009ノ1 1
『009ノ1』(ゼロゼロナイン・ワン ※)は、石ノ森章太郎(当時、石森章太郎)作による、日本の萬画作品。初出は「漫画アクション」1967年8月10日号から1970年3月5日号、1974年11月14日号に連載された。
本項では石ノ森の萬画を元にした連続テレビアニメーション作品・『009-1』についても併せて解説する。(詳細は#アニメの項を参照の事)
※「009ノ1」の読み方について、「ゼロゼロクノイチ」という読み方は単行本以降のものであり、連載開始時は「ゼロゼロナイン・ワン」だった(角川書店版より)。本項では連載版に準じた。
概要
石ノ森章太郎が初めて青年向け漫画雑誌に連載した作品。自身の作品『サイボーグ009』のアダルト版とも言える。
ウエスト・ブロックの女性秘密諜報機関員009ノ1(ゼロゼロナイン・ワン)が、イースト・ブロックのスパイを相手に活躍する。冷戦時代に執筆されたため、作品内の時代背景も冷戦が続いている設定となっている。
1969年に『フラワーアクション009ノ1』のタイトルでフジテレビ系テレビドラマ化(※内容は原作とは大幅に異なる)、2006年に『009-1』(ゼロゼロナイン・ワン)のタイトルでTBS系テレビアニメ化された。アニメは原作が描かれてから約30年後に製作された事もあり、原作のテイストを21世紀のアニメファンにも受け入れやすくアレンジしている。
あらすじ
ミレーヌ・ホフマンこと009ノ1は身体をサイボーグ化した近未来のスパイである。胸に仕込まれたマシンガンや強化された跳躍力、マヒ光線を仕込んだ指輪などを駆使し、00機関のボスの指令を遂行していく。
登場人物
- 009-1:本名、ミレーヌ・ホフマン
- 主人公。サイボーグ化されたその身体には、常人を遥かに凌駕した能力を発揮できる様々な機能が搭載されている。武器は、マシンガン(毒針銃の場合もある)を両乳房に内蔵。両親はウエストブロックとイーストブロックの戦闘に巻き込まれ死亡し、弟ポールは行方不明となった。本人はウエストブロックの兵士に拾われた為、ウエストブロックで育つ。同じセクションの同僚のコードネームは「009-n」(n:1~12)で、本人も含めて計12人おり、全員同じ顔(整形?)をしている。
- ボス
- ミレーヌの上司。サングラスをかけた男性の老人。
- ポール
- ミレーヌの弟。イーストブロックの兵士に拾われ、イーストブロックのスパイとなる。ある任務で別人に変装してミレーヌに近づき男女の関係を持つが、ミレーヌが自分の正体を知りながらあえて抱かれたと聞き、彼女の目の前で自殺した。
漫画
- 双葉社
- 009ノ1 (1)
- 009ノ1 (2)
- 009ノ1 (3)
- 009ノ1 (4)
- 009ノ1 (5)
- 009ノ1 (6)
- 中央公論社 文庫
- 009ノ1 (1)
- 角川書店
- 009ノ1 上巻 ISBN 4-04-854054-8 (2006年11月発行)
- 009ノ1 下巻 ISBN 4-04-854055-6 (2006年11月発行)
アニメ
テレビアニメ化した作品『009-1』(ゼロゼロナイン・ワン)が2006年10月よりTBS・BS-i他にて放送された。
原作と違い、主人公の同僚はそれぞれ異なる顔をしているが、それ以外の設定はほとんど差異がない。原作では、主人公の同僚は話題になるだけでほとんど活躍するシーンはないが、アニメでは、下記で声優が設定されている3人が、複数のエピソードで登場し活躍している。
登場するメカは、アンダーソン作品に登場する物とほぼ同じデザインである。
なお、アニメーション制作は石森エンタテインメントとクレジットされているが、実質はほぼスタジオパストラルがアニメーション制作をしている。
登場人物(アニメ)
ウエストブロック女性秘密諜報員
サイボーグ化されたその身体には、常人を遥かに凌駕した能力を発揮できる様々な機能が搭載されている。また、ミレーヌ以外の者には『サイボーグ009』の00ナンバーサイボーグを思わせる能力や出身国を思わせる名前が設定されている。
なお、機関内や互いの通信時には名前ではなく、「ナインワン」「ナインツー」という風に00の後の数字で呼び合う。全員、同じ形の通信イヤリングを使用。
声優が設定されていないメンバーについては、Mission.8 で台詞無しで一瞬登場し、さらに最終回にも一瞬登場している。
- 009-1 【ミレーヌ・ホフマン】
- 声 - 釈由美子
- 主人公。液体金属を瞬時に弾丸化して乳首から発射するマシンガンを両乳房に内蔵。両親はイーストブロックから亡命しようとして死亡し、弟ポールは行方不明となった。
- 009-2 【ジュディ・ムーア】
- 009-3 【ヴァネッサ・イベール】
- 声 - 雪野五月
- 聴覚、遠視力を強化。『009』の003がモチーフと思われる。ちなみに雪野は、2001年版『009』で003を演じた。
- 009-4 【ベルタ・ケストナー】
- 声 - 渡辺明乃
- 全身に武器を内蔵。『009』の004がモチーフと思われる。
- 009-5 【サルマ・バンデラス】
- 009-6 【張菲(フェイ・チャン)】
- 009-7 【ミア・コネリー】
- 声 - 井上麻里奈
- 変身能力を持つ。『009』の007がモチーフと思われる。
- 009-8 【ウナ・ベリー】
- 009-9 【村島澪】
- 009-10 【アリョーナ・テルミン】
- 最終回にのみ登場。ベラと双子らしい。『009』の0010(双子)がモチーフと思われる。
- 009-11 【ベラ・テルミン】
- 最終回にのみ登場。アリョーナと双子らしい。同じく『009』の0010がモチーフと思われる。
- 009-12 【アミア・リーグル】
その他
- ナンバーゼロ
- 声 - 大塚芳忠
- ゼロゼロ機関の最高司令官。通称「ボス」。年齢不詳だが、原作ほど高齢ではない。本名は不明。
- エッグ
- 声 - 藤原啓治
- Mission.3に登場するイーストブロックの秘密諜報員。ウエストのスパイ四人を倒している腕利きの諜報員であるが、「夜は敵を狙わない」というポリシーを持ち、昼は互いに命を狙う敵でも夜は相手と食事を交わすという変わった性格をしている。最後はミレーヌの攻撃をかわせる理由をばらしてしまい、彼女に射殺される。
- ボルゾフ
- 声 - 鳥海浩輔
- Mission.5に登場する。何かを運ぼうとしていたためウェストブロックに疑われ、追われていた。その後、その中身は彼の趣味と思われる物だと判明。ミレーヌが自分のアンドロイドと戦闘の場を離れようとしたが、自らのアンドロイドに射殺された。
- 謎の少女
- 声 - 甲斐田裕子
- Mission.5に登場する。車が故障してしまった時にミレーヌに出会い、彼女に助けてもらった。その後、お礼だと言って彼女に金貨を渡し、去っていった。その後、ミレーヌは何故か刺客に襲われるようになり、すべて撃破した後に受け取った金貨には発信機が入っていたことがわかる。
- 彼女の正体はボルゾフのアンドロイドであった。コロセウムでミレーヌと対峙。彼女が009-4に貰ったグレーネード弾を喰らい、その本性を剥がされる。ミレーヌの銃攻撃で狂ったのか、持ち主であるボルゾフを射殺し、更に正体を知ったミレーヌも始末しようとしたが、コロセウムにあった照明のコードで電気を流されてショートし完全に破壊された。
- ロキ
- 声 - 森川智之
- Mission.4より何度か登場するイーストブロックの秘密諜報員。主人公とよく似た境遇だそうだが…。なお、ロキという名前も仕事上の偽名の一つにすぎず、本名は最後まで明示されなかったが恐らく…。彼もサイボーグである。
- オーディン
- 声 - 屋良有作
- Mission.4に登場するイーストブロックの秘密諜報員。
- アポロ
- 声 - 伊丸岡篤
- Mission.4に登場するウェストブロックの秘密諜報員。
- フレイア
- 声 - 斎藤千和
- Mission.4に登場するイーストブロックの秘密諜報員。
- マルス
- 声 - 野田圭一
- Mission.4に登場するウェストブロックの秘密諜報員。
- 『サイボーグ009』の002が老いて髭が生えたような容姿。なお、担当声優の野田は1979年版の002を務めている。
- ファントム
- 声 - 銀河万丈
- Mission.4に登場する仮面をかぶった謎の城の主。その正体は…。
スタッフ
- 原作 - 石ノ森章太郎『009ノ1』
- 企画 - 勝股英夫、中山佳久
- 企画監修 - 河野達央
- 監督・キャラクターデザイン・総作画監督 - 紺野直幸
- シリーズ構成 - 大西信介
- サブデザイン - 鈴木藤雄
- 美術監督 - 竹田悠介
- 色彩設計 - 原田幸子
- 撮影監督 - 冨田佳宏
- 編集 - 森田清次
- 音楽 - 岩崎琢
- 音響監督 - 岩浪美和
- スーパーバイザー - 早瀬マサト
- ラインプロデューサー - 菅野雄二
- エグゼクティブプロデューサー - 小野寺章
- プロデューサー - 岩上敦宏、瀧川正靖、宮田人司、吉田雅尋、高野貴志
- アニメーション制作プロデューサー - 田嶋秀樹
- アニメーション制作 - 石森エンタテインメント
- アニメーション制作協力 - 石森プロイズムスタジオ
- 製作協力 - アニプレックス、伊藤忠、XeNN、石森エンタテインメント
- 製作 - Project 009-1、TBS
主題歌
- オープニング「Destiny girl」
- 作詞 - Tommy / 作曲・編曲 - Jun / 唄 - 美奈斗
- エンディング「Theme of 009-1 (Closing Mix)」
- 作曲・編曲 - 岩崎琢
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
Mission. 1 | 潜入者たち Infiltrators | 大西信介 | 紺野直幸 | ||
Mission. 2 | 聖夜 Holy night | 石田真弓 | 紺野直幸 | 江島泰男 | 小林利充 |
Mission. 3 | ハードボイルド Hard-boiled | 小林靖子 | 大森英敏 | 江島泰男 | 鈴木藤雄 |
Mission. 4 | 古城よりの招待状 Invitation from an old castle | 金春智子 | 紺野直幸 | 江時野安二 | 鈴木藤雄 大森英敏 |
Mission. 5 | 黄金の女 Woman of gold | 大西信介 | 吉田徹 | 中澤勇一 | |
Mission. 6 | ポップ POP | 石田真弓 | 大森英敏 | 森義博 | 小林利充 大森英敏 |
Mission. 7 | 港 Port | 金春智子 | 大森英敏 | 神崎ユウジ | 中澤勇一 大森英敏 |
Mission. 8 | 昨日の暦 Calendar of the Past | 小林靖子 | 紺野直幸 | ||
Mission. 9 | 復讐 Revenge | 小林靖子 | 大森英敏 | 神崎ユウジ | 大森英敏 小林利充 |
Mission.10 | 逆爆発 Reverse-explosion | 大西信介 | 吉田徹 | 中澤勇一 | |
Mission.11 | 脱出 Exodus | 大西信介 | 紺野直幸 | 大森英敏 | 鈴木藤雄 |
Mission.12 | 夜明け Daybreak | 大西信介 | 紺野直幸 | ||
Mission.Extra | R&B | 石田真弓 | 大森英敏 | 安田賢司 | 関口雅浩 |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 |
---|---|---|---|
関東広域圏 | TBS | 2006年10月5日 - 12月21日 | 木曜 25時25分 - 25時55分 |
京都府 | KBS京都 | 2006年10月6日 - 12月22日 | 金曜 25時45分 - 26時15分 |
中京広域圏 | 中部日本放送 | 2006年10月13日 - 12月29日 | 金曜 27時10分 - 27時40分 |
日本全域 | BS-i | 2006年10月18日 - 2007年1月18日 | 水曜 26時00分 - 26時30分 |
当作品以降、2007年9月までTBS制作の深夜アニメのうち1枠が同様のネット形態となった(『Venus Versus Virus』『怪物王女』)。
2007年4月からはTOKYO MX、アニマックスで放送された。アニマックスでの放送は16:9放送でテロップ表示が流れるなど、BS-iと同じものとなっている。
パチンコ
- CR009-1
- メーカーは西陣。2009年2月下旬にホールデビュー。
- 「CR009-1 Z」(大当り確率1/398.5・確変突入率80%・大当り出玉約1400個)
- 「CR009-1 F」(大当り確率1/317.7・確変突入率80%・大当り出玉約1100個)
- 「CR009-1 GL」(大当り確率1/99.7・確変突入率80%・大当り出玉約400個)
- の3スペック。バトルスペック仕様。大当たり中と確変中(指令モード)は右打ちとなる。ミレーヌが敵に倒されると指令モードは終了する。
外部リンク
ko:009-1