この五人以外の女にも夜伽をさせるが、紫紋や麗羅の機嫌を損ねないよう頻度に気を配っている。なお、蘭々のことは「チビスケ」と呼んで妹のように可愛がっているが、愛妾関係だったのかは不明。また「女好き」という評判だが、華玉や神楽、邑峻のような「他人の女」に手を出す描写はなかった。
アニメ版でも基本的な性格は変わらないが、智王(虎丸)を保養地に連れ出して懐柔を図るなど、やや穏健さが増している。
<異聞>五丈帝国初代皇帝に即位し、都を天極に改めて十数年後に、智海南道で海賊ジャムカ(雷光)の軍勢の動きに頭を悩ませる。一向に戦功の上がらない守備軍に代わり、自ら車騎大将軍 項武と隠居していた元丞相 大覚屋師真を伴い、親征する。始めのうちは軍の指揮を項武と師真に委ねていたが、戦役間際に自らジャムカの前に姿をあらわし、一騎打ちを行い これを捕らえる。
紫紋(しもん)
(阿曹主禅息女→竜我雷正妻→死亡)
旧帝国将官、阿曹主禅の娘。母は帝国最後の皇帝である光輝帝の皇女であり、唯一皇室の血を受け継いでいる。父親を竜我雷に殺された後、皇孫であるゆえに五丈に身柄を引き渡される。その後、恩賞として竜我の許に預けられた。
竜我との様々な境遇を乗り越え深い愛情を寄せ合うようになり、南京楼にて竜我と結婚する。
竜我が五丈王となってからは斉王都に移り住んでいたが、公叔の言に誑かされた秦宮括率いる西羌国の襲撃により重傷を負い、最期は駆けつけた竜我と会話を交わした後、麗羅に竜我の事を託して息を引き取った。
竜我雷との間に子はできず、結局神聖銀河帝国皇室の血筋は絶えてしまう事となった。
「銀河一」と呼ばれるほどの舞踊の名手。麗羅ほどではないが、武芸にも長けている。特筆すべきは、人間的な度量の大きさであり、竜我が自分以外の女に手を出しても、「結局は私のもとに帰ってくるしかない」と揺ぎ無い愛情を寄せる。異性よりかは、同性の麗羅や蘭々、邑峻、梨扇が惹きつけられる事例が目に付く。
アニメ版では「竜我が父の仇」という背景が強調されており、原作よりも竜我に愛情を寄せる進行速度が遅くなっている。また、竜我に姉 紅玉(正宗)を討たれた虎丸(智王)を説得するエピソードもある。
麗羅(れいら)
(比紀弾正息女→竜我雷第二夫人→竜我雷正妻)
比紀弾正の娘。勝気な性格で武芸をたしなみ、紫紋とはよく対立した。その腕前は正宗配下の精鋭コマンドを斬り捨てる程である。当初は弾正から「政治を知らぬ者」呼ばわりされていたが、後に師真から帝王学と権謀術数に長けてることが語られる。独身時代は、美男子を侍らせて乱痴気騒ぎに興じることもあった。
竜我雷を早くから見込んで、天下人にしようと画策する。父の死後、骸羅と結託して五丈の国政を乗っ取り、己の奢侈のために人民を苦しめる。後に骸羅に国を追われ、雲海が潜伏する寺にかくまわれる。この時期に心境の変化があったのか、竜我と再会したときには「末席でもいいから後宮に置いてほしい」と懇願する。
竜我の第二夫人として梵天丸(後の竜貴)を出産する。この前に紫紋との確執を再燃させるが、玄偉の撃退を経て結局は和解する。
紫紋の死後、正夫人に昇格。雷の死後は二世皇帝の生母として絶大な権力を振るう。その際の辣腕非道な手段により悪女列伝に名を連ねることになる。77歳で天寿を全うし、竜我王朝の世襲制を確実にした功により玉皇太母の名を送られる。
作中後半および異聞における彼女は呂雉のように描写されているが、他の竜我夫人やその子どもを謀殺・虐待するエピソードは描かれなかった。
アニメ版では美男子を侍らす趣味がなく、毒気が抑えられている。骸羅には密使を送らず、彼らが乗り込んできた直後に武王都を脱出し、南京楼城に居候する。
楊尚香(ようしょうか)
(民間人→竜我雷第三夫人)
元々は商家の娘で、気が強く、武芸をたしなんでいたが、棒術の稽古中に朝議に抜け出した竜我が現れ勝負を挑むが一太刀も浴びせることができなかった。その後竜我の第三夫人となり、松寿丸を出産する。「弓腰姫」とも称される。
紫紋亡き後は、麗羅を差し置いて竜我の寵愛を得ており、最終決戦時には鎧姿で参戦する。唐突に輿入れしてきた綺羅を苦々しく思うが、綺羅本人よりも竜我を「ロリコン」呼ばわりする傾向にある。終盤では実子の松寿丸を次期皇帝にせんと麗羅と睨み合い、綺羅を動揺させた。
異聞では麗羅の息子 梵天丸を可愛がる描写があるが、麗羅からは快く思われない。
綺羅(きら)
(南天国王女→竜我雷夫人)
羅候の妹。和睦の証として、当時14歳の幼さで、竜我に輿入れする。「天下人の妻になる」という大願を持っており、超弩級餃子の中に潜んで竜我と対面した。
男を引きつける物言いを自然に行い、夫と兄の死闘をも受け入れる。
竜我夫人としての序列は不明。竜我を除けば楊尚香としか会話をしておらず、尚香はともかく、綺羅自身は彼女のことを嫌っている様子はない。人生経験の差ゆえか、尚香と麗羅の睨み合いには動揺する事しか出来なかった。
梵天丸(ぼんてんまる)
(五丈国太子→五丈帝国太子)
竜我の長男。麗羅の息子。第二次南征の少し前に産まれる。
終盤では幼少期として登場し、まだ幼いながらも次期皇帝としての自覚を持つ一方、麗羅と尚香の睨み合いには弟と共に絶句していた。
異聞では成長した姿で登場。父帝の期待通り穏やかな気質に育ち、弟たちから慕われ、竜我夫人たちから可愛がられている。
松寿丸(しょうじゅまる)
(五丈国王子→五丈帝国皇子)
竜我の次男。尚香の息子。第二次南征の後に産まれる。
作中では一言の台詞もなかったが、尚香と麗羅の睨み合いに、兄と共に絶句していた。
蘭々(らんらん)
(民間人→竜我雷正妻付奥女中→林則嘉夫人)
華玉の妹。李張導師の弟子。紫紋の傍仕えを任され、彼女を強く慕う。当初は紫紋が乱暴者として有名だった竜我に嫁ぐことを案じていたが、竜我の美点に気づき「ライ兄様」と呼び慕うようになる。
南京楼で路頭に迷っていた林則嘉に声をかけ、城で働けるよう口利きした。その後も林則嘉が考えた戦略を起草するなどの一幕もあり、最終的には結婚する。
紫紋の死後から林則嘉と結婚するまでの動向は不明。また、竜我からは「チビスケ」と呼ばれて妹のように可愛がられていたが、愛人関係だったのかは不明。
なお、作中で時の経過と共に成長、容貌が変化した、希少なキャラクターである(幼女→少女→女性)。第二次南征の少し前に14歳になり、髪を伸ばし始めた。
アニメ版では、林則嘉よりも太助と会話する場面が多い。また、予知を行ったりと「導師」であることが強調されている。
梨扇(りせん)
(五丈国第一軍団宿将配下→竜我雷正妻付奥女中→戦死)
華玉の部下の暗殺者。華玉の命令で数多くの暗殺をしてきたが、華玉に奥女中として竜我の動きの監視を命じられた後、紫紋らと心を通い合わせた結果、竜我に惚れてしまい殺せなくなる。
その後暗殺者であることを竜我に告げるが、竜我は許し、再び奥女中としての生活に入る。同時に、竜我の愛妾として、かんざしを贈られたこともあった。
しかし西羌国により首都 斉王都を奪取された際、紫紋たちを守るため奥女中としての姿を捨て奮戦するも殺されてしまう。

新生 五丈国の軍師

大覚屋師真(だいがくやししん)
(民間人→南京楼軍軍師→五丈国丞相兼軍師将軍→五丈国丞相兼大軍師→五丈帝国右丞相→民間人)
南京楼の豪商、大覚屋の子息。史書,経書,兵法,天文,医学に精通した希代の天才。竜我とは君臣の間柄を越えた親友であり、竜我の覇業の最大の立役者でもある。
豪商 大覚屋の長男でありながら家業に興味を示さず、放蕩息子として南京楼で毎夜豪遊をする日々であった。ある日、街を歩いていた紫紋をナンパしようとして、竜我雷と運命的な出会いをする。当初は紫紋と不倫関係になるのが目的で南京楼城に出入りするが、竜我と天下情勢を論ずることの方に快感を見出していく。
六紋海合戦では天文を用いた壮大な戦力で敵方軍師 姜子昌を打ち破る。弟 英真の単独講和行動に頭を悩ませていたが、南天国内での内応の計を英真に阻まれた事で、彼の排除を考えだす。
竜我が皇位についた後も丞相として辣腕を振るうが、丞相府が廃止された事で一公卿に降格する。後に竜我に対し暇乞いをし隠居する。隠居後も竜我との水魚の交わりは続いている。
アニメ版でも基本的な性格は変わらないが、酒よりも射的等の遊戯を好む傾向にある。
林則嘉子明(りんそくかしめい)
(民間人→南京楼城下男→南京楼軍副軍師→五丈国軍副軍師→五丈国軍師中郎将→五丈帝国左丞相→五丈帝国宰相)
五丈国の謀臣の一人。若い頃は風采が上がらず、仕事をさぼって読書しては解雇され続け、無銭飲食に手を染めて投獄された。赦されて釈放されてからも就職できず、行き倒れていたところを蘭々に助けられ、南京楼城内の使用人として雇われる。一ヶ月間、無断で書庫に篭もって読書に没頭していたところを軍師 大覚屋師真により見出され、竜我に帯同するようになる。
当初は師真の陰に隠れがちであったが、金州海会戦では師真不在の本営を見事に統率し、劣勢だった状況を打破する活躍をみせる。竜我王朝成立後は、軍師中郎将として丞相府に在籍し、師真を補佐する。
軍事に関しては厳正で、だらけた指揮を行った部将を演習中に処刑したり、金角と銀角を天下統一後に処刑する計画に賛同することがあった。また、大覚屋英真の謀殺についても、南天から助け出そうとした竜我と師真の誠意を踏みにじったことで愛想を尽かしたのか、その死を悼んだ様子はなかった。
反面、政治においては強圧的な手法は好まず、智国を強圧的な方法で併呑した時は唯一異議を唱えたりもした。その為竜我からは天下統一後における、二世皇帝の補佐役にふさわしい存在であると認識されている。ちなみに麗羅からも「秦公旦と林則嘉の誠実さは疑いようがない」と評されている。
アニメ版でも蘭々に助けられて仕官するが、無銭飲食の前科は無く、単なる住所不定無職の青年として登場していた。
華玉(かぎょく)
(五丈国第一軍団宿将→五丈国長吏参軍→大覚屋師真夫人)
蘭々の姉。李張導師の高弟で、五丈四天王 玄偉の腹心。その知謀と妖術を持って玄偉の暗躍を助ける。また、放浪中に玄偉の夜伽をしていたと思われる描写もあった。
玄偉滅亡後は、大覚屋師真の説得と推挙により竜我の幕下に加わる。第二次南征のさなか、公叔文遠と西羌・南天の内通を察知し、通報する。このことで公叔から逆恨みされ、西羌軍に捕縛された際に、彼に煽られた秦兄弟の命令で苛酷な仕打ちを受ける。
西羌鎮圧後は、養生のために南天に送られ、扶華を説得すべく自刃した師真の介護をする。
尚、最終話にて師真の子を身篭ったことが判明する。

新生 五丈国の武官・技官

独立四〇七七重機甲師団
雲海入道(うんかいにゅうどう)
(一兵卒→五丈国将軍→左将軍→近衛軍総督→民間人)
竜我雷の兵卒時代からの親友。竜我にとって最も頼りになる豪傑である。
竜我からの密命を受け、暴政化の武王都に潜入し、麗羅を救出する。
竜我の五丈王即位後将軍に迎えられ五丈の戦力の一翼を担う。南天との最終決戦の折、南天王 羅侯との一騎打ちで左腕を失う。全銀河統一後は諸国を旅する。
太助(たすけ)
(一兵卒→軍師直属工作員→丞相直属工作員→爆死)
竜我雷とは同郷で幼い頃から竜我を「兄貴」と慕い付き従う。銃の名手。
六紋海合戦の折、南天国の帝虎級戦艦「猛虎」に潜入し内部からの爆破を敢行し、自らも散華する。
古株中の古株にして丞相直下という立場ゆえか、林則嘉からは「太助さん」、三楽斎からは「太助殿」と、高官たちから敬称で呼ばれている。とはいえ、作中での人間関係は限定的で、竜我と雲海以外の人間と会話する場面は滅多にない。
アニメ版では、紫紋の側近である蘭々と会話する場面が多い。序盤では口ゲンカばかりしていたが、主人同士が近づいていく度に本人同士も仲良くなる。
孟閣(もうかく)
(重機甲師団副師団長→第一近衛軍副司令→南京楼軍副将→五丈国大将軍→戦死)
独立四〇七七重機甲師団副師団長。新米師団長であった竜我に対して当初は危ぶんでいたものの、南征の時の竜我の活躍を見て信服。以後は竜我軍の宿将筆頭として戦場で活躍すると同時に、師真や三楽斎に対する武官の不満を抑えたりもしている。
竜我が五丈王に即位した時、大将軍に就任。六紋海合戦では息子の孟起と共に奮戦する。
第二次南征の前、乗馬中に落馬した事により留守居役に甘んじるが、公叔の言に誑かされた秦宮括率いる西羌軍に対し寡兵ながら立向かい、西羌軍を翻弄するものの、乗艦が被弾したことにより敗北。最後は王宮において秦宮括の降伏の呼びかけに「五丈の将に死する者はあっても降伏する者はなし」と大喝。紫紋や三楽斎を逃がすべく奮闘し、裏切り者公叔を道連れに火中に没した。
本人は優れた武人だが、武勇よりは統率力が目立っている。また、事務能力も高く、三楽斎が帰順するまでは、竜我陣営の事務を取り仕切っていた。
アニメ版では、竜我が麗羅に監禁された紫紋を助け出すのに協力したり、骸羅に追われる麗羅を助ける竜我に同行して上陸したりと、白兵戦を行う場面が増えている。
鐘士元(しょうしげん)
(五丈国武官→南京楼軍武官→五丈国将軍→五丈国前督丞相司馬)
竜我が重機甲師団長着任以来の隻眼の宿将。勇猛果敢さを買われ常に先鋒を受け持った。最初は師真のような新参者とはそりが合わなかったが、彼の実力を目の当たりにし信服するようになる。
ちなみに、金州海で一度「独眼竜」を名乗ったことがある。
姚文(ようぶん)
(五丈国武官→南京楼軍武官→五丈国将軍→五丈国右軍領兵使関内候)
鐘士元と共に竜我の股肱の臣。武勇に秀でていたが よく書をし、武辺一辺倒ではない一面もある。
姜子昌の月落としの際は見事雷を救出する活躍を見せる。
王権(おうけん)、楊平(ようへい)、劉徳(りゅうとく)、李福(りふく)、大禅(たいぜん)
(重機甲師団司令部要員)
四〇七七師団の幹部で、それぞれ、旗艦金剛の艦長、武器総監、情報総監、参謀長、砲術総監を務める。
原作漫画では早々に出番をなくしたが、アニメ版では中盤まで出番を保ち、竜我に戦略立案の難しさと軍師の必要性を説き、大覚屋師真が起用される下地を作った。
装民(そうみん)
(重機甲師団造船総監→南京楼造船総監→五丈国造船総監→病没)
五丈国の造船総監。主に技術方面で竜我を支える。金剛の設計者でもある。甥の装伯に後事を託し77歳で天寿を全うした。
南京楼
項焉(こうえん)
(海賊→南京楼軍武官→五丈国将軍→五丈国右将軍→戦死)
南天との国境近くを根拠としていた大海賊の親玉であったが、竜我の度量の大きさに感服して一族郎党共々帰順する。齢70にもかかわらず水を得た魚の如き活躍を見せる。
羅候と独眼竜正宗による二方面からの五丈進行の際に自ら志願し、僅か1個軍団で羅候率いる練・南蛮連合軍と対峙し、ゲリラ戦を駆使した戦術で十分過ぎるほどの足止めをする。この戦で敵将 夏候獣により討ち取られる。
死後、練王 羅候より五丈大将軍の追号を受ける。
項武(こうぶ)
(海賊→南京楼軍武官→五丈国将軍→五丈国車騎将軍→五丈帝国車騎大将軍)
竜我旗揚げ以来からの宿将。重さ80斤の大斧を片手で振り回す豪傑である。
当初は猪武者的な扱いであったが、対西羌戦で初めて大将として一軍を率いて以降、徐々に将としての自覚を持つようになる。
六紋海前哨戦では散華した父の仇を討つべく奮戦し、南天軍の諸将を次々に切り伏せる活躍を示す。この時、後に妻となる神楽とも刃を交えている。
六紋海会戦のあと、捕虜にした神楽との結婚を強引に進められる。当初は彼女に姜子昌という想い人がいたことから、彼と神楽を仲介した上で破談に持ち込もうと目論むが、共に餃子を作るうちに情が沸いてきた。
西羌鎮圧後にようやく心を通わせ、終盤では最低三人の子宝に恵まれた。
モチーフは三国志の英雄張飛と推測される、ちなみに張飛も最終的な官職は車騎将軍である。
<異聞>車騎大将軍として海賊ジャムカと対峙する。
国主即位後
装伯(そうはく)
(五丈国武官→五丈国将軍→五丈国偏将軍)
造船総監 装民の息子。ただし単行本の人物紹介では「甥」、最終巻では「養子」と記述されていた。父の作った巨砲を自走砲艦に生まれ変わらせた。二代目金剛の設計者でもある。
また、一軍を任される将でもあり、南征では慎重な戦運びをする。
孟起(もうき)
(五丈国将軍→五丈国征東将軍→右将軍)
五丈国大将軍 孟閣の息子。六紋海合戦では遊軍を率いて参戦、父と共に活躍する。
西羌国の造反で、斉王都が奪われ、父の戦死の報を聞き自ら志願し竜我に帯同する。その後、雲海将軍と共に西羌国に進行し、これを征討する。
呂朱(りょしゅ)
(五丈国武官→五丈国奮威将軍→五丈国揚武将軍)
ノーヘルメットが多い新生 五丈軍武将のなかで、珍しく兜を被った将軍。
竜我の偽帝討伐戦の際に、骸羅派の太守を殺して南京楼軍に参戦し、その功により奮威将軍に任命される。
鐘才(しょうさい)
(五丈国武官→五丈国鎮南将軍→五丈国前将軍)
郡の下級官吏から鎮南将軍にまで登りつめた苦労人。六紋海合戦の際には後方遮断の任務につき戦功をあげる。
陳群(ちんぐん)
(五丈国将軍→五丈国荷駄奉行)
六紋海会戦にて初登場し、「泥の星」の海峡を機雷で封鎖する任務を受ける。
第2次南征では荷駄奉行を拝命し、大王理占領時に酒を配布するが、以後は登場しない。
呂朱とは少し意匠の異なる兜を被り、髭を生やしていた。単行本の人物紹介に名前と経歴が載ることがなかった、謎の武将。
秦公旦(しんこうたん)
(西羌軍→五丈国客将→五丈国飛衛将軍→五丈帝国大将軍→五丈帝国元帥)
西羌王 秦馬の子。竜我のたっての懇願で五丈軍の一翼を担うようになる。もっともこれは秦公旦の軍才を買っていたというのではなく、兄弟の中で最も非才と言われ、西羌王秦宮括にとって不安の種であった公旦を活躍させることで、公旦を五丈シンパにすると共に、西羌を親五丈にしようとする政治的側面が強い。
兄達と比べ軍才に劣るといわれているが、兄弟の中では最も情勢を理解しており、母の皇太后より五丈への反乱を促す書状に対し、天下が安寧へと向かっている最中での乱を起こすことの無為を配下の将に告げ、竜王にも事の次第を余す事無く報告する。五丈の武将達から疑惑の目で見られるが、配下を説得する様子を林則嘉が目撃していたことで、信用される。
なお、秦宮括からは「文武共にさっぱりで、身体も弱い」と評されていたが、南天の将校を討ち取ったこともあり、戦闘能力でも同僚達にひけをとらない。
竜我が帝位についた際、大将軍に任ぜられる。
<異聞>元帥に昇格した彼が登場する。

新生 五丈国の文官

三楽斎馬防(さんらくさいばぼう)
(南京楼駐屯軍司令→南京楼留守居役→五丈国尚書令)
南京楼の武将。竜我が南京楼太守に就任するまでは主人運が無く、各任地を転々としていた事から孟閣ら竜我の宿将達にはよく思われていなかった。ただ、彼自身は極めて有能な官僚であり、外交,内政面において竜我を補佐する。竜我が五丈を併呑した際に、新たな行政機構を作り、新機構の初代尚書令の任を受ける。
以後は竜我と師真、孟閣が遠征に出ている間、竜王代理として政権を預かる。南征では孟閣も都に居残るが、守備軍を動かす際に、三楽斎に伺いを立てていた。職制上では孟閣、林則嘉と同格だが、実質、師真に次ぐ五丈家臣団第二位として扱われている。
如晦(じょかい)
(民間人→五丈国文官→五丈国中護軍大都督,智領全権)
東河の七賢人の一人。田舎で隠遁生活を送っていたが、五丈を併呑した竜我により三顧の礼を持って幕下に迎えられる。竜我に玄偉の討伐を強く勧める。同時に、簒奪者の謗りを警戒する竜我に「易姓革命」を説き、王位に就くことも勧める。
智王に自害を強要する策を前面に立って進め、以後は智領の全権を統轄すべく、五丈本土を離れる。
公叔文遠(こうしゅくぶんえん)
(民間人→五丈国軍政司→五丈国廷尉,対西羌外交責任者→死亡)
東河の七賢人の一人。田舎で隠遁生活を送っていたが、如晦と共に竜我の幕下に入る。軍政司を経て、司法担当の官職・廷尉を務めるが、西羌近辺の出身ということで対西羌外交責任者も兼任する。
実は、「覇王を操り天下を取る」という大望を秘めていたが、竜我に心服していく己に気づき、焦りを覚える。「操りやすい覇王」として西羌王 秦宮括に眼をつけ、第二次南征に乗じて首都 斉王都への襲撃をそそのかす。
鄭衆(ていしゅう)
(武王都太守→五丈国録尚書事代理)
武王都の太守。西羌軍侵攻の際に晏石から諭され、酒と女を送り届けて日数を稼ぐ。その功により、録尚書事代理に取り立てられ、病身の三楽斎の代理として行政を統轄する。
公正な人物で、晏石あっての武王都死守であることを正直に報告した。
晏石(あんせき)
(武王都衛兵→五丈国都尉→五丈国主簿)
武王都の一衛兵にすぎなかったが、西羌軍侵攻の際に太守を諭し、武王都死守の一助を果たす。その功により、竜我より都尉に取り立てられる。
後に主簿として三楽斎の補佐を勤め、物資補給にたずさわる。
傅格(ふかく)
(大五丈謀臣→五丈国外交官)
骸延の腹心だったが、骸羅政権崩壊後は竜我雷の幕僚に加わり謀略を駆使する外交官として活躍する。

新生 五丈国の、その他の家臣団・民間人

大覚屋英真(だいがくやえいしん)
(民間人→五丈国経済顧問→南天国客卿→南天国侍中→誅殺)
南京楼の豪商、大覚屋の次男。大覚屋師真の実弟。兄の師真からは「他の事は自分が勝っているが、商売に関しては弟の方が優れている」と評され、父より大覚屋の跡取りに指名される。父が病床についてからは大覚屋の実権を握り、五丈経済界のリーダー的存在として経済面から竜我の補佐をし活躍する。
長引く戦乱で傷つく民衆達を憂い、南北二朝制を主張し、南天へと赴くが、羅候により投獄される。南天軍が南蛮に後退してからは人質としての価値を見出されて、客卿として国政に関わる権利を与えられる。南蛮宰相 勃鞮と南蛮三王による謀反の計画を未然に防いだ功で侍中位を受け、本格的に五丈と南天の和平交渉に着手する。しかし、竜我から見れば、南北二朝制という手段に固執し「平和の構築」という目的を忘れた愚行でしかなく、師真からも「近くの理想しか見ていない」と評される。
結局は、竜我の勅命を受けた衛兵たちに誅殺され、兄に看取られながら生涯を閉じる。
王福来(おうふくらい)
(五丈国内府→戦死)
竜我が国主即位後に設けた後宮を取り仕切る、宦官の長。彼自身は職務に忠実だが、麗羅に媚びる部下や、浮ついた後宮の女に頭を痛めることもある。
神楽(かぐら)
(南天国王妃親衛隊戦車隊長→南天国大将軍配下→捕虜→項武夫人)
南蛮出身の女将。邑峻の母方の従姉妹。邑峻の親衛隊で白象戦車隊を率いていた。北伐の際に、想い人である大将軍 姜子昌の軍団に配属される。
六紋海会戦で五丈の捕虜になり、竜我の命令で項武の妻にされる。当初は互いに結婚を嫌がっていたが、姜子昌に渡す餃子作りを協力しあい、距離を縮めていく。

旧 五丈国(北天)

比紀弾正(ひきだんじょう)
(神聖銀河帝国左将軍→五丈国主→死亡)
元神聖銀河帝国左将軍。帝国の崩壊と同時に挙兵し、瞬く間に北天を統一する。天下統一の為に南天進行を試みるが智の独眼竜正宗(紅玉)の策略と自身の用兵の拙さから撤兵を余儀なくされる。
その後、病の床に臥し、文官筆頭の呂斎に「正宗に国を譲る」としたためた遺書を手渡すが、早まった麗羅により遺書は隠蔽され、呂斎は誅殺される。その知らせを聞いた弾正は吐血し、鎧姿で星空の下に立ち、死去する。享年74。
アニメ版では、死因は刺客による服毒となっている。また、弾正の死に際に竜我が立会うこととなる。
李張(りちょう)
(比紀弾正軍師→民間人)
比紀弾正の元軍師で弾正の五丈国建国を支える。同時に兵法塾を開き、骸延、華玉などを育てる。
隠居後も五丈国の実力者として大きな影響力を持ち弾正の相談相手となる。
呂斎(りょさい)
(比紀弾正中軍師→尚書→死亡)
五丈国の重臣で、比紀弾正とは旗揚げ前からの付き合い。文官の筆頭であり、武官勢力が強い五丈国にあって四天王と対等に渡り合える唯一の実力者。
正宗に国を譲るという弾正の遺言を預かるが、それを抹消しようとした麗羅に殺害されてしまう。彼の死の報は病の床にある弾正の容態を急激に悪化させた。
鳳鳴(ほうめい)
(五丈四天王→五丈国大元帥→死亡)
五丈四天王筆頭。序列では弾正に次ぐ五丈ナンバー2の地位にある。仮面を被っており、その素顔が出ることはなかった。
性格は冷酷であり、五丈軍の多くの将兵を管理している。玄偉の台頭を嫌い、骸羅、狼刃を抱き込み玄偉の失脚を画策するが、当の二人からは信用されていない。骸羅兄弟の政変時に誅殺される。
アニメ版では旧来の身分秩序を重んじる性格となっており、竜我を登用する弾正と対立するエピソードもあった。
玄偉(げんい)
(五丈四天王→五丈国驃騎元帥→西羌国客将→放浪者→死亡)
五丈四天王最後の生き残り。虎視眈々と天下を狙う辣腕の謀臣。
骸羅の政変を察知し、影武者を使って難を逃れる。時の西羌王 秦馬を抱き込み、偽帝討伐の為 挙兵した竜我率いる南京楼軍に参陣する。斉王都にて偽帝骸羅を討ち取る。妖しげな術を用い暗躍するが、大覚屋師真の計略により阻止され、秦馬を見捨てて逃亡する。
後に五丈王宮に侵入し、まだ胎児だった梵天丸の身体を乗っ取ろうとするが、李張導師に蹴散らされ、秦宮括に討ち取られる。
李張によると、玄偉の正体は魑魅魍魎の類であり、最終巻では怨霊の集合体とされた。戦乱が長引けば新たな肉体を得て復活すると、李張から示唆された。
アニメ版では影武者を使わず、骸延の目前で妖術を使い、堂々と逃げおおせる。以後は独自に兵力を蓄え、表舞台に立つことなく陰から骸羅や竜我を妨害する。
狼刃(ろうは)
(五丈四天王→五丈国衛元帥→五丈国驃騎元帥→大五丈左大元帥→大五丈大元帥・武南公→戦死)
知勇兼備の女将。竜我の才能を早くから見抜き、師団長に大抜擢する。
弾正の南天進行時には自ら先鋒を買って出て、竜我に先陣を任せる。麾下の第三軍団を率い勇戦奮闘するが、独眼竜正宗の奇策に陥り、補給を絶たれ撤退を余儀なくされる。戦後、その責任を問われ打首となるところを玄偉の諫言により降格処分ですむ。
弾正死去後、竜我に南京楼赴任を勧め、時を待つよう諭す。骸羅のクーデターにて「天下を二分しよう」という骸羅の誘いに乗るふりをして、驃騎元帥に就任。骸羅が帝位に就くと、軍の最高峰である左大元帥に就任。同輩の骸山戦死後は軍最高司令官である大元帥に就任。偽帝討伐の為、挙兵した竜我の南京楼軍と金州海で激突し、散華する。
武官でありながら冷静な状況判断ができ、大覚屋師真からは「四天王のなかでは一番まともで、そのまま五丈の頂点に立ってもよかったぐらいだ」と言われる。
蒲生(がもう)
(五丈国第三軍団副将→大五丈宿将→爆死)
狼刃の副将。竜我雷と戦う狼刃を思いやる。金州海の戦いで爆死する。
朱金将(しゅきんしょう)
(南京楼太守→誅殺)
竜我が赴任する前の南京楼太守。大覚屋をはじめとする二十六人の豪商達に郡の行政を丸投げし、自分は彼らからの賄賂で酒色に溺れていた。
新太守として赴任してきた竜我を排斥しようと企むが、逆に「南天への内通者」として誅殺される。
アニメ版でも同じ役回りだが、こちらは追放されるだけで済む。
大覚屋曹真(だいがくやそうしん)
(民間人→死亡)
南京楼・二十六人の豪商達の代表格。師真と英真の父。
優れた商才を発揮して富を築いてきた。反面、為政者を見る目は曇っており、新太守の竜我を「武断主義の堅物」と決め付け軽んじていた。
竜我が旗揚げする直前に持病を患い、英真に店の経営を任せていた。羅候の北伐で店を失い、体調を悪化させて息を引き取った。

大五丈(北天)

骸羅(がいら)
(五丈四天王→五丈国車騎元帥→五丈国大元帥→五丈国太常府→大五丈皇帝→戦死)
身の丈2メートルの巨漢。五丈軍一の猛将で各地を転戦する。
比紀弾正亡き後、対立していた鳳鳴,玄偉を斬り、麗羅を立てて全権を掌握する。以後は大元帥、太常府(大元帥と太政大臣を合わせた官職)を経て、のちに帝位を僭称し、悪政を極め、五丈の民に塗炭の苦しみを強いる。鎮南将軍 竜我雷の率いた南京楼軍により追い詰められ討たれる。
骸山(がいざん)
(五丈国第三軍団宿将→大五丈右大元帥→戦死)
骸羅兄弟の次兄。無双の剣の使い手で各地の戦場を駆けた骸羅軍きっての猛将である。
竜我率いる南京楼軍討伐の為、旅順に出陣するが、大覚屋師真の奇策により麾下軍団が混乱状態に陥る。最終的には竜我との一騎打ちにより討取られる。
骸延(がいえん)
(五丈国第三軍団宿将→五丈国軍師兼軍監→大五丈丞相・呉景公→斬首)
骸羅兄弟の末弟。華玉と共に李張導師の教えを受け、兄の骸羅を智謀の面で助ける。
弾正死去後、麗羅を担ぎ出し五丈中枢を乗っ取る。その後、練国との秘密裏に軍事同盟を締結し、独眼竜正宗の失脚をも画策する。骸羅の親政中に丞相に就任するが、大覚屋師真の反間の計により妻子を骸羅に惨殺され、失脚する。後に誤解が解けるが、そのときには正気を失っていた。
南京楼軍の砲撃の余波で正気を取り戻すが、華玉に攻撃され、師真に捕縛される。骸羅の死後、竜我に仕官を持ちかけられるが、自ら断り刑に処される。
馬元宇(ばげんう)
(大五丈旅順要塞指揮官→戦死)
大五丈の武将。旅順要塞の大火力と、骸山率いる増援艦隊の連携で南京楼軍に対抗しようとするが、骸山からの督戦状を受け、援軍到着を待たずして迎撃を始める。
なお、右大元帥である骸山のことを、何故か「将軍」と呼んでいた。
武倒国(ぶとうこく)
(大五丈宿将)
大五丈の武将。同輩達が竜我を恐れる中、ひとり志願して撃退に出る。
一応は主君である骸羅に逆らう竜我を「逆賊」よばわりするが、反対に「今は戦国の時代だ」と言われ、返す言葉をなくす。
アニメ版では、「第七団団長」という肩書きで登場。
陳承(ちんしょう)
(大五丈右将軍→刑死)
大五丈の武将。骸延とは対立しており、彼が大五丈の私物化を目論んでいると疑う。それゆえ、太助の工作に引っかかって、骸延を南京楼軍への内通者として告発した。後に骸延の無実が発覚し、骸羅から「車裂きの刑」を言い渡される。具体的な描写は無いが、最終巻にて「刑死」の記述あり。
アニメ版では、情報参謀として登場。
白鬼(はくき)
(大五丈征西将軍→戦死)
狼刃が金州海で竜我を迎え撃つ為に西羌国境より呼び寄せた五虎将軍の一人。
王政(おうせい)
(大五丈鎮西将軍→捕虜→僧侶)
五虎将軍の一人。金州海で項焉に捕えられる。後に竜我に、僧侶になって戦死者たちを弔うことを勧められる。
亮厳格(りょうげんかく)
(大五丈牙門将軍→戦死)
五虎将軍の一人。五虎将の中で、もっとも勇猛であったが、金州海で鐘士元に討ち取られる。
武庸(ぶよう)
(大五丈安西将軍→自害)
五虎将軍の一人。激戦の後、自ら首を斬る。
魏相如(ぎしょうじょ)
(大五丈平西将軍→戦死)
五虎将軍の一人。敵兵を出来るだけ討ち取ることを武人の本分とし、自害よりも突撃を敢行する。
西豹(さいひょう)
(大五丈右大臣→辞職)
大五丈の重臣。節度ある人物で、骸羅に反感を持つ官吏たちを危険な宮中から遠ざけておいた。後に、勝利した竜我に官吏たちの名簿を献上し、彼らと「東河の七賢人」の登用を進言する。
竜我から新政権への参加を進められるが、「自分もまた、大帝(骸羅)のもとで民を苦しめたことに変わりはない」として固辞する。

神聖銀河帝国

光輝帝(こうきてい)
神聖銀河帝国最後の皇帝。彼が崩御した事により帝政は事実上、崩壊する。
阿曹主禅(あそうしゅぜん)
(神聖銀河帝国将官→佐倉城主→戦死)
神聖銀河帝国将官。比紀弾正とは帝国軍での同期。紫紋の父。
北天統一を目指す弾正に最後まで抵抗したが、竜我に討ち取られた。
三条(さんじょう)
(神聖銀河帝国左大臣→自害)
神聖銀河帝国左大臣。帝国崩壊後は公家たちの中心になり、弾正から資金援助を取り付け、帝都 斉王都の朝廷を維持してきた。
弾正の南征失敗を機に、弾正討伐と帝室復活を目論む。しかし、抱き込もうとした玄偉に利用され、竜我率いる討伐隊に斉王都を滅ぼされる。
法権(ほうけん)
(五丈国斉王都駐屯職→誅殺)
五丈軍の斉王都駐屯職。人一倍出世欲が強く、将軍職を報酬に三条一派の軍門に降る。
テレビアニメ版では、元・五丈四天王候補という背景が追加された。

練国(南天)

羅家

羅候(らこう)
(練国太子→練国王・南蛮国王→南天王→戦死)
練国国主 羅鶴の嫡子。父が五丈四天王 狼刃に討取られた後、練国の兵権を継ぐ。
当初は智国の従属下にあったが、次第に勢力を拡大する。南蛮国の王女 邑峻を娶り、地盤をさらに強固なものとする。智国の北伐の際に正宗の叔父 丁儀の手引により南天閣を奪取、幼い虎丸を智王に祭上げ正宗失脚に成功する。南蛮王の死後、その兵権をも受継ぎ、練、南蛮2国の盟主となり南天に揺ぎ無い地位を築く。
天下統一を実現すべく大軍団を率いて北伐を行う。六紋海で五丈と対峙するが、敵軍師 大覚屋師真の奇策に陥り、大敗を喫する。この後、多くの勇将や邑峻と死別したことで情緒不安定になるが、龍緒の激励や、実は生きていた邑峻の生還を受けて、大軍団の再建に乗り出す。
五丈の南征の際、二国共存を提案した竜緒を更迭する。さらに、大将軍 姜子昌の戦略を却下し、反対を押し切り自ら出兵するも惜敗し、南蛮国に撤退する。大軍団再建のために、南蛮国から膨大な物資を吸い上げようとして反感を買う。
大将軍 姜子昌の死を聞き、再度 五丈との決戦に打って出るが大勢を変えることが出来ず、最後は竜我により討取られる。享年27であった。
序盤では竜我と対を成す英雄として描かれ、度量の大きさを示すエピソードもあった。南天王になってからは傲慢さが目に付き、北伐の際は五丈国民の虐殺・奴隷化をけしかけていた。以後も些細な理由で重臣を誅殺あるいは更迭しては自軍を弱らせ、負けるたびに姜子昌や龍緒に慰められてようやく立ち直る。作中でも、師真からは「兵馬をもって有頂天になっている」、飛竜からは「野心を弄ぶことしかできない」と酷評されていた。
第22巻・巻末特別書き下ろし<竜王様の一日>のおまけ<南天王様の一日>では、竜我が真面目に政務(朝議と勉強は除く)をこなすのとは対照的に、政務そっちのけで朝昼晩通して邑峻と飲酒・惰眠するばかりである。
羅鶴(らかく)
(練国王→戦死)
羅候の父。
比紀弾上の南征の際、家臣 姜子昌の反対を押し切り南天連合に参加する。五丈四天王 狼刃と対峙し奮戦するが、勢いを止める事が出来ず狼刃に討取られる。
邑峻(ゆうしゅん)
(南蛮国王女→練国王妃→南天国王妃→死亡)
南蛮王 琥瑛罵洲の一人娘。羅候とは許婚の仲であった。
練国と南蛮との連携を強化する為に羅候の許に輿入れする。北伐にも同行し、身重な体でありながら大鉈を振り回し大奮戦する。
六紋海で行方不明になるが、五丈軍に保護され、紫紋のもとに居候し友情を交わす。羅候の子を出産した後、練国へ帰還する。同行してきた大覚屋英真の和平工作に協力するが、羅候の天下統一への決心が固いことを知り、和平を断念する。
首都 大王里を放棄(の擬態)する姜子昌の戦略に猛反対し、結果として都落ちの一因となる。南蛮国に落ち延びた後も、実家たる南蛮王家より羅候を偏重し、仲介の労をとることはなかった。
最期は五丈に降ることを勧める羅候の意見を良しとせず死を選び、羅候によって最期を迎える。
羅候の子ども達
(南天国王子→誅殺?)
邑峻が紫紋のもとに居候している間に産んだ、羅候の子。五つ子の男児。
羅候の死後、近習に連れ出されるが、五丈軍に捕縛される。「虎が五人ともなれば敵わない」と考えた竜我から誅殺するよう命令が出る…のだが、誅殺される場面は描かれず、生死は不明。
羅真義(らしんぎ)
(羅家一門、南天国徐家溝守将→捕虜→南天国武官→戦死)
羅候の一族。五丈の第二次南征の緒戦、撤退命令を無視し、徐家溝にて秦公旦軍と激突。しばらく虜囚にされていた。
最終決戦の直前、羅候を挑発すべく右耳を削がれ、南天軍の元に返される。屈辱をはらそうとする意気を羅候に買われ、新鋭艦 武王虎を預かるが、武運つたなく戦死する。
羅幕赦(らばくしゃ)
(羅家一門、南天国武官→自害)
羅候の一族の長老。羅候の召集命令で一族郎党を引き連れて南蛮で合流する。最終決戦で自害する。

錬国(南天)の武官

姜子昌(きょうししょう)
(練国大都督→南天国大将軍→死亡)
錬国きっての名将で羅候とは竹馬の友である。
比紀弾上の南征迎撃に際し先主 羅鶴に南天連合への参加に異を唱えた事により蟄居謹慎させられていたが、羅候の代になり大都督に就任する。独眼竜正宗による銀河統一を阻止すべく画策し、幼王 虎丸を立てて正宗を失脚に追い込む。
北伐の総大将として3,000万の軍勢を率いて五丈に挑むが、大覚屋師真の「空城の計」「水攻め」により敗退する。
その後の北京沖会戦では、見栄を重んじた邑峻に首都 大王里放棄(の擬態)を反対され、羅候から地位を剥奪される。それでも羅候を見捨てず、自己嫌悪に陥る彼を激励する。
大王理に入城した竜我に対し、秘策「月落とし」を敢行するが、失敗に終わる。その後、自らの首を飛龍に託し、竜我暗殺を目論む。
原作漫画版では黒髪だったが、アニメ版では金髪の将軍として登場した。
兗興(えんこう)
(練国武官→南天国後方予備軍指揮官→南天国公卿首座)
まだ練が智の従属国だったころに登場し、虎丸を人質にとることを進言する。羅候暗殺を目論む夏候兄弟を包囲した部隊の指揮官として、姜子昌の台詞に名前が出てきた後は登場しなくなる。単行本の人物紹介によると、後方予備軍の指揮にまわされていた。
姜子昌亡き後に、羅候の公卿首座として再登場。最期は自らが羅候の身代わりとなり五丈と一戦を交え、その隙に羅候が逃走することを献策するが、誇りを重んじる羅候により却下されるものの、見事に斬り死にをして果てる(直接的に死んだ描写はない)。
決して無能な人物ではなく、「忠義深い人物」として描かれている。反面、猜疑心が強く、狭量な性格から、羅候の歓心を得ることに血道をあげ、結果的には主君を窮地に追い込む亡国の参謀と化している。
蹄庖(ていほう)
(練国参軍校尉→南天国大将軍側近→戦死)
南天の若き武将で姜子昌の片腕的存在として活躍する。優れた容姿と立て板に水の弁舌で外交的謀略に暗躍する。西羌国を動かし、五丈首都を急襲させる事に成功する。姜子昌の「月落とし」作戦の際、殿軍として姜子昌の撤退を助けるが、その戦いで戦死する。
夏候獣(かこうじゅう)
(南蛮国将軍→南天国車騎将軍→戦死)
狼頭人身の老将軍。南蛮国の重鎮だったが、南天連合成立に伴い、南天軍の武将となる。
北伐では中軍の主将として参戦するが、六紋海会戦で羅候の退路を確保するために戦死する。
アニメでは暴走した玄偉に憑依され反乱を起こし紫紋を殺害するも三楽斎によって殺されるという全く異なる最後を迎える。
夏候才(かこうさい)
(南蛮国武官→南天国鎮軍将軍→戦死)
夏候獣の息子。夏候牙の弟。狼頭人身の男。南蛮国の武官だったが、南天連合成立に伴い、南天軍の武将となる。
北伐では前軍の主将として参戦するが、五丈軍の軍師たちが考案した「帝虎攻略法」にはまり、六紋海会戦の前に戦死する。
牛魔王(ぎゅうまおう)
(練国将軍→南天国輔国将軍→南天国驃騎将軍→戦死)
牛頭人身の男。南天軍の武将。北伐では中軍の部将として参戦するが、六紋海会戦で敗れて辛うじて生き延びる。その後、国境守備の任につき、要塞帯を建設する。
竜我率いる第二次南征軍を迎え撃つが、師真の奇策によって爆死する。
金角(きんかく)
(南天国鎮護将軍→五丈国将軍→戦死)
一本角を生やした紫髪の男。南天軍の武将。銀角の兄。北伐では右軍として参戦するが、六紋海会戦で敗れて辛うじて生き延びる。その後、智領奪取の任につくが、五丈軍の介入により失敗する。
北京沖会戦前に、姜子昌が遠ざけられたことで将来に不安を感じ、南天内部の切り崩しを図った五丈に寝返る。しかし、竜我と師真は状況に流されて降ってきた兄弟を信用しておらず、天下統一後に誅殺されることが、本人の知らないところで決まっていた。
最終決戦時に、羅候が座乗する超・帝虎級戦艦「機神」の砲撃を受け、戦死する。
銀角(ぎんかく)
(南天国討逆将軍→五丈国将軍→戦死)
一本角を生やした黒髪の男。南天軍の武将。金角の弟。北伐では左軍として参戦するが、六紋海会戦で敗れて辛うじて生き延びる。その後、智領奪取の任につくが、五丈軍の介入により失敗する。
北京沖会戦前に、姜子昌が遠ざけられたことで将来に不安を感じ、兄に圧し切られるかたちで五丈に寝返る。
最終決戦時には、戦死した兄の敵討ちに燃え、羅真義と相打ちになる。
単于(ぜんう)
(錬国将軍→南天国都護将軍→誅殺)
南天軍の武将。北伐では前軍の左部将として参戦するが、敵前逃亡の咎で誅殺される。
胡雷(こらい)
(錬国将軍→南天国平寇将軍→戦死)
熊頭人身の男。南天軍の武将。北伐では前軍の右部将として参戦する。
火徳星(かとくせい)
(南天国虎牙将軍→戦死)
南天軍の武将。北伐では中軍の部将として参戦する。
牙双邪(がそうじゃ)
(南天国撫軍将軍→戦死)
南天軍の武将。北伐では中軍の部将として参戦する。

錬国(南天)の文官

龍緒(りゅうしょ)
(練国長老→南天丞相→民間人→南天宰相→民間人)
龍頭人身の老爺。夏候獣と共に琥瑛罵洲、羅候の2君に仕えた老臣。実質的に練国の宰相職にあり、法令、兵法などに造詣が深い。北伐では、首席参謀を務めた。
北伐が失敗してからは軍の再建に力を注ぐが、英真の和睦策を聞き、穏健派筆