Dr.STONE 4
Dr.STONEの既刊
名前 | 発売年月 |
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Dr.STONE 1 | 2017-07 |
Dr.STONE 2 | 2017-09 |
Dr.STONE 3 | 2017-12 |
Dr.STONE 4 | 2018-02 |
Dr.STONE 5 | 2018-04 |
Dr.STONE 6 | 2018-07 |
Dr.STONE 7 | 2018-09 |
Dr.STONE 8 | 2018-12 |
Dr.STONE 9 | 2019-02 |
Dr.STONE 10 | 2019-04 |
Dr.STONE 11 | 2019-07 |
Dr.STONE 12 | 2019-09 |
Dr.STONE 14 | 2020-02 |
Dr.STONE 15 | 2020-04 |
Dr.STONE 16 | 2020-07 |
Dr.STONE 17 | 2020-09 |
Dr.STONE 18 | 2020-11 |
Dr.STONE 19 | 2021-01 |
『Dr.STONE』(ドクターストーン)は、原作:稲垣理一郎、作画:Boichiによる漫画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)2017年14号より連載中。Boichiにとっては初の少年漫画となる。話数カウントは「Z=○」。
ストーリー
高校生の大木大樹は、以前より想いを馳せていた小川杠に自分の気持ちを告白しようとしていた。その宣言を聞いた幼馴染の千空から心の籠っていない激励を受け、大樹は遂に杠を学校のクスノキの木の前に呼び出して告白に臨む。ところがその刹那、突如空が眩く発光し、地球上の全人類が一斉に石化するという怪現象に襲われてしまう。
五感を失い身動きが取れない大樹は、「杠への想い」だけを糧に長い年月を耐え続けた末に自由な身体を取り戻すが、目前には樹木が生い茂り、風化した景色が広がっていた。大樹は一足先に石化が解けて目覚めていた千空と再会を果たし、彼からこの世界が自分達の時代からおよそ3700年経過しているという現状、そして人類が消えて滅んだ世界で自力で文明を再建させるという決意を聞かされる。自分達の石化が解けた原因が「石の腐食」であると踏み、2人だけで長い月日を経て漸く石化を解く「ナイタール」を完成させる。早速、完成品を杠に使用としていた矢先、野生のライオンの群れと遭遇してしまった大樹たちは、緊急事態を打開しようと杠に使用する筈だったナイタールを使い、「霊長類最強」と詠われていた獅子王司を復活させる。ライオンの撃退と伴に新たな戦力が加わったことに感激する大樹だったが、実は司は自身の思想に合わない人間を容赦なく排除する危険人物だった。千空から司の本性を聞かされた大樹は急いで杠を復活させ、再会を喜ぶ間もなく3人で逃走を図る。
司に対抗できる力を手に入れるため、一同は千空の提案で火薬の原料である「硫黄」確保に箱根へと向かうが、その動向を推察した司もまた箱根へと追跡に向かう。その後、司と対峙した千空は最期まで彼の強迫を頑なに断り続け、遂に首を折られて殺害されてしまう。だが、千空は完全には死亡していなかった。石化の性質を逆手に利用し、自ら一時的な仮死状態に陥っていたのだ。その意図に気付いた大樹と杠により無事蘇生した千空は、自身の生存を司が知らないことを利用し、大樹たちに司の傘下に付いて監視するよう促し、自身は単独行動で司に対応できる「科学王国」の建設を目論む。
大樹と暫しの別れを告げた千空は、謎の少女コハクと出会い、彼女に案内されて「生きた人間」が暮らす集落の存在を知らされる。しかし、集落の住民のほとんどは警戒心が強く、余所者である千空を村に招こうとはしなかった。千空はコハクと、村の外れで妖術(科学)の研究をしている変わり者クロム、無垢な子どものスイカ、村の番人である金狼・銀狼の兄弟という協力者の力を借り、村人たちを取り入って「科学王国」の人材(マンパワー)にする方法を画策する。そこで猫じゃらしでラーメンを作り村人へ配り、その対価として労働力を提供してもらおうとした。ところが、その現場にて村の近辺に潜み紛れ込んでいた司サイドのメンタリストあさぎりゲンと出会う。しかし千空たちが不調のコハクの姉ルリを助けるためにサルファ剤を作る過程において発電を成功させる姿を見て、ゲンは千空側に寝返るか司側に留まるかで思いを揺らがせる。だが、状況に迷い様子見を行っていたゲンは、村の覇権を得ることを願うマグマ一派に襲われて大怪我を負う。間一髪のところを千空たちに救われたゲンは、今わの際に自身が復活してから渇望しながらも知識がないゆえに果たせず心の内に秘めて諦めていた「ささやかな願い」を口にし、千空は科学の力でそれを必ず叶えることを約束する。その約束を信じたゲンは、司の元に戻り「千空は死んだ」と報告し、その生存を隠した。一方で千空は村人の協力者を増やし、長を決める御前試合の前日に、ついに残る材料となる「酒」を手に入れると完成するところまで来た。もともと長にならないとルリへの薬の投与が実現しないため、御前試合に出る予定ではあったが、優勝すると薬の原料となる酒が手に入ることも知り、仲間の誰かを優勝させて試合を制する事を決意する。だが、そのためには試合におけるマグマ一派との正面からの激突、および同一派が御前試合の喧騒に紛れて繰り出す妨害行為を乗り越えねばならなかった。
登場キャラクター
科学王国(千空サイド)
- 石神 千空(いしがみ せんくう)
- 主人公。広末高等学校科学部部長の男子高校生。口癖は「唆るぜ、これは!」。また修飾語に「100億パーセント○○」という言葉をよく用いる。根っからの科学オタクであり、「科学は地道な探求」という持論を持つ。頭脳明晰で、技術に詳しい。
- 石化している中でも秒数を数えて暦を把握し、大樹よりも数か月前に復活。原始に戻った世界で再び科学をもたらすべく奮闘する。
- 大木 大樹(おおき たいじゅ)
- 千空の友人。典型的な脳筋だか誠実な性格をした男子高校生。杠に想いを寄せている。発言から、両親は亡くなっている様子。
- 千空の復活から数か月後に復活。有り余る体力で千空とのサバイバルに奮闘。
- 小川 杠(おがわ ゆずりは)
- ヒロイン。くだけた性格をした女子高生。口癖は「ワオ」。手芸部に所属していたため、手先が器用。ここぞという時の度胸も据わっている。大樹に想いを寄せられているが、彼の好意に気づいていない模様。
- 千空と大樹によって復活した後、彼らと行動を共にする。
司帝国(司サイド)
- 獅子王 司(ししおう つかさ)
- 千空と大樹に続き3番目に復活した男子高校生。自分の台詞に「うん」と合間を入れる話し方をする。「霊長類最強」の異名の通り、非常に高い戦闘力を持つ。また、石化解除液の正体を看破するなど、賢さも併せ持つ。発言から、妹を亡くしており、過去のトラウマから「大人」を忌み嫌っている。選民思想を持つ危険人物でもあり、独善的な価値観を持つ。
- 復活後、自身の価値観から千空・大樹・杠と敵対。千空を亡き者にしようと執拗に追跡する。
- あさぎりゲン
- 司が復活液を使って復活させたマジシャン兼メンタリスト。「あさぎりゲン」は芸名であり、本名は不明。飄々とした性格。
- 復活後、千空の死を確認する任務を与えられて箱根の村へ訪れるが、ある事件により千空に寝返り、司に嘘の報告をする。
箱根の村の人物
- コハク
- 村に住む少女。村一番の武力を誇る。口癖は「めっぽう〜」。粗暴だが年相当の少女らしさを持ち合わせる。
- 姉であるルリのために温泉を汲みに行った際に千空に出会い、彼の行動に協力するようになる。
- クロム
- 村に住む少年。コハクとルリの友人。いわゆる理数系で、化学の倉庫を所有。口癖は「ヤベー!」「クッソ!」。
- 科学を「妖術」と呼び、村の科学と算術を確立させた。千空と出会い、科学の素晴らしさを学ぶ。ルリに想いを寄せているが、彼女との恋愛は諦めている。
- ルリ
- 村の巫女。コハクの姉。病弱体質の持ち主。『桃太郎』の他、日本ではまず見ないであろう動物や、難しい言葉を知っている。
- 金狼(キンロー)
- 村の門番の少年。生真面目でルール厳格な性格。
- 千空に得物の槍を金メッキを施してもらい、ルール逸脱に悩む。目がボヤボヤ病(近眼)であることを隠していた。
- 銀狼(ギンロー)
- 金狼の弟で、村の門番の少年。フランクだが弱気な性格。
- 金メッキを施された金狼の槍に嫉妬し、その槍が無くなった時はおちょくっていた。硫酸を採取する際に気を失いかけたが、その後千空の言葉で勇気を出し、硫酸の池に落下しそうになったクロムを助けるなど、硫酸の採取に大きく貢献した。
- 村の長
- ルリとコハクの父親。名前は不明。御前試合でルールを破ったコハクを勘当した。
- スイカ
- スイカをヘルメットのように被った小柄な少女。内向的な性格だが、「人の役に立ちたい」という思いが強く、積極的な行動を起こす。ボヤボヤ病(近視)を患っていた。
- 「スイカ」のイントネーションは、稲垣理一郎や担当編集は果物のスイカと同じイントネーションで呼んでいるが、Suica・果物のスイカのイントネーションのどちらで呼んでもよいとしている。
- マグマ
- 目付きも性格も凶暴な男性。下品な笑い方をする。
- 体格が良く、箱根の村で次期長に最も近いとされているが、「問題を解決するために千空たちを迷いもなく殺そうとする」「自分が長になるためにあさぎりげんの暗殺を企てる」など、司とは違うベクトルで危険人物にあたる悪人。また、コハクが勘当されるきっかけを作った張本人でもある。
- マントル
- マグマの腰巾着。口癖は「あい〜」。
- 常にマグマに付き従っているが、マグマに恐怖心を持っている。
- カセキ
- 長い髭を生やした老人。仕事熱心な職人で、千空と同じく技術に詳しい。
- 千空の作ったガラスを加工して、実験道具を作った。
- ルビー、サファイア、ガーネット
- 村の一番の綺麗所である三姉妹。
- ガンエン
- 村で一番の食いしん坊。
- ジャスパー
- 長の側近の一人。やせ形で長身の男性。御前試合で審判を務める。
- ターコイズ
- 長の側近の一人。ジャスパーに比べて低身長だが、真面目で正直。千空をよそ者と呼んでいた。
用語
- 石化現象
- 現代の地球で、突如発生した謎の怪現象。空の激しい発光と共に、地球上にいる人類全てが石化してしまう。石化されると「見る」や「聞く」という五感を失うものの思考は続いているが、定期的に謎の力によって意識を奪われかけてしまう(千空曰く「腹下しみてえなもの」。なお、意識を奪われた人間が後述の方法で石化が解けるとどうなるのかは不明)。また身動きが取れずに無防備になる上、体内細胞までもが脆い石の組織に置き換えられており、ほとんどの人類は制御を失った事故などによる二次災害や、長い年月をかけた天災や風化により事実上死亡してしまった。
- 厳密には石化は作中で確認される限り、人類と小鳥にのみ被害があり、石化の影響を受けなかった動物は人類が消えた数千年で繁殖を続けている。また大樹と杠は石化する日の午前に既に石化していた小鳥を保護しており、実際には事前に石化現象が既に発生していたと推測される。千空は石化の正体について、「宇宙人の侵略説」、「未知のウィルス説」、「人類の科学兵器の自滅説」を考えているが、どれも憶測の域を出ていない。また、前述のように石化されている間は思考を維持しなければならないが、その脳を働かせるカロリーをどのように供給していたのかも解明されていない。
- 石化を解くには、現在千空たちが突き止めた唯一の方法として、「体表面を腐食させる」という外的要因による手段が用いられており、腐食に成功すると表面がひび割れるとともに身体の構造も元の細胞に戻り、自由な身体を取り戻す(復活すると身体のどこかにヒビの跡が付いた名残がある)。ちなみに石の腐食には、「その部位を健全な状態に治癒させる」という副次作用があり、これを利用することで千空は死を偽装した。また、この作用から、千空は石化事態が本当に人類に害を与えるものなのかを疑っている。
- 石の腐食方法については千空は当初、洞窟に生息する蝙蝠の糞尿から採取した硝酸を使って漸く大樹を復活させたが、大樹の機転で調達した葡萄を発酵させることでアルコールを確保。さらに2人で硝酸とアルコールの調合割合を研究した末にナイタールを生産する手段を得た。
- 石神村
- 千空がコハクに案内されて訪れた集落。自給自足の生活を行い、千空の時代と同じ言葉(日本語)を流暢に話す。巫女を崇拝している。
- 司の推測によると、何らかの原因で自分達より早く石化が解けて自由になった人間が何世代にも渡って繁栄してきた子孫。故に彼ら自身には石化の経験が無く、嘗ての文明では常識だった「科学」についても「妖術」と認識している。
- ボヤボヤ病
- 箱根の村で病気とされている、目が良く見えなくなる症状。その実態は単なる近眼である。
- 百物語
- 巫女にとって最も重要な仕事。その内容は「様々な知識がこめられた100本の話を、村に代々欠かさず継いでいく」と言うもの。現在判明しているものは『桃太郎』のみだが、ルリによる説明のシーンの背景には、『兎と亀』やピカチュウらしきキャラクターも登場している。
その他
書誌情報
- 稲垣理一郎(原作)・Boichi(作画) 『Dr.STONE』 集英社〈ジャンプ・コミックス〉、既刊4巻(2018年2月2日現在)
脚注
出典
以下の出典は『集英社BOOK NAVI』(集英社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。
外部リンク
category:稲垣理一郎