おはよう!スパンク 4
おはよう!スパンクの既刊
名前 | 発売年月 |
---|---|
おはよう!スパンク 1 | 1999-03 |
おはよう!スパンク 2 | 1999-03 |
おはよう!スパンク 3 | 1999-04 |
おはよう!スパンク 4 | 1999-04 |
『おはよう! スパンク』は、雪室俊一原作・たかなし♥しずえ作画による日本の漫画、およびそれを原作としたテレビアニメ、アニメ映画。講談社『なかよし』にて、1978年から1982年まで連載され、テレビアニメは1981年から1982年まで放送された。
なお、漫画の連載はいったん終了し、講談社から当時刊行されたKCなかよしの単行本4巻にも「おわり」と記載されていたが、1980年に再開され単行本は7巻まで刊行された。また、1999年には同社から文庫コミックが全4巻で刊行されている。
1981年(昭和56年)度、第5回講談社漫画賞少女部門受賞。
ストーリー
海で父が行方不明になった愛子。母が帽子のデザインの仕事でフランスに渡るため、画家である伯父・藤波の家で暮らすことになる。
引っ越し早々交通事故で飼い犬パピーを失った愛子は、海岸に住みついているへんてこな白い野良犬、スパンクと出会う。自分も飼い主を海で亡くしていたスパンクは、自分なりに愛子を励まそうとする。お節介でドジだが憎めないスパンクに愛子は心を開き、一緒に暮らし始める。
スパンクたち犬や猫はときには人語を解し、二足歩行し簡単な調理までこなすが、意図が愛子たちに伝わらなかったり、必ずしも信じてもらえず、あるいはお節介や勇み足などから小さな騒動を起こす。
原作とアニメ版との相違点
本項では、おもにアニメ版について記述しているが、原作との相違点について簡単に記す。
- 原作ではスパンクの飼い主として森村愛子と深町愛の2人が登場しているが、アニメ版では森村愛子のみである。
- 原作では愛子の恋愛が中心だが、アニメ版ではスパンクや愛子などの日常生活が中心である。
- 原作ではスパンクなどの動物キャラは言葉を話すことはないが、アニメ版では人間に話しかけても通じない独特の言葉を話している。
- 原作では行方不明の愛子の父の消息が物語の途中で判明するが、アニメ版では最終回に判明する。
- 以下の例のように原作とアニメ版とで異なる名前や設定の登場人物が存在する。
- 原作では藤波と愛子は血縁ではない。
- 原作では愛子と科子と亮一は幼馴染み。
- 原作ではせりのは転校生として登場する。
- 原作では綾は誠也の姉ではない。
- 原作ではパピーをトラックではねたのが池上であるのに対し、アニメ版では別人になっている。
- 原作のピッパーが、アニメ版ではトラ吉になっている。
登場人物
以下の登場人物はアニメ版のものであり、原作とは設定や名前が一部異なっている。
- スパンク
- 声 - つかせのりこ
- ブタ犬などと呼ばれながらもけなげに奮闘する。犬だが何故か猫のキャットにベタ惚れ。モデルはオールド・イングリッシュ・シープドッグ。
- 森村愛子
- 声 - 岡本茉利
- スパンクの飼い主。
- お咲さん
- 声 - 京田尚子
- 藤波の家の家政婦。子供の頃の体験から、犬は苦手。
- 藤波
- 声 - 富山敬
- 画家で独身。愛子の母の兄。科子たちに絵を教えている。名前の由来は中日ドラゴンズの藤波行雄から。
- キャット
- 声 - 鶴ひろみ
- せりのの飼い猫。
- トラ吉
- 声 - 松金よね子
- スパンクの悪友である茶色いブチ猫。赤いネクタイをしめている。キャットをめぐっての恋敵。
- 芳村科子
- 声 - 吉田理保子
- 亮一の幼馴染。藤波さんに絵を習っている関係で、愛子と友人になる。友人達からは「科ちゃん」と呼ばれている。
- 篠田亮一
- 声 - 井上和彦
- 科子の幼馴染。藤波さんに絵を習っている関係で、科子同様に愛子と友人になる。
- 美原せりの
- 声 - 松島みのり
- 気を引くために嘘をつくなど、人騒がせなお嬢様。
- 池上玲
- 声 - 水島裕
- 愛子の憧れる男の人。
- 池上類
- 声 - 水島裕
- 玲の従弟。
- 愛子の母
- 声 - 増山江威子
- 先生
- 声 - 西川幾雄
- 塚原誠也
- 声 - 中尾隆聖
- 愛子の高校での同級生。愛子を「ワカメっ毛」と呼び憎まれ口をたたいている。
- 篠田双葉
- 声 - 菅谷政子
- 亮一の妹。口調は乱暴で情報を提供する代わりにおやつを要求するなどちゃっかりしている。
- 警官
- 声 - 千葉繁
番外編
- スパンクのWAOWAO探偵団
- 「おはよう!スパンク はみだし編」のサブタイトルがつけられている。初出は『なかよし』1980年9月号のなかよしオリジナルコミックス(別冊ふろく)。
- 単行本は講談社コミックスなかよしより1981年8月5日に第1刷が刊行。読み切り作品「1月なかば春の色」(なかよしデラックス1979年1月号掲載)が同時収録されている。
ストーリー
スパンクの飼い主である森村愛子が夏休みにパリに行っている間、小杉庸子という少女が代わりにスパンクの飼い主になる。その後、スパンクは誘拐事件に巻きこまれてしまう……という話。これ以降愛子は原作にはしばらく登場しないが、物語の終盤になって再登場している。
アニメ
1981年3月7日から1982年5月29日にかけて、毎週土曜日19:00 - 19:30に、朝日放送(ABC) ・テレビ朝日系列(ただし一部クロスネット局を除く)で、全63話放送された。また、系列外局でも遅れネットで放送した局もある。視聴率は高く裏番組の『まんが日本昔ばなし』(放送日時を差し替えていたテレビ高知を除くTBS系列および当時TBS系列・フジテレビ系列のクロスネット局だった福島テレビ)を上回ったこともあり、放送期間が延長されたが、その一方で、メイン商品のスパンクのぬいぐるみの売れ行き低迷に悩まされた。山崎敬之・著「テレビアニメ魂」より。ただし、関連商品自体は売れていたという話もある(「SmaSTATION」2009年2月28日、『みんながハマった女の子向けアニメベストセレクション20』より)。
スタッフ
- プロデューサー:村沢禎彦(朝日放送)、荻野宏(旭通信社)、仙石鎮彦(東京ムービー新社)
- 原作:たかなし♥しずえ、雪室俊一
- 作画監督:香西隆男
- 美術監督:龍池昇
- 録音監督:山田悦司
- 撮影監督:宮内征雄
- 音楽:馬飼野康二、上野哲生
- 選曲:東上別符精
- 制作担当:向坪利次
- 文芸担当:山崎敬之
- チーフディレクター:吉田しげつぐ
- 脚本:金子裕、篠崎好、桜井正明、朝倉千筆、吉田明史
- 絵コンテ・演出:吉田しげつぐ、三家本泰美、井内秀治、河島三郎、石崎すすむ、出崎哲、奥脇雅晴、はしもとなおと、山口秀憲、西牧ひでお、山吉康夫、高田速人、阿野誠人、内田有紀彦、寺田憲史、石原康三、小和田良博
- 原画:端名貴勇、荒牧園美、今沢恵子、平田かおる、小和田良博、川筋豊、中島ゆう子、緒方泰彦、ましろ純、他
- 動画:家野尚代、古川みや子、小松良江、岩井美登理、宮脇貴子、伊藤ひろ子、吉沢政江、子椋真由美、宮田輝子、新屋真智子、小玉秀子、さかいまゆみ、小野島二美子、寺田雅俊、他
- 仕上:山名公枝、長尾美代子、中峯みどり、斎藤圭子、大野嘉代子、小泉純子、三浦誠、竹内延之、小野裕子、他
- 背景:張本元、臼田純子、長坂真也、中村美子、曽我元、横山幸博、樋口尚子、白華幸子、菅原聖二、熊谷貞子、小高正夫、塀内夏子、他
- 撮影:スタジオコスモス、高橋プロダクション
- 編集:掛須秀一
- 演出助手:奥脇雅晴
- 制作進行:森田清之、斉藤俊哉、森田和芳、他
- 録音:東北新社
- 効果:倉橋静男
- 録音技術:小野敦志
- タイトル:高具アトリエ
- 現像所:東京現像所
- 企画製作:朝日放送、旭通信社、東京ムービー新社
※いずれも各社公式のロゴではなく、丸ゴシック体での表記だった。
主題歌
- OP『おはよう! スパンク』(作詞:荒木とよひさ 作曲・編曲:馬飼野康二 歌:井上望)
- 前期ED(28話まで)『ダ行のスパンク』(作詞:倉久兼人、荒木とよひさ 作曲・編曲:馬飼野康二 歌:つかせのりこ)
- 後期ED(29話から)『スパンクの百面相』(作詞:立原澪 作曲:藤山節雄 編曲:馬飼野康二 歌:つかせのりこ)
- 挿入歌
- 『愛子のテーマ 心の扉を誰かがたたく』(作詞:荒木とよひさ 作曲・編曲:馬飼野康二 歌:井上望)
- 『赤いネコタイ トラ吉さん』(作詞:東京ムービー、荒木とよひさ 作曲・編曲:馬飼野康二 歌:松金よね子)
- 『猫に恋したヘンな犬』(作詞:東京ムービー、荒木とよひさ 作曲・編曲:馬飼野康二 歌:つかせのりこ、鶴ひろみ)
- アレンジ
- 『おはようスパンク』(作詞:荒木とよひさ 作曲:馬飼野康二 編曲:中田雅敏 歌:皆口裕子)
- ※CD とうきょうデンキKIRAKIRA合唱団「THE TV SHOW」(1995年 TDK)に収録。
- 『おはようスパンク』(作詞:荒木とよひさ 作曲:馬飼野康二 編曲:中田雅敏 歌:皆口裕子)
LPレコード
1981年、ビクター音楽産業から発売。副題は「歌と詩集(ポエム)」
A面は歌が6曲、B面は愛子の詩集(ポエム)として岡本茉利のナレーションにBGM(本編中のBGMかどうか不明)が収録された。
A面
- OP おはよう! スパンク
- 愛子のテーマ 心の扉を誰かがたたく
- 猫に恋したヘンな犬
- 赤いネコタイ トラ吉さん
- ED(後期) スパンクの百面相
- ED(前期) ダ行のスパンク
B面
- 朝の砂浜(作詞:立原澪 作曲・編曲:上野哲生)
- ヨットハーバーの風(作詞:立原澪 作曲・編曲:上野哲生)
- 海と愛子とスパンク(作曲:馬飼野康二、上野哲生 編曲:上野哲生)
- 荒れた海(作曲:上野哲生)
- 悲しみの海(作詞:立原澪 作曲・編曲:上野哲生)
- 夕暮れの砂浜(作詞:立原澪 作曲・編曲:上野哲生)
放映リスト
- ついに上陸!! 珍犬センプウ
- またまた来ましたワン
- ワンダフル珍入生
- まさか恋? んなバカな!
- ニャンと決闘だワン!
- 愛ちゃんの初恋?
- 愛ちゃんのためならワンパターン
- 海が吠えてる! 心配だワン
- ギャワーン! ヨットが燃えちゃウー
- ボクだって ちゃんとできるよ電話番
- 恋に破れてバーベキュー
- さようなら 高原の思い出
- さっそう! ボクは警察犬
- ウフフ… 私は誰でしょう?
- ポロッ 愛ちゃんがパリへ
- かわいいともだち バロン
- あいつの秘密
- ワンとなくクリスタル
- ボクは名探偵
- ジャックとまめな犬
- 勝っても負けても 夏休み
- お咲さんの一番長い日
- 愛ちゃんのアルバイト
- 愛ちゃんのパパ
- 夏が行っちゃう!さびしいワン
- エヘン!ボクは天才画家
- 恐怖の模擬テスト
- モデルはコリゴリ 座敷ブタ
- ボクは二枚目 大スター
- ワォ! おじ様に青い目の恋人?
- 無人島!冒険・探検・大嵐
- カゼなんか ひいちゃいられない
- おめでとう! 科ちゃん入賞
- エーッ! お咲さんにラブレター
- バァ!コンニチワ 犬ぎらい先生
- K・O! 赤ちゃんパワー(ふりがな:K=ノック、O=アウト)
- ボクにまかせて!ツッパリ君
- こっちを向いて!美犬ギャル
- ラブミー!ファンファン
- 声のお便りラジカセ大騒動
- やっぱりサンタはやって来た!
- さよならはショッパイ涙
- オモチも夢もふくらんだ
- すべってころんで銀世界
- エーッ!せりのちゃんユーカイ事件
- ボクが作ったワンバーグ
- ニャニ?スパンク警察犬!
- わんダーランドのスパンク
- ニャンともワンとも大失敗
- 空とぶスーパードッグ
- ンちゃ! たれ耳ブタンク
- スパンクのまぶたの母
- 父兄懇談会はママと一緒に
- アイ・ラブ! ひよこちゃん
- トラ吉のおっ母ニャン
- 遊園地のわんパターン!
- モーレツ メン鳥登場
- 真犯人はメガネザル
- かわいい!? サルまねザル
- あばよ! ブタ犬、ワカメッ毛
- ニャンと! スパンクの心の旅路
- あこがれはフランスパンに乗って
- さよならスパンクまた来てニャン!
ネット局
同時ネット局
朝日放送-北海道テレビ放送-東日本放送-福島放送(1981年10月~)-テレビ朝日-静岡けんみんテレビ(現・静岡朝日テレビ)-名古屋テレビ放送-広島ホームテレビ-瀬戸内海放送-九州朝日放送
遅れネット局
青森テレビ(TBS系列)□、テレビ岩手(日本テレビ系列)、秋田テレビ(フジテレビ系列)※、山形テレビ(フジテレビ系列)△□、新潟総合テレビ(フジテレビ系列)※、信越放送(TBS系列)□、山梨放送(日本テレビ系列)、富山テレビ放送(フジテレビ系列)、石川テレビ放送(フジテレビ系列)、福井放送(日本テレビ系列)★、日本海テレビ(日本テレビ系列)※、四国放送(日本テレビ系列)、テレビ愛媛(フジテレビ系列)、高知放送(日本テレビ系列)、長崎放送(TBS系列)、テレビ熊本(フジテレビ系列)※、テレビ大分(日本テレビ系列・フジテレビ系列とのクロスネット局)※、南日本放送(TBS系列)□、琉球放送(TBS系列)
※放送期間中テレビ朝日系列とのクロスネット局であった局
△=現在はテレビ朝日系列フルネット局。
★=現在はテレビ朝日系列とのクロスネット局
□=テレビ朝日系列局がフジテレビ系列または日本テレビ系列とのクロスネットのため編成から外れ、系列外で放送した局。
映画版
- おはよう!スパンク 1982年3月13日公開
- 主題歌
- 挿入歌「ワンダー・フルフル」(作詞:荒木とよひさ 作曲:馬飼野康二 編曲:馬飼野康二 歌:井上望)
- ED「哀しみよこんにちは」(作詞:荒木とよひさ 作曲:馬飼野康二 編曲:馬飼野康二 歌:井上望)
ビデオ・DVD・Blu-ray版
2010年現在、TVシリーズのビデオ・DVD・Blu-rayは全く発売されていない。映画版は2007年3月24日にエスピーオーからDVDが発売されている。
日本国外版
アニメは日本から輸出され、日本国外でも放映された。イタリア語版などは Spank という名前をそのまま用いているが、フランスではチプーヌ (Tipoune) (第3話の名詞を差し出す場面でチプーヌ・スパンクと書かれている。愛子の名はクレール森村)、ドイツではクルト (Kurt) など、各国の犬の名前になっている。以下は各国でのタイトルである。
- Hello! Spank (イタリア)
- Les Aventures de Claire et Tipoune (フランス)
- Hallo Kurt! (ドイツ)
脚注
外部リンク
ar:سبانك